スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS

登録日:2011/06/27(月) 01:30:03
更新日:2025/06/05 Thu 11:00:21
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地球人類に逃げ場なし!

鋼鉄の激戦が、今始まる!


『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS』は、2007年に発売されたスパロボシリーズの一つ。正式な名称は『スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS』。



【概要】

GBAにて発売された『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION(以下OG1)』、『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2(以下OG2)』をPS2で一まとめにして、様々な新要素を追加して発売された作品。
ハードがPS2になったことで、ボイス、グラフィック、戦闘アニメ等、色々な面が強化された。
また『OG2』をクリア後には、外伝への繋ぎである『OG2.5』をプレイ可能になる。
単体でも結構なボリュームがあるOG1とOG2が一つになり更に追加シナリオまであるので、『OG2.5』まで合わせると、あの『IMPACT』を超える全104話となる(ただし、『OG』、『OG2』、『OG2.5』はそれぞれ別区切りになっており、連続で104ステージプレイするわけではない)
ゲーム開始時に『OG』と『OG2』のどちらをプレイするか選択する。
『OG1』はマルチ主人公制なので、OG1シナリオを選んだ場合は主人公も選択する必要がある。なお周回特典については各シナリオ毎に独立しており、「OG1」→「OG2」への引継ぎは資金のみ。

スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONとは

端的に言えばスパロボシリーズに登場した同作オリジナルの(他作品版権を有しない)ロボットやキャラが一堂に会するお祭り作品。
ベースとなっているのはスーパーロボット大戦αで、そこに旧シリーズ(第2次スーパーロボット大戦〈OG1〉と第3次スーパーロボット大戦〈OG2〉)のストーリー及び設定がミックスされ、スーパーロボット大戦IMPACTやGBA版スパロボなどの設定・ストーリー等も取り入れられている。

GBA版のOG2作品と本作「OGS」では微妙にストーリーや設定が異なっているが、アニメや続編である「第2次OG」における描写などを踏まえると本作が正史として扱われている。
ただし「2.5」と「外伝」はこれまた微妙にストーリーや設定が異なっており続編等では「外伝」を下敷きにしている。
なので、本作世界線における流れとしては「OGSのOG1シナリオ→OGSのOG2シナリオ→OG外伝→第2次OG→MD」という感じである。

【OG】

開始時にリュウセイキョウスケのどちらか一方を主人公として選択する。
どちらを選択したかで中盤までのシナリオと仲間になるキャラがガラリと変わる、スパロボシリーズとしてはかなり珍しい試みが行われている。

リュウセイを主人公に選択すると、軍に(半ば巻き込まれる形で)スカウトされた彼を中心とした物語が展開され、中盤まで地球を舞台にDCと戦う「第2次スーパーロボット大戦」を踏襲したシナリオとなる。
のMAPがかなり多く、敵戦力に対して味方陣営の機体が脆弱(例えばSRXを構成する機体の内、このルートでまともに使えるのはR-1のみ。しかもかなり登場が遅い)など難易度が高め。
主なメンバーはSRXチーム、マサキイルムクスハ、リョウト等。また、こちらのルートを選択した場合、終盤で母艦のハガネがクロガネになる。

キョウスケを主人公に選択すると、中盤まで宇宙を舞台にコロニー統合軍と戦う本作独自のシナリオとなる。
アルトアイゼンやヴァイスリッターが早期に加入するなど、こちらの方がリュウセイのルートに比べて序盤から戦力が揃っている為難易度が低め。
主なメンバーはエクセレンブリットタスクカチーナラッセル等。
また、こちらのルートを選択した場合、SRXが1回しか使用できないが、教導隊メンバーの合流は早くなり、またリュウセイ編ではスポット参戦のカイが正式参戦する。

中盤からは地球と宇宙の戦力が合流してバルマーと戦う「α」や「新スーパーロボット大戦」を踏襲したシナリオになる。
後半に再度分岐するが、その際は部隊が分かれたりはせずシナリオが若干変化する程度。
OG2シナリオなどからすると、一応リュウセイ編が正史である様子。

GBA版との違いは少ないが、アニメ「ディバイン・ウォーズ」からの逆輸入(というよりアニメ化にあたってOGシリーズ自体の設定が調整されたと思われる)として一部のキャラの設定が変わっている。
なお、GBA版で熟練度次第で出現する隠し最終話についてはOG2のシナリオでも関わってくるため、本作では熟練度に関係なく必ず到達する。

【OG2】

明確に主人公と呼べるキャラは存在しないが、キョウスケとラミアがそれらしい立ち位置にいる。
インスペクター四天王に準えて、特にそれらしい立ち位置で活躍したキョウスケ・ラミア・ゼンガーorアラドギリアム辺りで「表の主人公」「裏の主人公」「真の主人公」「影の主人公」を当てはめる風潮があったりもした
並行世界からやってきた迷惑軍団シャドウミラー、異星人インスペクター、異形アインストと戦う。シナリオ的には「第3次」「スーパーロボット大戦A」「IMPACT」辺りのミックス。
そしてまさかの「ヒーロー戦記」の後日談でもある。
OG1シナリオをやらずにこっちだけやることも可能。

