ミック/スミロドン・ドーパント

登録日:2021/04/07 Wed 02:58:29
更新日:2025/07/05 Sat 07:53:00
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ニャ~オ……

ミックとは特撮テレビドラマ『仮面ライダーW』及びその続編漫画『風都探偵』に登場する
ここでは彼が変身するスミロドン・ドーパントについても記載する。

演:ブリちゃん(ノンクレジット)
声:高戸靖広(風都探偵)


【概要】

園咲家の飼い猫で、品種はブリティッシュショートヘア 。性別は雄。
来人(フィリップ)が3歳の時に琉兵衛が買い与えた。名付け親は来人。
家族にはよく懐いているが、尻彦さん井坂先生にはちっとも懐かなかった。

猫ではあるが、ミュージアムの幹部の一人(匹)で、園咲家ではメイドから「様」付けで呼ばれるなど親族の人間と同等の扱いを受けており、冴子と霧彦の結婚式や晩餐会等の冠婚葬祭には必ず出席している。
食事の時は琉兵衛に抱かれているのがお約束。
一度、メモリの適合率が上昇した副作用でハイテンションになった若菜にバカにされた事があるのだが。


【スミロドン・ドーパント】


\スミロドン!/

フシャアアア…!

身長:220cm
体重:132kg
特色/力:超越的な身の軽さと強烈な腕力、腕を合わせて形成するキャッツアイからの破壊光弾
声:高戸靖広(TV版)/赤羽根健治(KAMEN RIDER memory of heroez)
スーツアクター:藤井祐伍

ミックが「スミロドン」の記憶を宿したガイアメモリ「スミロドンメモリ」で変身したドーパント。
他の幹部同様にガイアドライバーを用いて変身する。
当たり前だがミックは自分でメモリを差せないので、琉兵衛がメモリを起動し首輪となっているガイアドライバーに差している。
逆に変身の解除は自身の意思で行え、抜けたメモリは咥えて帰る。

変身前の可愛らしいさは欠片もなく、凶暴な顔つきになっており、2本の鋭利な赤い牙が特徴。
素体が猫であるため人間離れした異常な身軽さが特徴で、
  • 仮面ライダーアクセルトライアルを凌駕する速度による高速移動
  • サイクロンジョーカーエクストリームの分析を超える反射速度*1
を駆使して立ち回りながら戦い、戦闘時には手の鋭い爪をふるって攻撃する。
特に、右手の爪は生身の人間を一瞬にして粒子化して殺害できる。
両腕を会わせるとキャッツアイのような形になり、光弾を放てる。その時の仕草がちょっと可愛い。
この猫、若くても14歳(人間に換算すると70代に相当する)なのにアグレッシブすぎる…。

ミュージアムにおける主な役割は、園咲家のボディーガードと組織の裏切り者や失態を犯した者の処刑。
猫なので人語は話せないが琉兵衛の命令には忠実で、例え対象が冴子や霧彦といった身内でも躊躇無く襲い掛かる。

その立ち位置故に仮面ライダーWとの交戦回数は少なく、翔太郎とフィリップは人間が変身していると思い込んでいた。


【顛末】

第45話ではWやアクセルとイーヴィルテイルの争奪戦を繰り広げ、俊敏な動きで両者を苦戦させる。
だが、地球の本棚の検索でフィリップ*2は変身者がミックと推測。
メタルシャフト スタッグシャフトモードを動かし、特別なごちそうをあげる時のポーズを模倣すると、あっさり反応してしまう。
そこで正体がミックだと確信したフィリップは、ミックを傷つけないためにマキシマムドライブ「メタルスタッグブレイカー」で拘束する。
そして、ガイアドライバーだけ破壊しメモリブレイクに成功した。

テラー・ドーパントが出現してからは何処かへ逃亡してしまったが、後に翔太郎に保護され、鳴海探偵事務所の飼い猫になった。

その後、ミュージアムは壊滅し、皮肉にも家族に利用され続けたミックが幹部唯一の生き残りとなった。
劇中ではスミロドン・ドーパントの姿で明確に人を手に掛けた描写があるが、琉兵衛の命令に従っていただけなので一切制裁の類いは下されていない*3


