超GR(デュエル・マスターズ)

登録日:2022/05/23 Mon 23:09:38
更新日:2022/06/08 Wed 00:24:14
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超GRゾーンとは、12枚のGRクリーチャーが詰め込まれた秘密のゾーン!

何が飛び出るかわからないGR召喚がデュエマの歴史を変える!!




超GRとは、デュエル・マスターズにおけるカードタイプの一種及び外部ゾーンのカード群。


概要

DMSD-09「超GRスタートデッキ キャップのオレガ・オーラ・デリート」から登場した新しい概念。
超天篇のメインギミックとして扱わる。

超次元ゾーンに続く新たな外部ゾーン「超GRゾーン」とそのゾーンに置かれるカード郡に該当する存在。

超GRのカードの裏面は従来のDMのカードとは異なった白を基調としたデザインとなっている。

外部ゾーンである超GRゾーンは墓地の右隣に配置され、山札と同じような束の形で12枚のカードがシャッフル後に裏向きの非公開状態でゾーンに置かれる。

超GRのカードにおけるクリーチャーは「GRクリーチャー」と呼ばれる。超次元ゾーンのクリーチャーが「サイキック・クリーチャー」と呼ばれるのと似たようなものと言えば分かりやすい。
GRクリーチャーがバトルゾーンを離れる際には、超次元関連のカードと同じで一度指定されたゾーンを経由した後に超GRゾーンの一番下に裏向きで置かれるという流れになる。

GRクリーチャーは「GR召喚」という能力を持つカードを使うことによってバトルゾーンに展開する。
サイキック・クリーチャーと異なる点としては、GR召喚は「コストを支払ったものとして召喚する」という設定なので、形式はコスト踏み倒しであるながらも踏み倒しに該当しない。

GRクリーチャーはサイキック・クリーチャーなどと比べると小型で能力面も単調なスペックのカードが目立ち、主人公ライバルの切り札として扱われるマスターカードも、一定の条件を満たすことで切り札らしいスペックを得るように調整されている。
これはGRクリーチャーは場に出すまでの難易度やカードの種類が超次元と比べると容易なため、序盤からフィニッシャーを用意する訳にはいかない事情があると考えられる。

また、GRゾーンは非公開状態で狙ったクリーチャーを出せる可能性が低いことから「良いクリーチャーが出るか微妙なクリーチャーが出るかは運次第」というランダム性を用いたガチャガチャ的な楽しみ方がアピールポイントとなっている。正に「ガチャガチャにチャレンジ→ガチャレンジ」という名前の通りだろう。
まあ後述するが最終的にはこの前提は実質的に崩壊する結末を迎えるのだが…

因みに元ネタは他TCGで言う所のトークンらしい。
1枚のカードから複数の淡白なスペックのクリーチャーが並ぶ辺りに面影があるだろう。

細かいルール

  • 必ず12枚のカードを1つの超GRとして使用する。超次元ゾーン同様に超GRゾーンの準備は強制ではないが、使う際には12枚未満の設置は不可能。

  • 同名カードは2枚まで。*1

  • ゲーム中は非公開情報であり、ゲーム開始時にシャッフルされる。*2

  • 同じく墓地の右隣を利用する超次元ゾーンとの併用は可能であり、墓地の右隣であれば置く順番などのルールは存在しない。

主なカード

GRクリーチャー

ワイラビIV C 自然文明 (3)
GRクリーチャー:グランセクト/デリートロン 4000
(ゲーム開始時、GRクリーチャーは山札には含めず、自分の超GRに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、超GRの一番下に戻す。)

バニラでコスト設定の割に少しパワーが高めなだけのGRクリーチャー。
初期のGRではデメリットなしでパワーが少し高めというだけで攻撃要員としては十分であり、バニラでありながらも環境でも見かけられた。
しかし、GRがインフレしたことで特に能力のないこのクリーチャーは見かけなくなってしまった……と思いきや、GR召喚とオレガ・オーラの性質を利用したあるデッキでは条件を満たす中で最大パワーのGRクリーチャーであるため、最優先で採用されている。

ポクタマたま P 無色[ジョーカーズ] (3)
GRクリーチャー:ジョーカーズ/ワンダフォース 2000
このクリーチャーが出た時、相手の墓地にあるカードをすべてシャッフルさせ、持ち主の山札の一番下に置いてもよい。

