イーヴィルティガ

登録日:2011/09/07 Wed 01:36:29
更新日:2021/07/22 Thu 00:43:52
所要時間:約 4 分で読めます






見よ!私の神々しい姿を!

私は神に近づいたのだ!

私に続くのだ!!




ウルトラマンティガ』の第44話『影を継ぐもの』に登場したウルトラマン。
本来はティガと同じ光の巨人であったが、とある経緯で劇中では悪に転じてしまう。
タイトルや名前(悪のティガ)から分かるようにウルトラマンティガのアンチテーゼになる存在。


プロフィール

身長:54m
体重:44000t
必殺技:イーヴィルショット、イーヴィルビーム


概要

マドカ・ダイゴと同じく超古代人の末裔である天才物理学者マサキ・ケイゴが発見した超古代遺跡にあった巨人の石像。
ダイゴが光のピラミッドで発見し、一体化したティガの石像同様、光となった人間が一体化することでウルトラマンとなる。

マサキは人類の進化を強制的に導くのがウルトラマンの使命と考えており、TPC生化学研究所博士・タンゴと協力。
石像の砂”アーク”を利用し、人類を強くするためにウルトラマンを量産しようとする。

そのために、現状唯一ウルトラマンに変身できる人間であるダイゴをおびき寄せる囮として、ロボット怪獣・地中鮫ゲオザークを製作
計画通りにゲオザークと戦うべくティガに変身したダイゴを、戦闘後に人間に戻ったところを急襲。
先の戦闘で傷ついたダイゴから、彼の持つティガへの変身アイテム「スパークレンス」を奪うことに成功する。

そして、光遺伝子コンバーターとスパークレンスを利用して石像と一体化し、マサキは念願のウルトラマンへと変身。
石像が安置されていたサイテックビル地下神殿から、マサキが変身したウルトラマンは光を纏ったまま地上へ上がるのだった。



特徴

ウルトラシリーズ恒例の「ニセウルトラマン」だが、
で二重ラインのティガに対し、黒の一重ラインというネガカラーのカラーリングに、
プロテクターはティガが銀枠に金の二重という光り輝く配色に対し、金枠に赤の一重という光りにくい配色、
頭部の切れ込みもティガが丸みを帯びているのに対しこちらは鋭い切れ込みとなっている。
必殺技のイーヴィルショットの構えはゼペリオン光線とは逆のモーションになっている。
カラータイマーの音もティガが高音、こちらは低音など、徹底的にティガと正反対のキャラクター付けを行っている。
デザインはティガの没案が元になっているが、なぜウルトラマンティガとイーヴィルティガが似た姿なのかは不明。

また、ルーツから考えると“ニセウルトラマン”ではあるのだが、“正確には偽物ではない”という、シリーズを通して稀少なキャラクターでもある。

モンハン風に言うならティガ亜種と言ったところ。
また、『イーヴィルティガ』が巨人本来の名前であるかも不明である。光の巨人の名前が『悪のティガ』って……


後にティガは過去に闇の巨人になっていたことが判明し、その時の姿ティガダークが登場する*1
もしかしたらその時には、劇中とは逆の立場で両者が戦っていたのかもしれない。

後に『TFO』にて、自身が一体化しているティガが一時期闇の巨人となっていた時の姿であるティガダークに変身させられつつも、心は“光”のままであり続け、
戦った闇の巨人たちの力を光の力に変換して取り込んでいき、最後はレナへの愛によって再びマルチタイプ…光の巨人としてのティガの姿を取り戻したダイゴと、
石像と一体化して光の巨人に変身しつつも、我欲に塗れた心であった故にその力を制御できず暴走し、闇の巨人と大差ないイーヴィルティガへと変貌してしまったマサキ。
巨人本来の意識が存在せず、あくまで力でしかない今作のウルトラマンの明暗を分けたのは、劇中でも示唆されている通り、人の心であった。




顛末


サワイ「超人同士の戦いか」
イルマ「いいえ、人の心が引き起こした戦いです……。ティガ、必ず勝って!」


ウルトラマンは『自身に導かれることが人類の生き残る道だ』と語るマサキの録音音声に合わせて動きながら人々を威圧するが、
突如苦しみ始め、悶えるのをやめた瞬間に巨人が纏っていた光は霧散。
マサキの邪な心では一体化したウルトラマンの力を制御できず、むしろマサキの方が強大過ぎる力に呑まれて暴走。
我を失った精神状態を表すかのように、その姿も光の巨人としてのものから悪、あるいは闇の巨人めいた禍々しい姿…「イーヴィルティガ」へと変貌してしまう。

