何?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?

登録日:2015/02/02(月) 22:48:12
更新日:2020/05/04 Mon 11:25:09
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遊戯王ARC-V第39話「逆鱗の覚醒」にて、デュエリスト「勝鬨勇雄」の放った台詞。


【概要】
舞網チャンピオンシップ第2回戦。
榊遊矢と勝鬨勇雄は激しい攻防を繰り広げていた。

己が信じるエンタメデュエルを実践するために奮戦する遊矢。
だが、勝鬨のアクションデュエル(という名のリアルファイト)に、遊矢は徐々に追い詰められていく。更に勝鬨はエースモンスター「覇勝星イダテン」を召喚。

イダテンの効果は「このカード以下のレベルのモンスターと戦闘を行う時、相手の攻撃力をダメージ計算時のみ0にする」という鬼畜極まりないもので、
加えてイダテン自身もレベル10モンスターという、まさに勝負を決め得るエースカードだった。
その強力な効果により、ついに絶体絶命となる遊矢……




突如覇王的な何かに目覚めた遊矢は、スケール3~5のペンデュラム召喚を行う。

???「レベル4のモンスターが2体…来るぞ遊馬!」

と、そんな視聴者の心の声に応えるかのように怒涛のエクシーズ召喚
召喚したのはユートから託された魂のカード、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

そして遊矢はダーク・リベリオンの効果を2度使用して自身を強化&イダテンを弱体化し、攻撃を宣言。
しかし前述の通り、イダテンはバトル時に発動する効果を持っている。
せっかくの効果による強化も無駄になってしまうのでは……と、一部の視聴者(と勝鬨)が思った次の瞬間。

その時に発生したのが遊矢と勝鬨による以下のやり取りである。



「イダテンの効果発動! このカード以下のレベルのモンスターと戦闘する場合相手モンスターの攻撃力は0となる!」

「エクシーズモンスターはレベルを持たない。よって効果は無効!」

「何? レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」


当然ながら、彼の悲痛な抗議(というか驚き?)が土壇場で聞き入れられるはずもなく、デュエルは遊矢の逆転勝利で幕を閉じたのだった。


ちなみに、正確には効果が無効になる(適用されない)のではなく、そもそも発動自体ができないので、遊矢の返答も微妙に間違っていたりする。



【解説 ~ルールはどうなのか~】
まず、勝鬨のエースモンスター「覇勝星イダテン」は、先述の通り相手のレベルに依存した効果を持つ。
だが、「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン」はエクシーズモンスター。
くどいようだが、エクシーズモンスターが持つのはランクであり、レベルは持っていない。

「何? レベルを持たないならやっぱりレベル0ではないのか!?」

落ち着け。

とはいえ、そう思うのも無理はない。
レベルを持ってない、つまり無、ならば0になると考えるのは当然である。
そうでなくても、レベル4のモンスターを素材としているのだから、最悪でもレベル4にはなるはず、と考えたのだろう。

だが、無い物は無いのだ。
エクシーズはレベルの代わりにランクを持っている。
代わりって何だよと言われても、「ランクはランクです」としか言えないのだから仕方ない。
レベルを持つモンスターは別にランク0ではない。それと同じことである。

というわけで、以上の点からエクシーズモンスターはレベル関係の効果を受けず、
今回の場合「イダテン」の効果は「ダーク・リベリオン」に対して発動できないのである。

それでも文句がある勝鬨方はKONAMIかOCG事務局に言ってください。



【検証 ~どうしてこうなった~】
というか、これだけレベルに関する効果を持ったモンスターを扱っておきながら、
エクシーズがレベルを持っていないことすら知らない勝鬨さんサイドにも問題があると言わざるを得ない。