踏み倒しや墓地利用のメタとして一世を風靡した《ポクチンちん》がGR化した姿。
踏み倒し関連の能力は無くなったが墓地メタとしての性質は残っており、cipで相手の墓地を山札の下に送り込む強制能力を発動する。
墓地シャッフルをさせながら山札の下に送り込んでしまう墓地メタとしては非常に強烈な効果を持つ一方、GRのランダム性から確実性がない点や墓地利用をしない相手だと山札回復に貢献する可能性も生まれるというデメリットもある。
尚、墓地のカードを山札に加えてシャッフルする能力ではなく、墓地のカードをシャッフルして山札の下に置く能力である。
現在では少なくなったが、超天篇当時この勘違いをしているプレイヤーは結構多かった。

上述したようなランダム性のデメリットはあるが、オマケの墓地メタ要員という視点で考えると気にならない程度には強烈なクリーチャー。
単調な性能が目立つ初期のGRとしては破格の性能ではあり、GRクリーチャーのインフレが激化して以降も波に飲まれずにGRデッキで高確率で投入された有能な一枚。

マリゴルドIII R 自然文明 (4)
GRクリーチャー:グランセクト/デリートロン 3000
マナドライブ6(自然):このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンのカードが6枚以上で自然文明があれば、コスト5以下の進化ではないクリーチャー1体またはコスト5以下のオーラ1枚を、自分のマナゾーンから出してもよい。

マナドライブを持つグランセクトのGRクリーチャー。マナドライブが発動すればマナから非進化のクリーチャーかオーラを踏み倒せる。

実質コスト1~2程度の換算であるGR召喚でコスト5以下のクリーチャーが踏み倒せるのは間違いなく破格。そして何よりも踏み倒しに文明の指定がない。マナドライブで文明指定しているから良いとでも判断したのだろうか?

その結果《ミッツァイル》で大量にGR召喚し、こいつがめくれたら《ラフルル》《単騎連射 マグナム》でS・トリガーを封殺して勝利するという身も蓋もない戦法が流行した。

あまりにも多くのデッキとの組み合わせ手段が豊富なカード故に超天篇環境の世紀末化に《ヨミジ 丁-二式》と共に貢献し、実質的な史上2番目(データ上は3番目)のスピードでプレミアム殿堂に送り込まれた。

GR召喚用カード

PAIPAI(パイパイ)・ピンナポー C 火文明 (3)
クリーチャー:ビートジョッキー/ワンダフォース 2000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうしたら、GR召喚する。(GR召喚:自分の超GRの上から1枚目を、コストを支払ったものとして召喚する)

cipで自壊すれば1回だけGR召喚を行える低コストのビートジョッキー
自壊で1体のみの召喚となるので場の数を増やせない部分が難点。低コストでデメリットもなくGR召喚が行えるカードは多数あるので、優先して使う理由はない。
一応自壊するという部分を利用した何かしらのコンボを行える可能性はあるが、それでも他のGR召喚を上回る利点が得られにくい。

BAKUOOON(バクオーン)・ミッツァイル SR 火文明 (9)
クリーチャー:ビートジョッキー/ワンダフォース 9000
このクリーチャーを召喚する時、自分のクリーチャーを好きな数破壊してもよい。こうして破壊したクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、このクリーチャーを召喚する時に破壊されたクリーチャー1体につき、GR召喚する。
自分のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。

あまりにも早くゲームが終了する魔境「ミッツァイル・マスターズ」を生み出した超強力カードの1枚。

召喚する時に自分のクリーチャーを任意の数破壊することでコスト軽減が可能。
この時に破壊したクリーチャーの数だけGR召喚を行う。
さらに自身を含めた場へのスピードアタッカーの付与を行う。

スピードアタッカー付与とGRクリーチャーの多面展開によって一気にフィニッシュを決めることが可能。クリーチャーの破壊は全くといっていい程デメリットとして機能せず、急激にインフレしていったマナドライブ能力の連打によって十分すぎるほどのリターンが返ってきた。
特に先ほどの《マリゴルド》とのシナジーは凶悪であり、単にアタッカーの頭数を増やせるだけでなく、S・トリガーを封じるメタクリーチャーを出すことによって逆転の可能性を叩き潰すことができた。

