にょき

「にょき」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

にょき - (2012/05/25 (金) 23:26:56) の編集履歴(バックアップ)


にょき


「デコ三大奇ゲー」と呼ばれる『トリオ・ザ・パンチ』の2面開始前に表示される謎の言葉。
転じて、2面自体を示す言葉としても利用される。

2面では、空中に手が浮いており、落下攻撃を仕掛けてくる。この手を攻撃して撃墜すればステージクリアとなる。
地面にはパイプのようなものが伸縮を繰り返していて、移動が阻害される。
「にょき」とは、この伸縮を繰り返すパイプを指す言葉だと思われるが、
文字を見た時点では伸びるものがパイプだと分かる訳が無い。
そもそもステージの敵となるのは空中に浮かぶ手であって、足下のパイプではない。

こうして(前ステージの小型カルノフ数名に担ぎ上げられた変なポーズのカルノフ像に続いて)
「このゲームは一体何が起きるのか」とプレイヤーに強烈なインパクトを与えた。
そして、この「にょき」に続いて「羊の呪い」「浦島太郎か」「毒どく」「これぞ日本」「懐かしい」などの謎フレーズと
不条理を極めた世界がプレイヤーを待ち受けるのである……。

0:58~

+ 『トリオ・ザ・パンチ』とは
以前から兎に角変なゲームを出す事でも知られたDECOことデータイーストのゲームの中で、一際異彩を放つ「問題作」。
カルノフ』&『チェルノブ』と合わせて「デコ三大奇ゲー」と呼ばれているが、
こと 「奇」 という一点においては同列に並べられている前者二作品ですら及びもつかないと言える。

設定もストーリーも不明、むさ苦しい三人の男を選んで敵を倒していく横スクロールアクションなのだが、
使えるプレイヤーも「剣士(ローズさぶ)」「忍者(カマクラくん)」「岡村タフガイ(サントス)」と統一感がなく、
その風貌も一般的に想像しうる造形とは離れてしまっていたりとカオス度も半端ない。
三人には性能に違いがある他、それぞれ固有のBGMがあり、ゲーム開始から終了まで一瞬も途切れずに流れ続ける。
どんなステージでも、ステージクリアから次のステージに移る間も、ゲームオーバーのコンティニュー待ちカウントダウンの間も
それぞれのBGMがひっきりなしに鳴り続けるのである。
ただし、クリアーたからくじでキャラクターチェンジが選ばれた時のみ、キャラクターセレクト時のBGMが再生される。
特に使用率の高い忍者カマクラくんのBGMは非常に洗脳性が高く、気がつくとエンドレスで頭に響いているほど。

ステージや敵の内容も形容しがたいものばかりで、上記「にょき」ばかりではなく
序盤の雑魚全員がカルノフだったり(大量に沸いてくる。攻撃方法は結構多彩)、*1
和風の城で忍者と戦いながら天守閣に登り、城主らしいボスを倒すと本当のボスは飛行するシャチホコだったり、
現代日本風の場面で出てくる雑魚が世紀末風のチンピラたちに混ざってやたらグロいゾンビがいたり、
中ボスで何の脈絡もなくチェルノブが巨大ハンマーを得物に襲いかかってきたり(ただし、マスクがモノアイでない等、微妙に見た目が異なる)、
「浦島太郎か」とタイトルが出るステージではカルノフが亀をいじめており、そのカルノフを倒して亀を救出……
しかしいつまで経っても何も起こらず、仕方がないので亀を攻撃すると甲羅中から「よくぞ見破った」とルーレット画面で出てくるジジイ(チンさん)が襲いかかってきて
倒すと「強くなったな」負けると「甘いな」と何の脈絡もなく言ったり、結構先のステージに進んだら「修行ぢゃ」と懲りずに襲いかかってきたり、
「だるまさんが転んだ」をやらされて、味方ばかりか敵まで行動停止するため何の意味もなかったり、
とあるステージのボスが某ファストフード店のお爺さんの像*2で、破壊すると鳥がフライドチキンを放ってきたり、
また別のステージボスの羊を倒すと「呪ってやる」と告げられ、次のステージを羊の姿で進む羽目に陥ったり、*3
この羊の姿にされた状態が攻撃性能が極めて強く、しゃがむだけで無敵状態が永続するという無茶苦茶な性能だったり、*4
終盤では硬くて手強いスライムと戦わされるだけのステージがうんざりするほど繰り返されたり、
コンティニュー待ち受け画面に何の脈絡もなく自由の女神が表示され、コンティニューすると女神の顔が
やけに前衛的な絵柄に変わったりラスボスが本気で意味不明だったり(後述)、
兎に角ありとあらゆる観点から「破綻」しまくっている世界観である。

