ハシュマル


目覚めし厄

  • 全高:35.2m
  • 本体重量:49.8t
(HG 1/144 ハシュマル 説明書より引用)

ガンダム』シリーズの一つである『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するモビルアーマー
デザインは主人公機であるガンダム・バルバトスを担当した鷲尾直広氏。
名前の由来は主天使達を率いるとされる天使「ハシュマル」から来ている。つまりMUGEN的にはこの人の上司。

火星の荒野でガンダムフラウロスと共に発掘・調査されていたが、ある人物が迂闊にもモビルスーツに乗ったまま接近したために、
モビルスーツの動力であるエイハブリアクターに反応して再起動。その直後に怪獣のような咆哮と共にビームを発射*1し、周囲を焼き払った。

原作での機体カテゴリーは人型兵器であるモビルスーツと戦闘車両であるモビルワーカーが存在したが、
第2期である『弐』になって登場した本機は驚きを持って迎えられた。
というのは、本作では設定上の理由*2からビーム兵器は一切使用されていなかったのだが、ハシュマルはそのお約束をブチ破りビーム兵器を使用。
結果的に本作において唯一ビーム兵器を使う機体となったのである。

ハシュマル自身もナノラミネートアーマーを搭載しており射撃武器はほぼ通用しないため、撃破には近接攻撃が必須となる。
後頭部から尻尾の様に生えている「超硬ワイヤーブレード」と、両腕部先端にあるロケット式に発射できる槍の様な弾丸「エネルギー弾」も搭載し、
ビームの効かないモビルスーツ相手にも脅威となる威力を誇る。つまり、遠近両方に対応する強力な機体である事を意味している。
厄祭戦時代のハシュマルはモビルスーツにはワイヤーブレードやプルーマで攻撃し、ビーム兵器は施設や市街地などの人口密集地帯において、
人間を効率よく殺すために使っていたという。

さらに厄介なのが、無人の子機である「プルーマ」を製造する能力を持つ事。
ハシュマルは半永久機関であるエイハブリアクターを動力としているため機体を破壊しない限り稼働可能で、プルーマも資材さえあればいくらでも製造可能。
プルーマ自身もハシュマルと接続する事で補修及びエネルギー補給が可能であるため、
司令塔であり製造プラントでもあるハシュマルを先に潰さない限り被害は拡大していく一方である。

正に人間だけを殺す機械であり、よくもまあここまで人を殺す事しか頭にない兵器を作ったものである。

+劇中の活躍
ハシュマルを倒すために、本来敵対関係にある鉄華団とギャラルホルンは共同戦線を張る。
人口密集地帯であるクリュセへの侵攻を阻止するため、侵攻ルート途中の渓谷で迎撃する作戦が立てられるが、
功を焦ったある人物(前述の起動させた者と同一人物)の横槍で進路を変更。本来無視されていた農業プラントが民間人諸共焼き払われてしまう。

その後、再び渓谷からクリュセ侵攻を図るハシュマルを阻止すべく迎撃作戦を取る鉄華団とギャラルホルン。
ハシュマル自身の強さのみならずプルーマの大群に苦戦する両組織だが、ガンダム・フラウロスの活躍でプルーマの分断に成功する。
最終的に鉄華団のパイロット、三日月・オーガスがガンダム・バルバトスルプスのリミッターを解除し、
圧倒的な戦闘力を以て激闘の末にハシュマルをようやく撃破した。

しかしリミッターを解除して戦った代償も大きく、この戦闘後三日月は右足の感覚を失い、完全な右半身不随になってしまった
(それ以前に三日月は一度バルバトスのリミッターを解除して戦っており、その際に右目の視力と右腕の感覚を失っている)。
また、本機から回収された超硬ワイヤーブレードはバルバトスルプスに移植され、同機はガンダム・バルバトスルプスレクスへ強化を遂げた。

+厄祭戦とは
本編から約300年前勃発し、総人口の1/4を死に追いやり、文明を崩壊させた作中史上最大の戦争である。
当時は本編とは比較にならない科学水準だったらしく、戦いは殆どがAIを搭載した兵器に置き換わっていた。
そのおかげで人の犠牲が抑えられる効率的な兵器となったモビルアーマーだが、
激化する戦争により兵器に搭載されたAIが「目的が『敵の殲滅』から『人類の殲滅』へと拡大解釈されてしまう」事態となり、
その結果制御不能に陥ってしまう。しかもAI故に自己学習によってモビルアーマーは自らを改良・強化。人類の被害は拡大する一方であった。
やがて人類は団結してモビルアーマー打倒に注力する事になり、人類対AIの戦いになっていったという。

モビルスーツが「人型」且つ「人が乗り込んで操縦する」という方式を取っているのは、
「AIに任せているとロクな事にならない」という事を身を以て学習したからだけではなく、
「人の手で人ならざる者を打ち倒す」という意図があったからなのかもしれない。
更にモビルスーツに人の動き・思考をより正確に反映させる…いわば「人機一体」を実現させるために新たなインターフェース「阿頼耶識システム」に加え、
相応の出力を得るために半永久機関「エイハブリアクター」を2基搭載した。
これらを実現したモビルスーツ「ガンダム・フレーム」タイプが計72機作られ各地で奮戦。厄祭戦は最終的に人類の勝利に終わったが、
その被害は甚大での形状が変わってしまう程であった。

