暴走龍 5000GT

登録日:2013/10/02 Wed 16:08:02
更新日:2025/03/28 Fri 19:33:31
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あまたの屍を乗り越え、暴走する。

*1


暴走龍(ライオット) 5000GT(ジーティー)》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DMX-14「最強戦略パーフェクト12」にて収録された火文明アウトレイジである。
当項目では派生カードも取り扱う。


スペック

暴走龍 5000GT VIC 火文明 (12)
クリーチャー:アウトレイジ 12000
このクリーチャーを召喚するコストは、自分の墓地のクリーチャー1体につき1少なくなる。ただし、コストは0以下にならない。
スピードアタッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、サイキック・クリーチャーをすべて破壊する。その後、パワー5000以下のクリーチャーをすべて破壊する。
すべてのプレイヤーは、パワー5000以下のクリーチャーを召喚できず、サイキック・クリーチャーを出すことができない。

百万超邪 クロスファイア》や《終末の時計 ザ・クロック》と共に、アウトレイジの代表格と言えるカード。

自身の墓地のクリーチャー数だけコストを減らす能力をもつ。
このクリーチャー自体は12マナと超大型の出しにくい部類だが、この能力を最大限に生かせる墓地肥やしを主軸にしたデッキに組み込めば、それこそ早期に1マナで出すことも可能。
またコスト削減に手札場の制限はないためコスト踏み倒し系の能力と組み込みやすい。
墓地を増やすカードはふと忘れた頃にタガが外れたかのようなデザインのものが登場することもあり、その度に注目される一枚。

加えてcipでサイキック・クリーチャーとパワー5000以下のクリーチャーを破壊し、以後該当するクリーチャーの召喚を制限する効果も持つ。
インフレが進みクリーチャーの基礎パワーが上昇傾向にある昨今においてもこの除去能力はやはり強力で、ロックもS・トリガー獣、ニンジャ・ストライク、GRクリーチャーの有力所を粗方封じてしまえる。かつてはこの効果のせいでパワー5000以下のクリーチャーが「5000GTで乙る」という汚名を被るはめになっていた。
低パワーのウィニーでチビチビ攻めていくタイプのビートデッキはリアルに壊滅する他、低コストクリーチャー召喚→進化でという奇襲戦法もほぼシャットアウトできる。
サイキック・クリーチャーに至ってはパワー関係なしに破壊・制限するためそれらへのメタカードとしては最高級*2
正にこのカードの象徴ともいえる豪快かつ強力な能力であり、コスト軽減も合わさって《ボルシャック・ギルクロス・NEX》と《偽りの名 シャーロック》は枕を濡らすことになった。後者は退化戦術で採用される余地があるが。
またドラグハートに無力な点には注意。

パワー12000でスピードアタッカーかつT・ブレイカーと基礎性能にも優れ、先述の破壊能力とも非常にかみ合う。
コスト軽減によって複数体並べることも比較的容易であり、それが出来れば一気に押し切ってしまえることも珍しくない。
このカードや《クロスファイア》の登場によって【墓地ソース(墓地ソ)】というデッキタイプが確立した程であり、デュエルマスターズというカードゲームの歴史に占める割合は大きい。

一方、破壊・制限の能力は味方にも及ぶ。
その為こちらのウィニーと一緒に畳み掛けたりといったこともできず、戦局次第では自分の首を絞めることになりやすい。展開力も遅くなってしまう。
アウトレイジデッキにおける優秀なドローソースアリス系列や、説明不要の強力S・トリガー《クロック》を巻き込むのもいただけない。
ロックにも抜け道があり、"召喚"しか封じないため召喚以外の方法ならばパワー5000以下であってもバトルゾーンに出す事ができる。
また直接的な除去耐性の類は一切ない。
このおかげで超次元ガードホール等除去能力を持った超次元呪文の場合5000GTを除去した後でサイキッククリーチャーを呼び出す事ができる*3
まあ除去られたところで墓地ソにおいては更なるリソースに変換でき得るのだが。

その強力さ、封入率の低さ、環境における有用性もあって、2013年当時のシングルレートは1枚5000円もの高騰を見せた事もある。一部プレイヤーからは「高騰龍5000GT」「暴騰中5000YEN」等と揶揄されたり。
後にこのカードを支えたカードが殿堂入りしたため価格も下がっていき、高騰龍2000~3000YENくらいに落ち着く。え、まだ高い?
その後更に再録が繰り返された事で3ケタ円でも比較的簡単に手に入るようになった。
2021年発売の20th クロニクルデッキ「熱血!! アウトレイジ・ビクトリー」には二枚封入されている大盤振舞である。
ただしデュエマGPベスト8で配布されたプロモ版は相も変わらずクソ高い。5000GTに限った話でもないけど。


