目暮十三

登録日:2015/07/25 Sat 08:26:53
更新日:2025/04/08 Tue 18:58:21
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目暮十三(めぐれじゅうぞう)とは、漫画・アニメ『名探偵コナン』の登場人物。

CV:茶風林
演:西村雅彦(現・西村まさ彦)(SPドラマ1作目)、伊武雅刀(SPドラマ2作目~)

●目次

□概要


警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係の所属で、階級は警部。
同捜査二課の中森銀三警部と同期であることから、年齢は40代前半だと思われる。
毛利小五郎が刑事だった頃の上司で、今でも彼から「警部殿」と呼ばれ慕われている。

恰幅のいい体格をしており、立派な口ひげを蓄えている。
コートを着ている事が多く、連載初期は夏でもコート姿だったが、連載が進むにつれ夏場はワイシャツを着たり軽装するようになっていった。
いつも帽子を被っている*1が、その理由は後述。
なお、警部補時代はハンチング帽だった。

名前の由来は、推理小説の主人公「ジュール・メグレ」警視から。黒の組織の面々などを除いた他の殆どの登場人物と違って四角に囲われたフルネームの紹介がされておらず、下の名前が判明したのは何と原作ではなく、劇場版2作目『14番目の標的』にて*2

□人物


見た目に違わず厳格だが、人情家で少々お茶目な部分もある。また、コナンら少年探偵団に対しては比較的優しく接している。
たまに理不尽な理由で部下や小五郎に怒ることもあるが、近年はそういった面は見られなくなっていった。

作中で最も多く登場する警察官で、東京都内で事件が起きればほぼ必ず彼が事件の捜査責任者となる*3
部下からの信頼が厚いのは勿論の事、友人である工藤優作からも「鬼警部」と呼ばれ多大な信頼を寄せられている。
「鬼警部」と呼ばれるだけあって正義感は強く、他人を平気で巻き込んだり、身勝手な理由で犯罪を行った人間に対しては毅然とした態度で接する。

アニメ版ではその部分が特に強く出ており、反省する素振りを見せない犯人に対し某国民的アニメの登場人物のように一喝するシーンもしばしば見られる*4
近年のアニオリ回ではそのような犯人が登場しやすく自然とそうなってしまうわけなのだが、最近では目暮が呆れてしまうほどの犯人もおり、何を言っても無駄と思っているのか一喝せずにすぐに連行させる事もある*5

逆に勘違いで殺人を犯してしまった場合には相手の気持ちを察して優しい言葉をかける*6
ここ最近のアニメ版はアニオリが多い上に地方刑事がほとんど出ない為、高木渉と同様、出番がや小五郎よりも多い年もある。
ちなみに年下は基本、男女問わず「君」付けで呼ぶが、アニメオリジナルでは脚本によっては「さん」付けだったり、小五郎や部下を呼び捨てにしたりする場合もある。

また、アニメ版では落語に詳しい一面が見られ、アニオリ回『目黒の秋刀魚事件』では落語を披露する事となった小五郎に稽古をつけるシーンもあった。

□推理力


小五郎のおかげでほとんどの事件を迷宮入りにしてしまった過去があるものの、推理力はその小五郎とほぼどっこいどっこい。
なので、警部補時代に難事件を担当した際には優作によく相談に乗ってもらい、現在ではその息子・新一の推理力を信頼して彼に捜査協力を要請したりする場合もある。
一応自力で解こうとする意志は持っているのだが……作者からは「メグレ並に推理力があればコナンも苦労しないのに…」と突っ込まれている。

工藤家の人々には頭が上がらないがその反面他の探偵たちに関してはやや懐疑的で、過去の失態がある小五郎は勿論の事、推理力が優れている服部平次世良真純の事も付き合いが短いうえに、彼等の初登場*7で彼等の推理ミスを目の当たりにしているからかあまり信用していなかったが、最終的には彼らの推理は素直に聞いている。

小五郎とはよく現場で会う為、彼の事を「死神」「疫病神」と皮肉っていたが、最近になってようやく本当の疫病神が江戸川コナンだという事に気づきつつあるようだ。
なお、目暮自身も『強盗犯人入院事件』で強盗一味が扮した偽警官に気づかないという大失態をやらかしている。

