ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

登録日:2010/05/17 Sun 19:30:55
更新日:2025/03/06 Thu 16:22:14
所要時間:約 7 分で読めます






前作をはるかにしのぐ

超大作


戦い・陰謀…

そして愛の絆

親子二代に渡る壮大なドラマ。


 愛
武の
器絆
にが


__


ロールプレイングシミュレーションゲーム

スーパーファミコンソフト

ファイアーエムブレム

聖戦の系譜


受け継がれるのは、か――――
*1


『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』とは、ファイアーエムブレムシリーズの4作目に当たる作品で、1996年5月14日に任天堂よりスーパーファミコン用ソフトとして発売された。

2007年1月30日よりWii・バーチャルコンソールで配信され、2016年8月27日からNewニンテンドー3DSNintendo Switchオンラインでも2021年5月26日から配信開始。

+ 目次

◆概要

前作から世界観を完全に一新し、シリーズの新たな境地を見せた意欲作で、『聖戦』と呼ばれる戦争によって平和がもたらされたという伝説の残るユグドラル大陸が物語の舞台となる。

ファイアーエムブレム 紋章の謎』と同じ2部構成だが、自国の平和や他国への侵攻を望む様々な国家や宗教組織が密接に関わり、国同士の間で起こる戦争が物語の中心となっている。
悲劇的な展開も特徴で、開発者は本作の製作における趣旨について「戦争の悲惨さを伝えること」を挙げている。


最大の特徴として、支援会話システムの祖とも言える恋愛システムが搭載されている。
第1部では、フリーな男女を一緒に出撃させる、隣接させるなどで恋愛値が蓄積されていき、一定数に達すると恋人同士になる。
恋人同士になると命中・回避補正が受けられる、資金を渡せる、ランダムで必殺が発生するといった強力なメリットがある。

第2部では、彼らの子供たちが登場するようになる。
親の能力、スキル、使える武器を継承するので、組み合わせによっては第2部序盤から無双も可能。
なお恋人にしなかったり、母親が死んだりしている場合は代替の平民キャラが登場する。

今作品最大の売りにして非常に奥深いシステムであり、今なお色々な意味で議論が活発である。
これによって、発売から20年以上が経過しても二次創作などが行われ、フィギュアが発売されるなど根強い人気を誇る。

また、それに伴いシナリオにおいても遺伝子的な血の要素がかなりのウェイトを占める内容となっている。
故に近親相姦的な表現も多々あり、良くも悪くも禁忌的な物語が多くのユーザーを虜にした。
ディレクターの加賀昭三が「近親相姦フェチ」と呼ばれるきっかけとなったゲームでもある*2


他にも『』、『』の3すくみやスキル、騎馬ユニットの再移動など、後のシリーズにも受け継がれているシステムが多い。

一方で広大なマップの中の各地を転々とする戦闘マップや、プレイヤーの操るユニットの少数精鋭で偏った構成、代替わりによる能力や神器の継承、癖のある確率計算、恋愛システム、武器ごとの熟練度など、諸々の理由で受け継がれなかった本作ならではの要素も多く含まれている。

ちなみに神器の性能は後のシリーズと比べてもすごい方。ステータスに合計+30~80追加されるというやりたい放題っぷりである。
特に自軍が使える神器の(武器の)中で唯一継承者を選べる「フォルセティ」は非常に激論を呼び、カップリングによって強さが非常に大きく変動するキャラもいた。
当時は「ダビスタエムブレム」などとも揶揄された。馬が強いゲームなのであながち間違ってはいない。


ストーリーや設定が非常に重厚であり、固有名詞の嵐を乗り越えることができると沼にドハマリする。
これまでの作品以上に、聖戦の系譜では作中で善とも悪とも言い切れないことを行うキャラがやたら多い。アニヲタwikiでも本作の敵対勢力キャラのコメント欄は荒れ気味だが、実際にプレイしてみるとそうなるのも理解できるくらいに人間味があったり政治問題に振り回されたりという敵が多いのである。
それは人気の裏返しとも言え、濃い面子が揃う本作の味方キャラに並ぶ印象的な敵キャラも少なくない。


