宇髄天元

登録日:2017/11/22 Wed 02:25:00
更新日:2025/08/25 Mon 19:30:53
所要時間約 10 分でド派手に読めるぜ!






いいか?俺は神だ!お前らは塵だ!

まず最初はそれをしっかりと頭に叩き込め!!ねじ込め!!

俺が犬になれと言ったら犬になり猿になれと言ったら猿になれ!!猫背で揉み手をしながら俺の機嫌を常に伺い全身全霊でへつらう(・・・・)のだ!

そしてもう一度言う

俺は神だ!!






宇髄(うずい)天元(てんげん)とは漫画『鬼滅の刃』の登場人物の一人である。
CV:小西克幸


◆目次

◆プロフィール

誕生日―10月31日(さそり座・ハロウィン)
年齢―23歳
身長―198cm
体重―95kg
出身地―不明*1
趣味―嫁と温泉巡り、秘湯探し
好きなもの―ふぐ刺し


◆概要

の称号を持つ9人の鬼殺隊最高位隊士の一人「音柱」

曲者揃いな鬼殺隊にあってなお特異な経歴を引っ提げて入隊した宇髄は、表向き(それすら裏だが)は江戸の頃には絶えたとされるの末裔
ただし、ある理由から既に忍を抜けており、「元忍にして現・鬼殺隊の柱」という肩書きとなる。そのため戦闘能力だけでなく、隠密行動や情報収集といった技能に長けている。
さらに現役の柱の中では唯一の既婚者で、しかも3人の巨乳美人なくノ一を部下兼妻として迎えている甲斐性持ちでもある。


◆外見

二刀を背負った筋骨隆々の大男。
頭にはサラシを巻き、顔面は左眼にペイント、ピアス宝石で飾られた額当て等、とにかく派手に装飾されている。
また、髪色は銀色に複数の色が散った虹色、爪も複数の色で塗り分けられているといった徹底ぶりの伊達男でもある。
大正時代の人間としては体格といい外見といい確実に浮きまくり……だが、化粧を落とし装飾を外した素顔は正統派の美青年
とはいえ本人としては「地味だから」と不本意らしいが、敵愾心全開だった我妻善逸さえ認めるくらいには美丈夫なのだった。


◆性格

一人称は「俺」。
二人称は妻達のことは下の名前の呼び捨て、産屋敷耀哉には「貴方」。それ以外の大抵の相手のことは苗字または名前の呼び捨てか「お前」「テメェ」など。

変わった人の多い柱の中でもとりわけ目立つ存在。柱には過激だったりコミュケーションに難のあったりする者たちも少なからずいるが、宇髄は(これでも)かなりとっつきやすい部類といえる。

まず、「ド派手に行くぜ!」というどこぞの宇宙海賊みたいな口癖からも分かるように、物事の尺度を派手や地味で語り、派手そうな事柄があると少年のように目を輝かせる。隠密行動には不向きにしか思えない過剰な装飾品も派手好きだからということだろう。忍なのに。
また自らを「派手を司る祭の神」と称するあたりは残念センスだが、それを受けて「俺は山の王だ」と口にした嘴平伊之助には「気持ち悪い奴だな…」とドン引きな態度を示すなど色々面倒臭い。

ただし、根は面倒見が良く、竈門炭治郎たちとも上記のやりとりや強烈な腹パンを通してすぐに打ち解けた。……善逸は嫉妬に燃えていたが。
なお鬼である竈門禰󠄀豆子に対しては、(自身や自身の家族がに襲われた経験が無いためか)だいぶ穏健な方で、人を襲わないことが証明されてからは特に敵視はしていない。

また、かなりの愛妻家でもあり、自分の命より名も知らぬ一般人や妻3人の命の方が大事だと大真面目に、しかしサラッと語れるいい男。
命の順序は「妻>堅気の人間>俺」だと「派手に」決めており、妻にも任務より自身の命を大切にするよう言い聞かせている。
そんな宇髄のことを彼女たちも愛しており、夫婦間だけでなく妻同士共に関係は非常に良好。
なお、妻が3人いること自体は宇髄が浮気性だからとかではなく、宇随家の「十五歳になったら3人の女性を妻に持つ」という掟によるもの。「妻は一族の長が相性を考慮して選ぶ」らしいが、後述する過去そして仲の良さからして、経緯など切っ掛けに過ぎないのだろう。

加えて、豪快で気さくな兄貴分といった性格だが、この手のキャラには珍しく傲慢ではなく、自身の実力を過信せず比較的謙虚に振る舞っているのも特徴。
「この広い国には俺より凄ェ奴がうようよしている」と嘯くのは柱の中にあっても同じで、特に炎柱・煉獄杏寿郎や岩柱・悲鳴嶼行冥、更には自身より年少の霞柱・時透無一郎も格上の存在として捉えている様子。
案外、普段の傲岸不遜な物言いも自分自身に自信を付け、奮い立たせるためのものなのかもしれない。

面倒見が良い、話が通じる、意外と謙虚など、 良い意味で、当初のイメージが大きく覆ったキャラ と言える。
忍びらしさと忍らしくなさという、ある種矛盾を抱えた男だが……。



◆妻たち

3人ともくノ一で、宇髄が忍だった頃からの付き合い。夫のことは共通して「天元様」と呼ぶ。

容姿も性格もバラバラで、時たまアレコレを繰り広げることこそあるがドロドロの愛憎劇などではなくコントのようなてんやわんやで、基本的には姉妹のように仲が良い。
なお3人とも美しさに自信ネキな堕姫さえも美しいと評するほどの美女で、おまけに例外なくスタイル抜群な巨乳という点は同じ

みな鬼殺の剣士ではないものの、経歴や柱の妻であるゆえに一般人よりは鬼のことや彼らとの戦いで取るべき動きを理解している分、かつての経験を活かして潜入工作や情報収集に避難誘導などに従事し宇髄や鬼殺隊士らをサポートしてくれている。
とりわけ、他の協力者である刀鍛冶たちや蝶屋敷に仕える少女たち、藤の花の家紋の家の者が戦闘の前後を支えるのに対し、妻達は直接戦闘にも関われるという点では一線を画していると言える。

まきを


あたしたちも加勢するから頑張りな猪頭!

CV:石上静香
妻その1。20歳。一人称は「あたし」。
宇髄の親戚。前髪だけ色の違う短めのポニーテールが特徴的。

気の強い姉御肌で勝気な口調で話し、特にヘタレ気味な須磨に喝を入れる姿を見せる。
身体能力がずば抜けている……が、短気な気質が災いして任務に失敗することもあるらしい。

雛鶴(ひなつる)


やはりどこかできちんとけじめをつけなければ恥ずかしくて陽の下を生きていけない
その時四人が揃っていなくても恨みっこなしです

CV:種﨑敦美
妻その2。21歳。
忍の里では宇髄家に次ぐ序列の家の出身。
髪をオールバックのポニーテールにしていて、3人の最年長ゆえか穏やかで落ち着きのある雰囲気が特徴。よく張り合っているまきをと須磨を嗜めるなど、ストッパー兼まとめ役を担うことが多い。

実は忍だった時代に人の命を奪ったことがありそのことを悔いていて、罪滅ぼしも兼ねて上弦の鬼を討伐した後は一線を退いて穏やかに生きようと宇髄に提案している。
とは言ってもくノ一らしく度胸もあり、上弦の鬼を相手にしても臆さず宇髄の援護に回れるだけの胆力を持つ。
ファンブックによれば諜報能力、戦闘能力のバランスに非常に優れているとのこと。

須磨(すま)


ほんと気持ち悪いですほんとその通りです!天元様に言いつけてやります

CV:東山奈央
宇髄の妻その3。19歳。最年少。
ウェーブのかかった長髪が特徴。

元は須磨の妹が宇髄の妻になる予定だった……が、「自分が行きたい」と大泣きした挙句襖を突き破る実力行使で彼に嫁いだ行動力の持ち主。
天真爛漫だが泣き虫かつヘタレ気味。また自身を「味噌っかす」と自虐し善逸にも負けず劣らずの泣き言やネガティブな発言が目立つが、必死に避難誘導をする辺り単なる泣き虫などではない。
というか、遊郭に潜入していた時は須磨「花魁」を名乗る……つまり遊女の最高位に上り詰めている以上、他2人の潜入能力は不明だが、少なくともくノ一としては(恐らく「色」の方面も含め)一流の能力を持つことは想像に難くない。