派生カード


アウトレイジの会議は、始まるまでは長いが始まると一瞬で終わる。

*4

反逆龍(レベリオン) 5000type(タイプ)R(アール) VIC 火文明 (12)
クリーチャー:アウトレイジMAX 12000
このクリーチャーの召喚コストを、自分の墓地にあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
このクリーチャーが出た時、パワー5000以下のクリーチャーをすべて破壊する。
すべてのプレイヤーは、手札からしかクリーチャーを出せない。
スピードアタッカー
T・ブレイカー
無法頂上会談(レイジー・チューン) P 水文明 (3)
呪文
カードを3枚引き、自分の手札を2枚捨てる。

DMEX-16「20周年超感謝メモリアルパック 技の章 英雄戦略パーフェクト20」にてツインパクトカードとして再登場。
……なのだが、実際のところ5000GTと同一人物かどうかは不明である。一応共通する要素がある外見だが。
ちなみにこちらはアウトレイジMAX。

クリーチャー面はパワー、コスト、ブレイク数、コスト軽減能力を共通とする。
破壊能力からサイキック・クリーチャーが対象外となり、制限能力が手札以外のゾーンからのクリーチャー呼び出しを封じる5000GTとはまた別のコスト踏み倒しメタに変更された。
5000GTと異なりサイキック・クリーチャーを破壊する事は出来ないが、相変わらず呼び出す事は防げる。
またコスト踏み倒しは手札以外のゾーンから呼び込むものも多く、環境次第では本家以上の活躍が見込める。
ただし革命チェンジや侵略には無力なほか、S・トリガーからクロック登場を許すという本家に劣る部分もある。墓地ソースの新たなるエース‎《熱血武闘 カツキング》の自己リアニメイトを阻害してしまうのも痛い。
両方投入して使い分けるのがベターと言える。

呪文面はS・トリガーの無くなった《サイバー・チューン》。
墓地利用を主体とするアウトレイジの戦術には噛み合っている。
コストの軽さゆえ序盤に引いても腐りづらい。コスト軽減能力を持っているとはいえ、ここは本家にはなかった強みである。

総じて本家に負けず劣らず強力なカードなのだが、カード全体としては水/火の多色である事がネックと言えばネック。
墓地ソースにおいてこの二色を入れる構築はメジャーなため無理なく投入できるだろうが、構築を縛ると取るかマナ基盤になると取るかは採用するデッキによりけりか。

5000GTと比較するとシングル価格は低めな傾向にある。
登場からの採録回数が多い事と、多色故にGTほどの汎用性は持たないのが理由か。

当初はレアリティが無かったのだが、DM23-EX1で再録された際にビクトリーレアへと指定され、そのアイコンも追加された。このことで以前に収録されたものは《サイチェン・ピッピー》などのサポートを受けられない下位互換と化した



*5

BAKUOOON(バクオーン) <5000GT.Star> SR 火文明 (6)
スター進化クリーチャー:ビートジョッキー/アウトレイジ/レクスターズ 9000
バトルゾーンに自分のビートジョッキーまたはレクスターズが3体以上あれば、このクリーチャーの召喚コストを5少なくする。
スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その選んだクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。
このクリーチャーがバトルに勝った時、カードを2枚引いてもよい。

かのミッツァイル・マスターズを引き起こした核弾頭《BAKUOOON・ミッツァイル》とまさかの合体…もとい継承されたレクスターズ
カード名から推測するに、こいつは「ミッツァイル」ではなく「BAKUOOON」の部分が名前らしい。そんなんアリかよ。

5000GTとミッツァイルのコスト軽減効果が融合した結果、自分のレクスターズかビートジョッキーが3体以上いた場合コスト1で進化可能となった。
cipでは相手クリーチャー1体との効果バトルを強制し、バトルに勝つ毎に2枚ドローできる。
9000ものパワーで大抵のクリーチャーには勝てる上に、【速攻】では不足しがちな手札も補ってくれる優秀な効果である。
とは言え、フィニッシャーとして機能していた元ネタ2体と比べると複数破壊効果は鳴りを潜めており、サポートとしての役割が強い性能に落ち着いたようだ。



機械の神に取り込まれてしまったオラクルを助ける方法。


それは5000VTのビクトリーなギターのサウンドと、アウトレイジの魂の歌を彼らの心に響かせることだけなのだ!
*6

飛翔龍(フライングブイ) 5000VT(ブイティー) VIC 水文明 (8)
クリーチャー:マジック・アウトレイジMAX 12000
このクリーチャーの召喚コストを、バトルゾーンにあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
ジャストダイバー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のパワー5000以下のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。次の相手のターン中、相手はパワー5000以下のクリーチャーを出せない。

DM23-EX1「大感謝祭 ビクトリーBEST」に収録され、マジック・アウトレイジMAXとして新生した5000GTもといVT。
ツインパクトのtypeRを経てついに水文明単色となった。何気に初のメインデッキに入る水単色ビクトリーレアである。

