小説 仮面ライダーW~Zを継ぐ者~

登録日:2013/10/11 Sun 02:14:24
更新日:2023/09/13 Wed 19:48:59
所要時間:約 15 分で読めます





「今名づけよう……僕は仮面ライダーサイクロンだ!」


●目次

【概要】


「仮面ライダーW」を愛するみなさんへ
この小説をあなたの地球の本棚に寄贈します。
「B」と「Y」の間に置いて、末永く閲覧していただければ幸いです。 ――三条陸


講談社キャラクター文庫刊、著:三条陸
仮面ライダーW』のノベライズ。


前篇「Zを継ぐ者/名探偵交代」、後篇「Zを継ぐ者/大自然の使者」の二章からなる。

時系列としては前書きの通り、TVシリーズの32話(B)と33話(Y)の間に起きた事件を舞台とした本編の番外編であり、
原作では使用されなかった「Z」をタイトルに冠する作品。
(なおこの「Z」を以って『W』サブタイトルはアルファベット26文字をすべて網羅した)。
CJX直後ということもありWの二人の関係はかなり良好である。

三条氏は長らく脚本家・漫画原作者として活躍してきた方であり、本作が初の小説作品。
そのため本作も小説というより脚本(的な文章)で書かれてしまっており、多少文章にクセは見られるものの物語自体の評価は非常に高い。映像化はよ。
メインライターが執筆したということもあって番組の世界観が見事に再現されており、
Wがミュージアムにある程度放っておかれた理由など、映像で不足していた描写の補足や設定の補完も行われている。
過去のエピソードと絡めたり、後の展開に関係あることが少しだけ語られる。

登場メンバーとしてはこの時期の主要キャラは園崎家と井坂以外は全て登場する(クイーンとエリザベスは名前程度だが)。
また、今作の仮面ライダーサイクロン、ズーメモリはそれぞれ商品化された。

今回の後半章タイトルであり、敵キャラが名乗りWが受け継ぐ「大自然の使者」は漫画版ライダー一話で仮面ライダーが名乗ったもの。

本作で「Z」の回収が行われたためか Pの塚田英明はジョーカーのVシネマ製作を「最後の宿題」と呼んでいる(W登場ライダーの中で、単独タイトル作品がないのはジョーカーだけである)。 この宿題に手を付ける日はいつか来るのか。
そして月日は流れ、漫画『風都探偵』がはじまった。


【あらすじ】

風都で横行するドーパントによるメモリ犯罪、その裏で暗躍するミュージアムと死闘を繰り広げる仮面ライダーWこと左翔太郎とフィリップ。
ある日、彼ら鳴海探偵事務所に風都最大のリゾート地「ZENONリゾート」を経営する禅空寺一族の令嬢、禅空寺香澄がZENONリゾートへの脅迫事件の調査を依頼しに現れる。
風邪で寝込んだ翔太郎に代わって応対したフィリップは依頼人の高圧的な態度に怒りを覚え、衝動的に事件の調査を請け負ってしまう。
かくして探偵代理を務めることになったフィリップではあったが、調査中に遭遇したドーパントを前にして仲間と孤立。
翔太郎との連絡もつかず、たった1人での変身を余儀なくされる。
果たしてフィリップは禅空寺香澄の依頼を果たすことができるのか。
そして、「大自然の使者」を名乗る謎の怪人の正体とは。




【登場人物】

[本編からの登場人物]

フィリップ仮面ライダーW/仮面ライダーサイクロン
本作の主人公。
仮面ライダーWの右側。地球の記憶を持つ魔少年。
風邪で寝込んだ翔太郎に代わって香澄との挑発合戦の結果、「左翔太郎」を名乗り、事件の調査に挑む。
持ち前の知識と冷静な判断力で的確に調査を進めるが、一方で「探偵」としての自分と相棒の立ち位置が如何にベストバランスであったかを痛感する。
翔太郎の言葉を受けて依頼人である禅空寺香澄を「疑い抜いて、信じ抜く」ことを貫こうとするが……。