コスト9と一見するとかなり重いが、元々GRクリーチャーは横並びが得意だったため、それらを片っ端から破壊することでほとんどの場合でコスト1となっていた

むしろ自軍の自壊が可能な点からコンボを決めることやコスト軽減から複数体のミッツァイルを簡単に並べられるなど、速攻ビートダウン寄りの性能でありながらもループやコントロール戦法も対応可能という予想以上の器用さを誇る。

登場初期から強力だったがGRクリーチャーのインフレに伴って本格的に環境で暴れまわることになり、最終的に殿堂入りとなった。

Code(コード)1059(ヘブン) MAS 水文明 (5)
オレガ・オーラ:ドラゴン・コード/トリックス/デリートロン +4000
これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
DL-Sys(ディーループシステム):これを付けたクリーチャーの攻撃の終わりに、相手の墓地にある呪文を1枚コストを支払わずに唱えてもよい。そうしたら、その呪文を相手の山札の一番下に置く。その後、このオーラを自分の他のGRクリーチャー1体に付けてもよい。
自分のターンの終わりに、GR召喚する。
オレガ・オーラ:これを自分のGRクリーチャー1体に付けるか、1体GR召喚してそれに付ける。そのクリーチャーがバトルゾーンを離れたら、これも同じゾーンに行き、その後、そのGRクリーチャーは自分の超GRの一番下に戻る。

GRクリーチャーの存在を求めるオレガ・オーラだが、オレガ・オーラ自身でGR召喚が可能なパターンのカード。ターン終了時にGR召喚をする。
マスター能力「DL-Sys」によって他のGRクリーチャーにこのオーラを付け替えさせられるため、その動きをさせるために用意された自前のGR召喚と言える。

ターン終了時にデメリットがなくGR召喚が可能であり、場に保ち続けることが出来ればどんどんGRクリーチャーを増やせる。
呪文利用は相手のデッキの状況次第と相手依存になりやすい部分は難点だが、決まればアドバンテージを稼ぎつつ付け替えという独特な動きが出来る点は戦略も広がる。

評価と歴史

このGRというギミックは、DM史上において最大レベルの激動を与えたギミックと呼んでも過言ではない歴史と評価を背負うことになった

◇超天篇~GR・マスターズ~

覚醒編以来の新ゾーンが誕生したギミックとなり、100円パックによる普及のサポートで超次元ゾーンやドラグハートの反省を活かした商品戦略を展開したGR。
そのギミックはDMというTCGに新たな戦略や遊び方を提供するシステムとして大きな期待を背負っていた。
超天篇初期の時点ではGRのカードパワーは比較的低く、横に並べながらガチャガチャ気分を味わって戦うという点は好評を得ていた。

しかし、やがてGRを中心とした超天篇の環境は最終的に「ミッツァイル・マスターズ」「GR・マスターズ」と評される超高速のゲームスピードによる世紀末環境へと変貌した。
これは単純な開発のインフレの調整の失敗だけではなく、GRというシステムの根本的な問題点や競技路線を重視し続けた数年間のインフレ路線のデメリットを一気に露呈させる事態になったのである。

GRに関する問題点に関しては、以下のような指摘がよく出ている。

  • マナドライブ
GR関連のカードパワーが異常にインフレした最大の原因としては、GRクリーチャーに用意された新能力「マナドライブ」が挙げられる。

マナドライブはマナゾーンに「特定のカード枚数」と「特定の文明」があれば使用できる能力であり、これ自体はマスターカードが持つ「超天フィーバー」と同様に、GRクリーチャーが文明問わずどんなデッキでも入らないようにするという意味では妥当な措置である。

しかし、文明縛りの条件は「~文明があれば」なので1枚でも入ってればOKという、デュエマのシステムでは簡単に達成できてしまうガバガバの緩さであった*3。そのため文明縛りを考慮してGRクリーチャーを選ぶのではなく、マナドライブを使うために多色化するという状態に陥ってしまった。

そして、マナドライブ発動時の効果はGR召喚にかかるコストに対して明らかにパフォーマンスが高く設定されており、一気にインフレを加速させた。
マナドライブ6でコストに対して決して小さくない範囲を踏み倒せる《マリゴルドIII》や《ダダダチッコ・ダッチー》、3枚ものカードを引ける《天啓 CX-20》はその例である。いずれもマナドライブの数値に対して妥当な効果として設定されているため、GR召喚するカード全てがコスト相応の能力に加えメタモーフを持っているようなものとなってしまった。