なおファンブックの情報によると、男性女性どちらも好きという両性愛者らしい*2


◆戦闘能力

柱の中でも2番目に位置する怪力に加えて、元忍らしい俊敏さと高い洞察力を併せ持ち、一般人はおろか炭治郎たちのような隊士ですら話しかけられるまで接近に気づけない程に気配を希薄にできる。
また某暗殺一家がごとく身体にはへの耐性も付けているが、あまりに強いそれに対しては完全な無効化はできない。
加えて善逸と同じような超人的な聴力と絶対音感も併せ持ち、彼ほどの精度は無いにしろ聴覚のみで周囲の状況を把握することすらも可能。

武器はヌンチャクのように鎖で持ち手の先端同士を繋いだ大振りの2本の日輪刀。刀身の色はド派手に金色。
単純な二刀流で戦うこともできるが、片方の刀を振り回して高速で回転させたり、斬撃を放つ瞬間に片方の刃の先端を指で掴むことで刃の間合いを伸ばして離れた相手を攻撃したりするトリッキーな剣術を駆使する。
また、剣術だけでなく下記にある様に特製の火薬玉を併用していることが特徴。


譜面

絶対音感による超人的な聴力で相手の攻撃動作の律動を読み、脳内で音に変換する宇髄独自の戦闘計算式。
これにより相手の癖や死角を読み取ることが可能になり、唄に合いの手を入れるが如く音の隙間を攻撃すれば打撃を与えられるようになる。
譜面の完成には時間をかけた分析が必要になるものの、以降は格段に有利な戦闘が展開できる。


装備など

  • ムキムキねずみ
CV:木村昴
化け物以外の何者でもない外見をしたの忍獣。
使役者である宇髄と同じ額当てを身に着けており、ボディビルダーの如き肉体を持ち二足歩行するばかりか人語も解する高度な知能と、1匹で日輪刀を運搬できる筋力を持つトンデモアニマル。
また宇髄の命令は言うまでもないが、他の隊員からのそれも忠実に遂行できるいい意味での柔軟性も兼ね備える。

アニメ版のおまけコーナー・大正コソコソ噂話によると、根性のある鼠だけを集めて鍛えただけでなく、自らの肉体美に惚れ惚れするナルシストな一面も持っているらしい。宇髄は「影の鬼殺隊といってもいいだろう」と自負している。

因みにアニメ版では「ムキッ」「ムキッ」言わせるためだけに大物声優が起用されたが、そもそもこれは大半の読者及び視聴者が擬音だと思っていたため声優が充てられること自体を予想した人が少なかった模様。このアニメは毎度声優の使い所がどうかしている(褒め言葉)。

  • 火薬玉
独自の武装。剣の刃が触れると、刃との僅かな振動と摩擦熱によって起爆する仕組み。
上弦の鬼の体を焦がすほどの威力があり、フェイントや牽制のため、更には音の呼吸の斬撃と同時に炸裂させるなどよく多用される。
当然これだけで鬼を滅することはできないが、中距離への範囲攻撃を有しているので戦いの幅を大きく広げている。
もちろん間違って暴発すれば即爆死なので取扱いには要注意。

  • 毒苦無
一度に何本も発射できる連弩のような大掛かりな装備を雛鶴に持たせており、状況の打開に大いに役立った。
やはり薬学に精通した胡蝶しのぶ特製であろうその毒は、十二鬼月の下弦の鬼にも通用したという。そして上弦の鬼には……!?


◆流派

音の呼吸は雷から派生した呼吸である。
斬撃を打ち込むごとに爆発が発生するが、前述の通り火薬玉を併用するため、演出ではなく実際に起こっている。
全体的に体術と剣術を複合させた技構成で、走力や瞬発力が重要となる流派。
爆発を伴う攻撃も多いことから「的確に状況を判断できる観察眼」と「技巧の精密さ」も求められるテクニカルな一面も持つ。



◆活躍

初登場は鬼殺隊本部にて竈門炭治郎・禰豆子の処分に関する柱合裁判で、他の柱たちと共に姿を見せた。
竈門兄妹の処遇を巡り即刻処刑と言い放った煉獄に賛成しつつも、炭治郎の弁明に対しては「それならその鬼が人を喰っていないこと、これからも喰わないことを口先だけじゃなく証明しろ」と中立寄りの意見を出している*3

その後、鎹鴉から煉獄の訃報を受けた際には「煉獄ですら上弦の鬼には勝てないのか」と、彼を高く評価していたことを思わせる反応を見せた*4

そして次のエピソード(アニメ2期『遊郭編』)ではキーパーソンを務める。
煉獄の戦死から4か月が過ぎようとしていた頃、突然蝶屋敷に現れ、この屋敷に仕える神崎アオイと寺内なほを攫おうとしていた。というか既に腕と肩に件の二人を抱え、悠々と屋敷を出ようとしていたところだった。
そこを栗花落カナヲと、任務を終えて偶然屋敷に戻ろうとしていた炭治郎が阻止しようとしたためいっときは事なきを得るが、「俺は女の隊員が必要だからこいつらを連れていく。継子じゃない奴は胡蝶の許可を取る必要もない」という隊律に則ってこそいる(が家主が聞いたらキレそうな)道理で依然として宇髄は譲らない*5
だが炭治郎に加えて善逸と伊之助が首を突っ込んで来たことで少し考え、アオイの代わりにかまぼこ隊を任務に同行させることに決めた。

さて、宇髄が取り組んでいたのは、吉原の遊郭に巣食うと思われる鬼の探索である。
自分が客として通って探りを入れても手応えがなかったため、くノ一である3人の妻を潜入させていたが、彼女らの定期連絡が途絶えたため、遊女として事件及び妻の安否の調査ができる女の隊員を調達しようとしていたのだ。
ということで炭治郎たちは宇髄の手であまりにも不細工な女装を施され、当たりがついていた3軒の店に売られてゆくのだった……。
そんな不細工ども(伊之助はともかく)を思惑通りに売り込めたのは宇髄の顔とトークが要因の9割強であることは言うまでもない*6

しかし、調査開始からしばらく経って京極屋に潜入していた善逸からの定期連絡が途絶え、消息がわからなくなってしまう。
宇髄はこれを「自身の判断ミスが原因」とし、炭治郎・伊之助に対して「任務の打ち切り」と「花街からの脱出」を命じる。

その後、宇髄は京極屋の旦那から蕨姫花魁と雛鶴の情報を聞き出すと、切見世*7から衰弱した彼女を回収した後、蕨姫花魁=堕姫の討伐に向かう。
地下空洞での伊之助と堕姫の分身体・蚯蚓帯の戦闘を聞きつけると、音の呼吸の斬撃、というか爆撃により地上から地下空洞までの風穴を開け参戦、目にも留まらぬ斬撃により蚯蚓帯を瞬殺する。
その後、地下空洞に囚われていた須磨とまきを、大勢の遊女達の無事を確認すると、散り散りになりながらも堕姫の元へ逃げた蚯蚓帯を追跡し始めた。
なお、この際に3人の嫁達を気遣い労う様子は非常にイケメン。そりゃモテるよね。

そして、禰豆子の暴走を必死に食い止める炭治郎の前に音も無く現れると、同時に堕姫に気づかれることなく彼女の頸を切断する
炭治郎が命を省みずヒノカミ神楽を使用し、禰豆子が鬼化を急速に進めることでやっと追い詰めた相手を瞬殺するという柱としての実力を見せつける形となった。