この事件では、さりげなく自分の特殊能力を仄めかして相手を脅迫する一面も見せた。結果的には最悪の形でしなくてもよくなったが

左翔太郎/仮面ライダーW
仮面ライダーWの左側。風都を愛するハーフボイルド。
序盤でいつものように調子に乗った結果、人生最大級の風邪を引いて寝込んでしまう。
しかし、熱で苦しんでいても悩むフィリップに檄を飛ばし、探偵としてのアドバイスを送るなど、随所で存在感を見せつける。

今回は兄貴分的な立ち位置。
ネギはノォーだったがアーッされてしまい、そのはずみに風邪が一気に治った事から物語はクライマックスに向かう。
ちょっとだけヤンチャしてた頃の話も出てくるよ!

鳴海亜樹子
ご存知、鳴海探偵事務所の所長。
相変わらず忙しなく動きまわるが今回は割とおとなしめ。
持ち前の発想力でフィリップの検索に大いに貢献する。

照井竜仮面ライダーアクセル
仮面ライダーアクセル。風都署超常犯罪捜査課課長にして全てを振り切る男。
超常犯罪捜査課を設立するだけでなく、捜査のために超法規的な活動ができるよう警察本部の改革も行っていた有能刑事。
ZENONリゾートへの脅迫事件を調査しており、フィリップに協力する。
いいところで駆けつけてくれるいい奴。でもやっぱり質問はお断り。
時系列の関係上、亜樹子とは仲はいいが恋愛関係まででもない。

●風都の愉快な仲間達
刃野・真倉の両刑事とウォッチャマン、サンタちゃんが登場。
残念ながらエリザベスとクイーンはプロローグにしか登場せず。ただし翔太郎がこの二人とカラオケに行ったのが風邪の遠因となっているため、ストーリー展開的には重要な役目を果たした。

●シュラウド
この時点ではまだ正体を明かしていない。
窮地に陥ったフィリップを救うため、彼にロストドライバーを授ける。
CJXになりたての頃なので翔太郎のことをボロ糞にいう。




[その他の登場人物兼容疑者]

●禅空寺香澄
今回の依頼人。禅空寺家の次女。彫刻のような端正な顔立ちの美女だが初対面の相手に対してはやや高圧的かつ挑発的。
祖父が遺した自然を愛しており、フィリップにZENONリゾートへの脅迫事件の調査を依頼する。
ストーリーが進むにつれ、なんやかんやで「左翔太郎」=フィリップとはいい雰囲気に。
しかし、彼女のアリバイがない状況が続き、動機もあることからフィリップは彼女を疑わざるを得なくなる。

●禅空寺俊秀
禅空寺家の長男。ZENONリゾートの最高責任者。
顔立ちの整った美男子であるが、身長はギリギリ160㎝程度という小男。
自身の小柄な体型を気にしており、自分を大きく見せようとする行動が目立つ。
また、そのコンプレックスもあってか、嫌味な態度や発言が多い。

●禅空寺麗子
禅空寺家の長女。本職はモデルだがZENONリゾートのアミューズメント部門の責任者でもあり、イメージガールも務めている。
兄に負けず劣らずの自己顕示欲の持主であり、妹である香澄のことも好ましく思っていない。

●禅空寺朝美
俊秀の妻。
美人ではあるが、控えめで地味な女性。

●新藤敦
麗子の婚約者。長身で美青年だが品の良さは感じられない色男。

●弓岡あずさ
禅空寺家の使用人の長であり香澄のお付き。
香澄にとっては母親代わりの存在。

●禅空寺義蔵
香澄の祖父にあたる人物で故人。
生前は自然を愛する生物学者だったが息子に権力を奪われ、禅空寺家が所有する土地が観光地として開発されていく様に心を痛めていた。
一帯の生物のコレクションとして抜け殻とかの標本や生物写真などを作っており、その素晴らしさたるやそれらを所蔵した離れに行ったフィリップが大興奮するほど。

