瀬田宗次郎

登録日:2011/06/29(水) 22:08:10
更新日:2021/07/06 Tue 20:36:53
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所詮コノ世ハ弱肉強食


強ケレバ生キ



弱ケレバ

















僕は強いから 後は十本刀十人分闘えば済むコトでしょ?



瀬田(せた)宗次郎(そうじろう)

漫画『るろうに剣心』の登場人物。

CV:日髙のり子(ゲーム維新激闘編のみ冨永みーな) 演:神木隆之介

■概要

志々雄真実の側近で、志々雄一派の幹部にして政府要人暗殺用特攻部隊「十本刀の一人。
通称天剣の宗次郎」
1861年9月生まれで、初登場時は数え年18歳(満16歳)。

緋村剣心同様に常にニコニコしている優男で、剣心よりも女性的な顔立ち。
青年というよりもまだ少年で(作中で剣心は青年と言っているが)、顔にはあどけなさが残る。
しかしその悲惨な生い立ち(後述)により「喜怒哀楽」のうち「楽」以外のすべての感情が欠落している
「哀」が無いからなんの躊躇いもなく人を殺せ、
「喜」が無いから闘気を持たず、
「怒」が無いから殺気や剣気も持たない。
それゆえ表情の動きや気配などから彼の動作を読む事は不可能であり、特に「相手の感情から動きを先読みする」飛天御剣流では分が悪い。
それに加え持ち前の剣の腕と、剣心の神速を超える超神速「縮地」により、剣心を圧倒する。


■生い立ち、志々雄との出会い

米問屋の主人と妾の間に生まれ、幼少の頃より養父母一家*1から酷い虐待を受ける。
最初こそ年相応に泣いたり怒って反発したりしたがそれ故に更に虐げられ、その結果「泣いたり怒ったりするよりも、笑っていた方がやられずに済む」という考に至ってしまい、事実そうすると養父たちは呆れて途中で止めにするので、
無意識のうちに「楽」以外すべての感情を封印してしまう。

そんなある日の夜中、何十個もの米俵をひとりで倉庫に移すという重労働の最中、全身に大火傷を負い逃亡中の志々雄が追っ手の警官を殺害する現場を偶然目撃する。
口封じに殺されそうになるが、そんな時にも笑っている彼の様子を見た志々雄は考えを改め、命を取らない代わりに包帯と食料を要求。
結果、要求に従った宗次郎は志々雄を米蔵の中に匿う流れとなった。
目の前で警官を斬り殺したうえ極悪人を自称する志々雄を宗次郎も恐がっていたが、同時に気安い言動とは裏腹に絶対的な自信に満ち志々雄が持つ「圧倒的な強さ」に魅せられていく。

そんな憧れが恐怖心を上回るのにはそれほど時は掛からず、暇があれば志々雄のもとへ行き、話をするようになっていく宗次郎。
その中で虐待されていること、「笑っていた方がやられずに済む」と考えていること、自分が本当はここの子じゃないから虐待されるのだということを、志々雄に打ち明けた。
それは現状に対する一種の諦めのような言葉でしかなかったが、それを聞いた志々雄は「違うな」と即答。


生まれがどーのこーのじゃねェ、お前が弱いから悪いんだ


と言い放ち、匿ってもらった礼として脇差しと「所詮この世は弱肉強食」という言葉を渡した。

その夜、志々雄の包帯や食事の米などの不自然な減り具合からとうとう勘づかれ、志々雄を匿っていたことが親兄弟に露見、宗次郎は新政府に取り入ろうとしていた養父に殺されかける。
今迄のように殴られるだけでは済まない、殺されるという現実に宗次郎は悲鳴を上げて逃げだし、倉庫の地下に隠れるも義兄の八之助に見つかり、宗次郎が持つ脇差に興味を持った八之助は鞘を抜く。
絶体絶命の危機の中、宗次郎は刀身を見せてゆく脇差しを握りしめ、


所詮この世は弱肉強食 強ければ生き、弱ければ死ぬ


という言葉を思い出す。

そして脇差しを抜き、八之助の首を撥ねたのを皮切りに極限状態の中で親族すべてを斬殺した。
土砂降りの中、騒ぎを聞きつけやってきた志々雄の前に、血に濡れた脇差を片手に佇む宗次郎が居た。

「…泣いているのか?」

「………いいえ……」


志々雄の問いに、雨で顔を濡らした宗次郎は涙を流しながら笑顔で答えた。


「ついてくるか?」

「うん」

「ねぇ、志々雄さん」
「あん?」
「僕…強くなれるかな…」
「そうだな」


「お前なら 俺の次に 強くなれるさ―――」


その後は志々雄とともに行くことを選び、志々雄の最初の仲間となる。

その後、宗次郎は彼の下でその剣の才を開花させていき、同時に多くの人間を手に掛けていった。


■国盗りへ、剣心との戦い

本編時では志々雄一派の主要キャラの中で最初に登場。
志々雄の命令で内務卿・大久保利通を暗殺したのも彼である。
(なお、歴史上で犯人とされる士族一派は、既に死体となっていた大久保を発見したが前もって予告状を送っていた関係上、自分たちが殺したことにして死体をめった切りにして逃走した)
全力で走行している馬車に縮地で追いつき扉を開け、志々雄からの伝言を伝えて大久保を殺害し、彼の死体に集まる群衆に混じる剣心に志々雄に歯向かわない方が良いと忠告した。