こうして吉原に巣食っていた鬼を宇髄が無事討伐し、任務完了……かと思われたが、日輪刀で頸を切断されたにも(かかわ)らず身体が崩壊せず、大粒の涙を流して泣きじゃくり誰かを呼ぶ堕姫の様子に疑念を抱く宇髄。

すると次の瞬間、堕姫の呼びかけに応じるようにもう一体の鬼が彼女の身体から出現!
宇髄は即座に攻撃を仕掛けるが、堕姫をあやす鬼にこともなく躱され、逆に傷を負わされてしまう。


へぇ やるなぁあ 攻撃止めたなぁあ

殺す気で斬ったけどなあ いいなあお前 いいなあ

こうして真の上弦の陸とも言うべき妓夫太郎・堕姫兄妹との死闘の幕が上がる……!

初撃こそカウンターを喰らったものの、周りの人間を逃がしつつ妓夫太郎の血鬼術・飛び血鎌を捌いて反撃する宇髄。
妓夫太郎は「今まで殺した柱たちと違う 選ばれた才能だなぁ」と妬みをぶつけるが、宇髄はこれを一笑に付す。


才能? ハッ

俺に才能なんてもんがあるように見えるか?
俺程度でそう見えるならテメェの人生幸せだな

俺が選ばれてる?ふざけんじゃねぇ
俺の手の平から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ

(そう 俺は煉獄のようにはできねぇ)

そんな宇髄に妓夫太郎は「だったらお前がまだ死んでない理由は何だ?俺の“血鎌”は猛毒があるのに」と憤るが、「俺は忍の家系なんだよ 耐性つけてるから毒は効かねぇ」と切り捨てる。

しかし、いかに毒耐性が強い元忍でも上弦の鬼の猛毒を完全に無効化することはできず、血鎌の毒は宇髄の体を確実に蝕んでいた
それに気づいた妓夫太郎は勝ち誇ったように凄惨な笑みを浮かべるが、宇髄はなおも強気の姿勢を崩さず、二刀流を活かした変則的な剣術と火薬玉を駆使し、上弦兄妹と互角の戦闘を繰り広げる。

やがて、兄妹の頸を同時に狙う宇髄が自分達の不死のカラクリを見抜いていることに勘付く妓夫太郎。
そこへ地下空洞から追いついた善逸と伊之助、そして禰豆子を安全な場所に退避させた炭治郎が参戦、吉原に潜入した鬼殺隊の剣士が戦場に集結する。


勝つぜ 俺たち鬼殺隊は

下っ端が何人来ようが勝機は生まれない、頼みの綱の柱が毒にやられている以上お前らの勝ちはないと言い放つ上弦兄妹だったが、宇髄は負けじと勝利を宣言する。


余裕で勝つわボケ雑魚がァ!!

毒回ってるくらいの足枷あってトントンなんだよ
人間様をなめんじゃねぇ!!

こいつらは三人共優秀な俺の“継子”だ
逃げねぇ根性がある 手足が千切れても喰らいつくぜ!!

そしてテメェらの倒し方はすでに俺が看破した
同時に頸を斬ることだ
二人同時にな そうだろ!!

そうじゃなけりゃそれぞれに能力を分散させて弱い妹を取り込まねぇ理由がねぇ!!
ハァーッハ!!チョロいぜお前ら!

自分は煉獄の様にはなれないとある種の自嘲を浮かべた宇髄。
しかし、毒に侵されながらも闘志衰える事なく味方を鼓舞するその姿に、炭治郎は確かに今は亡き炎柱の面影を見るのだった。

その後、宇髄は炭治郎と共に妓夫太郎との交戦を再開。
戦力として劣る炭治郎が宇髄の死角の援護に徹することで、次第に統制のとれた連繋を見せるようになる。
そこへ雛鶴が藤の花の麻痺毒を塗った苦無を大量に乱射、妓夫太郎が防御行動をとった隙をついて、自身にも苦無が刺さることを厭わずに宇髄が両脚を切断、さらに苦無を1本突き刺す事に成功する。
とうとう追い詰めたかに思えたが、妓夫太郎は瞬時に麻痺毒を分解し、円斬旋回・飛び血鎌で反撃、頸切断は失敗に終わる。

その後も宇髄は隙をついて妓夫太郎の頸を背後から狙うものの、頸を180度回転させて歯で日輪刀を受け止める鬼ならではの戦法によりまたしても失敗、直後に炭治郎が堕姫と戦う善逸と伊之助の援護に回ったことで、妓夫太郎と単独で戦闘を続行する。
しかし、とうとう毒が全身に回ったのか心臓が停止。さらに左腕を切断されてしまう。戦力の要である宇髄の死亡により鬼殺隊の勝利は絶望的かと思われた。



が……!



