三浦啓之助

登録日:2011/05/22 (日) 11:18:38
更新日:2023/10/13 Fri 19:37:16
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三浦啓之助(みうら けいのすけ、1848年~1877年)は、新選組隊士。

父は松代藩(現在の長野県)の学者佐久間象山で、父と妾お蝶の間に生まれた子。本名は佐久間恪二郎で、明治維新後は恪(いそし)と名を改めた。三浦は義母・順(勝海舟の妹で象山の正妻)の姓(名乗った詳細は不明)で、啓之助は父の諱「啓」からとったものと思われる。



1864年、父に随身して京へ向かうが、7月11日に父が肥後細川家の河上彦斎(『るろうに剣心』の緋村剣心のモデル)に暗殺される。
その後父の門弟の会津藩士山本覚馬(妹は後の新島八重)に仇討ちを勧められ、勝海舟の紹介で新選組へ客分として入隊する。
以後近藤勇の側に置かれるが、三浦は新選組で問題を引き起こす。

浪人を斬り付けたり、自分からぶつかった物売りの女に因縁をつけて斬り付けたり、
自分の刀を自慢した際に「刀が良くても、腕が未熟ではどうしようもない」と言われたことを恨み、その隊士が土方歳三と沖田総司が碁を打っている時に見物していたところに後ろから斬り付けたり、
と手の付けられない振る舞いが多かった。
なお、後ろから斬り付けた際には沖田総司から「この馬鹿野郎!」と言われ、襟首をつかまれ畳に顔を押し付けて引きずり回され、鼻の皮を擦りむいたという。
また実家からの仕送りが多く、金を目当てに媚び諂う隊士が現れたり、傲慢な性格に反感を持つ隊士が増えるなど、隊内の統率を乱した。

当初は親の七光り、そして近藤や土方歳三が仇討ちに協力していたことから咎め立てされる事は無かったが、度重なる暴挙により庇いきれなくなる。
佐久間家断絶を惜しむ京都所司代松平定敬からの要請もあり、土方は松代藩と三浦の帰藩について交渉。
しかし、三浦は自らの知らない所で交渉が行われていたことに反発し帰藩を拒否。
交渉が近藤不在の時に行われていたこともあり、三浦は新選組に対し不信感を抱き不満を募らせていった。

そして、1866年頃、三浦は新選組を脱走。沖田から「飲みに行こう」と誘われて、「ヤバイ、斬られる!」と思ったためとする説もある。

その後三浦は郷里に帰り、仲間四人と「新選組」を名乗り無銭飲食や狼藉を働き、更には博徒と衝突する。
松代藩は三浦を捕らえ投獄したが、佐久間象山を慕っていた西郷隆盛の口利きによって出獄。
1871年、勝の紹介で慶応義塾に入ったが、西洋小間物屋の女主人にうつつを抜かし、退学。
退学後は勝の推薦で司法省四級判事裁判官となるも、酔って人力車夫と喧嘩沙汰を起こし、その仲裁に入った巡査も殴打し、罰金十円の処分を受ける事件を起こし、松山県裁判所判事として松山に左遷。
裁判官時代には「ます」という女性と結婚し息子「継述」(6歳で死去)をもうけ、松山時代には「河内うた」なる女性との間に娘「小松」をもうけていたようだが、
1877年2月26日、伊予松山の料理屋で鰻の蒲焼きを食べた際中毒を起こし(これには諸説あり、酒に酔っての転落やコレラ罹患説もある)死亡。

ちなみに父の敵河上彦斎は幕末を生き延び、明治直前に三浦の敵討ち話等を聞いて難を逃れるため改名するも、その過激思想や行動を新政府にすら咎められ1872年に処刑されていた。この時三浦がどう感じたかは定かではない。

上記のようにポンコツ過ぎかつ粛清すらされずに逃げのびたせいか、父だけ登場した『新選組!』等新選組作品でもなかったことにされることが多いが、
『薄桜鬼』のドラマCDに出演したり(CV:濱健人)、山本覚馬繋がりで『八重の桜』にゲスト出演していたりする(演:下江昌也)。
また「サンデーうぇぶり」連載漫画『戦国新選組』(作:富沢義彦+朝日曼耀)ではメインキャラの一人となり、2017年6月に「ことだま屋本舗」でリーディングライブ化された時は代永翼が声を当てた。

三浦の父である佐久間象山は幕末屈指の思想家であり、吉田松陰、勝海舟、河井継之助、坂本龍馬、加藤弘之らに影響を与えた人物である一方、
傲慢な性格で敵を多く作った。
また、自らを「国家の財産」とし「僕の血を継いだ子供は必ず大成する」(それゆえに妾を複数持つ事を正当化するも、成人した子は三浦ただ一人だった)と語っていた。
象山の言葉が正しかったか否かは、上述の通りである。


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最終更新:2023年10月13日 19:37