低コストでGR召喚を複数回使えるカードも多かったため、ゲームスピードの高速化やループによってゲームは大きく不健全な状況へと陥った。
DMRP-12では自壊と引き換えに強烈な能力を発揮するマナドライブが登場し、GRの性質も重なって「ゾーンを空にした状態で自壊してまたGR召喚を繰り返す」という動きをして簡単にループが出来た。これを境に環境は核戦争*4からドッカンバトル*5へと移行していった。

また、マナドライブ持ちのGRクリーチャーの登場によって初期の淡白な性能のGRクリーチャーは(環境的な意味で)見向きもされなくなり、単体を強化するデリートロンおよびオレガ・オーラと集団を並べるワンダフォースという対比も崩壊。最終的にはGRクリーチャー1体を追加で出せるギガ・オレガ・オーラという、オーラのコンセプトからすると身も蓋もないカードが登場した。
インフレで使われなくなること自体は当たり前だが、1~2弾程度で新ギミックを持つカードが使われなくなるというのは明らかな異常性を見せていたと言わざるを得ない。

  • 召喚システム自体に問題がある説
GRクリーチャーを出すためのGR召喚は「コストを支払って召喚した扱いになる」ルールとなっており、踏み倒しメタを乗り越えやすい仕様になっていた。

これは革命編以降のシリーズで侵略や革命チェンジなど踏み倒しギミックが活躍し、それに対抗するために新章以降に登場した踏み倒しメタを乗り切るための設計だったと言われている。
しかし、結果的にGRのスペックが大きくインフレした際に、既存の踏み倒しメタのカードでは抵抗が難しかったことがGRが暴れる結果に繋がったと見る意見もある。

また、GR召喚のカードは初期はバニラスペックが多かったことや不確定要素が絡むことが影響してか、低コストですぐに使えるスペックや複数回召喚できるカードが多かった。
これもGRクリーチャーがインフレするようになると、手軽にループや怒涛のビートダウンが可能な一因となってしまった。

GR召喚を行うカードもインフレが激しく、簡単にGR召喚を複数回行うカードや《続召の意志 マーチス》のような「GRクリーチャーがGR召喚をする」というようなカードまで出てきていた。

この状況は、GRのガチャガチャ的なギミックの魅力に対して「じゃあ当たりが来るまでガチャ(GR召喚)を限界まで回しまくれば良いじゃん」と言わんばかりの回答で、GRゾーンの山札が一瞬で空になるまでGR召喚が連打される光景が当たり前になった。
しかも《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》など、GR召喚能力を抜きに強力な効果を持つカードも出てきたことで汎用性がとにかく高くなっていった。

このように簡単に大量展開が出来るため、相手側からすれば数の暴力に対して既存のカードやルール上で行えるカウンター手段では返しにくいという問題も発生した。

尤も、GR召喚の仕様に関しては長期間に及んで踏み倒しギミックと踏み倒しメタの過激なインフレが繰り返された結果とも言える。
「コストを支払って召喚したことにする」という設計にでもしないと、GRというギミックが使われる可能性はない状況だった。
GR召喚の仕様だけの問題と結論付けるよりは、数年間における踏み倒しギミックの激しいインフレの悪い点が出てしまったのかもしれない。

  • 根本的な欠陥を抱えている説
元も子もない意見(悪い言い方をすれば暴論)とも言えるが、そもそもGR自体がメインギミックにするには矛盾だらけで欠陥があったのではないかとする見方もある。

インフレを起こしていない初期のGRには肯定的な意見もあるが、戦略としては「淡白なスペックの小型~中型のカードを横並びにして戦う」という悪い言い方をすれば子供向けTCGとしてはどこか地味な絵だった。
序盤から展開できるランダムギミックと言う性質から、良くも悪くも分かりやすいド派手なフィニッシャーは出てこなかったのである。

だからと言って手軽なガチャガチャシステム故にインフレをすれば簡単にゲームスピードが高速化する性質があり、そして現にそれが起きてしまった。
要はインフレを抑えて展開するには派手さに欠けるかなり地味なギミックだし、少しでもインフレすれば一気に環境が壊れる危険性が高まるという将来性が見えないところがあった。

  • 封入率操作とそれに伴う暴騰
GRクリーチャーが必ず12枚必要という性質から、スタートデッキなどによるGR普及のサポートは充実していた。
しかし、それ以外のパックに収録されたGRクリーチャーの封入率は明らかに通常カードよりも低く調整されており、《ドドド・ドーピードープ》や《全能ゼンノー》といった高レアかつ強力なGRクリーチャーは高騰。