●大自然の使者
謎のドーパント。
ZENONリゾートの関連施設への攻撃と禅空寺家への脅迫を行っており、自身を墓場から蘇った禅空寺義蔵であると名乗っている。

※ネタバレとの兼ね合いのため、「犯人が誰なのか」とかは下記。


【登場ライダー】

仮面ラダーW
翔太郎が風邪で寝込んだため、ファングジョーカーが中心となって活躍する。
終盤には原作では見られなかったエクストリームのチート能力とそれを使った無双を見ることができる。
「大自然の使者」を受け継ぐ。

仮面ライダーアクセル
フィリップ中心の視点で物語が進むため活躍の場は少ない。また、時系列の問題もありトライアルにはなれない。
今回はエンジンブレードとバイクフォームを用いた新しいマキシマムドライブを披露する。

仮面ライダーサイクロン
この作品限定の登場ライダー(オリジナルライダー枠)。
翔太郎と連絡が取れずWに変身できない状況に陥ったフィリップが、シュラウドに与えられたロストドライバーとサイクロンメモリを用いて変身する。
Wと違ってメモリ1本分の力しか持たないが、フィリップとサイクロンメモリの相性の良さからスピードに特化しており、素早い身のこなしと風を纏った打撃でドーパントと互角以上に戦える。
また、動き回るなどして体のラインから風を取り込むことで、肉体の回復と強化を行うことができる(ちなみにこの効果は、Wサイクロンジョーカーに変身していた際にも無自覚ながらスタミナアップが施されていたらしい)。実際、ジャンプなどを多く取り入れることで動きが良くなっていく描写があった。
これは同じく風を動力源とする仮面ライダー1号へのオマージュと考えられる。
マキシマムドライブは風をまとった手刀。咄嗟に放った技であるため特に名前は用意されていない(Wが必殺技名を叫ぶ、つまり技に名前を付けるのはメモリブレイクが二人の息を合わせて放たないと危険であるためで、一人ならば必殺技名を叫ぶ必要はない)。翔太郎が変身していれば「ライダーチョップ」とでも名付けるだろうか。
ちなみに、このとき使ったロストドライバーがTVにて翔太郎が使ったものだと思われる。
スカルのロストドライバー(シュラウドから)、T2ジョーカーのドライバー(スカルから)、エターナルのドライバー(スポンサー特権?の加頭から)で全てのロストドライバーの出自がこれで判明したことになる。
なお、時系列的にはジョーカーより先となる。



ドーパント

●ズー・ドーパント
〈動物園〉の記憶を宿したメモリ。
ファングと同じく獣のようなライブモードに変形でき、自立行動が可能。
茶系統を中心としたまだらな体色と様々な動物のディティールが混ざり合った姿をしている。
体内にあらゆる動物の特性を宿しており、作中で確認されただけでも
  • カギ爪による攻撃(肉食獣?猛禽類?)
  • 自動車を持ち上げる怪力(ゴリラ?)
  • 肉食動物の俊敏性
  • 翼による飛行と蝙蝠の超音波
  • 肉体の一部を蛇に変えて触手のように振るう
  • 水中から襲撃(おそらくイルカ)
……と多種多様な能力を駆使して2人の仮面ライダーを苦しめる。
翔太郎が力の底が見えないというほど強力なメモリ。照井曰く「反則」「まるでW」、亜樹子曰く「一人動物園」
フィリップは「必死に金を積んで『ゼブラ』とか『ライオン』のメモリを買った人間はたまらない気分になるだろう」と、評すると同時に「それらのメモリより、とてつもなく高価なのかもしれない」と推測している。
言うならばドーパント版オーズ
本作の「Z」。

●クインビー〈女王蜂〉、フラワー〈花〉、エレファント〈象〉、ドルフィン〈イルカ〉、サラマンダー〈炎トカゲではなくオオサンショウウオ〉、フィッシュ〈魚〉、エイプ〈猿〉、バード〈始祖鳥〉、コックローチ〈ゴキブリ〉、ビー〈蜂、おそらく働き蜂〉×3
終盤にズーと共に現れる12体のドーパント。
ズードーパントを含めて13体のドーパントが一度に現れる場面は、漫画版仮面ライダーの13人の仮面ライダーへのオマージュであると思われる。
何人かはTV版にも登場しており、CJXで検索した際にも交戦済みなのが明示された。
クインビー・ドーパントはビー・ドーパントを自爆させるというそんな蜂が本当にいるのかと言いたくなるビーからしたらあんまりな能力を持つ。