一方その頃、ダイゴは暴走するイーヴィルティガを止めるべく、奪われたスパークレンスを取り戻そうとするが、マサキが仕掛けた電撃の罠に苦しめられていた。
そんな彼の目前で、地底に眠る巨大動物の石像と電撃によって失神していた子犬が光となって融合し、超古代狛犬怪獣ガーディーが復活。
一体化したマサキの暴走により、無意味な破壊を繰り返すイーヴィルティガを、ガーディーは涙を流しながら静止しようとする。
ガーディーの素性は本編中では語られていないが、イーヴィルティガの石像と同じ場所に石像があったことから、
「本来のイーヴィルティガの戦友だったのではないか」と劇中でのダイゴの台詞から察せられる。
本編中でも、ダイゴはイーヴィルティガの下へ向かったガーディーの行動の意図を推測し、「(イーヴィルティガを)取り戻しに行ったんです」と救援に現れたイルマに語っている。

しかし、ガーディーの決死の説得も虚しく、イーヴィルティガは説得を意に介することなく自身に取り縋るガーディーを痛めつける。
ガーディーに同情し、援護しようとしたレナとシンジョウの乗るガッツウイングEX-Jも落とされ、ついにガーディーのカラータイマーが点滅を始める。

そして、ガーディーが奮闘する中、「人間として出来る事をする」と決意してなんとかスパークレンスを取り戻したダイゴがついにウルトラマンティガに変身。
暴れまわるイーヴィルティガの所に駆けつけて飛び蹴りを見舞うが、新たな敵の迎撃よりも既に瀕死の“敵”であるガーディーの始末を優先したのか、
イーヴィルティガはティガへの応戦よりも先に、ガーディーに光弾を直撃させる。
ティガはガーディーに手を伸ばすも、先の光弾が致命傷となったガーディーはカラータイマーの停止と共に、静かに目を閉じた。

かつての友、あるいは主人を取り戻すべく命を懸けたガーディーを、その取り戻そうとした巨人の力で痛めつけ、
ついには命を奪ったイーヴィルティガ=マサキに、ティガは拳を握り締めて憤怒を漲らせ、対峙する。
人間のエゴで引き起こされた超人同士の戦いの火蓋がここに切って落とされた。

まるで鏡のように同時にパンチやキックを繰り出し、手順や光線の色などが対照的な必殺光線を撃ち合う激闘を繰り広げた後、
示し合わせたかのように同時にカラータイマーが鳴った*2直後、チョップを繰り出したティガとキックを繰り出したイーヴィルティガは空中で交差。

着地し、一瞬両者共に静止した後、苦悶の声を挙げて膝をついたティガをイーヴィルティガはあざ笑うかのような仕草を取るが、
その直後、実はティガよりも深手を負っていたイーヴィルティガは、立つことはおろか膝をつくこともままならずに転倒。
それでもなおティガにイーヴィルショットを放とうとするも、傷ついた身体では撃つこと叶わず、
そして、立ち上がったティガにセルチェンジビーム&ゼペリオン光線を浴びせかけられ、イーヴィルティガは光となって消滅した。

イーヴィルティガと一体化していたマサキは、人間の姿に戻るも暴走の余波か完全に発狂しており、共犯者であったタンゴ共々逮捕されることとなった。

ちなみに、ガーディーは死亡したが一体化していた子犬は生還しており、EDで走り回っている姿が確認できる。





そして……

その後のマサキの動向は謎に包まれていたが、『最終回』にて改心したマサキが再登場。
地球を闇で覆い、ティガを一度は倒して石像へと戻した邪神ガタノゾーアを倒すべく、GUTSに協力してティガ復活のオペレーションを実行する。
ティガはマサキの協力もあって復活を果たし、世界中の子どもたちとも一体化してグリッターティガへと変身。
邪神は人の“光”が集約された光の巨人によって倒され、世界に平和が戻るのであった。

そして、マサキが残したデータは後にTPCが保管。
ティガが消滅した2年後、TPC警務局のナグモ副局長により『F計画』が提唱される。
その内容は、人類がウルトラマンを科学的に解析し、人の手で制御できるウルトラマンを創り出し地球防衛の手段とするものであった。