その独特なシステムや親カップリングを前提にした子供の独特な立ち位置、作中で近親相姦が行われるというタブーに全力で踏み込んだストーリーなどから現在でも非常に人気の高いゲーム。

ゲームのやりこみ度は非常に高くストーリーは奥深いのだが、その一方で難易度自体はそんなに高い方ではない。ある程度の予備知識さえあれば、ぶっちゃけ「剣と風魔法」で大体解決できる。
そのためRTAや普通のプレイ動画はさっぱり盛り上がらず、何らかの縛りを設けて既存のプレイと違った形で普段絶対に意識しないようなものをメインに据えるのが盛り上がる。

また本作は疑似乱数が1つのテーブルに依存しているため、「同じように行動すればまったく同じ結果が生じる」ようになっている。
これを利用して詰めエムブレムと呼ばれる、初手から最後まで行動を決めて軌跡を保存するプレイスタイルもある。
些細なワンミスでアウト(セーブは良い)なので凄まじく神経を使う上にデータ量も膨大になりがちだが、実践している人もいる。


◆ストーリー

【第1部/親世代篇】

かつてユグドラル大陸に暗黒神ロプトウスが降臨し、配下のロプト帝国によって子供狩りや人々の虐殺によって、恐怖の限りを尽くした支配を行われていた。

だが、解放軍戦士12人にが降臨して生まれた十二聖戦士によって、ロプト帝国は滅亡する。
英雄となった十二聖戦士たちは各地に散り、グランベル七公国と周辺五王国を建国、後にグランベル王国を勃興させた。

それからおよそ100年後、757年に東方のイザーク王国の動乱沈静のためにグランベル諸侯の軍が遠征に向かう。
その間に同盟関係にあった隣国、「蛮族の国」ヴェルダン王国の王子ガンドルフが突如としてグランベル王国との国境を越え、ユングヴィ城を制圧する。
その後、矛先をシアルフィ城へと向け更に侵攻を続けてきた。

イザーク遠征に出征した父・バイロン卿の留守を任されていたシアルフィ家の公子シグルドは、
友好国ユングヴィを救うため少数の部下と共に迎撃に出る。

それがやがて起こる恐ろしい出来事の前触れであることを、このときは誰一人として知る由もなかったのだった…。

【第2部/子世代篇】

反逆者に仕立て上げられたシグルドがバーハラの悲劇によって葬られてから数十年後。

世界はロプト教団の暗躍によってロプトウスの生まれ変わりとして覚醒したグランベル皇子ユリウスによって、再び暗黒に包まれようとしていた。
多くの国は彼に降り、恐怖政治が敷かれていた。

しかし世界にはまだ少数の反抗勢力が残っていた。
その中の一つに後に世界の希望となるシグルドの息子セリスがいた…。


◆主な登場人物

【第1部/親世代篇】

第1部の主人公。シアルフィ公国の公子。聖戦士バルドの血を継いでいる。
最初から強いロードナイトにして、RPG三大不幸主人公の一人。

シグルドの部下の騎士赤い方

シグルドの部下の騎士の緑の方。

固い!強い!遅い!
みんなのアイドルで自宅警備員。

ヴェルトマー公国の公子で、想いを寄せるエーディン救出のために参加する。

アゼルの親友でドズル家のイイ男。耐える壁役担当。

レンスター王国の王子でシグルドの士官学校時代の友人。聖戦士ノヴァの血を継いでいる。

シグルドの妹でキュアンの。妹で人妻。大事なことなので2回言いました。

キュアンの部下。
この中では唯一、第1部と第2部通して登場する。

ユングヴィの弓騎士。
エーディンを守り切れず一度は倒れるが、シグルド軍に救出され参加する。

ユングヴィの公女。
冒頭で美しさを理由に連れ去られたり、多くの男性キャラクターと縁を結びやすかったりする魔性の女。あなた達はけだものです。
なお結婚していた場合は、第2部でも生存が確定している唯一の女性。

