イルカ


イルカは哺乳綱鯨偶蹄目クジラ類ハクジラ亜目に属する種の内比較的小型の種の総称である。
魚に似た姿だが哺乳類なので肺呼吸である。頭部には呼吸を行うための噴気孔が存在する。
多くは海に生息するが、カワイルカ類のように淡水である川に生息する種類や、海水と淡水を行き来する種類も存在する。
水族館でもよく飼われ、イルカショーが行われたりもする。
また、人によく懐き知能も高いため、これをアニマルセラピーに利用されることが多い。
寿命は40年程だが、飼育下では寿命が7年程に縮まってしまうため、実は飼育には向いていない動物だとされている。

高い周波数を持った超音波を発する事でも知られ、それを用いて物体に反射した音からその物体の特徴を知る能力を持つ。
更にその特徴を他の個体にパルス音で伝えたりと、コミュニケーション能力は高い。
クジラやシャチとの違いは主に体長のみであり、成体でおよそ4mをクジラとイルカの境界とされることが多い。
ちなみに、クジラ目に最も近い陸上生物はカバ類である。

脳の大きさ*1やそれに裏打ちされる知性、コミュニケーション力の高さから、
しばしば「人間と同等、若しくはそれ以上に頭の良い生物」とも言われたりする。
創作では『海のトリトン』等、主人公が背中に乗って移動手段として活用している姿が度々見られる。
作品によっては「人間を乗せてる時は溺れさせないように泳ぐ」生態を持つとされているが、現実においても同様かは定かではない。
日本のSF作品でも『トップをねらえ!』や『ベターマン』等では、
作中に登場する機動兵器の演算装置にイルカの大脳皮質を生体パーツとして利用しているという設定が導入されている。
『絢爛舞踏祭』ではイルカが二足歩行の人型スーツを着て地上で生活している。
また、『機動新世紀ガンダムX』や『絶対可憐チルドレン』等イルカ自体が物語の鍵を握る重要キャラクターとして登場している作品もある。
『絶対可憐チルドレン』より

+ Q:人間より、イルカのほうが頭がよいのですか→A:イルカがせめてきたぞっ
小学館『なぜなに学習図鑑9 なぜなにからだのふしぎ』では「人間より、イルカのほうが頭がよいのですか」という小学生からの質問に対して、
本文ではイルカの頭の良さを真面目に答えながら紙面の大部分を占める小松崎茂氏の挿絵により、
尾びれで立ち上がったイルカ軍団が巻貝の戦車を連れて光線銃で人々を襲うという壮絶な構成で子供達にトラウマを刻み付けた。

+ 余談だが
余談だが、米軍では本当にイルカが軍事利用されている。
とはいっても機雷の探知やダイバー救助などの補助的な作業用であり、武器を搭載したイルカがせめてきたりはしないので安心してほしい。
……そんなイルカがいるわけが……。

さらに余談だが、上記の学習図鑑に寄せられた質問も、恐らく件の図鑑の前年1973年に公開された、
磁気吸着水雷をヨットに設置するよう訓練されたイルカを用いた大統領暗殺計画を、
イルカに英語を教える研究を通じて知り阻止しようとするイルカ研究者を描いた映画『イルカの日』を踏まえたものと思われる。
それでどうして直立したイルカの襲撃の絵が描かれてしまうのかと言うと、
『イルカの日』主人公のモデルとも言われて同作を著作権侵害を訴えているジョン・カニンガム・リリー氏の発言を元に、
1966年から小学館で度々描かれた記事 が元のようである。

+ 世界で二番目に頭がいい生き物
こういうネタ振りがあったら、「人類は三番目」と返すのがお約束である。
元ネタはD・アダムズのシュールギャグSF小説『 銀河ヒッチハイクガイド 』。
日本ではややマイナーだが英語圏ではベストセラー、原作者の故郷イギリスでは『スターウォーズ』より人気があるSF作品である。
ちなみにこの作品で地球上で一番頭のいい生物はハツカネズミである。
なんで人間がイルカはともかくネズミに知能で負けてるんだって?「42」だ。全ての疑問の最終的な答えは「42」なんだよ。

2008年放送のディズニーの3Dギャグアニメ『ファイアボール』でパロディされている。

+ お前を消す方法

パソコンを日頃よく利用する人にとってはExcelをはじめとしたofficeソフトにアシスタントとして登場する「カイル」が馴染み深いだろうか。
office97では平面的なイラストだったが2000以降はアニメーションで動くようになり、見た目も可愛らしくなった。
しかし、このアシスタント機能はどちらかといえばうっおと鬱陶しくと感じたユーザー達の方が多かったようで、
それをネタにした「お前を消す方法」というフレーズ及びAAなどがネット上で流行した。
(そして実際に入力した場合「質問の意味がわかりません」とはぐらかされる始末である)
office2007でアシスタント機能が完全に廃止されてしまったため、現在リアルタイムで彼を見ることは難しいと思われる。

格ゲーではメイの登場時に錨を運んできたり技の演出として出てくる姿が最も印象的だろう。

また、ゲームとしてはセガから発売された『エコー・ザ・ドルフィン』シリーズがある。
メガドライブとドリームキャストで発売され、難易度は比較的高めであるが、
爽快な操作感と水中を泳ぐ楽しさが融合した良質のアクションゲームとして知られている。
物語としては地球意思の助けを借りて、海洋生物を乱獲する宇宙人をぶっ飛ばす」という中々のトンデモぶりだが
後にWiiのバーチャルコンソールやニンテンドー3DSで移植版が配信されており、海外版メガドライブミニにも収録、
日本でもメガドライブミニ2にメガCD版が収録され、またNintendo Switch Onlineでもリリースされた。
ちなみにこのゲーム、英国王立海洋生物保護団体のお墨付きである。
事実、欧州でのみ販売された限定版では推薦状も付いてくる。
が、これは元々「断られてネタにする」事を前提にネガティブプロモーションのつもりで送ったんだとか。
この辺りがセガらしいと言うかなんと言うか……。

ゲーム関連では他にも、ビデオシステム製作のシューティングゲーム『ソニックウイングス』シリーズには、
関西弁を話すイルカ「ホワイティ」がパイロットの1人(?)として登場する。
ポケットモンスターSV』においてもイルカ型のポケモンが登場。
進化後の特性により変化した姿は衝撃的で、多くのユーザーの反響を呼んだ。


MUGENにおけるイルカ

NeoKairi氏製作のイルカが存在していた。
現在は氏の引退に伴い公開停止されており、動画使用も禁止となっているので注意。
地面が海面のような水浸しになり、相手の足元にイカダが現れる。
尾鰭や鼻先などで攻撃したり、ボールや水飛沫や超音波で攻撃する技がある。
スーパーアーマーが付いているが、攻撃で吹き飛ぶ、ガードが使用できるなど、仕様が特殊。
2014年7月に更新され、集団で戦うようになった。
AIはデフォルトで搭載済みで、強さは狂ランク程度。

ちなみにNeoKairi氏以前にMUGENでイルカと言えば、
科学図鑑(せめてきた方のイルカ)を元にしたカーベィ氏のパチモン怪獣「ドルフィン」を指すことが多かった。

出場大会



*1
現在の研究においてイルカやクジラの脳の大きさは、
知能よりも水中生活で体温が奪われることによる脳機能低下を防ぐため、熱生成機能に特化した進化による結果とされている。


最終更新:2023年01月23日 22:56