「譜面」が完成した!!!勝ちに行くぞォオ!!!

自分以外の全員が戦闘不能になりながらも諦めず、隙をついて隠し持っていた苦無を突き刺し、麻痺した妓夫太郎の頸に刃をかける炭治郎。
しかし、あと一歩のところで反撃されてしまい頸切断に失敗、万事休すかと思われたが、死んだと思われていた宇髄が間一髪、炭治郎の危機を救う。

実は宇髄は筋肉によって自ら無理矢理心臓を止め、一時的に毒の巡りを止めていたのだ。
さらに独自の戦闘計算式「譜面」がここでついに完成。毒に体が侵されている状態にもかかわらず片腕で円斬旋回を全て捌ききり、そして左目を切られながらも自身の体を盾に妓夫太郎の身動きを封じる
その隙を見逃さず、全身全霊の力を振り絞りヒノカミ神楽を使用した炭治郎が妓夫太郎の頸切断に成功、同時に善逸と伊之助が堕姫の頸を切断し、激闘に決着をつけるのだった。

その後、死の間際に発動した円斬旋回の暴走は何とか回避するも、とうとう毒が全身に回り、死を覚悟した宇髄は愛する3人の妻たちに遺言を語ろうとする。

が……?


最期に言い残すことがある…俺は今までの人生

天元様死なせたらあたしもう神様に手を合わせません
絶対に許さないですから

ちょっと黙んなさいよ 天元様が喋ってるでしょうが

二人とも静かにしてよ…!

(嘘だろ?何も言い残せずに死ぬのか俺)
(毒で舌も回らなくなってきたんだがどうしてくれんだ 言い残せる余裕あったのにマジかよ)

善逸に匹敵する顔芸を見せながら泣き叫ぶ須磨とそれを黙らせようとするまきを、2人を諌める雛鶴の騒動により遮られてしまう。
妻たちの痴話喧嘩によって完全にタイミングを逸し、遺言も遺せずにこの世を去ることになりそうで半ばギャグ顔を浮かべ絶望する宇髄。だが、そこへ禰豆子がヒョコッと登場。血鬼術・爆血を発動して妓夫太郎の猛毒を解毒し、宇髄の命は救われたのだった。
ちなみに妻3人は、突然炎に包まれたせいで「火葬しようとした」と勘違いし*8、特に須磨は禰豆子に対して「火葬が早すぎます!お尻を叩きます!お姉さんは怒りました!!」顔芸全開で喚きながら折檻しようとしたが、毒が消えたことを知ると一転して号泣しながら夫に抱きつき、禰豆子に礼を述べた。ちなみに解毒を成功させた禰󠄀豆子はドヤ顔を浮かべてみせていた。かわいい。

そして、宇髄の連絡を受け現場に急行した蛇柱・伊黒小芭内が到着。
自身の引退の意向を示す宇髄に対し、伊黒はいつも通りネチネチ皮肉を交えながら「ただでさえ若手が育っていないんだから早く怪我治してこれからも頑張ろうぜ(意訳)」と難色を示す。
だが、そんな伊黒に宇髄は「いいや若手は育ってるぜ お前の大嫌いな若手がな」と笑みを浮かべなから返し、伊黒は様々な意味で驚きを隠せないのだった。

