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イーヴィルティガ

登録日:2011/09/07 Wed 01:36:29
更新日:2026/09/03 Thu 01:49:45
所要時間:約 4 分で読めます






見よ! 私の神々しい姿を!

私は神に近づいたのだ!

私に続くのだ!!




イーヴィルティガとは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマンティガ』に登場したウルトラマン。
本来はウルトラマンティガと同じ光の巨人であったが、とある経緯で劇中では悪に転じてしまう。
タイトルや名前(悪のティガ)から分かるように、ティガのアンチテーゼになる存在。


プロフィール

身長:54m
体重:44000t
必殺技:イーヴィルショット、イーヴィルビーム


概要

第44話「影を継ぐもの」に登場。
かつてのティガとその仲間た達同様に、超古代遺跡に石像として遺されていた光の巨人(の肉体)。
超古代の遺伝子を受け継ぐ者が光となって石像と一体化する事で、かつての光の巨人としての姿と能力を取り戻す事ができるが、ティガと同様に元々その肉体と能力をもって「光の巨人」として戦っていた魂は既に肉体と分離していると推測される。

この石像と、それが眠っていた超古代の遺跡を発見したのは、マドカ・ダイゴと同じく超古代の遺伝子を受け継ぐ天才物理学者のマサキ・ケイゴ。
マサキは人類の進化を強制的に導くのが、復活した光の巨人……つまりはネオフロンティアスペースにおける「ウルトラマン」の使命と考え、TPC生化学研究所博士・タンゴと協力して石像の砂“アーク”を利用し、人類を強くする為にウルトラマンを量産しようとする。

その為に、現状唯一ウルトラマンに変身できる人間であるダイゴを誘き寄せる囮として、ロボット怪獣・地中鮫ゲオザークを製作
計画通りにゲオザークと戦うべくティガに変身したダイゴを、戦闘後に人間に戻ったところを急襲。
先の戦闘で傷ついたダイゴから、彼の持つティガへの変身アイテム「スパークレンス」を奪う事に成功する。

そして、光遺伝子コンバーターとスパークレンスを利用して石像と一体化したマサキは、念願のウルトラマンへと変身。
石像が安置されていたサイテックビル地下神殿から、マサキが変身したウルトラマンは光を纏ったまま地上へ上がるのだった。


特徴

ウルトラシリーズ恒例の「ニセウルトラマン」だが、
  • で二重ラインのティガに対し、黒の一重ラインというネガカラーのカラーリング
  • プロテクターはティガが銀枠に金の二重という光り輝く配色に対し、金枠に赤の一重という光りにくい配色
  • 頭部の切れ込みもティガが丸みを帯びているのに対し、こちらは鋭い切れ込み
  • 必殺技のイーヴィルショットの構えはゼペリオン光線とは逆のモーション
  • カラータイマーの音もティガが高音、こちらは低音
……など、徹底的にティガと正反対になっている。
デザインはティガの没案が元になっているが、なぜティガとイーヴィルティガが似た姿なのかは不明。

また、ルーツから考えると「“ニセウルトラマン”ではあるのだが、“正確には偽者ではない”」という、シリーズを通して稀少なキャラクターでもある。
モンスターハンター』シリーズ風に言うなら「ティガ亜種」と言ったところ。
さらにいうと、『イーヴィルティガ』が巨人本来の名前なのかも不明。光の巨人の名前が『悪のティガ』って……
第44話の脚本を執筆した小中千昭は後年のイベントにおいて、イーヴィルティガの本質的には「悪でもにせウルトラマンでもない、アナザーウルトラマンである」と述べている。 (情報元の外部リンク)
その為、デザイナーの丸山浩氏は「オルタナティブティガ」とも呼称している。

後にティガは過去に闇の巨人になっていた事が判明し、その時の姿「ティガダーク」が登場する*1
もしかしたらその時には、劇中とは逆の立場で両者が戦っていたのかもしれない。

