比良坂初音

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比良坂初音 - (2019/01/16 (水) 20:46:49) の編集履歴(バックアップ)



「身の程を知るのね、豚」

アリスソフトから発売された成人向けPCゲーム『アトラク=ナクア』の主人公。「ひらさか はつね」と読む。
題名はクトゥルー神話の大蜘蛛の怪物アトラク=ナクアではなく(こちらは元ネタの元ネタ)、
『夢幻紳士 怪奇編2』の美女に化ける蜘蛛の学名「Atlach=Nacha」への模倣である。
しかし彼女の魅力的かつ完成されたキャラクターは日本のクトゥルフ神話ジャンルへも多大な影響を及ぼしており、
アトラク=ナクアが擬人化される際は「旧式セーラー服を纏った黒髪の古風な美少女」が定番として確立された。
特に『這い寄れ!ニャル子さん』の銀アト子はまんまである(銀(しろがね)と言う苗字も本作が由来)。

ファンからは同作の登場人物であり、ヒロインの一人である深山奏子からの呼称を取って「姉様」として愛されている。
また、『痕』の末っ子とは名前以外にも発売時期も比較的近かったせいか、二次創作等で時折ネタにされる。


原作での活躍

+ ネタバレ注意
宿敵である銀(シロガネ)との戦いで傷ついた体を癒す為に県立八重坂学園に潜り込み、結界を張った主人公の女学生。
長い黒髪に切りそろえられた前髪。赫い瞳。白い肌に身をつつむは、髪同様の黒いセーラー服。
(なお八重坂学園の制服は初音を際立たせる為かベージュのブレザーである)
性格はしとやかで妖艶で古風、そして残酷。その正体は400年の時を生きる女郎蜘蛛
人の記憶を操作しているため、昼間は転校生として、同級生である高野沙千保の教室で疑われずに生活している。
そして夜は使用されていない空き教室で、再びシロガネと戦えるだけの力を蓄える為に贄を待つ。
贄として選んだ人間の心の隙間につけ入り、傷を広げ苛み弄び犯し精気を啜り、喰らう。
しかしふとした気紛れから助けた少女、深山奏子との交流が、徐々に彼女の心を変えていく……。

日常生活では、100年ぶりに人里に降り立ったこともあり、世間一般の常識とかなりずれた一面を見せることもあり、
定番で類型的な古風なお嬢様キャラになりがちな外見であるが、赤い瞳かつ垂れ目、初音独特な古風な言葉使いなどが、
普段は穏やかなのに残忍、丁寧な物腰なのに魔性を感じられ、凛々しいのに儚げといった相反する印象を与え、
プレイヤーに非常に人気がある。ちなみに外来語は平仮名で話す。

(以上、wikipediaより転載、改変)

+ その過去
その過去はゲーム本編では語られていないが、小説版において詳しく描写されている。

元々は初音は単なる人間であり、蜘蛛神へと捧げる生贄として育てられていた少女である。
しかしながら儀式の晩、彼女の容貌に劣情を抱いていた義兄によって陵辱を受け、
瀕死の重傷を負ったところを蜘蛛神-シロガネの気紛れにより、眷属として救われたのだ。

その後、シロガネの伴侶あるいは娘として長い月日を生きてきた初音であったが、
シロガネが気紛れから人間の巫女を妻とし、娘さえも儲けたことに嫉妬。
母娘を誘惑し、陵辱し、更には殺害してしまう。
(巫女には妹がおり、その子孫は本編に登場している)

かくてシロガネと初音は決別し、長きに渡る蜘蛛神同士の因縁が始まったのである。

尤もシロガネにとっては全て余興に過ぎず、妻子の復讐等と言う感情は一切無い。
それどころか初音のそう言う行動を楽しんでいるぐらいである。
そもそも眷属に過ぎない初音に対しシロガネが手加減をしている状態で、
蜘蛛神姿の初音に対しシロガネは人間の姿(つまり本気ではない姿)で戦っている。
そのシロガネの油断から最後は相討ちになるのだが、
逆に言えば手加減されても初音には相討ちが精一杯と言う事である。