3打点とパワー12000という基礎スペックはそのままにコストが12から8へと軽量化。更に水文明になった事でジャストダイバーまで搭載している。
5000GT特有のクリーチャーの数に応じたコスト軽減効果は対象とする場所が墓地からバトルゾーンに変更され、相手クリーチャーの数も含めるようになった。
《メガ・マグマ・ドラゴン》に自分のクリーチャー達も適用したような軽減効果であり、召喚のしやすさにかけては折り紙付き。

cipによるパワー5000以下のクリーチャーを対象とした除去はバウンスに変更され、相手にのみ効果を発揮するようになった。
更に次のターン中、相手はパワー5000以下のクリーチャーを出す事自体が不可能となり、再召喚すら許されず手札で腐らせるしかなくなってしまう。
早期に複数体のクリーチャーを並べるデッキの場合そういったクリーチャーは低パワーのものが多く、このカードの効果を活かしやすい。
自軍を巻き添えにする事なく相手の小型メタクリーチャーを一掃できる凶悪な除去効果だが、あくまでも出せなくなるのは「次の相手のターン」なのでS・トリガー獣を防げない点は注意したい。


関連カード


Instant Waveでのつぶやきが5000以上のバズを獲得すると、ブルーバードがFF外から失礼して祝福してくれる。

ブルーバード5000RT R 水文明 (2)
クリーチャー:トリックス/レクスターズ 3000
ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
このクリーチャーは攻撃できない。
各ターンはじめて、自分の水のタマシードが出て、その能力がトリガーする時、その能力を1度のかわりに2度トリガーしてもよい。

つぶやきブルーバード》のレクスターズとしての姿。
ミッツァイルのように5000GTを継承したというわけではなく、あくまで5000繋がりのパロディと思われる。
ちなみにリツイートを名前に盛り込んだクリーチャーは、過去にも《アクア監視員 リツイート》が登場している。


デュエル・マスターズ プレイス


後悔するがいい。


お前の屍は、きっと塵にも残らぬ。
*7

DMPP-20「レイジ・オブ・インフィニティ -神人類光臨-」にて収録。
効果はTCG版からの変更点もなくそのままの性能であり、レアリティも格下げされる事が珍しくない中でビクトリーを保っている。
更にはシークレット版として新規イラストまで描かれており、左手でネクタイを掴みながらポーズを決める構図は滅茶苦茶カッコいい。
環境では案の定《百万超邪 クロスファイア》と共に【墓地ソース】の中核として活躍した。


余談

  • 5000GTの名前の由来は恐らくグランツーリスモから。またマセラティ社が制作したスポーツカーに「5000GT」という名前のものが存在する。
    「タイプR」はホンダのスポーツカーにおける最高グレードの名称であり、やはり車からとられている。
    一方「フライングブイ」は車関連の用語ではなく、ギブソンが販売するV字型のボディが特徴のギター「フライングV」が元ネタ。背景ストーリーにおいてバンドを組むマジック・アウトレイジMAXのネーミングとしてはピッタリである。

  • こんな見た目で名前にも「龍」と付いているのにややこしいがドラゴンではない
    そのため、ドラゴン関連の種族サポートを受けられない点には注意したい。

  • アニメでは芸術家の桜田がこのカードを拾い町を自身の美術で滅茶苦茶に染め上げていた。
    勝太に敗れた後は勝太がそのまま使用し、カツドンの破壊やシューゲイザーに対するメタ等の第二、第三の切り札として度々使用されている。
    あまりに強く便利なためか、出番が少ない。



あまたの追記・修正を乗り越え、暴走する。

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最終更新:2025年03月28日 19:33

*1 画像出典:Twitter イラストレーター増田幹生氏 @_masudamikio 2021年7月22日掲載より https://twitter.com/_masudamikio/status/1418164785552658433?s=20 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids

*2 但しカードパワーの向上やコスト踏み倒しメタの充実などにより、昨今ではサイキック・クリーチャーを投入しない環境デッキも多い

*3 呪文の効果は上から順に処理され、行える事は全て行うため

*4 画像出典:Twitter イラストレーター村上ヒサシ氏 @M_hisashi 2021年7月17日掲載より https://twitter.com/M_hisashi/status/1416380387018698753 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids

*5 画像出典:Twitter イラストレーターゆーこー/yuukoo009氏 @yuukoo009 2021年9月25日掲載より https://twitter.com/yuukoo009/status/1441723960970792974?s=20 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids

*6 画像出典:Twitter イラストレーター村上ヒサシ氏 @M_hisashi 2023年7月22日掲載より https://twitter.com/M_hisashi/status/1682695292658028550?s=20 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids

*7 画像出典:Twitter イラストレーターゆーこー/yuukoo009氏 @yuukoo009 2021年9月25日掲載より https://twitter.com/yuukoo009/status/1661705776518557697 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids