デルムッド(FE)

登録日:2011/12/20(日) 22:32:30
更新日:2025/04/29 Tue 07:15:44
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デルムッドとは、『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の第2部、及び『トラキア776』に登場するキャラクターである。


【クラス】
フリーナイト→フォレストナイト

【スキル】
カリスマ、連続(CC後)+父親の個人スキル

【親類】
母はノディオンの姫ラケシスで、妹にナンナ、伯父にエルトシャン、いとこにアレスがいる。
生き別れた母親からヘズル傍系の血を引いている。
ちなみに、聖戦一部でラケシスに恋人がいないまま終わった場合、代替ユニットとしてトリスタンが加わる。

早くに生まれてオイフェたちに預けられていたのか、ティルナノグのセリスたちと行動を共にしている。
母ラケシスはレンスターから彼を迎えに出発したが、砂漠で消息を絶った。
子世代ではかなり初期から仲間になるのに、妙にセリフが少ない。


◆ユニットとしての性能

今作ではフィールドが広いため、騎馬である時点で主力になる確率が高い。さらに剣という優遇武器が使えるのが大きい。
上級職フォレストナイトの上限値はデュークナイトやグレートナイトに比べて力が低い代わりに技や速さの上限が高く、特に技は最大値の30。
相手に追撃すれば火力を出せることや回避率、☆付き武器装備時の必殺率を考慮するとフォレストナイトの方が数値的に恵まれているだろう。
難点は使える直間両用武器が魔法剣しかないことで、子世代は魔法系の敵が多いので親世代よりも気になりやすい。

加えて母からの遺伝で確定で「カリスマ」を所持している。 効果は「3マス以内にいる味方全員に命中・回避に10%の補正を与える」というもの。
作中ではかなり有用なスキルでお世話になった人も多いだろう。
ナンナと組み合わせて20%の補正をつけてボスと戦わせたり、さらにここにレイリアを加えたカリスマトリオ補正に恋人補正まで加えてアルヴィスを殴るというのは、縛りプレイなどでの王道ムーブ。

父親次第でスキルの補強も出来るうえに、母から聖戦士の血の引き継ぎが確定しているためどういった用途で使いたいかで父親を選ぶといいだろう。
剣しか使えない割には質の異なる幅広い運用が可能で、父親を考えるのが盛り上がるキャラの1人。
メジャーどころはフィンベオウルフあたりか。
技の成長率が低くなるが、疑似マージナイト感覚で使えるアゼルも面白い。ただし守備が低くなるため前線を維持する役には向かない(技も低いが、CCボーナスで補強可能)。
必殺・連続・突撃が揃い、打たれ強くもなるノイッシュもなかなかだが、追撃がないので安定性に欠ける。ついげきリングを渡すことができれば死神兄妹に劣らない強力なアタッカーに化ける。

ただし初期能力がやや弱い上に、得意の斧系の敵より苦手な竜騎士魔道士が多く苦戦を強いられやすいのが難点。
クラスチェンジ後は安定して使いやすくなる。鍛え上げたシグルドの銀の剣あたりを持たせるといいだろう。


『トラキア776』では、終盤でナンナが居る場合のみリーフ軍にフォレストナイトで参入する。
トラキア半島に遠征してきたセリス軍からフリーエージェントした、といったところだろうか。

○初期値と成長率
フォレストナイト LV3
HP-36(70)
力-11(40)
魔力-5(15)
技-12(65)
速さ-12(45)
運-7(65)
守備-9(30)
体格-11(15)
移動-10(2)
武器LV-剣A
スキル-カリスマ
再行動-★
追撃必殺係数-5

能力・成長率共に悪くなくカリスマのスキルを持つが、参入が遅すぎるため大半のユニット、特に鍛え上げたフェルグスに遅れを取るのが難点。
「ベオの剣*1」なる物議をかもした専用の剣を持つが、なぜかフェルグスも使えるため、さらに立つ瀬がない。
ただし決して弱いキャラではない。というか成長率と必殺係数を見れば分かるようにベオの剣抜きにして普通に強い。そもそもこの作品、剣が使えるだけでかなり強いので……。

