雲居一輪
尼僧のような紺の頭巾と白服の格好をし、チャクラムのような輪を持った入道使いの妖怪。雲山の使役者。
髪の色はわずかに覗く前髪から薄い青紫と判別出来る。瞳の色は青。
髪型は普段は頭巾に覆われていて判別出来ないが、『心綺楼』では頭巾を脱いでウェーブがかったセミロング姿を披露している。
聖輦船船長 村紗水蜜達の仲間で、彼女達とともに地下世界に封じられていた妖怪の一人。
聖白蓮を「姐さん」「聖様」と呼び慕っている。
普段は誰から指示されたわけでもなく、自主的に星蓮船を警備しているセキュリティの人。
船の探索に訪れた 人間達を賊と認識し襲い掛かるが、
彼女らが知らぬ間に飛倉の破片を集めていたことを知ると態度を変え、今度はそれを奪おうと襲い掛かってくる。
選択ルート次第では、彼女達を白蓮復活に協力する同志だと思い込み、協力を仰ぐ(という名目で襲い掛かってくる)という流れになる。
命蓮寺の建立後は巨大な親父を操る妖怪として人間の子供の間で噂になっているという。
性格は真面目だが機転が利き要領が良く、これが頑固な雲山を制御するのに適しているらしい。
聖を慕う事もあって仏の教えに真面目に取り組む敬虔な仏教徒だが、酒が飲めない事にだけは不満を持っているらしく、
雲山共々聖に隠れてこっそり宴会に参加したという事が公式書籍で描写されている。 東方故致し方無し。
また上記のような経緯からも察せられる通り、少々好戦的かつ早とちりというか一度思い込むとそのまま猛進してしまう面も見受けられる。
『心綺楼』においては本来は聖から直々に寺の留守を任されていたのだが、
事態の異様さを感じ取ったとはいえ、
任された寺をほっぽり出して
自ら事態究明に向かうなどといった描かれ方がされている
(まぁ 寅丸星などもいるはずなので寺を無人にしたわけではさすがにないだろうが)。
最終的には(意図してのことでは無いかもしれないが) 秦こころに妖怪としてのふるまい方の指標を与えるなど、
ひっそりと重要な役目を果たしている。
『深秘録』においては『心綺楼』時点から垣間見えていたノリの良さが全面に現れており、オカルト騒ぎを誰よりも率先して楽しんでいた
(動機自体は「オカルトボールを7つ集めると覚りが開ける」という噂を聞いたからである)。
全体的に砕けたノリで振る舞いつつも、オカルトボールが外の世界と関係有ることに感づくなど聡明な部分も見せている。
オカルト能力は「八尺様」。本人が「新しいから強い」と豪語するように、インターネット発祥のかなり最近の都市伝説である。
「へいへーい ボール持ってるんだろー? よーこーせーよー」
キャラクターとしての元ネタは、『信貴山縁起』の第二巻『延喜加持の巻』に登場する
剣鎧護法童子
だと思われる。
命蓮上人の祈祷により毘沙門天の下から遣わされた童子が雲に乗って颯爽と現れ、
病床に臥せっていた醍醐天皇をたちどころに治すというかっこいい役所なのだが、
もし彼女が童子本人であるとするなら相当に由緒正しいキャラクターである。というか 彼女らの同僚。
雲山
一輪に使役されている入道。眉毛が長い薄桃色の雲のいかつい顔の親父。
親父と明言された数少ない本編登場の男性キャラクターである。
『ダブルスポイラー』にて 射命丸文には見越し入道の一種ではと推測されている。
体が雲でできており、その大きさや形状を自在に変えることができる。
作中では 拳を巨大化させて殴ってきたり、頭部を巨大化させて2つに分裂させた上で、
4つの目からレーザーを放つなどのインパクト溢れる攻撃を行なった。
巨大な手だけが飛んでくるネタ繋がりで「入道 にょき」というパロディ技も。
無口な頑固親父だが、根は優しく、正々堂々を好む。作中会話イベントでは一輪とだけ意思の疎通を行なっており、
直接は話さないが、一輪が「雲山がこう言っている」という形で代弁している。
声が出せないわけではないが、照れ易くシャイなため普段は小声。怒るときは一喝するとの事。
だが本編中は特に台詞はない。入道にも慈悲を見せた聖白蓮に帰依しているらしい。
ちなみに原作者の故郷の長野では南佐久郡南牧村海ノ口、他に新潟・静岡などで見越し入道の伝承があるようだ。
本編では通常弾幕は一輪、スペルカードは雲山が担当している模様。
同時に攻撃してくる弾幕は実は1種類しかない。
二人の関係性は設定で語られておらず、そもそもが別々に行動できるかどうかも不明。
書籍『東方求聞口授』において、二人の出会いが明らかになった。
実は一輪は生まれつきの妖怪ではなく、元は人間であった。
肝の据わった少女であった一輪はかつて、人食いの見越し入道・雲山を一泡吹かせるために会いに行き、見事に撃退。
一輪に感服した雲山は彼女を一生守る存在となり、そうして雲山とともに波乱万丈の人生を過ごすうちに、
いつしか彼女自身も妖怪になっていたようだ。
そうして妖怪を受け入れ人間の心も理解してくれる白蓮に帰依する事になる。
後述のように白蓮が一輪の事を挙げていなかったのも、もしかすると彼女が元人間であるため
この時代まで生存していると思っていなかったのかもしれない。
阿求によれば、彼女のような妖怪は特殊らしい。
『心綺楼』に参戦した際においても相変わらず台詞は一切無かったが、
「無意識のこいしとコンタクトを取れ、しかも以前から知り合いであった事を臭わせる発言」や、
「マミゾウに若造呼ばわりされ化け合戦に誘われる」など、ピンポイントで美味しい描写がされている。
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