フィン(FE)

登録日:2018/05/02 (水) 18:46:39
更新日:2024/04/17 Wed 10:25:40
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トラキアを統一しかつてダインとノヴァのもとで繁栄した理想の王国を築き上げる……。

それは亡きキュアン様の夢であり私の願いでもあるのです。


出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始
(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS


ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』および『トラキア776』の登場人物。
トラキア776では主要人物に昇格しており、ヒロインのナンナの父親……ということになっている。
聖戦の系譜では親世代・子世代両方に登場することに加えてスピンオフのトラキアにまで登場するためユグドラルシリーズ皆勤賞のキャラと言える(途中離脱はあるが)。
また、フィンはかなり特殊なキャラで、彼のみいろいろと仕様が違ったりする。



概要

マンスター地方の小国、レンスター王家に仕えている見習い騎士。レンスター有数の家柄出身。
聖戦の第一部時点では17~19歳くらいの青い髪をした青年であり、槍の腕もまだまだ未熟。
第一部でキュアンに師事して腕を上げて、第二部ではランスナイトとしての名声が大陸中に轟くほどに成長している。
主に生涯の忠誠を誓い、優しく誠実な人間ではあるがセルフィナから「女性に冷たい」とまで言われてしまっている。

初登場は聖戦の序章であり、危機に陥ったシグルドを助けるべく出陣したキュアン夫妻の従騎士としてシグルド軍に参加する。
見習い騎士なので序盤こそ頼りないものの、2章で主君であるキュアンから勇者の槍を頂戴してから地味ながらも確実な仕事をこなしていくようになる。

その後一度レンスターに戻り援軍を連れてこようとするキュアンに同行する事になり、いったんシグルド軍を離れる事になる。
レンスターに戻った後、キュアンはランスリッターを率いて戻ろうとするが、
当時レンスターは常にトラキアに狙われていたので、フィンに城の防衛と生まれたばかりのリーフを託し、遠征した。

しかしその隙をついてイード砂漠を行軍中のキュアン軍をトラキア軍が襲いキュアン夫妻は死亡、その流れでレンスター城も制圧されてしまう。
フィンはリーフ王子と預かっていた ラケシスの子供・ナンナ(場合によっては実子)を連れてレンスター城から脱出し、各地を転々としながらフィアナ村に落ち着く。
そしてリーフが15歳になったころ、祖国解放のために立ち上がる。

子世代編では7章からリーフたちと共に再加入。そのため聖戦の開戦から終戦まで戦うことになる。
トラキア776時のイメージ年齢は34歳。

戦いの最中、トラキア軍の中にいた女竜騎士がキュアン達とともに死んだと思われていたリーフの姉アルテナであることに気付き、
リーフとアルテナの再会とアルテナの解放軍参加の切っ掛けを作った。
なお、幼いアルテナの面倒も見ていたようで、アルテナもおぼろげながらフィンの事を覚えていた。

なお第一部の時に恋人がいた場合、戦時の混乱で生き別れてしまい恋人の行方をずっと探している。
アイラエーディンが恋人の場合は7章でラクチェラナ相手に親子会話が発生する。
自分の子供であるラクチェ・ラナのいずれかを見て、自分の子供だと気付かずにそれぞれの母親の面影を見出して見惚れている。
ラクチェはともかくラナがエーディンそっくりと言い切るのは無理がある気がするが、親子の絆的なものだろう。

ラケシスとも恋人会話はないが恋人になる事は可能であり、その場合実子のナンナと一緒にセリス軍に加入する。
しかし「母を何故単独でイザークに向かわせたのか」とナンナに咎められた際に、
「夫婦の事には立ち入ってほしくない」というなど、ラクチェ・ラナとは違いずっと一緒にいた割には妙に親子の間に壁がある。
しかしレヴィンといいフィンといい、5章の後で夫婦で過ごしたカップリングに限って夫婦間が上手くいかず、親子の間で溝がある描写が描かれるというのも
皮肉としか言いようがない(レヴィンはレヴィンでかなり特殊な事情もあるが…)。

トラキア776では一応ラケシスとフィンのカップリングが公式になっているのだが、やはりセルフィナに、
「それなら何故ラケシス様を放って置かれたのです? あの方の悲しみをわかっていらしたはずなのに……」
と夫婦間が上手くいっていなかったようなこと言われ、責められまくってしまう。
しかもそれに対してのフィンの返答は「何のことだかわからない」とはぐらかしてしまう。