しかしそれでもデルムッドの印象がどうも薄いのは、
「参入時点ですでに様々なユニットが育っていて愛着があり、前作からの登場人物という外様感のある即戦力を使う気になれない」
フォルセティやドラゴンランスのような強力な専用武器を持っていないから。ベオの剣はライバルとなるフェルグスでも使える」
「トラキア以外の作品では初期上級職は育たないと相場が決まっており、ここから高難易度マップが連続することもあってあまり積極的に育てたいと思わない」
あたりが原因となる。
即戦力にはなる……と言いたいが登場マップが遅くその頃としてはかなり控えめな初期値なので、戦えないわけではないが少し辛い。
剣レベルが最初から高い上に「カリスマ」も持っているので、高価な武器を勿体ぶらず戦う敵を選んだり止めを刺していけば普通に一軍起用できる。

ただしその上で言うが、加入が遅すぎるのでほぼ使われない。
騎兵の性能が一部を除いてパッとしないため、どうせデルムッドもその枠なのだろうという先入観を抱きやすいというのがひとつ。
強さを定義づける要因がマスクデータの「必殺係数」というのがひとつ。
聖戦の系譜においてもそこまでとびぬけて強いユニットというわけではないというのがひとつ(セティに関しては4章外伝ないし6章で無双するため印象に残りやすい。ナンナは序盤から使うことになる)。
いくら「強いユニットはいくらいてもいい」となるトラキア776でも、この時期にもなっていると戦力が完全に充実しており、加入直後の21章ならまだしも21章外伝以降の超の字がつくレベルの理不尽マップ、しかもうまくいかない出撃場所という問題を抱えてまで使いたくなるユニットではない。

登場マップ以後の難易度がきついのに更にきつくなる感は否めないが、戦死などで一軍が不足している場合は無理にでも育てる価値はあるだろう。
育つと普通に強くて便利で「ブラギの剣」も使えるので、レイドリックアインスの相手もできるという地味な利点もある。
総じて「使うのももったいないが、使わないのももったいない」。そんな枠である。

+ デリケートな問題
ちなみに父親の話は禁忌。荒れかねないので絶対に振らないこと。
現在でも「これはネタですよ」と釘を刺しても喧々諤々の議論を呼ぶという聖戦カップリング論争における最大級の火種、オールドエムブレマーにとって核地雷級な話題のため。
本稿がその原因を理解する一助になれば幸いである。

まず、公式では「確定していない」。フィンかベオウルフの二択にすらなっていない。
プレイヤーに考えてもらう余地を残すために、あえてほのめかす程度にしておくというのが加賀昭三氏の時代のFEだった。つまりわざと「ユーザーがそう考えたのならきっとそうなのだ」というスタンスにしたのである。
しかしこれが持参した「ベオの剣」で完全に裏目に出てしまったのがこのデルムッドであり、ラケシスが作中屈指の人気キャラだったこともあってそれはもう物議をかもした。
カップリング議論の根底にあるのは、単なる「論者本人の好き嫌い」の問題である。つまりこの域でとどまっておけば「みんな違ってみんないい」で済んだのだが、
ラケシスの場合はトラキア776の主要キャラであるナンナに密接に関係し、どちらともとれる状況証拠が複数そろっている。
これに大沢版の漫画や小説版なども加わり、聖戦の系譜における実用性重視のカップリングも加わって、実に話題が尽きなかった。
そしてトラキア776の頃といえばまだ個人サイトの時代(当時はinfoseekやYahoo!ジオシティーズなどで簡単なhtmlサイトを作ることができた)だったので、「単に意見を主張しただけでアクセス禁止措置をされた」なんて話もあったくらい(真偽不明)。

本wikiのラケシスの項目には
余談だがトラキアでナンナの父の欄にベオウルフと書かれた時は、
フィンラケ派がキレて公式が炎上し消されたという話があるが、実はこれはソースが無い、根拠の無い噂。
「最初にベオウルフが父親と書かれていたのに後日消された」のは本当の話。
何故かこれが事実であるかのように広まっているが、繰り返すが根拠の無い噂であり、
ベオウルフファンやカップル関係に許容あるエムブレマーには嫌な話なので鵜呑みにしないように。