後に映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』にて、自身が一体化しているティガが一時期闇の巨人となっていた時の姿であるティガダークに変身させられつつも、心は“光”のままであり続け、戦った闇の巨人達の力を光の力に変換して取り込んでいき、最後はヤナセ・レナへの愛によって再びマルチタイプ……光の巨人としてのティガの姿を取り戻したダイゴと、
石像と一体化して光の巨人に変身しつつも、我欲に塗れた心であった故にその力を制御できず暴走し、闇の巨人と大差ないイーヴィルティガへと変貌してしまったマサキ。
巨人本来の意識が存在せず、あくまで力でしかない今作のウルトラマンの明暗を分けたのは、劇中でも示唆されている通り、人の心であった。


顛末


サワイ「超人同士の戦いか」

イルマ・メグミ「いいえ、人の心が引き起こした戦いです……。ティガ、必ず勝って!」


マサキが変身した「ウルトラマン」は、『自身に導かれる事が人類の生き残る道だ』と語るマサキの録音音声に合わせて動きながら人々を威圧するが、突如として苦しみ始め、やがて悶えるのをやめた瞬間にその身体に纏っていた光が霧散した。
変身こそできたとはいえ、マサキの邪な心では自らと一体化した巨人の力を制御できず、それどころか自らが得た巨人の力にマサキは逆に吞まれてしまい、暴走状態になってしまう。
変身者が我を失って暴走した事を示すかのように、変身直後は光り輝いていた巨人の姿は禍々しい「イーヴィルティガ」に変貌してしまった。

一方その頃、ダイゴは暴走するイーヴィルティガを止めるべく、奪われたスパークレンスを取り戻そうとするが、安置されたスパークレンスの周囲にマサキが仕掛けた電撃の罠に阻まれ、ティガに変身できずにいた。
そんな彼の目前で、地底に眠る巨大動物の石像と電撃によって失神していた子犬が光となって融合し、超古代狛犬怪獣ガーディーが復活。
一体化したマサキの暴走により無意味な破壊を繰り返すイーヴィルティガを、ガーディーは涙を流しながら静止しようとする。
ガーディーの素性は本編中では語られていないが、イーヴィルティガの石像と同じ場所に石像があった事から、「本来のイーヴィルティガの戦友だったのではないか」と劇中でのダイゴの台詞から察せられる。
本編中でも、ダイゴはイーヴィルティガの下へ向かったガーディーの行動の意図を推測し、「(イーヴィルティガを)取り戻しに行ったんです」と救援に現れたイルマに語っている。

しかし、ガーディーの決死の説得も虚しく、イーヴィルティガは説得を意に介さず、自身に取り縋るガーディーを痛めつける。
ガーディーに同情し、援護しようとしたレナとシンジョウ・テツオの乗るガッツウイングEX-Jも落とされ、遂にガーディーのカラータイマーが点滅を始める。

そしてガーディーが奮闘する中、「人間としてできる事をする」と決意して何とかスパークレンスを取り戻したダイゴが遂にティガに変身。
暴れ回るイーヴィルティガの下へ駆けつけて飛び蹴りを見舞うが、新たな敵の迎撃よりも既に瀕死の“敵”であるガーディーの始末を優先したのか、イーヴィルティガはティガへの応戦よりも先にガーディーに光弾を直撃させる。
ティガはガーディーに手を伸ばすも、先の光弾が致命傷となったガーディーはカラータイマーの停止と共に静かに目を閉じた。

かつての友、あるいは主人を取り戻すべく命を懸けたガーディーを、その取り戻そうとした巨人の力で痛めつけた挙句、遂には命を奪ったイーヴィルティガ=マサキにティガは拳を握り締めて憤怒を漲らせ、対峙する。
人間のエゴで引き起こされた超人同士の戦いの火蓋がここに切って落とされた。

まるで鏡のように同時にパンチやキックを繰り出し、手順や光線の色などが対照的な必殺光線を撃ち合う激闘を繰り広げた後、示し合わせたかのように同時にカラータイマーが鳴った*2直後、チョップを繰り出したティガとキックを繰り出したイーヴィルティガは空中で交差。

