『
羅媚斗』(
ラビット/RABBIT)とは、1996年にAORN(アイオーン)によって開発された2D対戦格闘ゲーム。
アーケードは国内では正式に発売されておらず、一部の店舗にしか基板が出回らなかったが、
1997年6月27日にエレクトロニクスアーツ・ビクターによってセガサターンに家庭用が移植されている。
開発を手掛けたアイオーンはノイズファクトリーと同じく、アトラスで『
豪血寺一族』シリーズに関わった開発メンバーの一部が独立起業した会社
(一部はカプコンやSNKからスピンアウトしたメンバーも加わっている)。
概要
凄い奴等がやってきた! 背に獣神を召喚し特殊能力を発動、攻撃する新格闘、その名は「羅媚斗」!!
傘、帯などそれぞれ得意とする武器を持つ全8キャラクターが魅せる迫力の必殺技が、
リアルさを追求した接近戦の攻防が、キミを熱くさせる!
戦いに勝利すれば相手の獣神の力を身につけることができるパワーアップシステムも導入。
・・・富と自由を賭けた白熱バトルの頂点に立つ者は、誰だ!?
暗殺者の少女「
烏鈴」を筆頭に、登場人物の多くが復讐や暗殺任務などハードなストーリーを持ちつつも、
一方でゲーム全体のカラーはポップ調で明るく、一部には相当にギャグ色の強いキャラクターも並存している。
またキャラクターの表情も豊かであり、アジアンチックな世界観と相まって独特の雰囲気を持つゲームとなっている。
なお、セガサターン版では容量の問題か、戦闘時のアニメーションが大幅にカットされてしまっている(特に獣神はそれが顕著)。
キャラクター
登場キャラクターはプレイヤーキャラクター8人と最終ボスの造龍。
烏鈴(ウーリン/Wu-Ling)、
天人(テンレン/Tian-Ren)、レックス、
玉蘭(ユイラン/Yu-Lan)
蛇蛟(ジャコウ/Ja-Koh)、
イギス、猴猿(ホウエン/Hou-En)、リトルエディ
最終ボス:
造龍(ザオロン/Zao-long)
システム
操作系はレバー+4ボタン。弱・強パンチ/キック。
また全キャラ共通で相手方向へのレバー入力+強でリーチの長い「踏み込み攻撃」が出せる。
基本的にコンボゲーだが、ボタン同時押しの「避け」や「払い(
弾きに近い)」、そこからの「払い攻撃」などのシステムにより、
単調な攻めだけではクリアできない攻防の楽しさがある。
また、本作の大きな特徴として「獣神召還システム」が挙げられる。
登場する各キャラクターは「獣神珠」という宝玉をそれぞれ持ち、封印された獣神を召喚することで様々な特殊効果を得ることが出来る。
獣神は
ジョジョの奇妙な冒険の
スタンドの如くキャラクターの背後に立ち、
召喚時には「プラス効果」と「マイナス効果」が発生、更に「獣神アタック」という特殊技が使用可能となる。
獣神の性能、効果には個体差があり、それらの選択が勝敗にも強く影響する。
召喚には特殊ゲージが必要であり、召還時に使用するBEASTゲージと、召還時間を現すSPIRITゲージの2本のゲージが存在する。
対人戦では全ての守護霊を持った状態、ストーリーモードでのCPU戦ではキャラクターごとにデフォルトの獣神を持ち、
倒した相手の獣神を入手することで、使用可能な獣神を増やすことが出来る。
このシステムにより、本来不利な状況を覆したり、本来ないタイプの技を使うことが出来るため、戦略の幅が広がることとなった。
そういう意味ではむしろ『
アルカナハート』の先駆けのようなシステムとも言える。
ただし同じ獣神の召喚はラウンド中に一度しか出来ないため、獣神の選択のタイミングも重要となる。
MUGENにおける羅媚斗
mass氏によって烏鈴、天人、玉蘭、蛇蛟、イギスの5キャラクターが製作されている。
それぞれ原作再現を中心とし、全獣神の召喚も再現されている。
また、Borewood氏、くねくね氏によってラスボスの造龍が製作されている。
ステージもほぼ全てが揃っており、烏鈴、レックス、玉蘭、蛇蛟、猴猿、リトルエディのステージをCenobite53氏が、
ラスボスである造龍のステージをKung Fu Man氏が、イギスのステージAZAMI氏がそれぞれ公開していたのだが、
いずれも現在は入手不可となってしまっている。
最終更新:2024年05月07日 22:34