「同名カードは2枚しか使わない」から封入率を下げた開発側と「使うなら(1枚あればいいこともある通常のカードと違い)必ず2枚必要」というプレイヤー側の認識の齟齬を露呈させる結果となった。

◇超天篇末期

超天篇末期のDMEX-08「謎のブラックボックスパック」でもGRは大量に収録されたが、多くはコラボカードや過去のクリーチャーのGR化などだった。
これらは環境的な実用性は欠けていたために競技勢からは無視され、あくまでもおふざけネタやファンデッキ用程度の評価に留まった。
しかし、「古いシリーズのカードのGR化ならば適度な調整やファンサービスが出来たのではないか?」「環境を荒らさずに次シリーズ以降も続投が出来たのではないか?」などと分析する意見もある。

最終的に初期は好調だったはずの超天篇の商業的成績も、結果的には大きな不振に終わったばかりか名指しでタカラトミーから自社の業績不振の理由として扱われるという結末を迎えた。
ゲーム環境の崩壊と度重なるカードの高騰はユーザーの引退や開発陣への不信感を呼び、最終的にGRというギミックは多数のユーザーから拒絶されてしまったと言える。
環境的にも商業的にも大きな暗さを残したことから、超天篇やGRの存在をかつての転生編不死鳥編などの時期と同様に「シリーズ屈指の暗黒期」と評する声すら出てしまった。

十王篇

超天篇の次のシリーズである十王篇では、GRによって過剰にインフレしてしまったDMをどのように立て直すのかが注目された。
まず、クリエイターズ・レターにおいて超GRとオレガ・オーラについて衝撃的な見解が公式から発表された。

公式はGRが大会で好成績を残したとしながらも「超GRとオレガ・オーラとでは、残念ながら方向性を一致させることができませんでした」「強かったですし愛して下さる方も決して少なくありませんでしたが、「本当に誰もが楽しめるもの」にはできなかった」と大きな反省点として扱い、事実上の失敗を認めた

過去にも失敗とユーザーに認識されている新ギミックはあったが、公式自らがこのように広く見える形で事実上の失敗を認めるということは前代未聞の表明だった。
この声明は大きな話題を呼び、前述した超天篇を暗黒期と認識する風潮を加速させることになった。

一方で「新ギミック云々以前に開発のインフレの感覚が単純におかしいだけなのでは?」「環境に悪影響を与えていないオレガ・オーラまで失敗扱いされるのは心外」など、声明に対して疑問視する声もある。

十王篇ではGRクリーチャーへの対策として、あまりにも露骨な高性能のメタカードも刷られた。
これには当初こそGRの衰退が騒がれたが、実際には使用こそされてもGRの勢いを止めることが出来なかった。

むしろ、ミラーマッチ対策としてGRを使うデッキがこれらのメタカードを積極的に採用するという本末転倒な事態が発生し、GR以外の踏み倒しギミックが損するだけに終わるという始末から批判されてしまった。

2020年からの新型コロナウイルスの影響もあって大会が行われにくかった状況から新カードを用いた環境の研究も進まず、十王篇初期の環境はGRやループ系デッキが環境を強く支配する状況が続くなどGRの勢力は維持され続けた。

しかし、殿堂入りによってGR関連のカードが規制されたことによってGRの天下は落ち着きを見せることになる。
特に《ヨミジ 丁-二式》の一発プレミアム殿堂はネタカードの《緊急プレミアム殿堂》を除いて実質的な史上最速のプレミアム殿堂ということになり、改めてGRや超天篇のカードパワーの高さをユーザーに実感させた。

十王篇終盤からは新たなフォーマットとして「アドバンス」と「オリジナル」の区分が発表された。「アドバンス」はこれまでの殿堂レギュレーションと同一だが、「オリジナル」では超次元ゾーンや超GRなどの外部ゾーンを使わないルールとなった

これは外部ゾーンへの不慣れや資産の少なさなどの事情がある新規プレイヤーの獲得に向けた判断と言われているが、一部からはインフレで環境の高速化に歯止めが効かなくなった故の措置という邪推もある。