作中に登場したモビルアーマーはハシュマル1機のみだが、宇宙のどこかではモビルアーマーとの戦いが続いているのかもしれない…。

+余談
前述した通り、ハシュマルのモチーフは天使だが、これは『機動戦士ガンダム00』との対比と言われている。
更に言うと、『00』に登場するガンダムキュリオスの由来であるキュリオスは、ハシュマル同様主天使である。
これに限らず、本作は『00』との対比が多い。これは本作が元々『00』の次回作として予定されていたためだという(実際には『AGE』が先に放送された)。
他にも例を挙げると、
  • 1話で『00』のエクシアは空から舞い降りたのに対し、『鉄血のオルフェンズ』のバルバトスは地中から這い上がっている
  • 『00』のガンダムは天使モチーフに対し、『鉄血のオルフェンズ』のガンダムは悪魔モチーフ
    (総数72機&ガンダム・フレームの機体名は「ソロモン72柱」の悪魔が元ネタ)
  • 『00』のガンダムは最新鋭の技術を用いたハイテク機体に対し、『鉄血のオルフェンズ』のガンダムは300年以上前のロストテクノロジー
などがある。

なお、余談中の余談ではあるが「小型メカの製造・修復機構を持つ」「敵味方が共同戦線を取り迎撃に向かう」といった点から、
『ガンダムAGE』に登場する大型モビルスーツという体での超大型モビルアーマーである「シド」とも共通点が見受けられる。


(参考資料:『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ メカニック&ワールド 弐』)


世界を恐怖に陥れた戮兵器の再臨


961000氏によるキャラが主人公機を差し置いて存在する。
かなりの巨体とそれに見合ったLIFE1600というタフネスぶりに加え、常時ハイパーアーマー投げロック系の技が効かない。
ビームや踏み付け、凄まじいリーチを誇るテイルブレードによる攻撃の他、
専用のゲージを消費してプルーマをストライカーとして呼び出すなど、原作で見せた攻撃の数々を搭載。
また、ナノラミネートアーマーやプルーマによる本体の修復機能も備わっており、前者は飛び道具半減、
後者はプルーマが本体の近くにいるとLIFE回復という形で再現されているなど、製作者の拘りが光る。
ただし、一部の通常技の予備動作中にハイパーアーマーが途切れる上、巨体故に足元が死角になっている技も多いので油断は禁物。

AIは簡易的なものがデフォルトで搭載されている。
簡易とはいえ上記の仕様上かなり手強く、通常のキャラで勝つ事は難しいだろう。
961000氏曰く「狂に足突っ込んでる気はします」との事で、強さは大体凶~狂程度と言った所だろうか。

出場大会

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*1
当時公開直後だった『シン・ゴジラ』と、ハシュマル初登場回の翌週が番組の関係で時間がずれた事に因んで、
ファンからは 放送時間変更ビーム と呼ばれている。

*2
本作のモビルスーツや大型艦艇には「ナノラミネートアーマー」という特殊装甲が用いられている。
「ナノラミネート」という塗料で覆われたこの装甲は、動力源であるエイハブリアクターから発生する「エイハブ粒子」に反応し、
装甲表面に衝撃を拡散・吸収させる多重積層構造を形成するが、これはビーム兵器を拡散させる効果も持つ。
この関係で本編の時系列では既にビーム兵器は廃れており、
ハシュマルのビームを見た鉄華団の一員であるチャドが「大昔に使われていた兵器」と語っている他、
ビームの直撃を受けたモビルスーツ「獅電」が機能停止しながらも機体やパイロットは大きなダメージを受けなかったという描写もある
(尤も、受け流したビームによる流れ弾によって、獅電後方の農場プラントが壊滅的な被害を被るのだが)。
ナノラミネートアーマーに対抗するのに最も効果的な方法は、
メイスやといった大質量武器での近接攻撃による継続的な衝撃を与える事で、一気に摩耗させる事。
一応は銃火器による撃破も可能だが、その場合でも連射力のある武器を継続的に当て続ける(または関節部等への命中を狙う)か、
相応の質量を持った砲弾を高速で正確に着弾させる必要があるなど、難易度は格段に跳ね上がる。
大型艦艇同士の対艦戦闘では対艦ナパーム弾の飽和攻撃による高熱で溶解させるという方法が取られる場合もあるようだ。

以上の設定を踏まえて本作を見てみると、
ハシュマルに(作中に登場する機動兵器に対して効果が薄いという理由で全く使われていなかった)ビーム兵器をわざわざ装備・使用させる事で、
「本作のビーム兵器は、抵抗すらできない生身の人間を一方的に殺戮するための装備である」という事を視聴者に強烈に印象付ける事に成功している。
プラモデルでも専用のビームエフェクトが付属する事も、本作におけるビーム兵器の異質さを物語っている。

このような設定にしたのは、本作を手掛けた長井龍雪監督が「戦艦やモビルスーツがビーム1発で沈むのはおかしい」と感じたため。
このため、本作はシリーズ全体で見ても非常に鉄臭く、重々しい戦闘が繰り広げられている。


最終更新:2020年11月28日 23:34