忍時代から自らの在り方に苦悩し、そして幾人もの命が自らの手から零れていったと自身を卑下していた音柱・宇髄天元。
しかし、宇髄は(身体を欠損したとはいえ)部下と共におよそ100年ぶりに上弦の鬼の一角を討伐するという偉業を成し遂げた。
そして何より、禰豆子の血鬼術や伊之助の山育ち故の特異な体質も絡んだ結果論ありきとはいえ、愛する3人の妻と自身を慕う若き剣士たちの命、自身も含めたその手が届く範囲の人間の命を確かに守り抜き、死の遊郭から全員を引き連れて凱旋したことは特筆に値する

ちなみに隠の後藤によると、炭治郎たちは互いの無事を喜びあった直後に気絶したとのことだが、宇髄はというと嫁に支えられながらとはいえ自らの足で戦場を後にしたといい、後処理に訪れた隠達はその頑丈さに全員がドン引きしていた。おまけに引退するどころか隊員として普通に任務に励んでいることも発覚。柱からは退くと言ったが、鬼殺隊を辞めるとまでは言っていない。
主人公達がいくら成長しようと、やはり柱は別格の存在のようだ。

しかしそれでも片目と片腕を失っては柱であり続けることは難しかったようで、戦闘後に柱の称号を返上した。
その後は後進の鬼殺隊士の育成に回ることとなり、特別強化訓練「柱稽古」では第1の試練担当として3人の妻とともに指導に当たり、体力強化のためのスパルタ指導を行なっている*9

柱稽古編では頭の巻き布をやめて従来の額当てに似た眼帯をつけ、下に隠していた長めの髪をさらして着流しという出で立ちで、相変わらずの派手さだった。
死線を共にした炭治郎が稽古を付けてもらいにやってきた時は、嫁3人とともに遊郭編にはなかった素の笑顔で喜んでいた。
アニメでは柱稽古がより掘り下げられていて、一般隊員たちの不甲斐なさに呆れるシーンが追加されたり、病み上がりで本調子ではなかったとはいえ炭治郎(木刀装備)相手に、隻腕&竹刀で戦うシーンが描かれたりした。
それを目撃した一般隊員たちは、宇髄と互角に戦った炭治郎を高く評価し、炭治郎のようになりたいと感想を口にするのであった……評価と実力が青天井

最終決戦では無限城の戦いにこそ加わらなかったが、杏寿郎の父で先代炎柱・槙寿郎とともに産屋敷一族の身辺警護に当たり、全てが終わったあとは妻達とともに炭治郎らの見舞いに訪れた。
最終回ではさすがに天寿を全うしたと思われ妻達ともども登場しないものの、子孫の宇髄天満*10が金メダルを獲るほどの体操選手となっている(ただしお行儀はあまりよろしくない模様である)ことが描かれている。


◆余談

・間違われやすいが……
「宇」ではなく「宇」である。
非常に分かりにくいが、偏がこざとではなく骨。

・卑下してはいても
祭りの神を自称するなど自信に溢れる言動だが、自己評価は低く(忍という育ちに対する自己嫌悪もあると思われる)、本人は柱の中では才能に恵まれないと自称している。
読者からも上弦の中では最も格下の陸との戦闘で引退に追い込まれたことから「最弱の柱」呼ばわりされることも。
但し、痣の発現無しで上弦と互し、生還した柱はほぼいない中で、宇髄は「譜面」完成後なら隻腕・隻眼となった状態でも妓夫太郎と互角に渡り合えた。
そもそも柱という職種は入れ替わりが激しく、定員が埋まっているのが珍しい程で、さらに作中での柱の面々は「当代最強」とも評されるレベルで、その中で悲鳴嶼に次いで古参であること、何より上記の通り100年以上倒されることがなかった上弦の鬼の討伐を成し遂げたことから、歴代の鬼狩りの中でも屈指の実力者であることは間違いない。
また本作では非常に重要な毒への耐性持ちなので、「後半まで健在だったら戦況が大きく変わっていたのでは」との声も。

・モテる
柱の中では一番モテる。聞き上手であることがモテる秘訣で、三人の嫁を抱えている器量からも納得である。

・派手好きの一方で
忍時代の地味さの反動から派手好きとなったが、ファンブックにおける妓夫太郎からの評価など地味な箇所での技量や堅実さが高く評価されており、やはり忍時代の性が骨の髄まで沁み込んでいる事が窺える。