●ゼロ・ドーパント
〈無〉の記憶を宿したメモリ。
変身者はズーと同じく不明だが、Wのことを「W」と呼んだことから組織に近い人間だと思われる(「W」の呼称は組織の人間しか使わない)。
ズーとは対照的に、全身が真っ黒で鋭く輝く両目以外はまったくの特徴がないシンプルな姿をしており、掌で触れたもののエネルギーを消失させる能力を持つ。ただし、範囲は決まっているようで手に触れたとしても全身のエネルギーではなく腕のエネルギーのみしか消失させられない。
ズーを追うフィリップの前に立ち塞がり、サイクロンと戦う。その強力な能力と腕から飛び出すギミックを用いた必勝戦法で仮面ライダーの前に何度も立ちふさがるが……。
本作のもう一つの「Z」。

●ゼブラ・ドーパント
シマウマ人間。恐らく、というかほぼ確実に〈シマウマ〉の記憶を宿したメモリ。冒頭で読者へのWの解説用に(一瞬だけ人質を取った以外)いいところなしにボコられたうえ、ズーという上位互換が登場する地味に可哀想なポジション。一応、こいつも「Z」。

スミロドン・ドーパント
終盤に少しだけ登場。相変わらずのデキる。ホッパー・ドーパントと思わしきキャラもちょっとだけ描写される。




以下、本作の詳細なネタバレが含まれます。推理小説としての側面もあるのでそれを楽しみたい方は見ないように































「やめるんだ。あなたの目的はわかった。
 だからこれ以上はやめて自首してくれ。
 ……弓岡あずささん」

[事件の真相]

脅迫・襲撃事件を起こしていたのは禅空寺家の使用人の長であり香澄のお付きである弓岡あずさだった。
禅空寺義蔵の名前を騙り、Zooメモリの力を使ってZENONリゾートの施設や香澄以外の禅空寺家の人々を襲っていたのである。
だが、弓岡が事件を起こしたのには理由があり……










●禅空寺俊秀
Zooメモリの元々の持ち主。(前述の「おそらく高価なメモリと思われる能力」はこのあたりの伏線かも)
ミュージアムと取引してガイアメモリ製造工場を作ろうとしていたが、そのために妹である香澄が祖父から相続していた土地が必要になり、土地を奪うために彼女を事故に見せかけて殺害しようとしていた。事件の犯人ではなかったもののこいつも間違いなく悪人。
弓岡は初回起動直後のZooメモリを強奪して自分を使用者登録。香澄を守るために逆にズー・ドーパントとして彼らを殺そうと画策したのである。

フィリップによって真相を暴かれた後は弓岡からZooメモリを奪い返し初期化して使用。俊秀の身長に合わせ弓岡の時より背は低くなっているが、適合したメモリであるので弓岡のズーよりも強いと思われる。が、すでに弓岡が変身者とはいえズーと戦闘済みであったこと、翔太郎にコンプレックスを突かれ冷静でなかったこと、何よりエクストリームに閲覧されたこともあり、弓岡が使用していた際の暴れっぷりが嘘のように弱体化し、大した見せ場もなくWに瞬殺される。

●禅空寺麗子
俊秀の計画に賛同しており、婚約者である敦に香澄の殺害を命じていた。「風都の女は悪女」というジンクスがここでも発揮している。
真実が暴かれた後はズー・ドーパントとWの戦いを静観していたが、増援が来ると隠してあったメモリを使いドーパントに変身。

●新藤敦
表向きは麗子の婚約者であるが、実際は俊秀と麗子が汚れ仕事をさせるために社員の中から引き入れた工作員だった。
麗子との関係は「婚約者ではなくただの手下扱いだ」と言い、その表情は自嘲とも嘲笑ともとれないものであったことから彼自身も思うところがあった模様。
可能であれば香澄を殺害するよう命じられており、物語後半になって実行に移すもフィリップの助けが間に合ったことにより失敗。
フィリップが詳細を問い詰めるも口封じ+香澄への濡れ衣着せのためにゼロ・ドーパントに殺される。

