トム(遊戯王)

登録日:2011/04/21(木) 16:55:26
更新日:2022/09/15 Thu 17:42:01
所要時間:約 3 分で読めます





トム「スゴイ……あなたのカード……攻撃パターン……すべてこの紙に…………対処方法まで」


キース「バ……バカな! 貸せ!」


キース(オーマイガ! オーマイガァァ〜〜!!) 「うおおおおおおー!!」


ペガサス「WOW!! トムの勝ちデース!」


トムとは遊戯王の長き歴史に名を刻んだ、(最近乳歯が抜けたばかりなのか)歯が欠けているモブキャラはずだった少年。
原作10巻及びアニメデュエルモンスターズ第16話の王国編にて、海馬城之内のあと海馬の回想にて現れたキャラクターである。
CV:石橋美佳
後のクリボーシリーズも担当している。


一連の流れを説明すると……、
全米ナンバー1のカードプロフェッサー、キース・ハワードこと、通称バンデット・キースペガサスに挑戦状をたたき付けたことが発端。

ペガサスは挑戦の条件として以下の2つの条件を出した。
ひとつは100万ドルの賞金マッチ。
もうひとつは5万人収容のスタジアムで決闘(デュエル)を行い、全米にテレビ中継を流し、興業収益はスポンサーとテレビ局と折半にする。
以上の二つが条件だった。

ペガサスは創設者として決闘開始まで初心者の子どもにカードゲームの説明をしていた。

その中でペガサスが目をつけたのがトムである。
初心者にしてはなかなか筋が良かったようだが、小遣い不足で集めるとお金がかかるカードゲームは遊べない、という彼に、
ペガサスは「これでも十分に遊べる」としてデッキ一組をプレゼントした(ちなみに以下のデュエルで使用したのはこれではなくペガサスが別で用意したもの)。

そして時間になり、決闘が開始する……が、ペガサスはカードを引くことすらせず、
じっと千年眼(ミレニアムアイ)でキースの行動と思考パターンを全て把握。
そのパターンと対処法を紙に書くと、


ペガサス「HEYト~ム! カムヒァ~!」


と言って呼び出したトムと交代し、「この紙に書いてある通りにすれば勝てマ~~ス」と説明してその場を去った。

ペガサスの態度に怒り爆発のキース。
しかし、ペガサスに行動を把握されたキースは何もできずトムに敗れた。*1
キースの攻撃に対抗できるカードをどうやってトムに引かせたのか*2
キースがこれから引くカードはどうするのかなど突っ込み所は多いが、初期の遊戯王にはよくあることである。
真面目に考えるならペガサスはキースのデッキを完全に見抜いて、トムに貸したカードはその戦法をすべて打破できるパーミッション気味のカードが多かった、
もしくはキースのデッキが《飛行エレファント》でほぼ完封できる構成かつ、ペガサスは次ターンにそれを引ける確信があったからトムに任せたのだろう。
多分…。

そしてペガサスはこう発した


「WOW!! トムの勝ちデース!」

そして、ペガサスはカメラの前で、
どんな初心者でも強いチャンピオンをやっつけられる最高のカードゲーム! イッツァマジック&ウィザーズ


こう発して勝負は終わった。

そう、ペガサスはキースを利用して「どんな初心者でも強い奴に勝てるという」売り文句を武器に、
自分で作った商品のPRをしたかったのだ(トムを選んだのも原作では初心者にしては筋が良く、紙に書かれた通りにきちんとプレイできるからであろう)。
ちなみに、ペガサス曰く1パック3ドルで、トム本人も恥ずかしがりながらも「最高!」と喜んでいた。

海馬社長はこの行為を見て呆気にとられてしまったのか、珍しく後ろ髪から汗を流していた。
そして子ども相手に負けたキースはその後、自暴自棄になりドラッグや危険なギャンブルにのめり込む人間のクズとなった。

トムのその後は知らん。
とまぁ、ペガサスの行為やキースのその後など冷静に考えると遊戯王らしくネタ要素が詰まったエピソードである。


全てのカードゲームプレイヤーに言うことは間違っても子ども相手に負けたからって違法薬物やら裏ギャンブルなどに手を出すのはダメ、ゼッタイ。

これだけ見るとペガサスはせっかく自分達の商品を熱心に遊んでくれるチャンピオンを公開処刑し、彼をだしに使った酷い奴に見える。
だが作中のキースは対戦相手の創立者に対し「ペガサスちゃんよぉ」「始めましょうかね~~~~」などの挑発を繰り返し、対戦相手が子供のトムに代わっても彼に「このカードだクソガキ!」などと乱暴な言動を繰り返している。
いくらペガサスの対応が対応だったとはいえお世辞にもマナーが良いとは言えない。こんな奴が顔役では商品イメージも良くないだろう。
もしキースが清廉潔白な人間であれば、ペガサスも初心者の子供に叩き潰させるような事はせず、正面から相手取ったのかもしれない。
だがこのシーンは、ペガサスの強大さ、新キャラ登場の伏線、ついでにトムという名キャラクター登場というストーリー的に重要な箇所。
これらは件のチャンピオンがキースと言う下劣だったからこそ成り立ったのも事実と言えよう。