・鎹鴉まで派手好き
大正コソコソ話によると、自身の担当になっている鎹鴉は宇髄同様に派手好きな性格。
また鴉の中のファッションリーダーでもあるらしく、宇髄やムキムキねずみとお揃いの宝石付きの額当てを装備している。

・番外編『中高一貫!キメツ学園物語』では
学園の美術教師として登場。
本編と同様にモテモテなようで、「輩先生」と呼ばれ慕われている。*11しかし授業中にダイナマイトを爆発させようとする困った人でもある。芸術は爆発だから?3人の嫁達も購買の店員として登場。
また教師なのに、生徒である炭治郎、善逸、伊之助とバンドを組んでいるが、歌も演奏も壊滅的に酷い。小説版のとあるエピソードでは、キメツ学園が総力を挙げて彼等の学園祭参加を止めようとしている。ちなみにバンド名は「ハイカラバンカラデモクラシー」。

・2022年第73回NHK紅白歌合戦において
『遊郭編』の主題歌『残響散歌』を歌唱するAimer氏が初出場し同曲を披露。そのバックには『遊郭編』のダイジェスト映像が流れ、そしてAメロに入るところで宇髄の「こっからは派手に行くぜ!」というセリフが入り、全国のお茶の間のファンは歓喜した。

・『無限城編第一章』において
2025年7月18日公開の映画『無限城編第一章』での宇髄の出番は、原作通り槙寿郎と共にお館様の護衛に立ち、自分らのなすべき使命について語らう場面のみ。
しかし、同時期のTOHOシネマズで流れている映画マナー講座映像では、何とかまぼこ隊を差し置いて宇髄と3人の嫁が抜擢された。これは無限城に取り込まれた炭治郎達の活躍を、現地にはいない宇髄が嫁と共に劇場で観るという体で寸劇が進むからだと思われる。なお大正時代の人物なのでちゃんと(?)スマートフォンが何かを知らないのだった。知ったら知ったで「音も光も出るカラクリとは派手じゃねえか!」とか気に入るかも?






ならば俺が派手に追記・修正してやろう

誰よりも派手な記事を書いてやるぜ

もう派手派手だ

この項目が面白かったなら……\ド派手に行くぜ!/

最終更新:2025年08月25日 19:30

*1 柱の中では唯一不明。

*2 実際に最終巻では炭治郎の見舞いに行った際に、彼そっちのけで禰󠄀豆子に嬉しそうに抱きついている。

*3 そんな鬼などいるわけがないという結論ありきではあるのだろうが。

*4 『外伝』にて煉獄が初めて産屋敷邸を訪れた際、宇髄はその派手な容姿と不死川の攻撃を受けきった実力を内心では称賛していた。また、アニメ版の大正コソコソ噂話では「俺はお前のようにできないかもしれない」と宇髄が弱音を吐いていた時、煉獄が「俺だってお前のようにできはしない」「(3人を)頼んだぞ!」と背中を押すなど、二人の信頼関係が強く描写されている。

*5 ファンブックの情報によると、しのぶとは「アオイたちの連れ去り未遂でちょっと揉めた」らしい。やっていることがやっていることなので当然だが。

*6 もっとも、美形な女装では目的以外の店に売られる可能性があるため、下手すると調査が難航しかねないので、一概に不細工が悪いわけではない。

*7 最下級の女郎屋。

*8 彼女たちからすれば見ず知らずの女の子が突拍子もない行動を取ったわけだから無理もないが。

*9 内容は「険しい山の中を常に全力で何度も走り込む」というものだが、要求される水準が高い上に、手を抜くと宇髄から容赦無い叱責が飛んできて竹刀で叩かれる。休憩のタイミングも宇髄が許した時のみのため、生半可な気持ちで臨むと簡単に心が折れてしまう。

*10 どの妻との間の子なのかは言及が無い。

*11 公式ファンブックに掲載された特別描き下ろし漫画で、バレンタインのチョコ獲得数は57個と表記されている。