エーディンと一緒に救出されたショタ盗賊

イザークの王女で、甥のシャナンを連れて戦火を逃れていたが、
ヴェルダンの筋肉王子どもに人質に捕られ用心棒として働かされていた。
キルソ剣士の系譜。彼女が緑に光ったら大抵の奴は死ぬ。

ヴェルダンの末っ子王子。筋肉な兄貴たちと違いスマートなイケメン
ヴェルダンの神器キラーボウの使い手。

ヴェルダンの深い森に住む美少女。
シグルドとお互い一目惚れをし電撃結婚を果たす。
しかし呪われた運命が待ち受けており…。

闘技場にいた腕利きの剣士で、自分を倒したシグルド軍の強さを認め参加する。
実はソファラ領主の息子で、アイラの親戚にあたる。

シグルドの友人エルトシャンのブラコン妹。

旅の吟遊詩人。その正体はシレジアの王子。聖戦士セティの血を継いでいる。
第2部にも軍師として登場する。

レヴィンについてきた旅の踊り子
生まれに謎が多い人。
何故かブラギの血筋を持っている事とクロードの話から、『クロードの妹』という説が有力視されている。

マクベスに雇われた傭兵騎士。大人の男。
マクベスがあまりにも気に入らなかったので仲間と戦うのも覚悟の上であっさり裏切って仲間になるのだが、流石にマクベスがクソだからといって単に裏切ると同類なので建前としてお金は要求してくる*3

シレジアの天馬騎士
レヴィンを追ってはるばるアグストリアまで来た。

行方不明になっているエーディンの姉。聖戦士ウルの血を継いでいる。
記憶を失い、拾われた海賊団のリーダーとなっている。
実は彼女も生存組。その後の話は『トラキア776』を。

エッダ公国の公主。聖戦士ブラギの血を継いでいる。
世界に広がる不穏な影を感じ、神託を受けるために旅していたところをシグルド軍に拾われる。

フリージ公国の公女。
クロードの護衛として勝手についてきた。流れで神父様共々シグルド軍に身を寄せることに…。

ヴェルトマーの公主。聖戦士ファラの血を継いでいる。
冷静な青年だが、その内には野望を秘めており、弟のアゼルには恐れられていた。
トントン拍子で出世し、第2部ではグランベル皇帝になっている。この大陸の歴史の教科書には良くも悪くも名を残せそうな男。

世界の影で暗躍するロプト教団の大司教。本作の黒幕にして執念の男。キャラクターとはユニットとしての強さだけがすべてではない。

シグルドの士官学校時代の友人。聖戦士ヘズルの血を継ぐパラディン。
アグストリア王シャガールに忠誠を誓っており、シグルドとは敵対することになってしまう。

傭兵が有名でハイエナと名高い(?)トラキア王国の国王。聖戦士ダインの血を継ぎ自身も歴戦のドラゴンナイトでもある。
周囲の評判通り野心家且つ国王とは思えぬフットワークの軽さで営業もしており、情報収集能力もかなり高い。


【第2部/子世代篇】

第2部の主人公。
シグルドとディアドラの息子で、疎開を命じられたオイフェとシャナンによってイザークの僻地・ティルナノグで育てられていた。
しかしそこにも敵の手が迫り、挙兵を決意する。

  • オイフェ
シグルドに従っていた騎士見習いであり、解放軍の幹部。今作におけるジェイガン枠。
第1部ではショタ軍師だった彼も今では立派なおっさんです。
なお初期レベルは高いが初期値も高めな上に成長率も全体的に良好*4

最初はセリス達と敵対していたドズル公国の公子達。悪人ではないが片方を仲間にしたらもう片方が仲間に出来なくなる無常さがある。
他にもFE外伝のディーンとソニア、トラキア776のアマルダとコノモールも理由こそ違えど類似の関係性なので、
かなり意図した演出と思われる(他の場合と違ってこちらは八つ当たり気味だが)。