【風都探偵】


吾輩は猫である。名前はミック。*4

存命どころか気ままに長時間の外出ができるおじいちゃん。
長年ゴールドメモリのドーパントであり続けた影響もあり、最低でも16歳(人間換算で80歳以上)を超える老齢猫だが体力旺盛で、知能も非常に高い。
風都の異変を感知して翔太郎たちを導いている。
アニメ版ではおまけのミニアニメ内で本編に先駆け登場。モノローグでよくツッコミを入れている。
第7話のおまけのミニアニメでは、好物が園咲家の料理長が出してくれたアクアパッツァであることが判明した。
一流の猫は食べ物から違うのだ。


【余談】

ミックを演じたタレント猫のブリちゃんの性別は雌。

『風都探偵』単行本10巻の巻末インタビューで琉兵衛を演じた寺田農氏と久々に対面した。
『W』放送から10年以上経過した今でもミック(ブリちゃん)が生きていた事に驚いた読者も少なからずいた模様(2020年に16歳の誕生日を迎えている)。
寺田氏も「また会えるとは想像していなかった」と述懐している。

ブリちゃんは、撮影当時は中々言うことを聞いてくれず、スタッフを四苦八苦させる事が多かった上に、抜け毛が凄く1カット撮り終える毎に衣装担当が掃除していたらしい。

スミロドン・ドーパントのスーツアクターさんこと藤井祐伍氏は今回が初のレギュラーキャラクター担当だったが、「変身前がなんせ猫だったのでお近づきになりたくても*5そっぽを向かれた」と後に冗談混じりに語っている*6

なお、スミロドンが怪人モチーフになるのは初であるが、『仮面ライダーV3』では原始タイガーという広義の上ではスミロドンと同種のモチーフの怪人(実際はサーベルタイガー)が登場する。

ちなみに、元となったスミロドン、つまりサーベルタイガーだが、劇中での描写とは裏腹に実はあまり敏捷ではないことが判明している。
現生のネコ科動物と比べると、前脚が発達している割に後脚が短いため、速く走るのには向いていないのだという。その為、弱ったマンモスなどの比較的鈍重な獲物を集団で狩っていたと推測されている。
だが、大怪人バラオムといいサーベルタイガー・デッドマンといい、どうにも仮面ライダーシリーズに登場するサーベルタイガー怪人はスピードキャラのイメージで造形されることが多い様子。

上述の通り、アニメ版『風都探偵』でミックを演じる高戸氏は、『W』本編においてスミロドン・ドーパントの声を演じているため、ある意味原作通りの配役である。
中の人繋がりで金星の美少女戦士の相棒の白猫を連想した視聴者もいたとか




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最終更新:2025年07月05日 07:53

*1 フィリップが触れている通り、エクストリームの分析を上回る反射速度も「人間が変身している前提」での分析結果であり、前提さえ見直せばなんてことのない相手であった。「前提を間違えると検索結果が実態とズレかねない」という地球の本棚の弱点がエクストリームになっても尚据え置きであることが発覚した訳だが、スミロドンがレアケースだったこと(と番組が終盤だったこと)もあり、さしたる支障は『風都探偵』時点でも出ていない。

*2 ここで「園咲来人」としての記憶を完全に取り戻した。

*3 そもそもミックの手に掛かった相手もミュージアムの殺し屋なので、ほぼ自業自得とも言える。

*4 アニメ版のおまけのミニアニメより。あくまでミックのモノローグとしての台詞。

*5 スーツアクターさんは変身前と後でキャラクターを合わせる必要があるので変身前を担当する役者さんとのコミニュケーションが必須。

*6 『ネット版 仮面ライダーフォーゼ みんなで授業キターッ!』第18話「人・物・造・形」より。