元々このゲームの企画発端は「アーケードでプレイ出来るすごろくゲーム」だったそうなのだが、
二転三転してこのような形になってしまったのだという。
ステージクリア後にあるパワーアップルーレットが、その唯一の名残という。
ただし、ルーレットでありながら名前は「クリアーたからくじ」。どこが宝くじなのかは不明。
一応、古代:剣士(ローズさぶ)、江戸時代:忍者(カマクラ君)、現代:タフガイ(サントス)と
三人のキャラクターに対応しているとおぼしきステージの作りになっているが、
どのキャラクターも全てのステージを攻略するため、必ず存在自体が不自然な場面を突破する事になる。
あと存在自体が不自然な敵が頻発するのでプレイヤーが場面に合っていたとしても違和感がなくなるわけではない。

+ そしてこのゲーム最後のボスは…(ネタバレ)
ずばり、『鳩』である。
鳩型ロボットとか鳩型戦闘機とかではなく、ただの。…なんなんだこのゲーム。
敵らしいものが見あたらない平和な公園で、無害な動物を攻撃していき、「ざんこく」などのメッセージが表示され
最後の標的となるのが鳩。これを倒すと「ば れ た か げろげろ」という台詞と共に、
足下の地面が巨大な目玉を持つ怪物だった事が判明する……も怪物はそのまま倒れる。
そして何の脈絡もなくエンディングが始まる。

無理矢理に解釈すると、このゲームを通して戦ってきた敵は「平和で常識的な日常的世界観そのもの」であったのだろうか。

ゲームバランスや単調な内容で人気は無かったが、そのあまりにも形容しがたい作りで、中毒的なファンは今でも多い。
そのためか本作のパロディも割と見受けられ、『ぷよぷよ通』に「トリオ・ザ・バンシー」なるキャラがいたり、
雲居一輪&雲山が本項目のステージを模した「入道にょき」という技を使ったりする。
現在ではPS2での『オレたちゲーセン族』というアーケード復刻シリーズの1本としてリリースされているが、
エミュレーターの精度が低いため、完全な移植とは言えない。


MUGENにおけるにょき

アフロン氏が製作。原作ドットを用いたボーナスゲームになっている。
無尽蔵に沸いて出るカルノフを倒してハートを5個集めると手が登場し、これを撃破するとクリアになる。
(ハートに攻撃を当てても取った事になる)
原作通りの大きさなのでカルノフはかなり小さく、弾を撃ってくるものや空中から攻撃してくるもの、
爆弾を置いていくものなど『トリオ・ザ・パンチ』の多彩なカルノフが総動員で襲ってくるので中々厄介。
本命の手との戦闘中でもカルノフがいるので、原作以上に厳しい戦いになる。
幸いカルノフは一撃で倒せるので、素早く足下を攻撃できるリーチの長い技(スライディングが特に有効的)、
空中で出っぱなしになっている攻撃判定が広い基本技があると戦いやすい。

敗北するとコンティニュー画面が表示され、最終ラウンドでない場合はクレジットが投入されコンティニュー、
最終ラウンドの場合はそのままゲームオーバーが表示される演出となっている。
コンティニュー画面に表示される石像の顔も、原作通りにコンティニューした場合に不気味な顔に変化する。

ボーナスステージの例に漏れず、にょき自身を操作する事はできない。
そのため何かのキャラクターでにょきに挑む事になるが、AIでは対応し辛い構成なので、
プレイヤー操作で挑戦するのが良いだろう。
悪夢の対決ドゥエvs.にょき

出場大会

  • 「[大会] [にょき]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
このゲームでは出てこないが、溝口誠もDECOの別ゲーム『JOE&MACリターンズ』にて雑魚敵扱いで登場している。
一画面の敵全てが溝口という状況に『トリオ・ザ・パンチ』の状況を思い出したプレイヤーも多いだろう。
同ゲームでは勿論敵全員カルノフというステージも存在する。ちなみにチェルノブはアイテム扱い。

*2
流石にアプリ移植版では差し替えられた。

*3
この羊の呪いは『水滸演武』における溝口誠の超必殺技としても採用され、MUGENでも再現されている。
裏骸の羊の演出の元ネタもコレ。

*4
当然、「羊のまま最後までプレイさせてくれ」という冗談混じりの要望が続出した。
終盤のステージは中々きついので「羊だったら楽に勝てるのに……」と思う事も一因である。