登録日:2011/03/05 Sat 02:29:45
更新日:2025/04/02 Wed 09:58:52
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※推奨BGM:「MOTHER3 愛のテーマ」
柴咲コウが本作の魅力を語るという内容。
非常に難産だったタイトルとしても知られている。くわしくは以下の記述を参照。
◆発売までの経緯
1994年に開発スタート。当初の予定機種は
スーパーファミコンであった。
その後、対応ハードが
NINTENDO64用ソフトに変更され『キマイラの森』とサブタイトルが付く。
さらに後、『奇怪生物の森』と変更され、機種も64DDに。
さらにさらに後、『豚王の最期』とサブタイトルを改め、プレイアブル出展される。
……が、後の2000年にはついに開発の中止が報道される。ファンは肩を落とした。
しかし、2003年、突如として開発の再開が発表された。
機種は
ゲームボーイアドバンスに。
しかしこの発表から1年が経ち、2年が経とうとしていた。
細かな情報こそ小出しにされてはいたがファンの間にはまたも暗雲が。
が、『MOTHER1+2』の発売が発表されたのと同時に、ついに正式発表に至る。
あの頃こどもだった「あなた」はすっかり「大人」になっていた。
しかし『MOTHER』シリーズはプレイヤーの年齢を選ばない。
まさに
『おとなも、こどもも、おねーさんも』
当初は3Dグラフィックで開発されていたが、機種がGBAになったこともあって従来作のような2Dグラフィックに変更されている。
キャラクターや地名などは、ほぼ『豚王の最期』時代のものを継承。
シナリオは細部にこそ調整はあったものの基本的にはいじられていない、とのこと。
◆本作の特徴
『MOTHER3』はストーリーが8つの章で構成されている。
章によって、冒険の舞台となる場所や時間、登場するひとたち、そしてプレイヤーが操作する主人公など様々な要素が変わっていく。
敵との戦闘では新たに「サウンドバトル」システムが搭載。
これは、通常攻撃する際に戦闘中のBGMにあわせてリズムよくボタンを押すことで連続攻撃ができる、というもの。
ミスすると途中終了してしまうが、最後まで連続入力できると最大で通常の2.5倍のダメージを敵に与えることができる。
本作では戦闘用BGMは相当な数が用意されており、サウンドバトルのリズムもさまざま。
また、敵をねむらせると攻撃すべきリズムが心音として聞こえるようになり、タイミングがわかりやすくなる。
味方のHP、PPの表示は前作『
MOTHER2』と同じ
ドラムリール式である。
ダメージを受けると少しずつ減少し「ちめいてきなダメージ」を受けてもHPが0になる前なら行動ができる。
HPが0になる前に回復するか敵を全滅させると、HPの減少が止まり戦闘不能になるのを防ぐことが可能。
また、「ガード」をしている間はHPの減少速度がとてもゆっくりになる。
便利なシステムではあるが、1回の攻撃に時間を必要とする前述のサウンドバトルとは食い合わせが悪い。
このため「連続攻撃を続けて大ダメージを狙う」か「攻撃をすぐに切り上げ急いで回復する」か、時としてプレイヤーに選択が迫られる事となる。
本作では、収録されているBGMを自由に聴ける「SOUND PLAYER」モードがある。
最初からすべてのBGMを聴けるが、曲名の表示はゲームの進行に合わせて解禁されていく。
好きな曲を登録して聞いたり、ボタン操作を無効にできる機能もあり、ゲームボーイを音楽プレイヤー代わりにできるようになっている。
なお、本作の楽曲は『
大乱闘スマッシュブラザーズDX』などを手掛けた酒井省吾氏が手掛けており、「これ本当にGBAのゲームか?!」と思えるほどに高音質な曲がかなりの数用意されている。
◆キャラクター
『スマブラDX』当時は企画が進まなかったため参戦は見送りになったが、
本作の正式発売により、晴れて『
大乱闘スマッシュブラザーズX』での参戦を果たした。
リュカの双子の兄。弟に比べると元気で勇敢。
みんなが大好きなおかあさん。
「タツマイリ村」の人達からも愛されている。
好きな花はヒマワリ。
強くて優しい、リュカとクラウスのおとうさん。
1章の主人公。
いつも帽子をかぶっている。また、動物と話すこともできる。
犬。リュカの仲間。
戦闘ではボニーが食べ物系グッズをほかの味方につかおうとすると、まれに自分で勝手に食べちゃうことも。
オソヘ城のお姫様。リュカの仲間。
賢くて強い、おとこ勝りな女の子で、PSIの攻撃が得意。
泥棒だけど何も盗まない
正義の泥棒。
2章の主人公でリュカの仲間。口が臭い。
左足が不自由だが、生活にも冒険にも支障はない。
島にある7本の「針」の守護者たち。
ひとつの「針」にひとりの守護者がおり、計7人いる。
オカマのような見た目に、オカマのような口調。
だが、まず人間ですらないので性別はないらしい。
なお、ひとりだけはすでに行方不明となっている。
かわいいサル。
3章の主人公。恋猿が居る。
リア充。
行商人。サルサをいじめた悪いやつ。
タツマイリ村の住人に「シアワセのハコ」と呼ばれるものを広めたが、それは「洗脳装置」であった。
「キングP」に仕える謎の兵隊。
島でさまざまな悪事を働く。
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◆重要な用語
「ものがたり」の舞台となる島。
この島以外の「世界」の全ては、何らかの理由により滅びさっているという。
島で唯一の村。
「世界」が滅びる直前に「白い船」に乗ってこの島に逃げ、生き延びた人達が暮らしている。
ただし、ある理由から、村の住人は自らの意志で「島に来る前の記憶」を封印しており、
村で生活するための新しい記憶にとりかえている……つまり、自分たちが思い描いた理想の「ものがたり」を演じながら生きている。
元々家族だった者もいるが、それ以外は血のつながりのない他人同士である。
ただし、「白い船」で一緒に島に乗り込んだ赤ん坊のクマトラを除いて、村のこどもは島に移住後に産まれている。
「タツマイリ村」の北にある「クロスロード」で鐘をついている、異様に背の高い人物。
かなり目立っているが、こちらから話しかけてもいっさいしゃべろうとしない。
しかし、物語の終盤で、リダからこの島と「世界」の秘密を聞かされることになる。
上記のとおり、村の住民は島に来る前の記憶を 封印しているが、彼だけはある理由により唯一その記憶を封印していない移住者である。
マジプシーに守られている7本の「針」によって島の地下深くに封印されている。
強大なパワーを持っているらしく、「世界」が滅びてもそのちからにより、「ノーウェア島」だけは無事だった。
7本の針を抜いて封印を解くとき、世界は改革を迎えると言う。
なお、針を抜くことができるのは「選ばれた者」のみ。
※以下、最重要ネタバレあり※
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キングPの命令により、リュカより先に「針」を抜こうとする者。
その正体は、1章で命を落としたはずのクラウスだった。
ブタマスクを率いる、「キングP」の正体である。
「ブタマスク」と「P」という言葉から、もしや……と思ったプレイヤーもいるかもしれない。
『MOTHER2』のラストで逃げ延びたポーキーは、時間移動を繰り返しながらさ迷いつづけ、
すべての時間や空間からしめ出され、その果てに「ノーウェア島」に辿り着いたという。
リダいわく、ポーキーは「タイムトンネル」という時間と空間を自由に行き来できる装置をつかって時間移動をしていたという。
その度重なる時間移動の影響で体は老衰しきっており、もはや自力で歩くこともままならず、マシンに寝たきりの状態になっている。
しかも、ふつうの人間のようにふつうに歳をとることができなくなったせいで、
精神は子どものころのままで肉体はボロボロ、永遠に死ぬことのできない体という
ひじょうにいびつな存在になってしまった。
色々な時代からさらってきた人々を 洗脳し、「ブタマスク」として使ったり、
自分の好きなものだけを集めた「ニューポークシティ」という街を造ったり、好き放題している。
また、「キマイラ」を造ったり、生き物すら操ったりもしている。
リダが言うには、ポーキーはノーウェア島を自分のわがまま放題にできる「おもちゃばこ」のように思っているらしい。
果ては「世界」を完全に滅ぼすために、一度死んだクラウスをキマイラに改造し「針」を全て抜かせようとした。
最期はアンドーナッツ博士と どせいさんに開発させたという「ぜったいあんぜんカプセル」に入って、リュカ達に対峙する。
この「ぜったいあんぜんカプセル」とは、外部からのありとあらゆる危険から身を守ってくれるものであるが、
一度入ると、もう出ることも入ることもできないという欠点を持つ。
まさに「絶対に安全」なカプセルであり、それはカプセルの外にいる者にとってもまさに「絶対に安全」な装置であった。
一度入ったら出ることも出来ず、もう死ぬこともできない彼は、こうしてカプセルの中で永遠の時間を過ごすこととなった。
「ときに人々をさらい、ときに世界を征服したり滅ぼそうとしたりして
絶対安全そうなカプセルに入ってて、打撃などでは倒すことも出来ない」
このゲームのプレイヤー自身。リュカ達の後見人。
タツマイリの人々に奉られている。
この物語を見守り、その結末や様々な謎をどう解釈するかは、プレイヤーである「あなた」に委ねられている。
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◆余談
本作の物語の舞台は前作の『2』より「大きく未来」か「大きく過去」である。
過去か未来か、どれくらいの過去or未来かは作中でも糸井氏の発言でも明言はされていない(『2』の50億年後という案はあったようだ)。
糸井氏は自身が明言していない謎についてはプレイヤー自身にその判断を委ねてあるため、
別にどちらでもかまわないのだろう。
本作の開発~発売にあたっての経緯を糸井氏が「ほぼ日刊イトイ新聞」で語ったインタビュー記事によれば、当初はゲーム業界の時代の潮流もあって(前作を上回るような)大作を作ろうという強い意気込みがあったものの、開発が難航していくにつれていつしかその意気込みが重荷へと変わり、開発を中止したのはそれが大きな理由であったとのこと。
このことは糸井氏に深い影を落とし、楽しみにしていたファンに申し訳ないという気持ちが長年に渡って残り続け、「ゲームで発売できないならば書籍化や映画という形で発表するのはどうか」という打診も幾つかあったものの、いずれも当初の構想を表現しきることが困難であったことから悉く頓挫していた。
そんな中、時代が進んだことによってゲームボーイアドバンスという新機種が登場し、「この機種で改めて発表するのはどうか」と進言されたのをきっかけに、糸井氏は大作を作ろうとするあまり悪循環に陥っていた自らの内面を見つめ直し、本作をハードの特性や新たな時代の潮流に合わせた“丁度良い規模のゲーム”として、気持ちを新たにして無事に作りあげることが出来たのだという。
そのことについて、糸井氏は「マザー1もマザー2も元々はさほど期待を背負っているようなゲームではなく、良い意味での“軽さ”があった」と原点回帰するような気持ちがあったことや、「自分は開発を中止した前科があるから、やっと完成させたからといって、鳴り物入りで喧伝するような気持ちにはなれなかった」と消えぬ負い目があったことも併せて語っている。
◆ぴょん。
ついき・しゅうせいしますか?
◆つぎにあう wikiこもりによろしくね。
- リダの話以前に違和感は 留置所あたりから変な伏線はあったよ -- 名無しさん (2016-12-13 11:22:59)
- ↑7あの世界そのものがプレイヤーにとっての巨大なマジカントだと捉えればそうかも知れないね。クイーンマリーの謎を解いた時、心の悪魔を倒した時と同じように、君のやることは終わったんだよというメッセージに近いものを感じる。 -- 名無しさん (2017-05-04 03:58:34)
- 今現在、ファイアーエムブレムシリーズにハマり始め、クラウスやボニーの事は知っているが、放置していた。もっとmotherにディープに絡みたいな -- 名無しさん (2017-05-22 15:24:35)
- クラウス関連の無数の禍々しい没データの存在といい、MOTHER3のオリジンはどれだけ陰惨な物語になったんだろう。気になる -- 名無しさん (2018-03-29 14:48:55)
- YMOでいう「BGM」みたいな作品。あの辺の界隈の人達はみんなこういう事するんだから。 -- 名無しさん (2018-04-28 20:33:28)
- 人として生を全うしたクラウス、絶対安全ながら外に出られないポーキー…ある意味究極の選択だよな -- 名無しさん (2018-08-07 11:18:16)
- 「手早く倒すと被害が少なくてすむドラムHP」と「時間をかけると威力が増すサウンドバトル」のジレンマはなかなか面白いシステムだと思った -- 名無しさん (2018-08-07 11:34:53)
- 現在プレイ中。マザーはいつもギリギリまでレベル上げるからシナリオは進んでないけど。 -- 名無しさん (2018-10-07 00:51:47)
- 終わったぞ!泣いた!俺は好きだ!新しく世界が始まったって解釈であってくれ! -- 名無しさん (2018-10-13 21:12:40)
- レジー!MOTHER3出してやれよ!(ローカライズ) -- 名無しさん (2018-12-04 19:27:55)
- 世の中にはこのゲームをクソゲー扱いする人間がいるらしい -- 名無しさん (2019-01-14 14:57:21)
- 没設定、没データ、削られたシナリオを全部載せたリメイクが待たれる。キャラデザは個人的にはスマブラ準拠で... -- 名無しさん (2019-03-09 13:15:13)
- その後の世界が牧場物語テイストになったゲームが欲しい -- 名無しさん (2019-04-19 09:57:19)
- MOTHER2.9、つまり世界が滅び去る直前の物語をゲーム化しねーかなー。あの世界に何があったのか、情報が少なすぎる -- 名無しさん (2019-07-01 09:15:10)
- ノーウェア島は1のマジカントの要素が多いよね。基本的にお金のいらない世界(「外」から来た人はお金を使う)、ピンクの巻き貝のような家に奇妙な人達が住んでいる、地下に眠るドラゴンなど。もしかしたらノーウェア島も誰かの「マジカント」だったのかな -- 名無しさん (2020-03-03 11:18:24)
- 間違いなく良作の範疇には入ってるんだよな -- 名無しさん (2020-07-17 02:31:07)
- 1が名作、2が傑作だったせいで評価落ちるのは分かるけど -- 名無しさん (2020-07-17 02:32:00)
- ドラムリール式HPとサウンドバトルは新たな駆け引きを生んだのではなく、シナジーが無いというべきだと思う -- 名無しさん (2021-01-27 21:05:08)
- 「シナジーがない」だと2つのシステムに関係がないように聞こえるから今の書き方でいいんじゃね。「何と駆け引きするんだよ」って違和感はあるから「取捨選択」とかそういう言いかえをする分にはいいと思うけど -- 名無しさん (2021-02-02 17:35:50)
- 海外でローカライズされるとしたら、どんなゲーム名になるのかな?Earthbound Nightmareとか? -- 名無しさん (2021-02-15 11:11:41)
- 1や2に比べると自由度では大きく劣ってるけど、今でも時々やりたくなるんだよなあ -- 名無しさん (2021-03-31 19:38:26)
- 本日で発売15周年。Twitterでもトレンドに。 -- 名無しさん (2021-04-20 20:32:49)
- サウンドバトルはリールとの相性以外に、猶予もリズムも難しいからやりこみ派じゃないと爽快感得られにくいってのがイマイチだった。 -- 名無しさん (2021-07-30 20:01:02)
- ひまわり畑が美しい。カエルがかわいい。ぶんちょうぼう最悪(褒めてる) -- 名無しさん (2023-08-03 20:02:18)
- Switchオンラインで今日から配信きたっぽい。 -- 名無しさん (2024-02-21 23:11:16)
- オンライン追加は日本だけらしい オンラインのためだけにローカライズってのも厳しいんだろうけど -- 名無しさん (2024-02-22 00:48:46)
- 海外での配信を求める声に対して、糸井さんは「そのへんのことは、僕じゃなく任天堂さんに言ってください。」とのこと -- 名無しさん (2024-02-22 15:06:17)
- 何かこのリュカは可哀想な気が一番する。>家族と故郷の崩壊もだけど、何よりも、自分にとって生まれ着いた頃から当たり前だった世界が偽りで塗り固められた世界でしかなかったっていう真実を突き付けられるのが一番きついと思うわ。外の世界の記憶を持ってる父親のフリントが健在なのが唯一の救いだな・・・ -- 名無しさん (2024-12-26 15:29:57)
- コメントのログ化を提案します -- 名無しさん (2025-03-26 09:14:13)
- コメントをログ化しました -- (名無しさん) 2025-04-02 09:33:40
最終更新:2025年04月02日 09:58