ただし、そもそもナンナはフィンを「お父様」と呼び、周囲もナンナとフィンを親子として扱っているのに、フィンは何故か妻子と聖戦以上に距離を作っているのだ。
聖戦の時は恋人のラケシスを呼び捨てにしていたのに、トラキアでは娘の前で「あの方」呼ばわりしている等、なぜか他人行儀。
さらに公式サイトではナンナの父親欄にはフィンと書かれておらず、
さらにデルムッドが『ベオの剣』を持っている事から(=少なくともデルムッドの父はベオウルフ?)実際にはナンナを引き取って育てている義父なのではないか?と疑われている。
一方で聖戦の「カップリングで産まれてくるきょうだいは父母共通」というシステムに反するが、デルムッドの父はベオウルフ、ナンナの父はフィンと兄妹は種違いでは?という説もある。
兄妹が父から譲られるはずの遺伝スキルを持たないことや聖戦のシステム上子供がいるなら手放しているはずの勇者の槍をトラキア776でもフィンは持っていること持ってなくてもそれはそれで反応に困りそうだけど
ベオの剣がナンナは装備できないこと、フィンとデルムッドとで会話がないこと等もここら辺がはっきりしないことに拍車をかけている。
余談だがフェルグスはベオの剣を装備可能で、彼はEDでも『ベオウルフの隠し子かもしれない』と語られてたりするので、ますます謎が深まるばかりである。

とはいえ公式がやっている『FIRE EMBLEM検定』のマスター級の問題で、
「女性キャラクターに特定の恋人がいる場合、5章で恋人同士の会話イベントが発生する。
では、ラケシスの恋人になっても5章で会話イベントが発生しないキャラクターは誰か? 次のA~Dの中から選べ」というのがあり、
選択肢はA.ノイッシュ、B.フィン、C.デュー、D.ベオウルフの四択であり、その答えはフィンなのだが、
その解説で「フィンとラケシスは『トラキア776』では公式設定カップルですが、残念ながらここでの会話はありません」と答えている。
というか、フィンは5章では登場しないので会話がない以前の話な気もする。
素直に受け取るならば、現在の公式は兄妹の父親はフィンだと考えている事になる。

一方で『FE大全』のフィンの解説欄にて、聖戦とトラキアでナンナに「お父様」と呼ばれているけど、これは「育ての父」という意味を含んでいると説明されている。
これはラケシスと結ばれても、結ばれなくとも変わらぬ点、だとも。
さらにフィンの解説なのにラケシスとベオウルフの恋人会話である「おまえの気持ちは知っていた……」が紹介されており、この言葉の意味が気になる……と説明されている*1
わざわざフィンの所で解説された意味を考慮すれば、ラケシスはベオウルフとくっついても実はフィンに想いを寄せており、
そのためベオウルフとの子供をフィンに預けた、と受け取る事も出来るのではないだろうか。

余談になるが、大沢版の漫画やドラマティカルファイルではラケシスはフィンと結ばれている。
一方でガンガンWINGの冬季ねあ版ではデューとラケシスが結ばれていた。
ギャグ王での所謂『藤森ナッツ版』はラケシスはレックスといい関係になっていた。
さらに、ファミ通文庫の小説版ではラケシスとベオウルフが結ばれ、フィンは誰とも結ばれずに独り身で終戦を迎える事になる。
…と、ラケシスはメディアによって相手が変わる傾向がある。

まとめるとファンの間でラケシスのカップリングはフィンラケ派、ベオラケ派、どちらとも結ばれた=兄妹は種違い派と意見が分かれている。
どれが本当かはプレイヤーの想像次第……と言ったところか。

全ての戦いが終わってからはリーフに無期限の休暇を貰い、人々の前から3年間ほど姿を消したという。これは『空白の三年間』と言われ何をしていたか正史には書かれていない。
フィンの姿をイード砂漠で見た者がおり、イード砂漠の地下にあるロプト教のアジトには、
ラケシスを始めとする親世代の石像があると言われているため、戦友たちを救いに行ったとするのが有力な説である。
もしくはイード砂漠に眠るキュアンとエスリンの遺骨を拾いに行ったか……。
フィンが何をしに行ったか、親世代のみんなを救えたかどうかは定かではない――。

なお、ドラマティカルファイルにおいてはヴェルトマー城の戦いでマンフロイと相討ちになり死亡する。
(バルキリーの杖はこれ以前の使用時に修理不可能なほど壊れてしまい使えなくなっている)

