ポジション(サッカー)

登録日:2024/10/19 Sat 21:40:33
更新日:2025/04/28 Mon 00:08:10
所要時間:約 40 分で読めます




サッカーにおけるポジションとはフィールド上におけるプレイヤーの立ち位置とそこから与えられる戦術上の役割を指す用語。

前提として、サッカーにおけるポジションの概念は厳密に定まったものではなく、時代や場所や人によって認識はまちまちな部分がある
当記事は現代日本での認識をベースに、アニヲタWikiという場相応に専門性をできる限り噛み砕いてお伝えしたい。

概要

サッカーのポジションは大まかに分けてゴールキーパー、ディフェンダー、ミッドフィールダー、フォワードの4つがある。
これに関してはサッカーという競技がちゃんと形になってきて以来概ね不変である。もちろん日本および英語圏以外では言葉が変わるが、単に翻訳されただけと思っていい。
ゴールキーパー以外の選手はフィールドプレーヤーと総称される。

フィールドプレーヤーの各ポジションでは、主にそのポジションの中での前・後・内・外によって細かく分類される
一例として、攻撃的MFと守備的MF、センターバックとサイドバックなど。
そうした10人のポジションの組み合わせによって様々なフォーメーションが形作られる。
フォーメーションの話はここでは省かせていただくが、とりあえず「『4-5-1』なら4がディフェンダー、5がミッドフィールダー、1がフォワードの人数」ということだけ補足しておく。

現代に繋がるポジション概念が確立して長らく、フォーメーションに基づいたポジションは絶対と見做され、その名の通りディフェンダーは守備を固め、フォワードは前線で攻撃を任された。
しかし、10年代頃になると戦術面が煮詰まっていった結果、端的に言うと全員攻撃・全員守備*1的な価値観が主流化。
フォワードはボールを奪われれば守備に走り、ディフェンダーや果てはゴールキーパーでさえボールを持てば攻撃の第一歩として重要なタスク(任務)を背負うようになり、さらには「サイドを頻繁に離れるサイドバック」のような、ポジション(位置)の原則を無視したロール(役割)が姿を現す。
こうした傾向により、総じてポジションごとの境目が曖昧になっているところがあるのが2020年代現在のサッカーである。


以降は各ポジションについて解説するが、そうした「現代では~」という話が繰り返しになるのは仕様ということでご了承ください。


ゴールキーパー(GK)

サッカーを知らない人には最もよく知られているポジションであろう、ペナルティエリア内に限り手を使うことを許された唯一の存在、ゴールを守る最後の砦。
実際、サッカーにおいて唯一「ルールで定義されている」特別なポジションであり、GKは常に1人試合に出場していなければならない、他の選手と区別できるユニフォームを着なければならない、などが定められている。
逆に言えば他のポジションはあくまで戦術という観点から生まれたものにすぎない。
「キーパー」と略されることも多い。だからって「KP」と表記はしないことには注意。乾杯ではない。近年のネット上では某CoCの影響なのか一般オタク層から「KP」と書かれやすくなった感も。

ディフェンダー(DF)

Defender。その名の通りディフェンドする……とは通常言わないので、ディフェンスする人と言うべきか。
GKの前、フィールドプレーヤーでは最後列に位置する。
個別の名称は総じて「◯◯バック」であり、フォーメーション上のDFの人数は「◯バック」と呼ばれ、「DFたち」を「バックス」と呼ぶことも多い。

ミッドフィールダー(MF)

Midfielder。フィールドのミッド(ミドル)、すなわち中盤と呼ばれるポジション。
日本人の言語感覚上「ミッドフィルダー」と短縮で読まれがちだが、Fieldをフィルドって読むんか?というところがツッコミどころ。
もっとも、これはニワカ的な呼び方というわけではなく、本職のサッカー関係者でもフィルダー読みしていることが多いためさほど気にしなくてもよい。

中間的な立ち位置であり、また歴史を遡るとDFの「フルバック」に対してMFは「ハーフバック」であったことから、後述する「◯◯(日本語or英語)ミッドフィールダー」は「◯◯(英語)ハーフ」と呼ばれることも多い。

フォワード(FW)

Forward。「前衛」という名前の通り、敵陣に近い側でプレーし、得点を狙う選手。
「トップ」とも別称され、フォーメーション上のFWの人数は「◯トップ」と呼ばれる(英語圏では少し異なり「◯ up top」となる)。

前述・後述するように、FWは攻撃的なMFとの区別が全ポジションの中でも特に曖昧になっているところがあり、本職がそのあたりの選手を表記上どちらに分類するかは割と個人の匙加減次第になっていたりもする。



追記・修正は頻繁にポジションチェンジしてオーバーラップして偽アニヲタ化して非保持局面にも貢献しながらお願いします。

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最終更新:2025年04月28日 00:08

*1 ヨハン・クライフらの70年代オランダ代表を指す「トータルフットボール」の理念に近く、それを現代化したものと言える。

*2 ピッチの中間に引かれた自陣敵陣を分かつライン。

*3 味方プレイヤーが(後方の)キーパーにパスすること。

*4 「足で蹴った」かつ「明らかな味方(キーパー)へのパス」が制限対象になる。それ以外の、例えばヘディングで返したり、足でブロックして跳ね返ったボール等は手を使っても許容される。どちらか微妙な場合も基本許されるので緩めのルール。

*5 ゴールキックやキャッチ後のパントキックはルール上妨害不可能だし、そうでなくとも基本最後方にいるので難しい。

*6 ちなみに、そういったボールを受け取った選手がそのままゴールを決めた場合、当然その得点はGKのアシストとして記録される。有名なところだとマンチェスター・シティのGK、エデルソンがこれでリーグ戦通算4アシストを記録している。

*7 彼はプロキャリアでFWとしても何度も出場しており、前述の「専門職」としての話においても例外。

*8 ちなみに彼も作画上クソデカに見えるものの設定上は身長190cm台。

*9 完全に新たな戦術というわけではなく、例えば90年代の「クライフバルサ」も似たような動きを取り入れていた。

*10 表示上は縦に3列いることがあるが、基本的にそのうち1列はサイドMF・WBなので、実質2列に等しい。

*11 自陣のペナルティエリア(四角形なので「ペナルティボックス」とも表現される)から敵陣PAまでカバーする、という意味合い。

*12 クラブチームなら素直にCFを補強することもできるため、補強という概念が帰化・国籍変更くらいしかない代表チームで行われやすい戦略となる。

*13 過去には更にCFとWGの中間としてLF/RFまでポジション適性を分けていた作品もある。

*14 サッカーのフィールドの幅はプロレベルでも厳正な規定をしておらず、ワールドカップでもないと完全には固定されない。

*15 斜め前方方向に適したキックなので、敵陣奥に入って自分より後ろの方向に上げる必要がある場合はこの選択肢は難しい。

*16 ロナウドは普通のCFをやっている時期も長かったり、メッシは偽9番や10番、司令塔型WGを一通りこなすなど、双方とも中央でも活躍できるだけの能力があった。