初音自身も頭ではシロガネに対する嫉妬等の感情をつまらぬ物だとは理解しているが、
彼女にとってもまたこういった人間的な感情は娯楽であると共に、
まだ蜘蛛神としても若いため、シロガネほどに達観する事ができないでいる。
ただ数百年昔はシロガネ自身も気紛れに人間の武士と友誼を結んで妖怪退治の旅をしており、
彼が死んだ時には「妻に会いたい」という望みを(かなり歪んだ形でだが)叶えてやったり、
さらに前述の巫女と子をなした時は、そういう生活に楽しさを覚えるなど人間味が残っていた。
初音も年を経ていけば、シロガネ同様に人間らしさがなくなってしまうのかもしれない。
(余談ながら、この武士の子孫もまたアトラク=ナクア本編に登場している)

元々は、アリスソフトのファンディスク作品であった『アリスの館4・5・6』の収録作品の一つで、
短編の伝奇ビジュアルノベルである。言うなればファンサービスでの「おまけ」のような存在であった。
だが、短編ながらも非常に完成度の高い内容、今なお印象に残り名曲と数えられる楽曲の数々により、
単なる「おまけ」の枠を越えて熱狂的な愛好者を獲得、今なお美少女ノベルゲームの代表格の一つとして知名度を持っている。
その人気を受け、アリスソフトもそれに答えるように、この『アトラク=ナクア』を単体商品として2000年9月に発売した。

遥か太古から続く想い、儚くも激しく愛し合い、また新たに芽生える愛情と憎悪が巧みに折り込まれた内容に、
当時ノベルゲームの独壇場であったLeaf作品と共に、老舗ならではの実力を見せつけたアリスソフトならではの作品の一つである。
こういった蜘蛛の力を持つ美少女というのは、江戸時代の読本『白縫譚』などを始めとして多くの例があるのだが、
『アトラク=ナクア』は、その「妖艶な土蜘蛛」という題材を見事に現代に再現してみせたという事から、
単純なアダルトゲームとしてのみならず、「伝奇小説」としても極めて高い評価を受けている。

余談だが、アリスソフトは『雫』・『』以降の成人向けゲーのビジュアルノベル化の氾濫に
当時は批判的な姿勢をとっており(現在もゲーム性皆無の成人向けゲーばかりの市場に対して疑問を呈している)
今作品も初期構想ではシミュレーションゲーム性を備えたゲームであった。
と同時に、「うちもやろうと思えばこんくらいは出来る」という、アリスソフトなりの業界への問題提起であったとも言える。

また97年の作品でありながら初音と奏子との関係は、今で言うところの「百合」を強く連想させる描写も多く、
エポックメイキングである『マリア様がみてる』が98年出版、04年よりアニメ放送開始である事を踏まえ、
(尤も初音姉さま自身は男も女も構わず食っちまうような蜘蛛の妖怪だが)
美少女系ジャンルにおける百合モノの走り的な作品として見られることも多い。

2010年11月に発売されたアリスボーカルコレクションCDでは
アリスソフトの数多のヒロインを差し置いてジャケット絵を飾っており、未だに高い人気を誇っていることが伺える。

+ もう一人の初音
実は『アトラク=ナクア』という物語には後日談が存在しており、其処にもう一人の「初音」が登場している。
『アリスの館4・5・6オフィシャルガイド』に掲載された短編小説がそれである。

彼女は全く歳をとらない母親を伴って各地を転校し続けるという以外は、極普通の少女である。
母親は夢見がちな様子で毎日編み物をしているだけで、買い物も食事作りも初音の役目だった。
そして初音と母はまるで容貌が似ていない。本物の親子であるかどうかも、初音には疑問であった。

しかし13歳となったある日、初潮を迎えた初音は、己の腕が「蜘蛛」になるという怪奇に見舞われてしまう。
更には助けを求めた母親からは口づけを迫られ、「姉様」と呼ばれるに至って、遂に母と決別。
祖父に母親を託し、一人都会へと赴いていく……。

小説の題名は『系譜 The next series Atlach=Nacha』
即ち、本編のある話において初音が遺し、奏子が引き継いだ卵から孵った娘。
蜘蛛の妖怪としての力と、人間の少女としての心を持つ、もう一人のアトラク=ナクア。
それが彼女――深山初音なのである。

今のところ『アトラク=ナクア』の続編製作予定は無い為、彼女に待ち受けている運命は知る由もないが、
後述するMUGENの初音においても、2Pカラーとして深山初音の設定は組み込まれている。
ストーリー動画などでも活用できる設定であろうから、参考までに。

クトゥルフ神話、伝奇小説、ノベルゲーム、百合などなど各方面に多大な影響を及ぼした、
日本サブカルチャーの中では伝説的な作品にして珠玉の名作、古典の一つなのである。
18禁アダルトゲームというジャンルではあれど、先入観を捨てて是非プレイして頂きたい。


格闘ゲームにおける比良坂初音

格闘ゲームには、同人サークル「夢の続き」開発の『アリス戦記』に(原作にはないボイス付きで)登場している。
『アリス戦記2』での性能は動きが速く、防御が紙のスピードキャラに分類されるが、優秀な牽制技と設置技を持つため「待ち」も強い万能キャラ。
また、豊富な対空技と空中ダッシュを持つため、空中での攻防が激しい『アリス戦記2』のシステムに適したキャラとも言われている。

一定時間キャラクターごとに違った効果を発揮する「モード発動」の初音固有の効果は、「一部の必殺技をヒットさせることで自分の体力が回復するようになる」というもの。
これは全キャラクターが使用可能な「回復」とは別物であり、「回復」のように隙を作ることなく、攻撃しつつライフを増やすことが可能となる。

MUGENにおける比良坂初音

このえ氏によって手描きのキャラが製作されている他、IF氏によって『アリス戦記2』の再現キャラが期間限定公開されていた。
動画に登場するのはほとんど全て、先に公開されていたこのえ氏製作の手描きキャラである。

  • このえ氏製作 EFZ風改変ドット
『アリス戦記』のドットではなく、『Eternal Fighter Zero』風の手描き改変ドットで製作されたキャラ。
β版とのことだが一通りの技は揃っており、基本的な動作に支障はない。
動画の公開先URLが無効となっている為、正規入手は不可だが、
現在はhamer氏が代理公開をしている。

蜘蛛の糸で相手を引き寄せる技や子蜘蛛を爆弾のように設置する技を持つ他、空中ダッシュ時はステージに蜘蛛の巣を張り巡らせてその側面を駆けたり、二段ジャンプの二段目は空中に張った蜘蛛の巣の上で跳ぶ、といった原作の設定を生かした面白い動きが多く、エフェクト類の見栄えも素晴らしい。
また、2Pカラーにファンブックに掲載された後日談のネタが仕込まれていたりするなど、製作者の深い愛を感じさせるキャラクターである。

キャラ本体にAIやボイスは搭載されていないが、エマノン氏によって外部AIが製作されている。
また、あばばばばば(株)氏によってボイスを追加するパッチも製作されているが、こちらは現在ダウンロード不能のようだ。
エマノン氏AI紹介動画 ボイスパッチ紹介動画

  • IF氏作 アリス戦記2仕様
岳画殺も製作したIF氏による『アリス戦記2』のドットとボイスを使用した再現系キャラ。
ただし、lifeやdefenceは標準的(カンフーマンと同じ)であり、原作の様に防御が紙という訳ではない。
また、『アリス戦記』は『MELTY BLOOD』などと同じくラウンド開始前に移動関連の行動が可能なのだが、こちらに関してはオミットされている。

原作の技は全て搭載されており、コンボもほぼ再現可能(mugenとの仕様の違いによりタイミングは原作よりシビアだが)。
技の性能も再現されているのだが、多少の隙があるとはいえゲージ無消費で何度でも使える上に 最大回復量348 の「回復」は、全キャラが共通システムとして使用可能な原作ならともかく、回復手段がないゲーム出身のキャラも多いmugenではぶっ壊れ性能になっていると言っていいかもしれない。
AIはキャラ本体に標準搭載されており、専用ステージの「Yaezaka high school basement」も同梱されている。

期間限定公開キャラであり、すでに公開は終了している。そのため動画に登場する機会は少ないと思われる。


出場大会

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出演ストーリー

その他