また、このすぐ後には蒼紫の勧誘もしているが、この時は断られている。


その後志々雄の湯治に同行し赴いた新月村で、剣心と一騎打ちを果たす。
敢えて剣心の得意分野である抜刀術を撃ち合い、剣心の逆刃刀を真っ二つに折った
ただしこの時に剣心は、宗次郎の得物であった(本当は志々雄の刀だが)「長曾禰虎徹(ながそねこてつ)」を再起不能にしているので形の上では引き分けとなった。
とはいえ虎徹の方はボロボロにはなったが折れたわけではないので、もし無理にでも戦闘が続いていれば宗次郎が勝っていたであろう(剣心も「あのまま戦闘が続いていれば負けていた」と自覚している)。

新月村の一件の後は志々雄の命を受け全国に散っていた十本刀を招集すべくその俊足を活かして飛び回りつつ、煉獄の手配の詰めなどにあたる。
そして京都大火の折には志々雄らと共に煉獄に乗船するが、煉獄が撃沈されてしまったため脱出した。


そして志々雄一派との決戦では、アジトの奥で十本刀最後の刺客として剣心と再戦。
前哨戦として、またもや抜刀術で刃を交えるものの今度は宗次郎のほうが愛刀にヒビを入れられ、剣心の腕と逆刃刀の出来が前回より上げたことを認める。
しかし、その後は前回の戦いでは見せなかった縮地を加減しながら徐々に披露し始め、剣心の攻撃を寄せ付けず圧倒しその力を見せつける。
だが、命懸けの戦いの中にあって敵である自分の命を気遣う剣心の姿勢、そしてそんな剣心を絶対の真理である筈の弱肉強食の精神に寄って立つ自分が圧倒しながらも倒し切れないという事実、それらを前にしたことで精神が乱され、徐々に封じていた感情を呼び起こされる。
そしてその感情によって生じた隙を突き自分を確実に殺すことが出来る状況になってなお刀を振り下ろさない剣心の言葉を受け、遂に抑えきれなくなった感情によって精神が混乱の極地に陥り絶叫する。
だがそれでも宗次郎は戦いを止めなかった。
志々雄の意思を代行する自分が正しいのか、志々雄に異を唱え戦いを挑む剣心が正しいのか。
これまでの自分の生き方の正誤を賭けた決着をつけるため、最速の縮地と共に奥義「瞬天殺」を繰り出す。
その結果、破壊力で上回る天翔龍閃との激突に競り負け、完敗を喫した。

その敗北を受け、宗次郎は「正しいのは剣心だった」と判断したが、直後に剣心自身が
「勝者が正しいというのは志々雄の論理であり、本当の正しさは自分で見つけるしかない」
と告げる。
簡単に答えを与えてはくれない手厳しさに苦笑しながらも、自分自身の答えを見つけなければならないことを理解した宗次郎は、恩人であり憧れでもあった志々雄との決別を涙ながらに決意。
これまでの感謝と別れの証として由美に天翔龍閃の秘密と志々雄から貰った脇差を託した。

志々雄一派壊滅後、安慈と共に方治を助け爆発するアジトから脱出し生存。
その後、志々雄の名の下で自らが行った人斬りの意味と、これからの自分の生き方を模索するため、日本各地を放浪する。
ちなみに北海道編にて再登場する予定だったが、人誅編終了とともに話が完結したため、北海道編そのものが雲散霧消になった…はずだったが、
18年の時を経て、まさかの北海道編の連載が開始され、早い段階から登場。しかも志々雄一派残党が物語に関わることが示唆されているので必然的に宗次郎も物語に大きく関わると思われる。


■戦闘力

作中では十本刀最強とされている作中屈指の実力者。
「天剣」と例えられる天賦の才覚もさることながら、異様に脚が速く、走行中の馬車に追い付くほど。
その速さは同じ神速とされる剣心を完全に越え、もはや「縮地」と呼ばれる「術」の域に達している。
縮地に関しては本家Wikiにも項目があるので、気になるならそちらも参照。
因みに幼少期から志々雄に付き従っているためか特定の師や流派といったモノが存在しない。つまりは劇中で披露した剣術は全て天賦の才能により編み出された我流である。

アジトでの勝負で使用した愛刀は「菊一文字則宗(きくいちもんじのりむね)」
新撰組の一番隊組長沖田総司が愛用していたとされる刀だが、どのような経緯で宗次郎の手に渡ったのかは不明。
これは作者による沖田総司へのオマージュだと思われる。*2
しかしそんな貴重な名刀も剣心との戦いで破損してしまった。
虎徹の件でもそうだったが、貴重な名刀を損壊してもあまり気にしている様子もなく、切れ味や使い心地といった実用面以外では刀剣にあまり拘りは無い模様。
まあ元々剣客ではない普通の少年なので当然といえば当然かもしれないが。