ちなみに実際のゲーム運営においても、マナーの悪いプレイヤーに対してはたとえランカークラスでも処罰をすることが増えている。
悪質なプレイヤーに対してのペガサスの扱いは特別おかしいものではない。…まぁほぼ公開処刑みたいにしたのはやはりやりすぎかもしれないが。


さて、このトム某動画サイトでは格好のMAD素材として君臨している。
中にはこのトムのMADばかり作る人がいるくらいの人気である。

わずか6ページの出演ながらMADで人気がでたこともあることから、
同じ王国編に出てきたゴースト骨塚や、闇の決闘者辺りよりも下手すれば人気のあるキャラなのかも知れない。

なおペガサス本人は意外にもトムがお気に入りだったらしく、デュエルリンクスでその辺の日本人の少年を「トム」と呼んで困らせていた。



ちなみに中の人の石橋美佳氏だが、遊戯王シリーズではクリボーやハネクリボー、クリボンを演じた人物である。
GXでは人物は違うもののギースによって精霊の宿るジェリービーンズマンのカードを奪われたトムと言う少年が登場する。

遊戯王DMでは上記にあるようにペガサスの助けがあったとは言え、まったくの初心者なのに全米チャンプのキースを負かしたトムと言う少年。

トムも伝統と思われたが残念ながら5D'sにトムと言う少年は登場しなかったが、チャンピオンに憧れる少年は何人か登場。中には特殊なサポートを得ながらであるが勝った少年もいる。

ZEXALには目下のところトムという人物は出ていない……と思ってたらトーマスは出た。

ARC-Vではトムは出ないが、ファントムという単語がたびたび出てくる。






そしてVRAINS放映中の2018年5月、唐突にソイツはOCGに殴り込んで来た。

《飛行エレファント》
効果モンスター
星4/風属性/獣族/攻1850/守1300
(1):このカードは相手ターンに1度だけ、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードの(1)の効果を適用した相手ターンのエンドフェイズに発動する。
次の自分ターン中、以下を適用する。
●このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時、自分はデュエルに勝利する。

キース戦でトムが唯一プレイしたカードが登場。種族は悪魔族から獣族となっている。
何と、下級モンスターでは3番目となる特殊勝利効果を持っている。*3
つまりこれによって、リアルに「トムの勝ちデース!」が再現できるようになったのだ。

なお、アニメ版では地割れ攻撃をしたのがガーネシア・エレファンティスのため、そちらはOCGだと再現できないことになる。


下級モンスターで召喚制限もないので、場に出すことは難しくないし、打点もそこそこあるのでアタッカーとしても十分。
が、特殊勝利となると、一見ゆるーく見えるが実はかなりシビア。

コイツが場にいる時点で相手は効果破壊をしなくなるだろうし、でなければ2連発か素直に戦闘で除去に来るだろう。
むしろ、効果破壊を牽制してバトルに誘い込むデコイとして使うのがベターか?と言えるくらい。
あとは相手の破壊効果にチェーンして特殊召喚するという手もある。
強制破壊カードを送り付けるのも一つの手だろう。

そして直接攻撃を通すにしても相手の伏せ除去の際に引っ掛かっては元も子もないし、そもそもコイツの耐性は自分のターンには働かない。
二重に相手依存の効果であるため、狙うのは難しいがコイツのために専用デッキを組む価値はある。

なお、このカードを入れたデッキは使用者の名前を取って【トム】と呼ばれることがあり、販売当初は【蘇生トム】だの【勝鬨トム】などといったパワーワードがいくつか登場した。


SEVENSとその続編のゴーラッシュではトムネタはなかったが、トムと同じ年頃の少年少女たちが主役である。




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最終更新:2022年09月15日 17:42

*1 正確に言うと、これからキースが取りうる行動に対して完璧な手立てが書かれていたことに絶望して試合放棄=サレンダーしたと言った方が正しい。トムの言った「ボクの勝ちです」はあくまでも(キースとしては次のターンでの)戦闘のことを指している。

*2 上述したようにこの時キースは手札を引いているが、ペガサスは手札を引いていないためトムは引くところからデュエルがスタートしている。

*3 1番目は「封印されしエクゾディア」、2番目は公式使用不可の「奇跡の創造者」である