奇縁に絡め取られし主人公



前田葉子(まえだ ようこ)

  • 登場作品:晦,アパ男
  • 種族:人間ほか
  • 年齢:15歳
  • 好きな人/嫌いな人:真田泰明/前田良夫
  • 関連人物:前田一族。前田和子《伯母》,真田泰明,前田良夫《従兄弟》
  • 関連用語:茶道部《所属》

概要

 『晦』の主人公。当時のサウンドノベルでは珍しい単独女性主人公である。
 春休み、父方の祖母の七回忌に出席するために、四年ぶりに田舎の本家に里帰りした。
 仲の良い親戚たちと和やかな時間を過ごす内、従兄弟の真田泰明の「七回忌の晩に怪談をすると死者が蘇る」という言葉に興味を持ち、「開かずの間」と呼ばれる和室で怖い話を披露しあうことになる。

 『学怖(S)』の主人公と同様に、(便宜上)怖い話の聞き手となる少女。泰明に憧れており、ことあるごとにフラグを立てようとするもことごとく玉砕してしまう。一方で同じく従兄弟である前田良夫のことは嫌っている。
 ただし時折挿入される泰明絡みの選択肢を選んだ場合は失恋にとどまらず、非常に悲惨な出来事につながる場合が多い。
 良夫や親戚の山崎哲夫とは結婚したり将来を誓うような仲になる展開は数パターン存在しているが、泰明と結ばれる展開はない。

 非常時においては時に暴力的な面を見せる「坂上修一」に比べると、基本的にはごく普通の女の子であるため、一方的に殺されるか誰かにかばわれる展開が多い。
 別にこの会合を主導する立場でもなく、強い目的意識を持っているわけでもないため、話の流れを壊す無関係な話題を口にする場合もある。基本的には常識的な思考をするが、少々ノリやすく、天然ボケとも取れるとぼけた選択肢も多く用意されており、比較的キャラの立った主人公と言える。泰明に抱きつくチャンスがあるかも、といった気持ちをのぞかせることも。

 良夫に対して心の中で馬鹿にした発言をすることもあるが、悲劇的な出来事の後、良夫の気持ちに気づき、涙する場面もある。
 他の面々に比べると性格的に際立った部分は少ないが、特別ゲストである風間に憑依された際には悪霊除けのサルの真似や奇声をあげたり、風間の言葉を誇張したりと非常にコミカルかつ破天荒な思考および言動を見せる。

 何らかの過去を忘却している、という展開もいくつか存在しており、思わぬ事実に動揺する場面も数多い。
 良夫と結ばれる展開のひとつでは、バッドエンドながらも非常にいちゃいちゃした未来の様子が語られ、むしろハッピーエンドでは? と思わせるものもある。メインルートでは悲劇的な出来事も多い『晦』であるが、こうした明るい展開も魅力のひとつである。
 外見的にはショートカットで話全体を通してパジャマ姿のままである。
 キャラクターの特徴の一部など『学校であった怖い話S』の女性主人公「倉田恵美」に引き継がれている。


アパシー・シリーズ

 「飯島多紀哉」氏は『晦』に関してはプロローグとキャラ設定以外ノータッチであったが、アパシー・シリーズで『晦』を製作するとした場合新しい設定を盛り込む可能性が高いと事前に発表されていた。
 その場合の仮タイトルは『(新・晦)庚申講の夜に』である。
 1980年時の庚申講を舞台として使用し、前田葉子も鳴神学園の生徒にする、といった構想があることを明らかにされていた。

 前田葉子本人は四月から女子高に進学予定だが、共学校に通いたいのが本人の希望だと『晦』のオープニングで独白していたため、多少の可能性のゆらぎ次第では鳴神生になってもなんらおかしくないといったところだろう。
 また、ほかの前田家の面々も『庚申講の夜に』とは別のシナリオ・プロットに徐々に顔を出すことになっていくという方向性でアプローチすると発表されており、そちらの方向性では「藤村正美」と「山崎哲夫」の両名が先行している。

 前田葉子自身は年代設定の撤廃された「現代」(もしくはそれ以外)を舞台とする『霊怪記』に登場することが発表された。

アパ男

 「レッツ合コン☆」ルートに登場。
 「二階堂麗香」部長率いる鳴神学園「茶道部」の一員として「都築遊」らが親友の「守山成樹」のためにセッティングした合コンに出席する。
 彼女にとって初となる正面立ち絵を実装した作品でもあり、黒髪ショートカットという属性もしっかり押さえられている。
 今回は自己主張に激しい先輩方に囲まれての出演ということもあり、我は見せず冷静で大人しいふるまいが目立っていた。

 ほか、肉食系女子「平井唯愛」先輩に引きずられて参加したと合コンのはじまりから明言し、女子に囲まれて緊張しまくる守山に配慮の言葉をかけてくれた。曲者ぞろいの茶道部女子たちの中では珍しく普通の感性を持ったいい子といえるだろう。

 ただし、合コンの席を借りて裏の目的を達成しようとしたり、守山のことをいいようにしたいがあまり暴挙を働く先輩方の姿勢は終始看過している。積極的に周囲を手伝うではないが、曲がりなりにも茶道部として場数を踏んできた胆力はあるようである。
 主体性や自己主張に乏しい普通女子が美しい毒花の園「茶道部」に常識人のままで籍を置けていることそのものが、ひるがえって前田葉子の異常性を証明しているといえるのかもしれない。


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最終更新:2025年02月25日 17:06