結果的に十王篇ではGR関連のカードの新規登場や再録は行われることがないままシリーズが終了した。

◇現在

王来篇では、GRの再録セットとしてDMSP-04「デュエマ・ストロング・ドリーム ジョーカーズGR」が発売された。
これは高額なカードを含むGRクリーチャーを内容固定のセットとして商品化したものである。

DMEX-18では久々の新規GRとして《暗黒の騎士ザガーンGR》が登場している。
ちなみに、ザガーンGRはカードパワーの高さからWizards of the Coast本社から能力の下方修正を何度も要求されるも、「ザガーンの名前を持った別のカードにしたくない」という意思で押し通したという逸話がある*6*7

このように一部カードのスペックを巡った開発陣の攻防などはあったようだが、王来MAXでもGRクリーチャーの再録が行われるなど、十王篇時期と比べるとGRの展開は多少行われていくようだ。
後にデュエチューブにおいて、本来超GRは「GR召喚」という召喚方法そのものにスポットを当て、GRクリーチャーはあくまでおまけという方針だったが*8、GRクリーチャーにもスポットを当てたいという意見と噛み合わせが上手く行かなかったと語られている。

開発チームの1人であるDeadmanは、とあるYouTuberの動画に出演した際に「超天篇の本音」として、GRに関する振り返りを行っている。

ここではGRの評価点として「1枚のカードがクリーチャー2体分のカードになる」といった拡張性の高さや背景ストーリーとの連携を評価した一方で、超次元よりも試行回数とランダム性が異次元の多さ故に調整が難しくなったと分析している。

しかし、反省点である複雑性も競技勢には受け入れられた*9として全面的な失敗とはしておらず、「GRをやったことは後悔していない」「(超天篇について)他のシリーズ同様に大事に思っている」と感想をまとめたことで黒歴史的な認識を否定する見解を見せた。

ただし、この振り返りについてはあくまでもDeadmanの個人的な感想という一面もあり、公式全体の総意ではないということは留意しておきたい。

デュエチューブで超次元やGRを使った新ギミックの可能性を質問された際には超次元に関しては「ないとは言えない」と答えつつも*10GRへの言及は避けていたため現状の公式のスタンスとしてはしばらくGRを使ったギミックの実装は考えていないようだが、Deadman自身は上述のYouTuberの動画では「反省を活かしてGRを使ったギミックは出るかもしれない」として今後の再利用の可能性を匂わせている。

これらを大まかにまとめると超GRが多くのプレイヤーの不満を買い、公式が失敗を認めたことは事実ではあるが、超天篇のすべてを否定するのは正しいとは言えないということである。世紀末環境といわれた中でも楽しんで戦っていたプレイヤーは存在し、公式の中にも超天篇に手応えを感じていた人間はいるのである。

GRを好んでいたユーザーからは今後の再プッシュやリベンジに期待する声がある一方、超天篇環境のトラウマなどからGRに対して今なお否定的な声も強いため、「第二の超天篇」的な存在が来るのかは未知数である。

背景ストーリー

◇超天篇

新章世界では水文明の柱に水文明のマスターによって《パラダイム・パラダイスLab.》という超GRやオレガ・オーラの研究施設があった。
水文明のマスターは他の文明のマスターにも超GRの力を共有することを決め、各マスターはそれぞれのテーマや思想を元にした超GRゾーンを発展させていくことになる。

超GRの技術で生み出された新たな必殺技として友情パワーでGRクリーチャーをパッと呼び出せる力「GR召喚」が確立。
更に超GRの力で生み出したチップと融合するデータ生命体のオレガ・オーラが誕生し、水文明や闇文明に現れた新種族・デリートロンによってこの力が悪用された。
デリートロンに対抗するために光文明火文明ジョーカーズ・一部のトリックスによってワンダフォースという種族が確立し、超GRの力を用いてデリートロンへの抵抗を試みた。

超GRの力を用いて各文明が争いを見せ、最終的には全ての生命を無に帰そうとした《零龍》をマスターJGRという能力を使う《ジョギラスタ・ザ・ジョニー》が撃破する結末に至った。
《零龍》出現によって新章世界は世界線が分岐しており、分岐した世界の一つである十王世界では超GRの力が使われた描写はない。

