Filter (フィルター)
Filter (フィルター) は、多彩なフィルターモードと直感的なスペクトラム表示によって柔軟なサウンドデザインとミキシングが可能な
Filterデバイスです。
スペクトラム表示やPre/Postゲイン機能などは初心者にもわかりやすく設計されており、高いレゾナンス設定や複雑なフィルターモードはプロフェッショナルなサウンドデザインにも対応しており、多様な用途で活用できます。
機能
スペクトラム表示
スペクトラム表示は、フィルターが音声信号に与える影響を視覚的に確認できるツールです。
オレンジの丸をドラッグすることで、カットオフ周波数やフィルターの設定をリアルタイムで調整可能で、特定の周波数帯域がどのように強調または減衰されているかを即座に理解するのに役立ちます。
- Bitwig Studio 2以降では、スペクトラム表示がEQやフィルターなど複数のデバイスで統合されました
- ミックス中に周波数帯域のマスキング(異なるトラック間で周波数が重なる現象)を確認する際にも役立ちます
カットオフ/センター周波数
カットオフ周波数は、ローパスやハイパスフィルターの場合、信号が減衰し始めるポイントを指定します。
バンドパスやノッチフィルターの場合は、影響を受ける中心周波数を指定します。
- スペクトラム表示と連携して視覚的に調整できるため、耳だけでなく目でも音響効果を確認できます
レゾナンス
レゾナンスはカットオフ周波数付近で信号を強調する度合いを設定します。値が高いほどその周波数帯域が目立つようになります。
高いレゾナンス値では自己発振(self-oscillation)が発生し、サウンドデザインで独特な効果を得られることがあります。
- 自己発振は特定の音楽ジャンルやサウンドデザインでよく利用されますが、大きなレゾナンス値は音量ピークを引き起こす可能性があるため注意が必要です
フィルターモード
フィルターモードは、Low Pass(ローパス), Band Pass(バンドパス), High Pass(ハイパス), Notch(ノッチ)など複数の種類があり、それぞれ異なる周波数帯域を処理します。
各モードには「2-pole」または「4-pole」のオプションがあり、これはフィルターのスロープ(減衰率)を示します。
- 2-pole
- 減衰率12dB/oct。より緩やかなカットオフです
- 4-pole
- 減衰率24dB/oct。より急激なカットオフとなります
- Notch / Bypassモード
- Notchモードは特定の周波数帯域を大幅に削減し、他の帯域をそのまま通過させるため、不要なノイズや特定の共鳴音を除去する際に有効です
- Bypassモードではフィルター処理が無効になり、入力信号がそのまま出力されます
アイコン / モード |
減衰率 |
説明 |
画像 |
Low pass (2-pole) |
12dB/oct |
緩やかなローパス |
|
Low pass (4-pole) |
24dB/oct |
急激なローパス |
|
Band pass (2-pole) |
6dB/oct |
緩やかなバンドパス |
|
Band pass (4-pole) |
12dB/oct |
急激なバンドパス |
|
High pass (2-pole) |
12dB/oct |
緩やかなハイパス |
|
High pass (4-pole) |
24dB/oct |
急激なハイパス |
|
Notch |
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周波数の急激なカット (ノッチフィルター) |
|
Bypass |
なし |
フィルター無効 |
|
Pre/Postゲイン
Pre/Postゲインは特にミックス時に重要で、フィルタリングによる音量変化を適切に管理するために使用されます。
- Preゲイン
- フィルター処理前の入力信号レベルを調整します。これにより、フィルターへの入力信号強度をコントロールできます。
- Postゲイン
- フィルター処理後の出力信号レベルを調整します。フィルタリングによって失われた音量やダイナミクスを補正できます。
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最終更新:2025年04月13日 01:11