キャラクターが何らかの状態にあることを示すものの総称。 プログラムの都合でコンピュータがターゲットがどのような状態にあるかを“判定”するもの。 ゲーム用語としてもそのままこの名称が使われている。 格闘ゲームでよく用いられる「判定が強い」もこの判定を指す。この言葉の詳細は下記の「技の判定」を参照。 #contents ---- ---- ---- **攻撃判定 相手を攻撃するための判定。 これと相手の食らい判定が重なることで攻撃が成立する。 突き出した手足や武器の画像と一致することが多い。 MUGENではAIRファイルのClsn1(赤枠)で定義される。 ***攻撃の属性 大別すると -打撃判定 -飛び道具判定 -投げ判定 の三種類。 後述の当身判定や無敵判定に成否に関係している。 MUGENではHitDefのパラメータAttrで定義される。 ***攻撃判定とガード方向 立ちガード・しゃがみガードの可否の組み合わせにより、 攻撃判定は以下の四種類に分けられる。 :上段判定|&color(red){立ちガード・しゃがみガードの両方が可能}で、立ち攻撃や飛び道具全般が該当し、大半は空中ガード不可能。 :[[中段判定>中段]]|&color(red){立ちガード可能、しゃがみガード不可能}で、ほとんどの空中攻撃とごく一部の立ち攻撃が該当する。 :下段判定|&color(red){立ちガード不可能、しゃがみガード可能}で、ほとんどのしゃがみ攻撃とごく一部の立ち攻撃が該当する。 :ガード不能|いずれのガードも不可能。 MUGENではHitDefのパラメータGuardFlagで定義される。 **食らい判定 相手の攻撃を受けるための判定。「やられ判定」とも。 これと相手の攻撃判定が重なると攻撃されたと見なされる。 基本的に見た目に沿ってつけられると思われがちだが、 実際には[[コンボ]]用に判定を調整されていたりするので &color(red){画面上のキャラクターの体のサイズとは必ずしも一致しない。} [[ケンシロウ]]と[[トキ]]のやられ中の食らい判定がその好例である。 MUGENではAIRファイルのClsn2(青枠)で定義される。 ''「食らい判定が無ければ、どんな攻撃も受けず最強じゃね?」''という思想の元作られた、 [[食らい判定の無いキャラクター>オメガトムハンクス]]も存在するが、現在は[[対抗手段>オメガトムハンクスキラー]]ができている。 ---- **当身判定 相手の攻撃判定を無効化し、何らかの反撃をするための判定。 これと相手の攻撃が重なると成立し、各技の効果が発揮される。 MUGENではAIRファイルのClsn1(赤枠)で定義されるが、 CNSファイルにReversalDefの命令を置く必要がある。 ただし&color(red){反応するのはHitDefのみで、Projectileには効果が無い。} **無敵判定 特定の、あるいはあらゆる攻撃判定をすりぬける判定。 「投げ無敵」「上段無敵」など攻撃の属性に対するものもあれば、 「上半身無敵」「足元無敵」など特定の部位に設定されたものもある。 MUGENでは前者をCNSファイルの命令NotHitByで定義し、 後者をAIRファイルのClsn2(青枠)を設定しないことで定義する。 ---- **「技の判定」 &color(red){先述の攻撃判定と食らい判定の大きさから導き出される。} 「判定が強い」と言う言葉もあるが、これは攻撃判定内に、食らい判定が少ない攻撃を指して用いられる。 ほとんどのゲームでは攻撃判定と攻撃判定が重なっても何も起こらないが、 自分の攻撃判定が相手の食らい判定に先に当たれば一方的に打ち勝てる。 つまり攻撃判定内の食らい判定がより小さい方が、有利と言う強みから、「強い」とされている。 たいてい剣や槍などの武器には食らい判定が設定されていないので、 一般に&color(red){武器を持ったキャラクターは技の判定が強い}とされるが、 その例外として[[スレイヤー]]や[[川澄舞]]のようなキャラクターもいる。 ***相殺 飛び道具同士などがぶつかった時にどちらも消滅する判定。 [[覇王翔吼拳]]など、相手の飛び道具のみを消滅させながら進める技も存在する。 また、作品によっては飛び道具以外にも相殺が発生する。 ***攻撃レベル 『[[STREET FIGHTER III>ストリートファイターIII]]』など一部作品における「技の優先順位」。 多くは&color(red){弱<中<強<必殺技<超必殺技の順}に高く設定されており、 優先順位の大きい技は優先順位の小さい技に一方的に打ち勝てる。 同じであった場合は相打ちとして双方が攻撃を受ける。 飛び道具等の相殺判定の順序としても用いられている。 //相殺や判定について追加しましたが、間違いがあれば訂正をお願いします。 ***MUGENにおける「技の判定」 AIRファイルで攻撃判定と食らい判定の大きさを決定し、 CNSファイルのHitDef内で攻撃レベル(Priority)0~7を設定し、 同じ順位の技が同時に当たった場合の対応を設定する(下表)。 |~自分側|~相手側|~結果| |Hit|Hit|互いに干渉せず、相打ちになる。| |Hit|Dodge|自分の攻撃を相手が避け、両者スカる。| |Hit|Miss|相手の攻撃が失敗し、自分の攻撃が当たる。| |Dodge|Dodge|両者とも避ける。| |Dodge|Miss|自分が避け、相手が失敗し双方スカる。| |Miss|Miss|両者とも失敗する。| さらにこれに加えてPriority値が最高の7でも、相手の当たり判定に重ならず、 相手の攻撃判定が自分の当たり判定に重なっている場合は一方的に打ち負ける。 ただしNotHitByによって無敵を設定されている場合はこの限りではない。 つまり優先度は&color(red){無敵>判定の大きさ>攻撃レベル>同時の場合の対応}の順。 ちなみにデフォルトのPriority値は打撃なら4。 投げ間合いの広いキャラクターが相手の打撃を一方的に潰すのを防ぐため、 通常投げは0~1が推奨されている([[和訳版カンフーマン>カンフーマン]]より)。 ---- //MUGENだとかなり無茶な判定のつけ方してるキャラが目立つから書いてみた //個人的な経験とかから書いてるんで加筆訂正してもらえるとありがたい。 **おまけ・攻撃判定および食らい判定のつけ方 ***攻撃判定 不自然なところで攻撃が当たらないようにするため、基本的には&bold(){見た目よりも小さくつける}(特に飛び道具)。 (そのためこの原則に当てはまらない技はしばしば詐欺判定呼ばわりされる。) また[[ロック技>ロック系必殺技]]は初段がヒットするとフルヒット確定なので、初段の判定は(特に超必殺技だと)あえて拾い辛いように小さくされる事が多い。 ***食らい判定 基本的には見た目通りにつけるが、実際にはコンボの都合で見た目より太くつけてあることが多い。 また仰け反りに関しては&bold(){立ちモーションやしゃがみモーションと同じようにつける}。 空中食らいの場合は空中コンボを考慮に入れた場合、腕などにも判定をつけて上下の幅を大きくしていることが多い。 一方、攻撃動作の食らい判定は無敵技を除けば原則として&bold(){通常モーションよりも食らい判定が拡大する}。 ほとんどのゲームではたとえ攻撃判定発生前であってもその時点で食らい判定が拡大しているケースがほとんど。 また攻撃判定発生中においても、意図的に判定を強く設定するのでなければ攻撃判定が出ているあたりまで食らい判定をつけることを推奨。 たとえ判定を強くする場合でも素手キャラであれば攻撃判定の発生している手足の途中、 武器持ちキャラなら手元のさらに先~獲物の途中あたりまでは食らい判定が突き出ることが多い。 逆にコンボ専用技として設計するのであれば攻撃判定は食らい判定のかなり内側に入れても十分機能する。 ***番外編・無敵判定 昇竜タイプの技には無敵をつけることが多いが、最近のゲームだと各種ゲージを一切消費しない場合 &bold(){全身無敵は攻撃判定発生前~発生直後に切れる}事が多い。 また全身無敵ではなく半身無敵や属性無敵といった限定的な無敵やただの強判定でしかないケースもしばしばある。 逆にゲージを消費する場合は発生直後も無敵が続くケースも多数あるが、この辺は発生やリターン、消費ゲージ、ゲージ効率、 元となるゲームのゲーム性、さらにはそのキャラの性能傾向などに大きく左右されるので各自で適切なところを見極めるしか無い。