本項では、古典リパライン語の文法について説明する。


概要

 古典リパライン語は、複数の言語(態)を指す言葉ではあるが、ある一定の共通の単語及び文法を持ち合わせる。本項では、その共通する文法を解説しつつ、方言や時代による変化も解説する。なお、あくまで規範主義的記述であるため、実際の古典リパライン語の表現とは異なる場合がある。

文字と音声

音声

 主力的なメタ的調査結果の資料であるTanukiwikiの記事古典リパライン語入門に共通することであるが、音声体系がどのようなものだったのか確定できないとされる*1*2

 「古典リパライン語入門」の意見では、以下のような音素があったとされる。

p b m t d n ɳ ʧ k ɡ ɸ f v θ ð s z (d)ʒ ʃ ʁ h ɹ l a i u e o y ə

文字

 正書法が規範化されていなかったため、綴りと発音に乖離が存在する*2
 書記体系は時期によって五つの段階に分かれている。ラネーメ表意文字によって書かれていた表意文字時代、ラネーメ系表語文字である燐帝字母の制定後に一般化した燐字ロライヘル混じり書き時代、完全にロライヘル文字のみで書かれたロライヘル時代デュテュスンリパーシェの碑文体で書かれていた碑文体時代旧リパーシェ文字で書かれていた旧リパーシェ時代の四つである*2。現代に至るとデュテュスンリパーシェによって書かれることもあるが、必要な場合以外は極稀である。
 詳しくは以下の文献を参照すると良い


形態論

 伝統的な辞書において、古典リパライン語の品詞は、名詞、(他/自)動詞、後置詞、接続詞、形容詞、副詞、文法動詞、相位詞、間投詞(感動詞)に分類される。拘束形態素として、接尾辞と音象徴が分類され、語の解釈に影響する。
 文法動詞は、現代語における助動詞に相当する*3が、一部は伝統的な定義において何故それに判断されたのか分からない例がある*4

統語論

 平叙文の語順は古代リパライン語においてはSVO、中期リパライン語ではSOVであった。この中期リパライン語のSOV語順はそのまま現代リパライン語の文語の一般語順となっている。形容詞はAN語順であり、現代リパライン語のような形容詞の修飾方向を変える仕組みは持っていなかった。否定は古代リパライン語、中期リパライン語でも現代リパライン語と同じくnivを動詞の直前に入れる方式で表された。古代リパライン語では疑問を表すために語順をVSOにする必要があったが、中期リパライン語までにそれは廃れ、現代とほぼ同じ体系になった。ただし、疑問の文法動詞velloを使っていた期間もあった*1

代名詞

古代リパライン語の代名詞

主格 与格 対格 向格 属格
一人称 mi min mis mine mino
二人称 co cv as gs hj
三人称 si sie sio an am
不定人称 dj hu sgs jfu lgu

 古代リパライン語の代名詞は、格で人称代名詞が屈折した。古代リパライン語の初期の時代にはこれらに接辞-s(現代リパライン語の-ssに当たる)を付ける事で数を表していたようである。しかし、中期リパライン語に近づくにつれ代名詞は数の文法カテゴリーを持たないようになった。

中期リパライン語の代名詞

主格 与格 対格 向格 属格
一人称 mi mi'c mi'i mi'l mi'd
二人称 co co'c co'i co'l co'd
三人称女性 ci ci'c ci'i ci'l ci'd
三人称男性 si si'c si'i si'l si'd
不定人称 dj dj'c dj'i dj'l dj'd

 中期リパライン語の代名詞は古代リパライン語とは変わって屈折が消滅し、普通名詞の格変化と変わらない現代リパライン語と似たような体系になった。また、三人称の女性形と男性系が分離してできた。不定人称は格語尾が付いたか、そのまま古代リパライン語の屈折を残したかは記録に残っていないため、屈折が残っていた可能性もある。また一人称属格のminoは向格のmineと混同され中期リパライン語ではどちらの語形も属格で使われていた可能性がある。

普通名詞の数と格

最終更新:2024年05月06日 01:19