シエル

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シエル - (2011/07/10 (日) 14:24:47) の編集履歴(バックアップ)











「聖なるかな、我が代行は主の御心なり。」


「──はい、代行完了。 おなかが減ったところでメシアンに直行です!」

性別:女性
身長:165cm
体重:52kg
スリーサイズ:85・56・88
種族:人間(元吸血鬼)
クラス:異端狩りの代行者
主武装:黒鍵、体術

プロフィール

TYPE-MOON製作のPCゲーム『月姫』のヒロインの一人。
フランス出身でシスター
ちなみに設定上では年齢は25歳らしいが、後述の事情で『月姫』本編終了までは不老不死だったため肉体年齢はまだ十代半ば。
「シエル」はフランス語で空を意味する洗礼名で、本名は「エレイシア」。
ファン内の通称は「先輩」「カレー」、また本編において(ry)ことから「尻エル」「」などと呼ばれることも。
某レプリロイドのナビ子とは名前と腹黒などの共通点があるが別人。
声優は『学校の怪談」の恋ヶ窪桃子や『X -エックス-』で猫依護刃を演じた佐久間紅美女史。

+ 詳細な原作設定
一大宗教の裏側である「異端狩り」の組織「聖堂教会」の中でも異端狩り、特に対吸血鬼に特化したエリート部署である「埋葬機関」の第七位の代行者であり、
神の代行として教義に存在しない異端を抹消する任務に就いている。
とある吸血鬼を狩るために物語の舞台となる三咲町を訪れ、暗示を使って学生に成り済まし、容疑者として遠野志貴の近辺を探っていた。
学生として過ごしている時は、ただのカレー好きな実にステッキーな先輩。優しく知的な先輩で頼りにされており、茶道部の部長でありながら影の生徒会長とも言われているとのこと。
月箱の紹介によれば日常の象徴らしい。
『月姫』本編終了以後の『MELTY BLOOD』では、吸血鬼に汚染された街の浄化の仕事を裏で手を廻して自分単独の仕事にして、町に滞在して学生生活も続けている。

とにかくカレー好き。カレーうどんを食べながらカレーライス食べるぐらいカレー好き。
そのカレージャンキーっぷりは「シエル=食事すべてがカレー」と定義されることがあるくらいに凄まじい。
上の台詞にある「メシアン」も近所のカレー屋の名前である。
……え? アニメではパスタを食べてたって? ハハハ、そんな馬鹿な。
+ 余談
シエルがカレーを好きになったのは埋葬機関での初仕事で出会った死徒、
「カリー・ド・マルシェ」が関係しているというきのこ氏の証言がある。
名を和訳すると「マルシェのカレー」。「マルシェ」は日本でおなじみのカレールーのメーカーから。
本名はキルシュタインと言い、シエルがロアに支配されていたころの部下。
アルクェイドにシエルが殺された際に逃げ延び(シエルは3年後に復活)、
強大な力を手に入れ「空棺のキルシュタイン」と名乗る。
「触れた物質の性質に干渉して変質させる」という超抜能力(?)を持っていた……が、
インドでカレーの味に出会ったことにより血の味を受け付けなくなり、弱体化してしまった。
弱体化後は「触れた物質をカレー味にする」ことに心血を注いでいた模様(一応、これに関しては「血をカレー味にして大量摂取可能とする」ことを目指すという吸血鬼らしい理由がある)。
あとオカマ言葉で話すようになった。
そして弱ったところをついにシエルに追い詰められ仕留められそうになるが、最後にカレーを指差し、
その料理こそ・・この星の宝ともいえる至高の料理・・このまま腐らせるのは忍びない 私の代わりにシエル・・貴女が食べてやってくれないか・・
とのたまい、シエルも毒がきかないのでそれ位なら安い代価だと了承したという。
しかし彼女自身がそのカレーの味をいたく気に入ってしまい、カレーにのめり込んでしまったという。