同じく解放軍の幹部。
長い年月は彼をショタから立派なナバールへと変貌させた。
ナバールの裏設定的には、マジもんのセルフリスペクトキャラかもしれない。

レヴィンが連れてきた謎の美少女。
実はアルヴィスとディアドラの子で、セリスの異父兄妹に当たる。

キュアンとエスリンの息子。
まだ幼く預けられていたため戦死した両親と共におらずレンスターで育てられていた。
トラキア776』では主人公。ここでは受難の日々を仲間たちと共に駆け抜ける。

エルトシャンの息子。
パパとは違い騎士というしがらみはなく、状況の違いなどによりすんなりと仲間になる。

リーフの姉で、トラキア王トラバントに連れ去られ、娘として育てられていた。

  • ハンニバル
トラキアの盾と唱われる将軍。でも攻略的なポジションはアーダン。

ブルームとヒルダの娘で雷神イシュタルと称されるほどの強さの魔道士。
作中三回も戦う機会があり、対策を怠ると事故死させられる確率がかなり高い設定通りの難敵。

トラバントの息子。(トラキア776も考えると)間違いなく思慮深い上に有能なのだが、敬愛する父の無念から野心を引き継ぐ(※強要されてはいない)。
それ故に深く考えるほど逆に作中の台詞や行動が分かりにくくなることがある人でもある。

フリージ公国当主ブルームの妻で、他キャラが霞むほどの凄まじい悪女。
ただ彼女視点の解放軍は夫と息子の仇でもあるので敵視されること自体はおかしくない。
子供のイシュタル・イシュトーと違って特に言及されていないが、何だかんだで武力方面の能力も高い。

アルヴィスの息子。
ロプトウスの生まれ変わりとして覚醒しており、実質上の実権を握り世界を恐怖政治で支配している。

+ 子世代ユニット(カップル成立&生存時)
システムの都合上、母側によって息子と娘の二人で固定。
スキル・成長率・血統ボーナスは両親の影響を概ね受けるが、成長率は同姓側への影響が大きい。
ただし血統ボーナスは必ずしも同姓が継ぐとは限らないため(設定上は長子が直系になるとも限らない)、ブリギッドのみ例外的な扱いとなっている。
初見プレイだと娘はともかく息子がどんなクラスなのかユニットによっては想像しにくいため、わくわくする一方で一部が地雷みたいになるケースもある。

アイラの息子でソードファイター。CC先の関係でラクチェには負けるが、ほとんどの父で死神兄妹と一括りにされるほど安定して強い。

ソードファイター。スカサハの双子の妹で、あまりの強さからスカサハと一緒に死神兄妹と呼ばれがち。

エーディンの息子でボウナイト。母がプリーストなので父によって使い勝手が凄く変動する。

プリースト。レスターの妹。

ラケシスの息子でフリーナイト。セリス達と共にイザーク王国の世話になっていた。妹の縁もあってトラキア776にも出演。

ドルパトール。デルムッドの妹だが、兄と生き別れて母と一緒にレンスター王国の生き残りと逃亡していた。トラキア776にも当然出演。

ティルテュの息子でマージ。母・妹とシレジアに居たが幼い頃に生き別れた。
母と妹のためにシレジアから徒歩でフリージ家にかちこみにいこうとしていた強者。

マージ。アーサーの妹でフリージ家の一員として育った。間違いなく辛い境遇だったが会話の流れを見るに母よりはマシだった模様(母は既に死亡)。

フュリーの息子でセージ。旅の最中に筆舌に尽くしがたいマンスター城の民衆の窮状と壊滅寸前のレジスタンスを見かねた結果、救世主になっていた。
トラキア776でも登場して父はレヴィンになっている。
カップルの成立しやすさや、立場上の優秀さやトラキアでのイメージが強くて聖戦士の末裔のイメージが強いのだが、
フィー共々実は血筋的な意味で通常の子供ユニットの中で唯一平民になる可能性がある兄妹だったりする。
聖戦士の血を引いていない場合でも母は子世代における伝説のペガサスナイトの一人なので全くの平民からは遠いが。

