悪意の天使




藤村正美(ふじむらまさみ)


概要

 『晦』における語り部の一人で、主人公の葉子とは遠縁の親戚の関係。
 目鼻が整い、切れ長の目が映える美しい人だが、逆にどこか危うげな印象を受ける。「~ですわ」などの口癖はどこか浮世離れした彼女の性格を強調するものだろうか。

 「開かずの間」で行われた会合では、OPで言いだしっぺの泰明さんをたしなめたように、あまり乗り気ではなかったもよう。あくまで付き合い柄参加したようであり、性格もあるだろうが、語りは淡々と進めていく。
 性格上主人公との繋がりは薄く、むしろ他の年長組との付き合いの方が主立っている。むしろ主人公はこのおばさんのことを苦手としているのかもしれない。
 その一方、義務感が先立っているように見えて意外とノリノリで葉子ちゃんを脅かしたりといった行動にもよく出る。お茶目さか、人の悪さかは不明だが、彼女という個人から恐怖が垣間見える展開は数知れず。挑発的かつ脅迫的な設問をぶつけてくることも多く、典型的な「話より本人が怖い」語り部と言える。

 埼玉の某大病院に勤めており、今で言う「看護師」の職に就いているらしい。
 ただし、作中の表記は看護婦。そもそも発売年および作中の年代(※諸説あり)では名称変更の根拠となる法令は存在しない。
 とにかく、看護婦である彼女にとって十八番のネタは必然的に「病院」となっており、普段はあまり会う機会の無い医療関係者が関わることも多い。 
 職場が「学校」に次ぐ心霊スポットとされるだけあって、話題には事欠かず、親しみやすい定番の怪談も案外取り揃えていたりする。

 美しい容姿に相応しく幻想的な話も得意とするが、そこには本職にはエセに感じられそうな医学(生命科学)が絡んでいるだけあって、生理的嫌悪感が強いのも特徴である。
 また、医学に携わる者であるに関わらず、霊感を持っているのも特徴である。自称に留まらず、実際に霊を降すといったことも話によっては行う。

自己中心性


 だが、先にも触れたが彼女の危険性は半端なものではなく、恐ろしい。
 「赤い靴の女の子」から導き出される悲劇では『晦』とは人の二面性を表すものと語られているが、そもそもこの人の本性や本心だのを語ること自体が不毛なことかもしれない。

 命を救う自分の職に誇りを持っており、そのことを話のはじめに触れるのはいいが、その実すぐに患者を見捨てるような言動を取り、実際に見捨ててしまうこともままある。
 その際にすぐに弁護をはじめ、事実が自分のどうしようもなかったように捻じ曲げてしまうこともよくあることである。
 その癖、自分が自己犠牲の精神に溢れた、素晴らしい人間であると言い張るのだから救いようが無い。「嘘も百回繰り返せば真」ではないが、自分もその嘘を信じ込んでいるようでさえいてぞっとさせられる。そこに感じられるのは献身的な愛などではなく、自己保身を第一とする自己愛、我が身可愛さの愛である。

 そもそも噂でもなく自分の業務内で死者が出でもしたら、怖い話に組み込もうとする発想自体が出てくること自体、異常である。大人たち(泰明・正美・ギリギリ由香里)に共通するエゴであろう。
 とは言え、「開かずの間」で怪我人が出るなどした場合、真っ先に行動するのは彼女の仕事である。そこは聖職に属するものとしての意地だろう。


 プロバビリティーの犯罪(もしくは未必の故意)を多用する点で、同じく従兄弟の由香里と傾向が似ているようだが、基本的に自慢話のように語る点で彼女と異なる。

 ちなみに彼女の表情差分の中には悪鬼の如く怒りの表情を見せるものが存在するのだが、これを見るのはかなり難しかったりする。

アパシー・シリーズ



新生2

 『新生2』「赤い靴下」に登場。
 悪名高きブラック病院「黒百合総合病院」に勤務する看護師のひとり。

 今回は勤務中ということもあって言葉を荒げたり、遊び心を出したりといった一幕はそうはなく、入院患者である主人公「坂上修一」相手には淡々と対応する。
 相変わらず容姿こそ美しいものの、非人間的で冷淡な印象を周囲に与える女性である。

 劇中では坂上の入院案内(実質的には死の前の猶予期間)をするほか、高柳先生の傍で坂上の悲惨な末路を観察しては、無表情のままで他人事のような薄情な感想を述べる。

 仮に主人公が病院の魔の手から逃れたいと思うのならば、まず彼女の目をかいくぐらなければならない。
 実際のゲームでプレイヤーが受けるプレッシャーを語る上で彼女の存在は欠かせないだろう。




これからの展望



最終更新:2020年10月29日 16:34