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インターネット美学

登録日:2026/02/23 Mon 15:27:00
更新日:2026/07/13 Mon 16:48:37
所要時間:約 3 分で読めます




インターネット美学Internet aesthetic(インターネットエステティック))とは、「インターネット上で体系化された視覚・感性・雰囲気・世界観」を指す言葉。


概要

2010年代にブログやSNSでのハッシュタグ目的で美学として言語化され使われるようになった概念。
インターネット美学と呼ばれるが、実際のところ

生活用品
広告
ゲーム
おもちゃ
建築物
音楽アルバムのジャケット
BGM
映像作品

などネット世界に留まらない事柄も含んでいることが一般的。「(その時代で人気だった)美意識の属性」と捉えてもよいかもしれない。
全体的に過去の遺物への懐古趣味、消費社会への皮肉ないし得体の知れない不安感などを内包しているのが特徴。


代表的な美学

多くは明文化される以前から主流だった物だが、流行が収束し過去の歴史になって以降に言語化されるようになった。

Vaporwave(ヴェイパーウェーヴ)

形成時期:2010年代中盤

昔の明るい消費文化を懐かしむと同時にその栄枯盛衰を皮肉した美学
名称の由来は幻に終わったIT製品を表す業界用語"vaporware(蒸発した製品)"と、音楽業界で「新風」の意味でよく使われる接尾語"wave"から。
1980〜1990年代前半に流行ったCMや音楽を組み合わせたコラージュ作品が多い。その成立背景から「人気になったり、過度に知名度が上がってはならない」「営利目的で使うのは本来の趣旨に反している」と主張する人もいる。
サンプリング音源のピッチを下げた低速なBGMとサイケデリックな映像が特徴だが、代表作『フローラルの専門店』のアルバムジャケットにギリシャ彫刻と怪しい日本語が書かれていたことから、それに倣う作品が多い。
またサンプリングの素材元になったシティ・ポップの認知拡大・再評価にも繋がった。
こうした文化に詳しくないアニヲタ諸氏も「オクト・エキスパンションの元ネタ」と知れば「へーっ」となるのではないだろうか。

関連する物
  • Mallsoft:ショッピングモールなどの空間を舞台にした物
  • Eccojams:演出としてループを重視した物
  • Future Funk:日本のシティ・ポップや1980〜1990年代のアニメを題材にした物。
    ピッチを上げて明るい雰囲気になっておりVaporwaveと大きく方向性が異なる。そのため独立した物として捉えられることも多い

Y2K Futurism(ワイツーケーフューチャーリズム)

形成時期:1990年代後半

コンピュータ技術の進化に支えられた21世紀への広範な楽観主義を体現した美学
Y2Kは"Year 2000"の略語で2000年前後に流行した。
映画『マトリックス』の人気や3DCGが本格的に普及し始めた時勢もあってか、金属感・光沢感・半透明が押し出されることが多かった。
ハードだと同時代のゲーム機*1iMac G3、CDウォークマン、ラジカセがその代表例とされている。

関連する物
  • Gen X Soft Club:淡い色彩・高コントラスト・ぼかし効果を強調した物
  • Chromecore:金属感を強調した物。2000年代初頭のアプリUIやデジタル製品で多用された

Frutiger Aero(フルティガーエアロ)

形成時期:2000年代前半

環境に優しい形で発展したIT社会を理想化した美学
Y2K Futurismに代わって台頭。透明感・水・光・ガラス・自然が題材にされており、現実にある物を模したスキューモーフィズムデザインを採用していることが多い。
平たく言うとBliss(Windows XPの標準壁紙)、Windows Vista/7PlayStation3Wii・初期のiOS/AndroidのUIがこれに当たる。
Wii Sports』シリーズはUI・BGM・世界観全てがFrutiger Aeroを体現しているとして言及されることが多い。
Frutiger Aeroの由来はこの時期に普及した欧文字体の『Frutiger』とVistaのUI『Aero』に因む。

関連する物
  • Frutiger Aqua:海を題材にした物。イルカや熱帯魚が描かれていることも多い
  • Frutiger Eco:エコロジーを題材にした物。洗剤や芳香剤といった衛生用品の広告で2026年現在でも現役
  • TechnoZen(Japanese Frutiger Aero):日本を含めた東アジア発祥・その影響がある物
  • DORFic(ドーフィック)(Daily Orange Red Futurism Grapic):オレンジや赤と白を組み合わせた物
  • Frutiger Metro/Vectordelia(ヴェクターデリア):立体感ではなく平面を押し出した物。携帯端末ではこちらも好んで使用されることも多かった。
    Frutiger Aeroとは別物という意見もあることから2026年現在では"Vectordelia"と呼ぶことが増えている

Hexatron(ヘキサトロン)

形成時期:2010年代前半

六角形を題材とする近未来を体現した美学
名称は6を表す"Hex"と電子・機械関連の用語で使われる接尾語"-tron"に由来する。
無機質感と共にネオンカラーやホログラムといった演出がされている。主にパソコン/ゲーミングデバイスやそれらの広告で多用されている。
作品であれば『トロン: レガシー』『ゼノブレイドクロス』『DAEMON X MACHINA』辺りが典型例とされる。

Liminal Space(リミナルスペース)

形成時期:2019年

不気味な雰囲気を持つ無人空間が持つ美学
由来は扉や階段、廊下などの移動空間の総称である「同名の建築用語」に因む。
本来は人で溢れかえっているような場所に誰もいないと、人は不気味の谷現象を感じるらしく、そこに面白さを見出している。
これに影響を受けた物としては「The Backrooms」『8番出口』等が挙げられる。

関連する物
  • After Hours:終業・放課後の誰もいない空間を題材にした物。こちらの方が先に生まれた概念だが不気味さを重視していない点で異なる
  • Dreamcore:夢や幻覚に出てくるような空間を題材にした物
  • Poolcore:プールを題材にした物

Webcore(ウェブコア)(Internetcore)(インターネットコア)

形成時期:1990年代中盤

2000年代までのインターネットを懐古する美学。日本では「インターネット老人会」として呼ばれる物もここに含まれる。
主に個人サイト・FlashCGIゲーム・ローポリゴン・アスキーアートが題材にされる。
特に黎明期のインターネット文化を題材にした物は"Old Web"として区別する場合もある。

平成レトロ(Heisei Retro)

読んで字の如く日本の平成時代に流行った美学全般を指す。
特に1990年代後半〜2010年代前半の内容に対して使われることが多い。日本国外でもそのままHeisei Retroとして広まっている。

関連する物
  • Animecore:1990年代後半〜2010年代前半のアニメ・ギャルゲー等を題材にした物
  • Cutecore:日本的な可愛さを題材にした物











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最終更新:2026年07月13日 16:48

*1 メーカー問わずスケルトンデザインの機種が続々と販売されていた。