ペガサスナイト。セティの妹でシレジアから解放軍の噂を聞いて参加しようとしたり、
兄を探そうとしていたり、アーサー(アミッド)を見かねて同乗させたりと、
アーサー程ではないが結構な無茶をしている娘…とはいえ兄も兄なのでこの三人は志も行動力も似た者同士だと言える。
(他の者は元々特定グループに所属していたり、独自に生計を立てたりしている)

ブリギッドの息子で、ボウファイター。(恐らく単独活動なのに)傭兵として名を馳せている。
妹共々孤児院育ちで、孤児院のために金稼ぎしている。領主を相手に強気の交渉をするぐらい胆力がある。
母がウル直系のため、親世代に会話イベントを発生させていれば確実に神器イチイバルを継承する。

シーフ。ファバルの妹。どんな組み合わせでもそれなりにHPが高くなるため、親次第だがデューより活動しやすい傾向にある。
流石に兄から盗人稼業はやめろと言われているが、
孤児院の都合の他に帝国(真面目な者もそれなりに存在するが全体としては酷い)や教団が余りにも横暴過ぎる為にやめる気はない。

シルヴィアの娘でダンサー。

プリースト。リーンの弟だが幼い頃に生き別れて孤児になっていて、ハンニバルに拾われて養子になっている。
活動範囲が被っていたため、トラキア776にも少しだけ登場している。お互いに自分の素性がよく分かっていなかったので再会当初は姉弟だとは分かっていなかった。

+ 代替ユニット
母が未婚や死亡の状況において、上記子供ユニットの代わりに登場するユニット。
境遇はほぼ同じだが、大半が聖戦士の血を引いていないので平民と言われることも多い。
意図的に通常の組み合わせの子供ユニットよりかなり弱くなるようゲームバランスが調整されていて、アイテムも引き継げないので育成も攻略も苦心することとなる。
一方でステータス面は血統ボーナスを除けば同クラスの親世代ユニットをやや上回る能力になっていたり、独自イベントも存在する(ただし一部のイベントも消滅)。

なおアーサー兄妹とアミッド兄妹の母のリンダとエスニャは仲の良い姉妹設定で、最終的に同じような境遇になってしまったという設定が存在することから、
上記子供ユニットが存在する場合でも、どこかに同時に存在していてもおかしくはない。

スカサハの代替ユニット。死神兄妹が強すぎるだけで平民としてはステータス良好な部類。

ラクチェの代替ユニットでロドルバンの双子の妹。CC先がフォーレストなのでロドルバン以上の格差がある。ただし魔防成長率が高い珍しい特徴がある。

レスターの代替ユニット。地味な見た目だが平民愛好家の間では地味に優秀なユニットと評判。

ラナの代替ユニットでディムナの妹。ラナと違ってとにかく資金難に苦しみがち。役割から能力上の差異は闘技場の勝ち抜き以外では少なめ。

デルムッドの代替ユニット。聖戦士の血は引いていないがノディオン王国三つ子パラディンのイーブの子供。あながち平民とも言い難い。

ナンナの代替ユニットでトリスタンの妹。トリスタン共々トラキア776には登場しない。

アーサーの代替ユニット。最初ウインドマージでCC後がマージファイターという違いがある。トードの血を引いている。

ティニーの代替ユニットでアミッドの妹。最初サンダーマージという違いがある。トードの血とクラスの違いから初期状態でトローン装備可能。

セティの代替ユニット。平民だが聖戦士の末裔にも劣らぬと作品内外で評判。父に大きく左右されるセティと違って安定した運用が可能。

フィーの代替ユニットでホークの妹。親世代と異なり最初のマップから登場する飛行ユニットなので何かと重宝せざるを得ないする。

ファバルの代替ユニット。基本的な設定はファバル同様で初期ステータスも高いのだが、神器すら持つあちらに対してかなり低成長率なので格差が凄まじい。
ただスキルは「追撃」「突撃」とかなり攻撃的で良いものを持っているため、成長吟味やキラーボウで補えるのなら戦闘力は悪くない。