更に言うなら、勝鬨は前大会の準優勝者という優勝候補筆頭であり、彼の所属する梁山泊塾もLDSに次ぐ強豪という強キャラである。
現実世界ならば伝統と人望のあるスポーツのプロプレイヤーのようなもので、ことデュエリストに関しては時として世界情勢にすら影響し得る重要な職業でもある。
だから本来は公式大会という場で初歩的なルールの誤認という失態をさらけ出すことなどそうそうあってはならない…というか簡単に起こらないはずなのだが、
にもかかわらずこんな発言が彼の口から飛び出してしまうのは如何なものなのか。
一応この理由付けとしては、
  • 梁山泊塾が相当閉鎖的なブラック塾
  • エクシーズ使いはリアルファイトで叩きのめした
  • というか前大会もリアルファイトで勝ち上がった
という説が視聴者から出てきてはいるが、
いずれにせよ、いくらLDSにエクストラデッキモンスターのほとんどが独占されているとはいえ、
この次元でのエクシーズはどれだけ日の目を見なかったのだろうか……


勝鬨を庇う訳ではないが、彼がこうした判断を下してしまった要因を(推測ではあるが)もう少し掘り下げて解説する。

  • スタンダード次元ではエクシーズはメジャーな召喚法ではない
そもそも融合・シンクロ・エクシーズそのものがつい最近まで認知されておらず、
エクシーズに至っては今現在もLDSのエリートクラスしか習えない世界、それがスタンダード。
遊矢が読んでいた雑誌等から察するに、十数年前のデッキである【トマハン】が大絶賛活躍中。
この台詞が出た2015年1月からすれば太古の昔にも思える環境なのだ。

大手のLDSが三つの召喚法を事実上独占しているような状況で、
遊勝塾や権現坂道場の主力である遊矢・柚子権現坂はもちろん、元プロである修造ですら名前くらいしか知らなかった有り様。
遊矢ですらLDSとの対戦がなかったらエクシーズの概要を知れたかは怪しい。

それを表すように舞網チャンピオンシップ出場者には最低でも2人以上融合やシンクロ主軸デッキ使用者は存在したが、
エクシーズ主軸の使い手は確認できるのが北斗黒咲のみ。(ハイロン使いはデッキ内容が現状不明なので除外)
言うまでもないが黒咲はエクシーズ次元の出身、ダベリオンを使用した遊矢もユートとユーゴのいざこざで入手したものであり、
純粋にスタンダード次元の出身で現時点でエクシーズ主軸使いは北斗のみであり、非常に少ない。

……そんな環境で融合、シンクロはまだしもエクシーズのあれこれはもちろん、効果の裁定まで把握していろ、というのは少し厳しいものがある。
完全新規のペンデュラムの手探り状態よりマシとはいえ、全て理解するのは中々大変だと思われる。

  • 梁山泊塾は完全寮制
一度入塾すれば、プロ入りするまで学校以外の外出はおろか親にだって合わせてもらえない。
プロになるまでは自由を奪われてひらたすら修行に打ち込む。それほど厳しいのが梁山泊なのだ。
つまり内部でエクシーズを扱う者がいなければ勝鬨には知るチャンスすらない。
大会への参加資格、勝率6割は公式戦であれば同じ塾でも適用されるようなので、いっそう外部からの情報は乏しいだろう。
選択肢を奪った上でこうなると、もはや教えなかった方の不手際である。

素良から習わなければ柚子は融合を使えなかったことを勘案すると、
LDS以外に行くとエクストラデッキからの特殊召喚にとことん縁遠くなりがちなスタンダード次元において
LDSに頼らず融合を習得した時点で勝鬨的には相当頑張ったというべきか。手札融合は知らなかったみたいだけどな!