着地して一瞬両者共に静止した後、苦悶の声を挙げて膝をついたティガをイーヴィルティガはあざ笑うかのような仕草を取るが、直後に実はティガよりも深手を負っていたイーヴィルティガは立つ事はおろか、膝をつく事もままならずに転倒。
それでもなおティガにイーヴィルショットを放とうとするも、傷ついた身体では撃つ事は叶わず、、立ち上がったティガにセルチェンジビーム&ゼペリオン光線を浴びせかけられ、イーヴィルティガは光となって消滅した。

イーヴィルティガと一体化していたマサキは人間の姿に戻るも、暴走の余波か完全に発狂しており、共犯者であったタンゴ共々逮捕されることとなった。
ちなみにガーディーは死亡したが、一体化していた子犬は生還しており、エンディングで走り回っている姿が確認できる。


そして……

その後のマサキの動向は謎に包まれていたが、最終話「輝けるものたちへ」にて改心したマサキが登場。
地球を闇で覆い、ティガを一度は倒して石像へと戻した邪神ガタノゾーアを倒すべく、GUTSに協力してティガ復活のオペレーションを実行する。
ティガはマサキの協力もあって復活を果たし、世界中の子供達とも一体化してグリッターティガへと変身。
邪神は人の“光”が集約された光の巨人によって倒され、世界に平和が戻るのであった。

そして、マサキが残したデータは後にTPCが保管。
ティガが消滅した2年後、TPC警務局のナグモ副局長により『F計画』が提唱される。
その内容は人類がウルトラマンを科学的に解析し、人の手で制御できるウルトラマンを創り出し、地球防衛の手段とするものであった。



【その後の作品でのイーヴィルティガ】

「本来は光の戦士」「分類はにせウルトラマンだけど偽者じゃない」などの要素からショーなどでも出番は多め。
例えば2010年の円谷ジャングル主催のウルトラヒーローショーでは、力の使い方を誤り力に溺れ、闇に落ちた戦士として登場。
偶然ウルトラマンに憧れているチャリジャを助けてしまい、色々あって最終的には彼に応援されながらティガと共闘するというストーリーで、同時にウルトラマンベリアルウルトラの父(ウルトラマンケン)の因縁も掘り下げられている。

『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』

疑似空間のバグにより、カオスウルトラマン、カオスロイドU、S、Tと共に出現した。
悪のウルトラマン達は疑似空間の難易度設定で強く設定されており、礼堂ヒカル達5人が変身したウルトラマンを苦しめるも、5対5の光線の撃ち合いに負けて倒された。

PS2ウルトラマン Fighting Evolution 3

対戦で操作可能なキャラとして登場。
ウルトラモードに「影を継ぐもの」のミッションが収録されており、光線の撃ち合いや最後の一騎打ちなど、原作が再現されている。


『DARKNESS HEELS』

メンバーの1人としてに抜擢されたが、肩書や紹介が完全にマサキ由来。
舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』では惑星テリオに復活させられた設定で登場。演者は友常勇気。

巨人本来の冷静な人格と、マサキ由来の神を騙る軽薄な人格が混濁し、頻繁に態度が変わる。
イーヴィルティガ(邪悪な何か)という名称に疑問を覚え、自身が闇に染まっている事は受け入れながらも、その名で呼ばれる事は嫌う。しかし、本名は明かさない。
本来は光の巨人/神として支配を目的としながらも人間の味方だった事もあり、ヒールズ中ではカミーラに次いで穏健。


ゲオザーク

別名:地中鮫
身長:48m
体重:53,000t

マサキが巨人像の捜索とティガを呼び寄せる囮役として用意したスナザメサメ型ロボット。
地中を高速で移動する他、短時間なら空中機動も可能。さらに鼻先からは破壊光線、背びれからは機械をスキャン・初期化するパルスを放つ。
目からは遠隔操作しているマサキの声と姿を映す事ができる。

熊本市中の地中を潜航して荒らしまわる中、ガッツウィング1号をスキャンしてダイゴの来訪を確認。
さらに破壊活動を続けた末に、ティガによって引きずり出されて交戦。パワータイプの前に劣勢になるも、マサキの声で語りかけて動揺したティガに痛撃を与える事に成功。
その後はデラシウム光流で破壊されるが、スパークレンス奪取の下準備の役目は果たしていた。

地味にウルトラシリーズ初となる純地球産の制御されたロボット怪獣*3
それを踏まえると長時間活動し、ウルトラマン相手にある程度渡り合う驚異のスペックを誇る。マサキはどこでこんなものを作る資金と技術を得たのか……
陸上兵器としての総合性能はテラノイドより明らかに上なので、F計画よりもこっちを発展させた方が役に立つ気がしないでもない。もっとも、こんなのが地球防衛の要となるのもそれはそれでひどい絵面だが……


余談

  • 本編時のティガのスーツアクションは細身の権藤俊輔氏とマッシブな中村浩二氏が演じ分けることが特徴だが、第44話はティガを権藤氏、イーヴィルは中村氏が担当。
    中村氏は普段と違うヒーローでない役としてイーヴィルも面白かったとのこと。
    後に語られたところによると、実は始めの飛行シーンだけは権藤氏が担当していたそう。

  • 一部のカラオケでウルトラマンティガのオープニングテーマ「TAKE ME HIGHER」を流すと、ティガ対イーヴィルティガの映像が流れる。
    ……が、この映像自体は1分程度しかなく、最後まで歌うと5~6回ループする。
    曲を歌う間に撃墜されまくるガッツウィング、殺されまくるガーディー、拮抗しまくる光線、やられても即座に復活するイーヴィルティガはなかなかシュールである。
    ガッツウイングがやられるシーンはウルトラマンが飛びながら「無理しやがって…」と言っているようにも見える。
    ちなみにループする機種はジョイサウンドだが、ある機種のカラオケではこれに加え、ガタノゾーアとの最終決戦も流れる為、とても熱い。
    また、ジョイサウンドでもMAX以降であればループ映像ではなくなっているのでご安心を。

  • スポンサーのバンダイからは「偽ウルトラマンとそれに付随するカプセル怪獣的存在を」というオーダーでしかなかった。
    しかし、これに疑問を抱いた小中氏は「は人間ウルトラマンなんだから、人間同士が戦う話だったらやれるかもしれない」とプロットを手掛けたという。
    また、同時期に実弟の小中和哉氏が監督を務めた『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』にウルトラマンシャドーが登場していたので「兄弟で似たような事をやっても困る」という意識もあったらしい。
    このような経緯もあって、笈田雅人プロデューサーは「あれだけドラマティックな展開になってたのでと驚いた」と答えている。

  • 2015年刊行の著書『光を継ぐために』での小中・丸山両氏の対談では、「イーヴィルは後の展開もあるかもしれないと聞いていたけど、結果的に再登場する機会がなくて残念だった」と語られている。

  • 元々は光の巨人という設定のはずだが、マサキが変身した直後(彼の精神が暴走する前)から既に人相が悪い。
    おそらく、当時の撮影技術ではウルトラマンの顔を途中から変える事ができず、ワンカットの為に人相の良いマスクを作るのはさすがに手間だったのだろう。
    2作後のウルトラマンガイアに登場したニセウルトラマンアグルの頃にはCG技術が発達したのか、短い時間とはいえ1シーンだけ口元を歪ませる形で顔に変化を付けている。




追記・修正は神に近づいて人類を導いた方がお願いします。

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最終更新:2026年09月03日 01:49

*1 ただし、元々はティガ達も宇宙から飛来した光の巨人である為、この時のティガは今回のイーヴィルティガのように一体化した人間の心の闇が暴走した状況だったと『THE FINAL ODYSSEY』の劇場パンフレットの記述から察せられる。

*2 巨人の個体差などの要因でティガよりもイーヴィルティガの方が活動可能時間が長いか、あるいは変身前に幾度となく電撃を浴びせかけられてダイゴが弱っていた影響で本来よりもティガの活動可能時間が短くなっていたか、そのどちらかだと思われる。

*3 制御されていない前例としてはバラックシップやサタンファイバスがある。