パティの代替ユニット。
代替キャラにも何かしら特徴があるものだが、その中でとにかく弱くて使うのが辛いことで有名。
シーフのクラス補正が低いこともあって初期ステータスも成長率も低い(親世代シーフのデューはHP以外全体的に高水準で、敵も子世代より弱かった)。
ただしクラスの特性上重要なユニットでもある。

リーンの代替ユニット。本作のダンサーはシリーズ屈指の性能なので踊る以外の活動はほぼしない上にリーンでは不可能なスキルカリスマ持ち。
そのためレイリアの方が高評価されがちな逆転現象が起きているが、ステータスがあまりにも貧弱なので必ずしも使い勝手が上回っているわけではない。

コープルの代替ユニット。レイリアの弟。こちらはこちらでエリート持ち*5でバサークの杖が入手可能という違いが大きくて高評価になりがち。
ただレイリアと違って引き継ぎによる金銭問題解消やステータス格差による闘技場勝ち抜きなどの違いが響く立場のため、プレイスタイル次第だが実際は甲乙つけがたいところ。

+ 聖戦の系譜関連項目
第二章タイトルとBGM名。聖戦は全体的にBGMの評価も高いが特にこれが印象深いという人も多い。
マップ(攻略)面でも序章と第一章も従来と比べて相当広かったのに、ここから更に広大になるのでより印象深いという人が多いと思われる。

第二章に登場するナス顔で有名な人。描写範囲内では実は第二章までの登場人物の中で1~2番目ぐらいに愚かでクズな人*6
同名キャラクターが後に登場している(恐らく無関係)。

子世代では伝説となっているシレジア四天馬騎士の一人。トンボとりされる側で有名。
フィーは彼女にあやかって自分のペガサスにこの名を付けているため、馬の名前でもある。

子世代では伝説となっているシレジア四天馬騎士の一人。
似た立場のパメラと混同されがちだが、こちらは最初に敵対する方で行動を見るに実直な方(パメラは悪ではないが手段を選ばない方)。

子世代におけるドズル公国当主(親世代では当主ランゴバルトの長男として名前のみ登場)。聖戦士ネールの血を継いでいる。
裏設定や作中の話を見るにまごうことなき悪役だが器量は残念な部類と思われる。息子を見るにそれが逆に反面教師としては優れていたのかもしれない。
ゲーム内のステータスは悪くないというフォロー点はある。

6章登場のドズル公国に仕える騎士にして中ボス。後に同名人物が登場したのでついでに記載されている。ドズル公国の項目にも存在する。

作中では恐ろしく強い連中ぐらいの情報しかない人たち。トラキア776でも同名人物達が登場するが同一人物かは不明。
終章終盤に戦うことになる。流石にイシュタルやペガサス三姉妹と比べると個人の能力は劣るものの、それぞれが噂に偽りない実力を誇る。

グランベル王国の公国の一つ。聖戦士ネールの血を継ぐ者が統治しているためか、兵士は斧使いが基本。主力も斧騎士団の『グラオリッター』。
悪質なことを多数やっていて二世代に渡って敵対することになるが、公国そのものが悪というわけではない。

グランベル王国の公国の一つ。聖戦士トールの血を継ぐ者が統治しているため雷魔法使いが多いものの、全体的には様々な兵科がバランスよく組織されている。
ドズル公国と同様に二世帯に渡って敵対し、舞台の関係上トラキア776でも登場場面が多い。活動を見るに兵団規模も世界有数と思われる。
文章量の割合を考えるとかなり濃い内容が描写されていて、出身者も色々な意味で魅力的な者が多い。