と書かれている(これ自体は真実である)が、「火のないところに煙は立たない」という言葉があるように、噂というのは案外その温床になる背景があるものである。
こんな荒唐無稽な噂話が「まぁラケシスだしな……」で信じられてしまうほどに当時は熾烈なカップリング論争が行われていたのである。場合によっては「封印の剣」について話しているスレに乗り込んでくることすらあった。
本wikiでは「そんな事実はありませんよ」程度の解説で収まっているが、ピクシブ百科事典では「消された部分はベオウルフが父親として開発されていた状況証拠」のように解説されている。
こういう暇つぶし用のサイトの解説を書く人は、裏事情に精通した当時のスタッフというわけではなく、単なる一人のプレイヤー、それもゲームで遊ぶ時間を記事を書くことに費やすような人だ。
まさに「ユーザーがそう考えたのならきっとそうなのだ」という感じを地で行く解説の違いっぷりである。

つまり「答えがないのが答え」。
もう20年以上前の話題でこういう結論を知っている人も増え、現在では疲れ果てたプレイヤーや論争を冷めた目で見るプレイヤーが多くなった。
聖戦のカップリング論争が盛んなコミュニティもいまや少なくなり、年を取ったこともあって論争することに疲れてしまい、
意見が違うプレイヤーを見ても「ああそういうスタンスか」「見え見えの荒らしだなぁ」で流せる人も増えてきた。
たとえばデュー親を嫌うプレイヤーなら「どんな時でも安定性重視」、好くプレイヤーなら「武器の質や運用で弱点を補強する」ってタイプなんだなと互いに理解し、論争を避けるのである。
本wikiではたまに編集合戦や推しカプに肯定的な記述の上塗りなどが発生するし、ニコニコ動画のコメント欄などではかつてのカップリング論争を思わせる断定的な意見があったりするのだが、
それ以外の場所でレスバトルが発生することはほとんどないと思っていい。

……といっても、ここまで老熟したエムブレマー同士でも容易に論争に発展するのがラケシスの婿談義の別格なところ。
再度申し上げるが結構デリケートな問題なので、生半可な覚悟では触れないこと
こういう後ろ暗い話題は、プレイヤーとしては残しておきたくない汚点なので消されやすい。
しかし「こういうことがあった」程度でいいから歴史を知ることで、触れていいラインが分かってくるのもまた事実である。
そしてこういう問題があったとしてもめちゃくちゃ面白いゲームなので、FEをやりつくしてトラキア776が未プレイという人はぜひプレイ、しよう!

さて、そんなデルムッドの愛称は「カリスマヤンキー」
なぜそう呼ばれるようになったかは彼の顔グラを見てもらえればすぐに理解出来るだろう。
貴族が主な登場人物であるこの作品の中で、明らかに上品とはかけ離れたその髪型

金 髪 リ ー ゼ ン ト

もう見るからにヤンキーとしか言い様がないその髪型と彼の持つスキル、カリスマとを合わせていつしか彼は『カリスマヤンキー』と呼ばれ愛されるようになっていったのである。
派生して「カリスマ倉庫番」なんて呼ぶ人もいる。出撃させることがない上に預り所に預けられるアイテム数が少ないため、出撃しないマーティやダグダなどは武器を持たされやすい。
そしてデルムッドも大半の人は出撃させる予定がないので、どうしてもこうなってしまうのだ。ってか21章以降のマップが鬼畜すぎて育てたくても機会がなかったり。

だがその愛称を知らない人もいる為、使う際は注意しよう。決してカリスマが本体とか言ってはいけない。っていうか普通に強い。
また、リーゼント(ポンパドール)はかつての貴族の髪型だったので、別に間違いというほどおかしいわけではなかったり。
ただ90年代後半という世相ではそういう知識もまだまだ広まる前で、金髪と言えば「不良が髪を染める行為」とされていたような頃。
深窓の令嬢であるラケシスの息子がよりにもよってそんな桜木花道みたいな髪型というのは、ネタにされやすかったようである。

ちなみ彼の父親をレックスにするとカリスマエリートヤンキーが誕生する。


追記・修正は髪型をリーゼントにしてからお願いします。

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最終更新:2025年04月29日 07:15

*1 イラストワークスでは「かつての英雄「ベオウルフ」が使っていたとされる剣。「まちぶせ」「いかり」のスキルがつく。」と書かれている。