このキャラは奈須きのこ氏(月姫のシナリオライター)が旧HPの座談会で武内崇氏(月姫のキャラクターデザイン)
に語ったキャラクターだったのだが、後に武内氏が同人でこのカリーを出し、
原稿が終わった後に設定に付いて尋ねた際に奈須氏が「カリー・ド・マルシェ?そんな死徒いねぇよ」と即答、
本気で友情が崩れかけたという美談(?)がある。
この件はよほどショックだったようで、歌月十夜に「もう何がなんだか分からねぇ」という愚痴が残っている。

法螺(奈須氏はうそつき星人を自称している)なのでどの発言が公式設定なのか扱いに困る。
ただ、奈須氏が事前に他の設定全部嘘と言った上で「カリー・ド・マルシェだけは本当だよ」と言ったのがTYPE-MOONの旧HPにてしっかり残っていたりする。
どこぞのマーボー神父&シスターといい、聖堂教会ってこんなのしか居ないのか。

過去のある出来事からアルクェイド・ブリュンスタッドとは犬猿の仲で、『月姫』本編で偶然出遭った時はお互い隙あらば殺そうほどだったが、
『月姫』本編終了後は「志貴の嫌がる事はしない」という暗黙の了解からか、お互い小競り合いはするものの殺し合いにまで発展する事は少なく、
アルクェイド曰く『喧嘩友達』程度の対応で済む程度の仲になっている。
もっとも、シエル側が本気になってかかってもほんのちょっとだけ(奈須きのこ氏曰く「獅子と餌程度の」)実力差がある為、歯が立たないからでもあるが。
だが、教会から武器を持ち出し(黒い銃身など)遠野志貴と組んだ場合、アルクェイドを完全に殺しきることが出来る。

+ 過去のとある事情、ネタバレ注意
本編のラスボスである吸血鬼ミハイル・ロア・バルダムヨォンの十七代目の転生体。
フランスの片田舎でパン屋の娘として平穏に暮らしていたが、17歳になった頃から覚醒し始めたロアの意思に蝕まれて吸血鬼化、最終的に父親を始め多くの住人を虐殺する。

ロアにとってただの人間など退屈を紛らわす玩具に過ぎず、アルクェイドがロアを殺しにやってくる2日間に住人を皆殺しにした。
この間、シエルは意思の主導権こそロアに奪われているが意識は残っており、自分が起こす虐殺を目の当たりにしつつも、シエルの意識が完全に無くなればロアによる虐殺がさらに凄惨なモノになるため、意識を放棄することも出来無いという拷問状態を味あわされる。
この際ロアの意志の持つ知識や記憶を共有しており、アルクェイドを恨んでいるのもこの辺りが原因。
最終的にアルクェイドに殺されることで虐殺は終わり、シエル(当時はエレイシア)の肉体の死と共にロアの意志も消え、そのまま死ぬはずだった。

だが悲劇はまだ終わらなかった。
シエルの肉体は異常に多い魔術回路によって、死亡から3年の後自力で蘇生を果たしてしまう。
シエルの遺体は「吸血鬼から人間に戻ったサンプル」として聖堂教会に保存されていたのだが
突然そのサンプルが息を吹き返したのだからさあ大変。
それで教会の人が何をしたかといえば「死んだ人間が生き返るのは神の摂理に反する」としありとあらゆる方法で殺し続ける、という倒錯(ロア談)した行為だった。

だがどれだけ殺し続けてもシエルが死ぬことはなかった。
TYPE-MOON世界には「世界」に重大な矛盾が生じると「世界」そのものがその矛盾を修正するというシステムがある。
ロアの転生体としてロアの魂の転移・同化を受けた時点で、意思がどうであろうとシエルの魂はロアの魂であるため、
転生したロアが存在する限りシエルが死んでも「ロアが生きているのにロア(シエル)が死ぬ」という矛盾を生み、世界がそれを修正してシエルを時間逆行などの現象で蘇生させるため絶対に死ねないのだ。