本作のラスボスにして唯一の絶対悪と言っても過言ではない存在ロプトウスと、それを崇める教団。
教団の方はロプトウスと違って絶対悪ではないが、問題が無いとも決して言えない。
小悪党を中心に他にも絶対悪と言える存在もいるが、それはそれ。

5章でシグルド達に何が起きたかを記載した項目。(ネタバレ注意)

聖戦士の血を継ぐものに表れる身体的特徴で、それぞれ形が異なるらしい。これがある=神器を扱えると思われる。
長子に表れることが多いものの、ある程度育つまで聖痕が現れない上に長子に表れない場合もあるので家督関連でややこしいことになったりも。
なお本作やトラキア776では聖痕や聖戦士の血を引くことが能力のみならず家柄でも大きなステータスになっているが、
経緯の関係や偉業により聖痕の持ち主でなくとも家督を継ぐ場合も描かれている。

元ネタ含む複数の意味のある項目だが、本作の神や神器の説明も記載されている。(※クリア後の閲覧を推奨。)

作中ではナーガという名前と血統と魔導書(と攻撃エフェクトによる姿)程度しか登場しないが、暗黒竜や紋章における同名の伝説の竜と同じ存在とされる。

12聖戦士の一人で伝説上の人物。作中では血統と神器こそ残っているがそれ以外の設定は出ない(設定資料集に容姿は登場)。

俗に神器と言われている(+プレイヤーから神器並の評価を得ている武器)物の項目。

本作とトラキア776で登場する暗黒魔法。

初代タイトルの暗黒竜と光の剣(※これはファルシオンを指す)の表記もあるが、『光の剣』という武器は聖戦の系譜が初登場。

聖戦の系譜の武器特有のシステム。後のティアリングサーガにも類似要素が存在する。

元々FE外伝の隠し武器だったが(※入手方法が隠し要素なだけで説明書にデータは掲載されていた)、今作からスキルとして再登場。
トラキア776でもスキルとして登場し、それ以後のFE・加賀氏作品・オマージュ作品でも類似要素が登場することは多い。

聖戦特有(?)の存在。軍団といっても顔グラを使いまわしているだけで関係性はない。
使いまわしといってもちゃんとマントの色は違うので愛好家なら判別は容易。
少ないテキストに秘められた知性や忠義・装備・登場シチュエーション・動き方・強さなど、知るほどに意外と味わい深いキャラのせいでこんな項目が出来てしまった(誉め言葉)。

ファイアーエムブレム 聖戦の系譜(大沢版)
聖戦の系譜のコミカライズの一つ。
他にも藤森ナッツ版(ギャグ漫画。ただしシリアス場面も結構多い)、冬季ねあ版の『光をつぐもの』、有坂須美版の『光をつぐものたち』が存在する。
大沢版以外も人気はあったがエニックスお家騒動で前者二つは打ち切り。

◆余談

カップリング論争

上記の継承システムにカップリングという非常にナイーブな問題が加わり、当時はそれはもう骨肉の争いが繰り広げられた。
攻略目的のカップリングと趣味全開のカップリングが同じ土俵で言い争いを始めるせいでとんでもない有様。

中には公式で出した外伝話になる『トラキア776』で、話の都合上親世代がどうくっついたのか固定になった(例:レヴィン×フュリー→セティ)こと自体はいいのだが、
ナンナ(とデルムッド)の父親がどうなったのかかなり揉め、遂に公式サイトで一度は「ベオウルフ」と表記してたのが言及しなくなってしまったほど*7

当時のファンコミュニティは個人サイトの時代で、つまり同好の士が集う小さな場所ということもありそれほど荒れなかったのだがファンコミュ同士の対立がなかったとは言ってない、これが不特定多数が集まる場所になると地獄のような有様となる。
特にラケシスの婿の話は発売から25年以上ほど経った今もなお、「これは冗談だからね」と釘を刺しておかないとどんどん大荒れする