  • 「レベルを持たないカードをレベル0として処理するカード」が既に存在していた。
下記のカードである。
  • アンティ勝負
通常魔法カード
それぞれ手札からカードを1枚選択し、お互いにレベルを確認する。
レベルの高いモンスターを選択したプレイヤーのカードは手札に戻り、
レベルの低いモンスターを選択したプレイヤーは
1000ポイントダメージを受け、そのカードを墓地へ送る。
モンスター以外のカードを選択した場合はレベル0とする。
同レベルの場合はお互いにカードを手札に戻す。

現時点でレベル0という状況を作り出す唯一のカードである。
このカードの存在を知っていたが為に「(魔法カードや罠カードのように)レベルを持たない=レベル0として扱う」だと勘違いしてしまったという推測も出来なくない。


等々。細かく考えてみれば、決して勝鬨を無知と即断してしまうわけにはいかない事情がある。
ただ、遊矢はレベルとランクの違いを理解した上で、レベル持ちモンスターのみパンプアップする魔法カードを使い、
北斗のプレアデス・トレミスM7の鬼畜包囲網を突破し勝利しているので、やっぱり勉強不足なのでは…?と考えられなくもない。
多分師匠の梁山が殴る蹴るしか教えていないのが悪い。

ちなみに昨年優勝者のデッキはどうやら【魔導】。
昨年度の魔導と聞いて決闘者達が思い出すのは誰がどこをどう見てもぶっ壊れな某カードであり、
トマハンが生存できるような初期の環境からすれば別ゲーのカードだと思われても何ら不思議ではないあのカードパワーを使って優勝したのならば、
当時の環境においてはあまりエクシーズ召還はされなかっただろうし、そもそもする必要がなかったのだろう。多分。
ちなみにユースに上がった後の彼はハイロンを使っているようだ。例のアレは禁止にでもなったのだろう。多分。


尚、余談ではあるが続く第46話「反逆の覇王黒竜」にて勝鬨くんがさらに大混乱するようなモンスター達が登場してしまった。
もうやめてKONAMI、勝鬨のライフはゼロよ!

また、ストーリーの舞台がシンクロ次元に移った第63話においても、シンクロ次元のデュエリストが全く同様の台詞で驚愕していたりする。
勝鬨の叫びは次元を越えてしまったようだ。(これについては勝鬨をフォローする意味合いもあったのかもしれないが、むしろネタ化が加速した気がしないでもない。)

ちなみに融合次元のデュエリストは、エクシーズ次元に侵攻していただけあってかエクシーズについて詳しく把握していた様子。



【実践 ~勉強の成果~】
それからしばらく話が進んだ113話では、なんと融合次元にて勝鬨と遊矢がまさかの再戦。

かつてと同じくイダテンとダーク・リベリオンを召喚する両者だが、勝鬨はさらなる切り札、「覇道星シュラ」を融合召喚。
フィールドの全モンスターの攻撃力を0とし、戦闘時のみレベル×200の攻撃力になる効果で、エクシーズ及びダーク・リベリオン対策をしてきた。

そして「レベルを持たないということは、レベル0ということだ!」*1という意趣返しのような台詞まで披露。
なお、この後勝鬨は「装備魔法・流星剣」の「装備モンスター以下のレベルのモンスターとバトルした時もう一度攻撃できる」効果を使うために、
ダークリベリオンではなくドラミングコングを迷わず狙っているため、ランクとレベルが別の物であるという認識はちゃんと持っている模様。
勘違いしたままと思っている視聴者も多いが、この返しはあくまで以前の顛末に対する皮肉と取るべきだろう。

それに対して遊矢は、「相克の魔術師(アニメ効果)」でエクシーズモンスターのランクをレベルに変えて対抗。
これにはさしもの勝鬨も「何!レベルを持たないモンスターに、レベルを与えるだと!」*2と、新カード登場時にはよくあるタイプの驚きを見せた。

他にも「相生の魔術師」などレベルに関するカード応酬やアクションカード合戦の末、最後には遊矢の仕掛けた勝敗を天に任せたドロー勝負で決着。
湧きおこった観客たちの両者に対する喝采の中、前回は怒りに呑まれていた遊矢とそれ以来憎悪に駆られていた勝鬨は、ようやく和解へと至ったのだった。



参考までに、以下に「知らないとわからない・わかりにくい裁定」を元に改変した例を挙げておく。
全て実際に下された裁定であるので、決闘者なら是非把握しておきたい。



そして……






何? 追記・修正が必要ということはクソ項目ではないのか!?

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