その事実に気付くまで実に1ヶ月もの間様々な方法で殺され続けることになる。
その内容は凄惨極まりなく漫画版だと分かっているだけでも
五肢切断、全臓器摘出、酵素による腐食、高熱炉投入、王水で溶解、神経・骨髄を取り出す等聞いてるだけでも体が痛くなる内容。
そんな地獄のような行為を最低644回行われてる。
当然麻酔などかけるわけがない。

そうして教会も処理に困っていた所を知らせを聞いた埋葬機関の司祭が、
「受け継がれた稀代の魔術師であるロアの知識」、「不死性」、「肉体のポテンシャル」等を理由として
代行者としてメンバーに加えることになる。
そして時が経ち、シエル自身も不死の呪いを消すためロアの討伐に向かい三咲町に向かう…というのが「月姫」本編前のストーリーである。

…よくもこんな目にあって精神が破綻しないものである。先輩の寛大さには感心せざるを得ない。
ちなみにパン屋の娘で大人になったらケーキ職人になりたかったという女の子だっただけあって、お菓子作りの腕はちょっとしたものなのだが、過去を思い出すのであまり作る気にはなれないらしい。

卓越した身体能力、膨大な知識、任務遂行時はクールで冷徹だが、誰にでも温かく接する優しさを持つ。
前述の事情から魔術の知識だけなら魔術協会の最上位魔術師にも匹敵し、また並の魔術師の100倍を超える膨大な魔力容量を持つため、
魔術を用いた戦闘でも高い実力を誇り(さすがに神代の魔術師には及ばないようだが)、
普通の魔術師(例えばセイバーアーチャーマスターたちなど)と比較すればぶっちぎりで勝てるほどの魔力と魔術技能を誇る。

表立っては魔術を禁忌としてる教会(カトリックは現実にも魔法・魔術の類を否定している)に属してはいるが、異端狩りにおける有用性から裏では重宝される。
シエル本人も根っからの信徒ではないため吸血鬼殲滅のためなら魔術を使用するが、過去の事情から本人は魔術の行使には極めて嫌悪感を懐いている。
数多くの武器を法衣の下にしまい込み、それらの武器の投擲や射撃による攻撃を主とする為、埋葬機関から「弓」*1と呼ばれる。
主武装である投擲用の剣「黒鍵」は柄だけを持ち歩き、魔力を通すと刀身が表れるという代物である。
また単純に銃器好きでもあり、「第七聖典」と呼ばれる由緒ある角の神具を趣味でパイルバンカーに改造してしまった。
+ 第七聖典
教会が所有する神具。1000年程前に死した一角馬の角に宿る霊と生贄の少女の霊を融合させ(本体の角に守護精霊として宿っている)、同時に「転生、かっこ悪い」と角にびっしりと彫ることで作り上げられた概念武装。
パイルバンカーだが、法衣の形をとることもできるため持ち運びには便利。
「転生批判」の礼装で、霊的なものに対して非常に強力な攻撃力を持ち、まともに喰らえば魂は輪廻転生かなわず霧散する。

初めは厳かな神具として儀礼の「締め」として使われていたが、時代が進むうちに槍、杭、銃剣といった武器として使用されるに至る。
極め付けには、シエルの趣味による改造によってパイルバンカーと化し物理的にも吸血鬼や人間をあっさり殺せるような代物になってしまう。

第七聖典の使用時は、いくら彼女といえど負担が大きいため全身に制御用のボディペイント(正式名称:第七聖典制御刻印 普段は見えず、第七聖典使用時のみ浮かび上がるとか)を施している。

+ 余談2
第七聖典に宿る精霊はシエルからは「セブン」と呼ばれ、契約を結んでいる。

MELTYBLOODでも開始時のイントロで半透明の彼女が見えたり、勝利メッセージで言及されている。
シエルのことはなんだかんだ言って気に入っており、また高いマスター補正のおかげで実体化することの力を得ているのだが、
由緒正しい第七聖典が魔改造されり(ちなみに、それまでは一度も実体化したことが無かったが、あまりの暴挙に物申すために実体化した)、
雑用を押し付けられていることについては不満たっぷりなようである。
ちなみに改造の影響か、かなり性格骨子が歪んでいる。