作中彼が明確に愛着を持って大切にしていたのは、先述した志々雄に貰った脇差くらいである。


  • 縮地
生まれながらの常軌を逸した健脚に加えて、養父母一家の下で重い荷を運び続けてきたことで鍛えられた肉体を利用した超高速移動術。
その速さは志々雄が「眼にも映らねえ速さ」と例える程。
しかし普段は手加減しており、縮地の三歩手前の段階で剣心の神速に匹敵し、二歩手前では剣心の九頭龍閃を回避した上で彼の背中を斬り、「拙者より…いや飛天御剣流よりも速い!」とまで言わしめる。
一歩手前ともなれば最早周囲の床や地面が爆発しているようにしか見えず、室内なら前後左右に加え上下を絡めた三方向攻撃を展開できる。
完全な縮地になってしまえば、その「踏込」すら完全に消え、不可視とも呼べる速さに…マッハいくつやねん。
なお、宗次郎はその縮地をあろう事かかくれんぼに使った事がある。

ちなみに作中ではこの能力が馬車に乗った大久保利通の暗殺を成し得た大きな要因とされているが、
実は製作上では逆で、「アイツ馬車に追いつけるくらいなんだから足速いよなぁ…」という理由で後付けされたとか。

  • 感情欠落
宗次郎の強さを示す特異な能力。
喜怒哀楽の内「楽」以外の感情がないため剣気、闘気、殺気の類を全く感じられず、感情の先読みが封じられ行動が読めないという代物。加えて哀しみが無いため躊躇いなく人を殺せる。
一流の剣客であればあるほど相手の感情などを先読みする事に頼るが、彼にはそれが全く通用せず一流であるがゆえに足元を掬われやすい、ある意味で縮地以上に厄介な特性であり、縮地攻略を阻む最大の特性。
反面、この強みを失ってしまった後の彼は動きを容易く先読みされるようになり、縮地の一歩手前で剣心を翻弄しつつ仕留めようとした際も、逆に押さえられ逆刃刀を頭部に突き付けられてしまった。

  • 瞬天殺
作中唯一、宗次郎が自分で名前をつけた技。
最高速度の縮地により縦横無尽に跳ね回る突進から、神速の抜刀術に繋げる超高速移動攻撃。
例え感情を取り戻して先読みされるようになろうとも、この技による直球勝負であれば先読みの影響など関係無いとして、剣心との決着を付けるべく放った。



再筆

書生風の服装から青年将校候補風の服装へ変更。
また志々雄から貰ったのも脇差しではなく、無銘の刀に変更。十本刀の才槌の見立てでは菊一文字則宗とのことであるが、詳細は不明。



実写版

原作の京都編に該当する「京都大火編」「伝説の最期編」に登場。
概ね原作と同じ展開だが、過去描写が省かれているためより志々雄の狂信者としての側面が強調されている。*3
また、最後の戦いはアジトでは無く戦艦煉獄の艦内で決着をつける事になる。
宗次郎の代名詞たる縮地は本作でも健在で、「剣心より遅く走り始めたにも関わらず余裕で先回りする」「近距離からの銃撃をステップで避ける」等、原作とは別ベクトルの化け物。
縮地の使用直前に片足でケンケン跳びをする癖がある。

最終決戦では志々雄の元に向かおうとする剣心を止めるため対峙。
当初は修行を経て強くなった剣心をなお速さで圧倒する余裕を見せるが、中々剣心が倒れない事に苛立ちという「怒」の感情が蘇った事で徐々に動きを読まれ、更に速さの要である足にダメージを受け追い詰められていく。
それでも「弱肉強食」の理念を叫びながら斬りかかり続けるも、刀を折られ完全敗北。
原作同様の問答で心も折れてしまい、最後は錯乱により悲痛な絶叫を挙げながらフェードアウトしていった。その後の生死は不明。
同じ言葉をかけられながら新たな道を見出した原作と対照的に、最後は発狂という救いの無い結末となってしまった。

だが、その後……



実写版演者の神木氏は『るろうに剣心』の大ファンで、宗次郎役を演じるにあたり並々ならぬ熱意を見せている。
実際その再現度はかなりのもので、ハマり役としてファンからの評価も高い。
その辺は当人の項目が詳しいのでそちらも参照。




あの時あなたは、項目を編集してくれなかったじゃないですか。
あなたが正しいと言うのなら、何故 追記・修正してくれなかったんです。

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最終更新:2021年07月06日 20:36

*1 血縁上は腹違いの兄一家であり、体面の問題から宗次郎を養子として引き取ったらしい。ちなみに原作では幼い男児(これまた顔の造りが良くない)もいたがアニメでは「少年が幼児を殺す」という描写に規制が入ったのか存在自体がカットされている。

*2 実際モデルとなった人物は沖田総司で、「宗次郎」という名前も沖田の幼名から。ちなみに本編に登場するご本人は宗次郎のそっくりさん。

*3 後に安慈の口から、原作と同じく養父母一家を皆殺しにした事が語られている。