ユニット性能

○『聖戦』での初期値と成長率、CCボーナス
ランスナイト LV1
HP-32(70)
力-9(30)+5
魔力-0(5)
技-8(40)+1
速さ-10(30)+1
運-8(50)
守備-7(30)+2
魔防-0(5)+3
移動-8
武器LV-槍B→槍A
血統-なし
スキル-追撃・祈り

離脱時期はあるが、親世代から子世代まで通して戦える唯一のユニット。
序章で参戦、4章冒頭でキュアン・エスリンと共に離脱し、子世代では7章で再び参戦する。
初期クラスはランスナイト。クラスチェンジするとキュアンと同じデュークナイトになる。
個人スキルは『追撃』と『祈り』

見習い騎士で下級職という事もあり当初のステータスは高くはない上、序盤の敵は相性の悪い斧使いが中心なので戦いづらい。
しかし2章で勇者の槍を手に入れる頃になると自身の追撃というスキルと高めの成長率もあって堅実な仕事をこなせるようになる。
ややHPが伸び難いが、『祈り』のスキルのお陰でピンチの時でもかなりの粘りを見せてくれる。
だからと言って過信して単独で敵陣に突っ込ませたりしないように。

ストーリー上役割があるので、3章までにやられても死亡にはならず撤退扱いになる。
また、その役割上、親世代で撤退していても子世代では復活して再加入する、FE初の「やられても再加入する」キャラである。

父親としては『見切り』が『祈り』になって幸運が高いアレクといったところで、要するに微妙。
前述のラケシスも「弱くはならない」という程度で、ラケシスから見ると特に優先順位は高くない。
また、槍を継承できる子供は一切存在しないのというのも痛い。
しかも子世代で再登場するフィンは、独身なら親世代時点の武器をそのまま持ってきてくれるが
結婚すると継承できないのに武器を手放して鉄の槍一本で再登場することになるため、結婚することがデメリットにすらなる。
挙句に途中で離脱するので恋愛成立もさせづらい。
なお、独身だとしても離脱中に勇者の槍を使えないのは勿体ないので、勇者の槍は3章までにフュリーに渡しておくのが鉄板。そのまま最後まで返ってこないことが多い。
まぁ、戻ってこなくても銀の槍で最後まで戦い抜くことは十分可能であるが。

子世代では親世代時点のレベルそのままで登場していきなり戦線に放り込まれるので、4章までに可能な限り育てておきたい。
幸い3章は非常に楽な稼ぎポイントがあるのでここで育て切ってしまえば*2
7章で彼とリーフ、ナンナ(ジャンヌ)しかいないレンスターに迫るフリージ軍というぱっと見絶体絶命の状況を、
鉄の槍一本で無双しセリス達の到着まで余裕で持ちこたえるフィンという凄まじい光景を見ることができる。
なので「フュリーに勇者の槍渡したら、子供編で再登場したフィンの武器が弱くてまずいのでは」という点は当面は問題ない。
というか、当然ながらフィンを育てていないと詰むようなバランスではないので
無理にそこまで育てる必要はない。おおよそCCできていれば十分だろう。子供がいるならもちろん育て切っていた方がいいが。
ただし速さがへたれていると、ソードアーマー相手に追撃が出せずに手こずっている間に、城の横からの魔道士からの攻撃でダメージがかさんで死ぬこともあるので注意。できればCC時点で速さ14を確保しておきたい。
ぶっちゃけキュアンも5章で役に立たないランスリッターなんぞよりもフィン1人連れてきた方がトラキア軍突破できたんじゃ……とか思っても言ってはいけない。そもそもあいつらナイトキラー持ちだし無理ゲーなのだが

流石に子世代が育ってくるとデュークナイトの上限値の低さ(グレートナイトより守備が2低く、他は同等)もあり相対的に見劣りしてしまう。
だがそれまではお助け役として大いに頼れる存在であり、ある意味オイフェ以上にジェイガンポジションに相応しいかもしれない。
親世代で全く育ててなかった場合はお察し。

ちなみに親世代を独身のまま終えたとしても、子世代での再登場時には恋愛値が全く伸びないので、恋人を作る事が出来ない。
同世代のオイフェやシャナンは恋人を作れるのに……。

○『トラキア』での初期値と成長率、CCボーナス
ランスナイト LV1
HP-28(60)
力-8(35)+2
魔力-1(5)+1
技-8(30)+3
速さ-11(35)+2
運-5(45)
守備-7(30)+2
体格-9(10)+1
移動-8(1)+1
武器LV-槍B(剣D)
スキル-祈り
指揮-3%
追撃必殺係数-1