そして「歌月十夜」ではあまりの仕打ちにシエルの元から本体である第七聖典ごと脱走した。
そしてその後、なぜかドブ川を流れることになり、中々のガラクタぶり(まさかパイルバンカーとは思わなかったようだ)に目をつけた志貴の友人である乾有彦が回収した際に偶然第七聖典に付いた血を元に、
彼と仮契約を(勝手に)結び、押入れにしまわれた第七聖典と自分との関係を隠しつつ、脅したり、脅されたり、
「ななこ」という名前をつけられたりするわけだが……それはまた別のお話。
詳しく知りたい人は原作をやろう。

なお、かのアニメ版では両モードとも登場せず、ボディペイントのみの登場。
代わりに怪しげな三叉槍を持って登場してたため「あれはパスタフォークだ」「流石はパスタ先輩」などと揶揄される一因となっている。
この三叉槍も黒鍵の一種なのか火葬式典が付与されていたほか、投げつけた後は黒鍵、三叉槍ともに柄ごと聖書のページに変化して消えてしまう描写がなされた。

その各能力の凄まじさは型月世界でも相当上位で、純粋な人間(厳密にはそうとも言えないのだが)の中では最強クラスと言っていいほど。
MBAAではロアに「過度の武装は枷になる。奇跡のような肉体を知恵で拘束しているようなものだ」と評される。
その潜在能力の高さは二十七祖も認めるほどであり、折り紙つきと言えよう。
それと同時に「異端を嫌悪する前に自らの超越性と向き合え」とも言われ、
卓越した魔術技能と常軌を超える魔力を嫌悪している事が能力のブレーキとなっている事を指摘されている。

だが『月姫』には更に凄いキャラというか存在自体がチートなキャラが多く、本編での活躍は全ルートでそれらの凄さを見せるための噛ませ犬。

さらに自分のルートのエンディングでもアルクと志貴を取り合うことになりちゃんとした恋人同士になれない(他にこんなEDになるキャラはいない)、
公式でカレーと尻しか取り得のないネタキャラ扱いされる、専用ルートが削られた人に人気投票での順位を脅かされるなど、なにかと不遇の人でもある。
……え?男性キャラや自分のサーヴァントにすら負けた人もいるって?

志貴を助ける回数はメインヒロイン中最多と言っても過言ではないのだが、名脇役のポジションに収まりがちなのが悲しいところ。
同じ便利なお助け屋で名脇役でも、遠坂凛はメインヒロインの一角として確固たる人気を築いたのに。

『歌月十夜』では……、カレー。もはやその言葉につきる。「まぁシエルだし」の格言も生まれた。
ホント、彼女が何をしたって言うんだ。

「強く、優しく、それでいて華麗な」シエルの勇姿を観たい方には漫画版『真月譚 月姫』をお勧めする。
漫画版でも基本はアルクェイドルートではあるが、そこはシエルスキーとして一部で有名である佐々木少年が作者のこの作品、
メインキャラとはほぼ全員戦闘するほどにシエルの出番が増量されており、原作では使用されていない多彩な魔術も使用する。
+ 漫画版で先輩が使った魔術一覧
原作で使用した物も含む。
……などなど。なんという多芸っぷり。

また、漫画で第七聖典を使用した際は天まで届くぶっといビームが出た。……そういう武器でしたっけ?
ちなみにこのシーンでは、既に相手は黒鍵で吹き飛ばせば問題ないレベルまで弱っている。オーバーキルすぎる……
それに加えて体術も駆使したその華麗なる戦闘には原作未見でも感嘆すること請け合いである。
……だから先輩は本来もっとカレー華麗なんだよ!

なお『月姫』と同世界観であるの主(マーボー)と同じ組織に属するが、実力ではシエルのほうが圧倒的に上。
ただし演出上どう見てもマーボーのほうが強く見えるのは内緒。てか第四次聖杯戦争の時点では衛宮切嗣への執念と大量の預託礼呪故に総合的にはシエルを上回るらしい。