●禅空寺朝美
実はミュージアムの関係者で俊秀と組織を繋ぐ窓口であった。フィリップはこれを見抜けなかったが駆けつけた翔太郎によって暴かれる。
正体が暴かれた後は俊秀がZooメモリを奪い返す手助けをした。その際、今まで見せていた地味で貞淑な妻の姿から一転し、夫に対して非常に高圧的に接している。
常に尊大で嫌味な態度だった俊秀もこの高圧的な妻に素直に従っており、本来の力関係がどんなものかは明らかであろう。
その後はズー・ドーパントとWの戦いを静観していたが、増援が来ると隠してあったメモリを使いドーパントに変身。
なお、俊秀との結婚が個人的な感情によるものなのか組織の命令による偽装なのかは不明。


●十二体のドーパント
メモリの使用者は禅空寺朝美(クインビー)と麗子(フラワー)、そしてホテルの関係者達。
クインビーはと針そして上述のビー自爆能力、フラワーは伸縮自在のムチが武器。
全員、CJXの能力の説明ついでにWとアクセルによりメモリブレイクされた。全員そろってエクストリーム無双により大した攻撃も当てられず、特にバードやコックローチは見事「再生怪人は弱い」の法則に従って爆散&メモリブレイク。

●ゼロ・ドーパント
ズーメモリを奪われた俊秀の依頼でミュージアムから派遣された工作員が使用する。ズーを追いかけていたフィリップと戦ったのも彼もズーを追いかけていた中でたまたま会ってしまったため。ズーを取り返した後は雇われた内容が終わったため、俊秀には協力せずWのクリスタルサーバーを採取して逃亡。アクセルと戦うも片手しか拘束しなかったためあっさりとスロットルを回され、結果アクセルメモリのエネルギーを増幅させる能力により「無」にすることができず、ほぼ一方的にボコられ5ページも保たずに敗北する。その後はミックににゃんにゃんされて死亡。

●禅空寺義蔵
前述のような真相だったため、結局生き返ったとか死亡を偽装したとかそういう事はなかった。

●禅空寺惣治
義蔵の息子で香澄達の父親。義蔵の思想に反して事業の拡大や関連企業の買収を行ったが、それはあくまで一族の繁栄の為であり、義蔵が残した研究施設を大事にしていた。本編の一月前に病死している。
仮面ライダーたちの推測では「ズーとは別のガイアメモリを使って、病死っぽく見える方法で何らかのドーパントに暗殺されたのではないか」とされているが、真相は語られず。

●弓岡あずさ
香澄が解決を依頼した今回の事件の犯人。だがその動機は主人である香澄を兄姉の陰謀から守るためであった。
結果として彼女の犯行による死者は出なかったが、落石や車の投げ込みといった手口は十分殺意をうかがわせるものであり、またフィリップがZENONリゾートに到着した晩の襲撃はWの救助が間に合わなければ警備員の犠牲者が出るところであった。
陰謀を企んだ兄姉を襲うだけでなく無関係な警備員の命まで奪ってしまいそうになるあたり、彼女もガイアメモリの力に飲まれかけていたのかもしれない。
全ての事件が終わった後、彼女についてある秘密が明かされ…

●禅空寺香澄
今回の事件で容疑者の中で唯一無実の人間であり、遺産のすべてを相続することになる。が、自然を残してそれ以外を売却し、母親代わりの弓岡にある確認をするためにも帰りを待つことにした。
このことへのお守りとしてフィリップが借りてぼろぼろにしてしまった帽子を貰う。実はプロポーズだったのだがフィリップはこれに気付かず、翔太郎たちに呆れられる。これでWの仮面ライダーは翔太郎だけが置いていかれる形に……。
彼女の仮面ライダーへの勘違いだが、後々現実になる。










【余談】

プレミアムバンダイから発売されたガイアメモリ99本セットには、この小説版に登場したメモリ全てが製品化されて入っている。
ズーメモリに至ってはライブモードまで完全再現。映像もないのに至れり尽くせりである。



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