上記の通りあまり推理は得意ではないが、全く出来ないわけでもなく、『封印された目暮の秘密』ではコナンよりも先に犯人の居場所を特定する活躍を見せた。
他にも『隠して急いで省略』ではコナンの助言を少し受けただけでダイイング・メッセージの意味に気づき、31人いた容疑者の中からただ1人いる犯人を割り出した事があった。
ちなみに、『大怪獣ゴメラ殺人事件』では一度だけコナンの麻酔針で眠らされそうになるも、丁度その時に麻酔銃が無かった為に「眠りの目暮」誕生とまではならなかった。

□帽子について


常に帽子を被っているため、劇場版『14番目の標的』では小嶋元太からは「きっと薄いんだぜ」、円谷光彦からは「大きなコブがあるのかもしれませんよ」などと好き勝手に噂されていた。

彼がいつも帽子を被っている理由は、過去に頭に負った古傷を隠すためである。
約20年ほど前に起きた連続ひき逃げ事件で、友人を失った1人の女子高生が仇を取るためにおとり捜査を買って出た為、その彼女を守る為に当時新人だった彼が警護に当たっていた。
だが犯人は彼ら2人をまとめてひき殺そうとした為、結果2人はそれに巻き込まれ重傷を負ってしまう。
目暮は頭に傷を負い、その女子高生は全身を強く打ってはいたが奇跡的に助かり、この事件が縁となりその女子高生と目暮は後に結婚する事になり*8、その女子高生こそがみどり夫人である。

なので、この真相を知ったコナン達からは「もしかしたら奥さんとの馴れ初めを冷やかされたくないからじゃ…」と推測されている。
みどりとの仲は今でも良好で、2人きりになるとまるで新婚さんのようなデレデレっぷりを見せる。
ちなみに彼らの間に子供がいるかどうかは今のところ不明。

□デジタル関係に疎い?


デジタル音痴であり、パソコンの「立ち上げる」「ファイルを開いて移す」などといったパソコンの基礎用語すら全くと言っていい程に理解できない。

携帯電話は難なく使えるが、当初はその操作に慣れるのに結構時間がかかったらしく、しかも無謀にもスマホに切り替えたが、電源の切り方さえもよく分かっていない様子。警部無理すんな。
デジタル機器以外にも芸能ニュースや音楽にも疎く、英語の発音も苦手。

ただ、弱点をそのままにしている訳ではないらしく、最近のエピソードでは誰の手助けも借りず普通にスマホを使っている描写も見られ、『命を賭けた恋愛中継』では「映像の発信元はわかるかね?」と他の刑事に問いかけており、『果実が詰まった宝箱』では自分でマウスを操作して防犯カメラの動画を確認している場面もあり、段々デジタル技術の知識も身に着けているようだ。

□劇場版において


メインキャラではあるものの、立ち位置の関係上作品によっては出番が少ないことはあったが、『から紅の恋歌』で遂に皆勤賞を逃し、2024年時点では事件の発生場所が警視庁管轄ではなかった『から紅』、『紺青の拳』、『100万ドルの五稜星』の3作品にのみ登場していない*9
これらの脚本はいずれも大倉崇裕氏が担当しており、氏が脚本を担当した劇場版に目暮達捜査一課が登場するのは『ハロウィンの花嫁』だけしかなく、大倉脚本に限った場合は捜査二課の中森のほうが目暮達より登場している。

□余談


実写版で目暮を演じた西村まさ彦と伊武雅刀は共にドラマ『相棒』で特命係に関わった人物をそれぞれ演じている(西村が鹿手袋啓介、伊武が南井十)。


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最終更新:2025年04月08日 18:58

*1 警察手帳でも帽子を被っているが、『フードコートの陰謀』のチラシでは警察帽をかぶっている

*2 なお、下の名前が判明する前に『コーヒーショップ殺人事件』で殿山十三という下の名前が目暮と全く同じ人物が登場した為、下の名前が「十三」という人物がひとつのエピソードに2人登場した事になった。

*3 場合によっては白鳥任三郎佐藤美和子などが担当する事もある。

*4 偶然ではあるが、2014年からは茶風林氏が彼の声を担当することになった。

*5 特に扇澤延男氏が脚本を担当した回で発生しやすいが、この手の犯人は原作にはほとんどいない為、アニオリ回ならではといえる。

*6 『怪盗キッドと四名画』など

*7 平次は『外交官殺人事件』、世良は『幽霊ホテルの推理対決』が初登場。

*8 この時、目暮は犯人の車のナンバーを瞬時に覚えており、そのお陰でひき逃げ犯の逮捕に繋がったので、相当優秀な刑事であったと推測される。

*9 この3作品には目暮だけではなく捜査一課のメンバー全員が登場していない。