だが、その顛末は……。




【その後の作品でのイーヴィルティガ】

「本来は光の戦士」「分類はにせウルトラマンだけど偽者じゃない」などの要素からショーなどでも出番は多め。
例えば2010年の円谷ジャングル主催のウルトラヒーローショーでは力の使い方を誤り力に溺れ闇に落ちた戦士として登場。
偶然ウルトラマンに憧れているチャリジャを助けてしまい、いろいろあって最終的には彼に応援されながらティガと共闘するというストーリーで、
同時にベリアルとウルトラの父の因縁も掘り下げられている。


PS2『ウルトラマン Fighting Evolution 3』では、対戦で操作可能なキャラとして登場。
ウルトラモードに『影を継ぐもの』のミッションが収録されており、光線の撃ち合いや最後の一騎打ちなど、原作が再現されている。


闇の巨人をテーマとした円谷の企画『DARKNESS HEELS』ではメンバーに抜擢。肩書や紹介が完全にマサキ由来。
舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』では惑星テリオに復活させられた設定で登場。演者は友常勇気。

巨人本来の冷静な人格と、マサキ由来の神を騙る軽薄な人格が混濁し頻繁に態度が変わる。
イーヴィルティガ(邪悪な何か)という名称に疑問を覚え、自身が闇に染まっていることは受け入れながらも、その名で呼ばれることは嫌う。しかし、本名は明かさない。
本来は光の巨人/神として支配を目的としながらも人間の味方だったこともあり、ヒールズ中ではカミーラに次いで穏健。


余談

◇一部のカラオケでウルトラマンティガのOP曲「TAKE ME HIGHER」を流すと、ティガ対イーヴィルティガの映像が流れる。
……が、この映像自体は一分程度しかなく、最後まで歌うと5?6回ループする
曲を歌う間に撃墜されまくるガッツウィング、殺されまくるガーディー、拮抗しまくる光線、やられても即座に復活するイーヴィルティガは中々シュールである。
ガッツウイングがやられるシーンはウルトラマンが飛びながら無理しやがって…と言ってるように見える。
ちなみに、ループする機種はジョイサウンド。
しかしある機種のカラオケではこれに加え、ガタノゾーアとの最終決戦も流れる為、とても熱い。

◇スポンサーのバンダイからは、「偽ウルトラマンとそれに付随するカプセル怪獣的存在を」というオーダーでしかなかった。
しかし、これに疑問を抱いた小中千昭は「ティガは人間ウルトラマンなんだから、人間同士が戦う話だったらやれるかもしれない」とプロットを手掛けたという。
また同時期に、実弟の小中和哉が監督を務めた『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』にウルトラマンシャドーが登場していたので「兄弟で似たようなことやっても困る」という意識もあったらしい。
この様な経緯もあって、笈田雅人プロデューサーは「あれだけドラマティックな展開になってたのでと驚いた」と答えている。

◇第44話「影を継ぐもの」の脚本を執筆した小中千昭は後年のイベントにおいて
イーヴィルティガの本質的には「悪でもにせウルトラマンでもない「 アナザーウルトラマンである 」と述べている。
そのため、デザイナーの丸山浩はオルタナティブティガとも呼称している。

2015年刊行の著書『光を継ぐために』での小中・丸山両氏の対談によれば「イーヴィルは後の展開もあるかもしれないと聞いていたけど、結果的に再登場する機会がなくて残念だった」と語っている。

◇元が光の巨人という設定であるであるはずなのに復活した時点で既に人相が悪い。当時の撮影技術ではウルトラマンの顔を途中から変えることができず、ワンカットのために人相の良いマスクを作るのはさすがに手間だったのだろう。



追記・修正お願いします。


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最終更新:2021年07月22日 00:43

*1 ただし元々はティガ達も宇宙から飛来した光の巨人であるため、この時のティガは今回のイーヴィルティガのように一体化した人間の心の闇が暴走した状況だったと劇場版パンフレットの記述から察せられる。

*2 巨人の個体差等の要因でティガよりもイーヴィルティガの方が活動可能時間が長いか、あるいは変身前に幾度となく電撃を浴びせかけられてダイゴが弱っていた影響で本来よりもティガの活動可能時間が短くなっていたか、そのどちらかだと思われる。