「スマブラDXに出てたロイのゲームということで『封印の剣』を買ったぞ!面白いな!」と思ってコミュニティに行ったり2ちゃんねるやふたばの雑談系の板で封印の剣スレを立てると
聖戦勢が乗り込んできて話題を無視してカップリング議論を始めるという、今にしてみれば笑い話だがよくよく考えるとなかなかアレなこともしばしばあった*8

こういったことから次第に「聖戦世代 VS GBA世代*9」という対立構造にまで発展していくことになった。
これは年数の経過によってようやく収まりがついたのだった。

ただしこれらが荒れるのはあくまでもプレイヤーの愛が深いゆえのこと。代替品のない傑作なのは確かであり、譲れない部分があるからこそぶつかり合ってしまうのである。

FEオンリーイベントとして長寿な「炎の聖戦」の聖戦も、この聖戦の系譜の同人活動が盛況だったことに由来していると思われる。

これらを意識したかどうかは定かでは無いが、ファイアーエムブレム ヒーローズで実装されている本作のキャラのうち、親世代のキャラについては聖戦発売当時から活躍しているようなベテラン声優が起用されていることが多い。原作ではモブ同然のキャラなのに声優がやたら豪華なんてこともある。





ヴォルツ「ふっ、俺よりうまく追記修正できるヤツはいねぇよ。この世界ひろしと言えどもな…。」

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  • ターニングポイント
最終更新:2025年03月06日 16:22

*1 当時放映されたCMより引用。

*2 後に加賀氏が製作に携わったティアリングサーガでもそれをほのめかす描写がある。ただし各媒体でのコメントによると、モチーフとしている神話の影響が大きいようだ。実際、本シリーズでは「暗黒竜」時代から神話を由来とした設定が多い。

*3 がめついのでお金を要求したわけではない。これでもどうかという感じは強いが最低の雇い主だった&金払いの良い方に着いたと言い訳は多少成立する。なお子世代の傭兵ファバル(アサエロ)も同様の問題に直面しており、こちらも流石に逡巡したものの妹の懇願と子供狩りとかするやつらの手下になるかよという理屈で無理やり裏切った。これに関してはブルーム王も怒って当然(しかも報酬をふっかけられている)

*4 バルド血統により剣レベルAに追撃と必殺持ちで攻撃面に不足もなく、直接攻撃や手槍で充分活躍できるが初期魔力も9あるので魔法剣もある程度使いこなせたりと結構な起用万能枠。ノイッシュとアレクを足して更に+したような人とよく言われる。

*5 こちらはレックス父コープルでも可能

*6 プレイヤーからの印象がどん底のシャガールやガンドルフは色々な意味で評価出来ないものの、自国のためという理由もあった。そのため意外と部下からの人望はあった。

*7 劇中ではナンナはフィンを「お父様」と呼ぶので普通に考えるとフィンの娘なのだが、兄のデルムッド(こちらはフィンと特に絡まない)が「ベオの剣」というアイテムを初期装備している(『聖戦』では子供は同性の親の武器を継承してた仕様があるので、これ準拠だと「ベオ(ウルフ)」が父で彼の剣を継承)。このため「フィンがベオウルフの子を引き取った」「デルムッドとナンナは異父兄妹でフィンは後夫」「フィンがベオウルフに妻を寝取られた」などとさまざまな説が出ていた。火の玉ゲームコミックスのトラキア776アンソロジー漫画を読むと作者ごとに様々な解釈をしているのがよく分かる。

*8 さらに加賀昭三氏が担当した「ティアリングサーガ」や「エムブレム商標問題訴訟」などもあって話題が尽きなかった。ベルウィックサーガ以降はFEと完全に分けて語られるようになったこと、FEが加賀氏の手から離れて非常に長い時間が経ったことですっかり落ち着いた今となってはバカげた話だが、当時は「FE・TS」とひとくくりにされていたのでこういう問題が起きてしまった。

*9 『封印の剣』以降は加賀昭三氏が関わっていないため、カービィにおける「桜井作品・非桜井作品」のようにざっくり分ける人も多かった。