◇謎のブラックボックスパック

新章世界とは異なる基本セットエピソード3までの超獣世界では、《仙界一の天才ミロク》によってGRの存在が把握された。
ミロクはGRとクロスギアを組み合わせる事を思い付き、後世に出現するサムライの特技である侍流ジェネレートを応用して流れを逆にした「クロスギアを出した時にGRの力で使用者を呼ぶ」というアイデアに思い至る。
クロスギアを次々とガチャレンジの力で作り直していったミロクだったが、その作り直されたクロスギアは偶然的にオレガ・オーラに酷使していた。

エピソード3終了後、《電磁星樹アマリンα》の影響で復活したサバイバーによる暴走とそれに対抗するオラクルアウトレイジ連合軍の争いが続いていた。
争いが数百万年にも及んで続く中、「ある世界が大きな力に目覚めた時、他の世界でも同時に同じ力が目覚める事がある」というパラレルワールド同士が影響し合う超獣世界の仕組みによって新章世界でのGRの覚醒がエピソード世界でも覚醒を引き起こすことになる。
暴走した進化によって世のあらゆる能力を取り込んで種族汚染を始めていたサバイバーは、その吸収能力でGRの力をアウトレイジ達よりも先に得ることに成功し、《威嚇するスマッシュ・ホーンαGR》などが出現する。

全てのサバイバーがGRの力を手に入れた時には、超獣世界はサバイバーに埋め尽くされてしまうという危機的状況が発生した。
アウトレイジの科学者である《更正しない合成 ザフライ》は、GRの力が超GRという未知のゾーンから来ている事を突き止めて「サバイバーより先に超GRの力を埋め尽くしてしまえば危機を脱せる」という解決策を見つける。
そこでアウトレイジ犬とアウトレイジ猫が超GRを占拠し、上位的存在の《サファイア・ミスティ》がサバイバーの進化を止める工作を施したことでサバイバーの完全な超GR化は阻止された。

GR争奪戦は連合軍の勝利と言う結果に終わったが戦争自体は終わっておらず、またどこかの並行世界で新たな力が目覚めればそれに応じて新たな戦いが始まる可能性が示唆されている。

余談

  • 実は、GRのカードは裏面のデザインのとある仕様からある程度何が出るか判別することが可能だとされている(仕様についてはDMWikiを参照)。
    そのため、不正関連の疑惑など面倒なトラブルを起こさないためになるべく裏面のデザインが見えないスリーブを付けることが推奨されている。



追記・修正は、GR召喚を連続で行ってGRゾーンを空にしてからお願いします。

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最終更新:2022年06月08日 00:24

*1 自身の能力によって3枚以上使用可能なカードはその限りではない。

*2 扱い的には「山札のようなもの」で山札扱いはされないが、ゲーム開始直前にはシャッフルの要求やゲーム時にカード能力以外でシャッフルできないなど、実質的な第二の山札と認識して良いだろう。

*3 「特定の文明のカードがマナゾーンにX枚」というマナ武装のような条件であればここまでインフレしなかったのではと度々指摘されている。

*4 《BAKUOOON・ミッツァイル》が主体。

*5 《MEGATOON・ドッカンデイヤー》主体。因みにドッカンマスターズではないのはソシャゲの『ドラゴンボールZドッカンバトル』が元ネタだから。

*6 これ以前に登場した《炎舞闘士サピエント・アークGR》が名前だけ同じの別のクリーチャーとなってしまった事の反省かどうかほ不明

*7 余談だが、高スペックのカードながら現状の環境での採用率は実質的な下位互換になった《ドドド・ドーピードープ》の方が上である。これはドーピードープの持つ文明と種族が重要視され、デメリットもデッキコンセプトからして余り気にならないため。TCGの面白さを表す一例だろう。

*8 展開初期はなにかをするついでにGR召喚をしたり、GR召喚をトリガーに効果が起動する、上記の《ミッツァイル》のように条件付きだが複数回GR召喚が行えるといったカードが多く、GR召喚の手軽さを強調し、GRクリーチャーのスペックが高くない事を前提としてバランス調整をしていたと思われるカードが多い。

*9 超天篇の次シリーズである十王篇の評価が芳しくなかった一因として、超天篇末期まで引退せずに残っていた競技勢には超天篇の路線を肯定している人やゲームスピードに慣れ切っていた人が多く、ある意味超天篇と異なる方向性だった十王篇に否定的な声も少なくなかったからという指摘もある。ただし、競技勢の中にもインフレとカードの暴騰について行けずに引退した人も多かったが。

*10 実際にDMEX-18でメインデッキのカードをコストとして超次元に送る、という形のギミックが登場している。