『トラキア』では1章の最初から使用でき高い初期値とバランスの良い成長率、そして何より専用武器となった勇者の槍が強力。
(しかし、歴戦の将なのに下級職のままというのはよく突っ込まれる)
序盤では唯一の騎馬兵でもあり、移動力や救出能力を活かして役立つことも多い。
特に捕獲狙いの時には勇者武器の2回攻撃が非常に頼りになるので、ついつい頼ってしまう場面も多いだろう。
しかし本作では下馬システムが採用されており、屋内では強制的に武器が剣に変更される上にパラメータも落ちてしまうので注意。
特に終章で本領を発揮できないのが残念な所だが、成長させやすいキャラということもあり屋内戦も含めて終始一線で使っていける。


台詞

  • なにを言われるのです。私はレンスターの騎士、主命とあれば、どこまでもお供します。
  • しかし私はまだ見習い騎士、あまりお役にはたてないのが残念です。
  • シグルド様、お世話になりました。私もキュアン様のお供をいたします。
    シグルド様の汚名がはれる日は、きっとやって来るでしょう。どうか、気を強くお持ちください。
  • おまえは相変わらず気が強いな。ますますラケシスににてくる。
  • ラケシスがイザークに行った事か……もうそれは言うな。子供と言えども夫婦の事には立ち入ってほしくない。
  • うむ……恥ずかしい話だが、私が昔、愛した人に、きみはそっくりだ。
  • ……私にはなんのことだか、わからないが……。
  • そうか……よかった。おまえにもしものことがあれば、私はあの方になんと言って詫びればいいのか……。
  • 槍の手入れをしていた。この槍は、主君から授かった……我が忠誠の証でもある。
  • ここは異なる時と空を統べる地……まさか、このような形であの方とお会いすることになるとは……。
  • エクラ、あなたと共にここまでこられた事、心より感謝申し上げたい。
    騎士として在る以上、戦場で主君のために戦うことが義務であり、誇りでもある。
    元の世界でも、優れた主君に恵まれお仕えできた事は身に余る光栄であり……、
    それと同時に……主命とはいえ、戦場に出ることなく主君を失ってしまった事実は、今もって無念でならない……。
    故に、この度の戦い、その最後まであなたと共に在りましょう。この槍にかけて、必ず。


ファイアーエムブレム ヒーローズ}



私はレンスターの槍騎士フィン。あなたの力となろう、この槍にかけて。


スマホゲーにトラキア名義で主君のリーフと娘のナンナと一緒に登場。イラストは公式四コマでお馴染みの板垣ハコ氏。
二人とは違い戦禍の連戦の報酬として手に入る。後に聖杯として簡単入手出来る。
娘のナンナ同様に時空を超えた地でラケシスと再会できたことに驚いている。……向こうは聖戦名義なので一回りほど年が離れているが。

武器スキルはキュアンから貰った『勇者の槍+』
奥義スキルに自分のHPが2以上で敵の致死攻撃を受けた時、ダメージをHPが1残るように軽減させる『祈り』

Aスキルは攻撃、守備+2にする『攻撃守備2』
Cスキルに周囲2マスの味方騎馬は、戦闘中攻撃、速さ+4になる『騎刃の紋章』

良く言えば改造のしがいがある。悪く言えば典型的、または微妙な騎馬。
二回攻撃がある特徴以外はよくある普通の騎馬。速さもそれなりにあるのだが勇者系の武器のせいで速さを腐らせている。他に個性ある槍・騎馬には遠く及ばない。一応聖杯での簡単入手や他の武器で改造しやすいように作られているので魔改造させる価値は十分にある。

後に2021年の8月から専用武器「忠誠の槍」が追加。
その効果を見てみると…忍者版ナバールが持つ「忍の槍」と同じ効果だが攻め受けで二回攻撃が可能な「マスターソード」の効果もある豪華仕様。特殊錬成すると戦闘中、敵の攻撃、速さ、守備-4、かつ敵の攻撃、速さ、守備の強化を無効にする謂わば「攻撃速さ守備の凪」
典型的な騎馬から一変してバフ無効を活かして連続攻撃で攻めていくアタッカーとして生まれ変わった。これでようやく報われる…


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最終更新:2024年04月17日 10:25
添付ファイル

*1 これに関してはラケシスは極度のブラコンであり、死んだエルトシャンをいまだ想っている、との解釈もある

*2 レベル差の関係上、レベル29になってしまうと3章の海賊からは経験値がもらえなくなるのでレベル30を目指すなら闘技場をそれまで残しておいた方がいいだろう。