ゲーマーが妖怪退治やってみた!

登録日:2024/11/27 Wed 00:42:03
更新日:2025/01/22 Wed 12:35:48
所要時間:約 6 分で読めます





かわいい女の子を操作して
いざ妖怪退治!


『ゲーマーが妖怪退治やってみた! 』とは、小松清太郎による漫画作品である。


【概要】

元々は『別冊コロコロコミックSpecial』2022年6月号における『ミラコログランプリ春』の読み切り作品として掲載。
アンケートで好評を得たために本誌『月刊コロコロコミック』の2022年9月号に読み切りとして掲載され、2023年5月号より連載が開始された。
なお、2巻の帯にてミラコログランプリで最も多くの票数を獲得している旨が記されている。
2024年11月時点で既刊4巻。

ゲーマー少年と見習い退治屋少女の所謂バディものであり、「まるでゲーム攻略みたいな妖怪退治」のキャッチコピーの通り、芸麻がゲームで培ってきた技術と巫女の能力を合わせて妖怪に立ち向かう漫画となっている。連載時期の近かった『神様のアルバイト』と合わせて最近のコロコロは妖怪と友達になるのではなく退治するのがトレンドのようだ。
ヒロインの太もも描写など、絶妙に健全かつ不健全な作画も特徴の一つ。

【あらすじ】

プロゲーマーを目指す少年・西京芸麻は帰りが遅くなったある日、妖怪「大蜘蛛」と戦う退治屋の少女・刀道巫女と遭遇。
その中で本来は退治屋が修行を積んで習得する「物に魂を込める力」を自分自身が無意識のうちに「ゲーム機で他者を操作する能力」として習得していたことを知ることとなり、その能力を持って巫女を操作して大蜘蛛を撃破。
そしてプロゲーマーの修行のため、芸麻は巫女と共に戦いに身を投じることとなった…

【登場人物】

主要人物

  • 西京芸麻(さいきょうげいま)
本作の主人公。7月15日産まれの11歳。
金髪にインカムと小さい眼鏡、青いパーカーを身に付けた格好をしている。
1日のほぼ全てをゲームに費やし、平然と学校にまでゲームを持ち込むほどの重度のゲーマー。
自分のことをバカにしてきた者達を見返すべくプロゲーマーを目指しており、スケジュールに関しては小学生でありながら睡眠時間はたった1時間と廃人顔負けである。
無意識のうちに物に魂を込める力を発現しており、ゲーム機に魂を込めることで選んだ人物を思いのままに操作したりステータスや居場所を閲覧することができる。彼のゲーム技術と合わさって強力な能力ではあるが、あまりにも戦力差の大きい相手にはいずれの手段でも干渉できない・操作する人物のメンタルが落ち込んでいるとステータスが下がってしまうという欠点もある。
戦闘では「芸麻格言」と称してマイ●クラフトのようにその場にあるものを即席で加工して活用する・数の多い相手に対して脱●ごっこの如く疑わせて潰し合わせるなどこれまでのゲームで培ってきた搦め手を活用することが多い。
家族構成としては研究者の両親を持つが、両親の期待に反してゲーム以外の才能を発揮できなかったことから愛想を尽かされ、現在はネグレクト状態となっている。

ゲーム機で他人を操作しているときに必殺技ボタンを押した後Aボタンを連打することでヒット数を上昇させることができる。必殺技はこの連打である。あと嫌がる女の子を強制的に踊らせるエモートダンスも必殺技と言える。
連打するときは右手の人差し指を立て、腕を大きく振りかぶりながら連打する描写がされている。作画の都合もあるだろうが、現実にはこのやり方だと連打数はさほど伸びないだろう。
ただこの連打でも作中ではあっというまに160HIT以上まで伸びており、描写通りだとするなら人間離れした連打力と言える。というか、偉大な先輩も同様に腕を大きく動かす連打法なので踏襲しているのかもしれない。
巫女を操作しているときは「超高速連打斬り」という必殺技になるが、他の人物を操作しているときも同様に連打でヒット数が伸びるようだ。
さらにゲーム機を床に置き、両手の指で連打する「超超高速二刀流連打」でさらに連打速度を上げることができるが、二刀流は体力消費が激しいらしく4巻時点だと20秒ほどしか連打が続かない。

特技はもちろんゲームだが、単行本のオマケによると女の子がたくさん出てくるスマホのゲームは苦手らしい。
「ああいうのは、その…ぼ、ぼくにはまだ早いから!!」

  • 刀道巫女(とうどうみこ)
芸麻と共に戦う退治屋の少女。愛称は巫女ッチ*1
黒のボブカット*2に巫女服風ノースリーブ&ミニスカートと色々混ざった格好が特徴的。そこそこ大きい。
かなりの努力家であり、本来妖怪退治への参加が禁じられている白ハチマキ(見習い)階級であるが秘密裏に大蜘蛛と戦っていたところを芸麻と遭遇、戦い慣れない姿を見かねた芸麻に操作される形で戦ったことがきっかけで共に妖怪退治を始めることとなった。
刀に魂を込めることで何でも切ることができ、作中では純粋に敵と戦う他にも即席で武器を作るのにこの能力が用いられることも多い。
愛用する刀は第7話での刀道神との戦いで折られてしまったが、第13話で彼から2つに分割して二刀流にできる「斬刀・白虎」を託されている。

単行本のオマケではメシマズ系らしいことが書かれている。
ちなみに照れると髪の先をいじる癖がある。かわいい

退治屋

  • 刀道神(とうどうじん)
退治屋として活動する巫女の兄。Lv.999。
最年少で黒ハチマキに昇格した上に若くしてこの世に10人といない赤ハチマキの階級に至った退治屋最強の男であり、稽古をつけるために1人で50人以上の退治屋を余裕で相手取る・彼が現れると並の妖怪は一目散に逃げ出すなど比類なき実力を持つ。
第2巻では退治屋をやめさせるために圧倒的な才能と実力差で巫女の刀と心を折るなど冷酷な面を見せるが、その行動原理は戦いの中で妹を死なせたくないためのものであり、他の退治屋に対しても同様に希望であり続けるために弱みや隙を一切見せようとしないなど根は仲間想いな性格。最終的には諦めない巫女と研究を重ねた芸麻のコンビとの再戦の末にかすり傷を入れられたことで巫女の成長と2人の妖怪退治を認めた。
戦闘では本人の持つ凄まじい速度の剣さばきと刀に魂を込めることで抜刀時に発生する僅かな熱を強化して物体を溶かし焼き切る「鳳閃花」なる技を持ち、これらが合わさることで相手には納刀した瞬間に切った物体が爆発したように見える。
また、刀は全覚醒を行うことで「炎刀鳳皇」となり、振るうことで触れると爆発する火の粉を撒き散らす「鳳閃花・満開裂」を放つことができる。
実は妹との接し方がわからないという悩みがあったりする。そんな彼の奮闘はコミックスの描き下ろし回で見ることができる。

  • 槍馬狩人(そうまかりうど)
巫女の先輩にあたる退治屋の青年。階級は黒ハチマキ。
かつて槍馬家本家を襲撃した大嶽丸を退治すべく修行を積んでおり、厳しい稽古に退治屋達が皆潰れる中で唯一立ち上がり神にも一目置かれるなどその覚悟と向上心は並々ならぬものである。
当初は白ハチマキでありながら妖怪退治に参加する巫女を咎めるが鬼蜘蛛との戦いでの芸麻とのコンビネーションを見たことで彼等を見逃し、その後も故郷の仇である大嶽丸退治への同行に賛成するなど2人の実力を認めつつある。
持っている槍に魂を込めることでダメージを増幅することができ、少しでも傷をつけることができれば頑丈な相手も容易く貫ける。

  • 弓城姫姫(ゆみしろキキ)
刀が折れたことで一時離脱することとなった巫女に代わって呼び出された退治屋の少女。愛称は姫ッ姫ー*3階級は黒ハチマキ。
黒ハチマキで結んだピンク髪のポニーテールと向かって右上のみ飛び出た八重歯、紫の袴の恰好が特徴的。コマ枠に乗っかるくらいにはでかい。
優秀であることに拘る場面が何度か見られるが、これは所属する弓城家が他の流派と比べて上達にかかる年月が長いことから門下生が減少傾向にあり、当主である父の加齢も合わせて衰退の危機にあることから自らの力で弓城家をたて直したいという彼女の強い思いのため。
未だに白ハチマキである巫女のことを度々からかっており、当初は芸麻のことも「ダサメガネ」とバカにしていたが、竜皇鬼との戦いを経てからは彼を見直し、「芸麻くん」と下の名前で呼ぶようになった。
持っている弓に魂を込めることで発射力が強化され、非常に長い距離まで飛ばすことができる。矢以外のものも飛ばすことができ、作中では敵を攪乱するために木を飛ばしたり、飛ばすものにツタを結びつけて自分ごと飛ばすといった芸当も可能。
ちなみに持っている弓矢は懐から取り出せるように伸び縮み式となっているが、作者曰くこのような形式になったのは矢を何本も持たせるための方法を丸1年考えた結果、谷間に収納できるようにしたからとのこと。

89,55,82←謎の数字

  • ???
芸麻たち以外で過去に神に傷をつけたとされる唯一の退治屋。
現時点では直接の登場はなく、鉈を持った大男ということ以外は不明である。

  • 魔法少女退治屋
魔法のステッキを持って戦う正体、門下全てが謎に包まれた退治屋の女の子。
所謂隠しキャラであり、2024年11月時点では3巻と4巻で1コマずつ登場している。

妖怪

妖帝

  • 大嶽丸(おおたけまる)
妖帝の1体であり、「百鬼旅団」を率いる存在。序列1位。
本編開始前の時間軸で百鬼旅団を率いて槍馬家を襲撃しており、当時の赤ハチマキの退治屋である槍馬飛路の音速の突きを物ともしないばかりかデコピン一発で吹き飛ばすなど屈強な肉体に違わずその力は強大。
他の妖帝共々多くの妖怪を従えていることから安易に手が出せなかったが、特に活発に活動していたことからこれ以上容認することはできず、妖帝の中では最初に退治することが決まった。

百鬼旅団

  • 竜皇鬼
トナリ山を縄張りとする翼をもった序列5位の鬼であり、戦闘では腕から突風を放つ「風塵螺旋撃」で上空から一方的に攻撃する戦闘スタイルをとる。Lv.170。
芸麻たちを「下等生物」呼ばわりして見下すなど尊大な性格だが、自身に勝った者に対しては無礼を詫びてその力を認めるという一面もある。
鬼神形態は「阿修羅竜皇鬼」。腕と眼が4つになり、攻撃は更に強化された「大風塵螺旋撃」に変化。加えて周囲に全てを吹き飛ばして無効化する風の結界を纏う。作中では地面についた足元のみ結界が張られないと見た芸麻によって地中からの攻撃で倒されているが、先の戦いで片方の翼を破壊されて飛べなくなっていたことから飛べる状態で鬼神形態になっていた場合は詰んでいたと見られる。パラメーターを正しく指定してください。

  • 天邪鬼
トナリ町の廃校を根城とする序列4位の鬼であり、目が合った者に嫌な記憶を見せ続けて廃人にさせる「幻影邪眼」を持つ他、戦闘では茨の触手ムチを使って戦う。Lv.258。
他者が嫌がることを好んで行う卑劣漢であり、戦闘でも距離をとって戦おうとする所に鬼神形態のフェイントをかけて躊躇させる・周囲のものを活用されないように体育館倉庫を瓦礫で封鎖する・戦っている巫女ではなく操作している芸麻を優先して攻撃するなどあの手この手で嫌がらせを繰り返し、これまでとは別ベクトルの強敵として芸麻たちを苦戦させた。
鬼神形態は「千樹観音天邪鬼」。無数の茨の触手ムチを背中から生やし、それを操って襲い掛かる。
その性格上、純粋に戦闘を好む他の鬼たちからは嫌われている。このような性格になったのはどうやら彼の過去が関係しているようだが…?
身に付けているもののせいで作画コストが高いというある意味作者にとっても嫌がらせのような存在である。*4

  • 羅刹
刀道家を襲撃しに現れた序列3位の鬼。影から様々なものを作る妖術を持ち、武器以外にも自身の影分身を作り出す・影装束を纏って影に隠れるなど汎用性の高さを強みとする。
戦国の時代から強者と戦い殺すことが最大の喜びであるとの考えを持ち、強者を求めて刀道家に侵入、その能力で次々と退治屋たちを倒して行った。
鬼神形態は「須佐之雄羅刹」。羅刹本人に変化はないが、影が巨大化することでより多くの影分身を作り出すことができる。

  • 酒吞童子
小柄な外見をした序列2位の鬼。
1000年以上生きている大妖怪だが、他の鬼たちと異なり、直接戦うよりも酒を飲みながら戦っている光景を楽しむというジジくさい趣味を持っている。
その小柄な外見に反し、攻撃を仕掛けてきた退治屋の心臓に瞬時に風穴を空けるなど序列2位というだけあってその実力は本物。

【用語】

  • 退治屋
下記の魂を物体に込める力を用いて妖怪と戦う者達。
階級はハチマキの色で定められており、上から順に赤(達人)黒(一人前)→白(見習い)となる。
死者が出ることも少なくない故か本来であれば白ハチマキの者は妖怪退治への参加を禁じられている他、才能の無い者は退治屋の雑用を奴隷のようにやらされるブラックな職場に送られるとかなり厳しい環境となっている。

あらゆる生物が有している人智を超えたエネルギーの総称。
持っている物にこの力を込めることで性能が強化され、巫女の刀ならば切れ味の強化・姫姫の弓ならば発射力の強化など様々な特殊能力を発揮することができる。
本来であれば退治屋が修行を積むことで会得するものであるが、稀に己の全てを賭けて超一流に至った者…俗に言う「天才」と呼ばれる者は無意識のうちに魂を込める力を会得することがあり、芸麻のゲーム機で他者を操作する能力もこのひとつである。

  • 妖帝
妖怪たちの中でも常軌を逸した強さを持ち、それぞれ数百体の妖怪を従える3体の妖怪。2024年11月現在で明確に正体が明かされているのは大嶽丸のみ。
作中世界で発生した災害の多くが彼等の仕業であるのだが、世間の混乱を防ぐためにその情報は伏せられている。

  • 百鬼旅団
妖帝のうちの1体、大嶽丸が率いる100体の鬼の集団。
強さで序列が決まっており、その中でも5位以上の者は次元を超えた強さと更なる力を発揮する「鬼神形態」を有している。

【余談】

巫女ッチの見た目などから察した人もいるかもしれないが、実は作者はかなりの東方好き。
氏のX(旧Twitter)で巫女ッチや姫ッ姫ーによる東方コスプレイラストが見られるので気になる方は必見。なお主人公の芸麻によるコスプレは現在1種類のみ。

概要にてミラコログランプリで最も多くの票数を獲得しているとあったように連載開始後も高い人気を維持しており、2024年8月15日から「週間コロコロコミック」で1週間無料公開が行われた際には作者が「人気ランキング1位になったら女子2人の水着を描く」と言ったのもあってか期間内で人気ランキング1位を達成し、無料期間が1週間延長された。

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最終更新:2025年01月22日 12:35

*1 このあだ名になったのは、戦いの中で筋力関係のステータスばかりが上がっていたことについて『にゃ●こ大戦争』のネコマッチョにかけて「巫女マッチョ」と芸麻に呼ばれてキレたことでその代替案として略称で呼んだという経緯のため。

*2 ちなみに幼少期はロングだった。

*3 ただし本人は猿の鳴き声みたいだと気に入っていない

*4 作者曰く「こいつ1人描くのに巫女ッチ3人は描ける」とのこと