こちらはOG1シナリオと比較して原典のOG2からかなり大きく変更されており、
そもそも初っぱなからR勢登場、並行世界のキョウスケのアインスト化、ナハト使用可能、漫画『OGクロニクル』のシナリオを収録したりと序盤からやりたい放題。
またライバルキャラと位置付けられているアクセル・アルマーの性格が大幅に変わっており、キョウスケに執着し終始冷徹な性格で、Wシリーズも一貫して見下していたGBA版と違い「スパロボA」における主人公としての性格が付与され、
「こちら側」のキョウスケへの執着が薄い(「あちら側」のベーオウルフとは別人だと理解している)、自我が芽生えたWシリーズに対して人形ではなく戦士として扱う、口癖である「~だ、これがな」をよく使うなど最早別物となっている。
アクセルについては当初はGBA版のままとなる予定だったようだが、彼の生みの親である森住Pがシナリオに参加できる事になり*1、森住Pの提案でアクセル周りの設定を書き直されたとのこと。
前述の通り以後のOGシリーズのアクセルは本作の性格がベースになっているので、設定が再構築されたというべきだろう。
なお、OG1シナリオとは逆にGBA版で熟練度次第で出現する隠し最終話は削除されている。まぁ、隠し最終話通らない方が感動的な展開になるし

また、本作で新たに設定された新機体も多く参戦する。
アーマリオン、ゲシュペンストRV、ズィーガーリオンなどがそれであり、以後のシリーズにも続投している。
原作では姿を消してしまっていたビルトラプター、ビルドシュバインも続投しており、総じてOG2の問題点の1つであった「人材に対し優秀な機体が慢性的に不足している」問題への1つの解となっている。
ただ、かなり強いのに序盤から使えるアーマリオンに対し、終盤になってようやく参入なのに強さは微妙なズィーガーリオンとか若干参入のタイミングがおかしいが。

元々OG2自体非常に難易度が高いのだが、多少緩和されてはいる。OG1シナリオから資金を引き継げるので、楽をしたければそっちから先にやった方がいいだろう。

【OG2.5】

OG2シナリオのクリア後にプレイ可能になる、追加エピソード。
現在の価値観でいえば「スーパーロボット大戦OG外伝」の体験版的な側面が強く、ゲームバランスが非常に悪い事で知られる。
また、ストーリーについてもラミアが攻撃を受け生死不明になるところで終わってしまうため否定的な意見も見られる。
実際、後に寺田Pと森住Pが
「OG2.5をどこまでやるかで当時非常に忙しかった*2寺田Pのキャパを越えてしまい、会社からの『これ以上延期できない』という指摘や森住Pの『これ以上やっても2.5は良いものにならない』という提言もありこのような形になった」
と明かしている。

基本的にはオマケシナリオであり、「OG外伝」にも全て収録されて(バランスは調整されている)いるのでそちらをやった方が早いと言えばそう。

【ツインバトルシステム】

本作から採用されたシステム。
前後左右、もしくは斜めの位置に近接する2機のユニットが気力110以上のだと「合流」コマンドが追加され、選択することでツインユニットを形成する。

ツインユニットはメイン側、サブ側の2機で同時に攻撃できるようになる。
また、合流する事で「ツイン精神コマンド」も使用可能になる。さらにユニットの属性によって異なる様々な機体特性を得られる。

攻撃時には2機で敵1体を攻撃する「集中攻撃」かツインユニットの敵をそれぞれ攻撃する「個別攻撃」を選択可能。
ツインユニットでツインユニットを援護することも可能であり、最大4機で攻撃をかけることができる。

【ダブルアタック】

ツインバトルシステムにより2機で1ユニット扱いになるため、ツインユニットのメイン・サブ双方を攻撃できる「全体攻撃属性」(小隊でいうとこのALL属性)の武器が増えた。さらに全体攻撃の上位版として、全体攻撃かつ隣接ユニットまで攻撃できる「ダブルアタック」も追加された。

【評価等】

本来の売り上げが据え置き機>携帯機であるスパロボ。
携帯機から大幅にパワーアップしたリメイクで据え置きに登場したため、既存のOGファン以外にも、これまでOGをプレイしたことの無かった多くのスパロボユーザーの手に触れることとなった。
プレイしたユーザーからは概ね好評を得ており、ベスト版と併せて約45万本と、版権スパロボと大差ない売り上げを記録。これの結果を受けて、以降のOGシリーズは据え置き機で展開されるようになる(ムゲフロシリーズはDSで展開)。
しかしシナリオでの追加要素(特に2.5)が不評だったり、今回から(厳密に言うならこれもアニメ化と同時に行われた変更であり、OGシリーズの世界観調整の一環であろう)付いたパイスーやヘルメットがダサいといった批判も多い。
ゲーム難易度を考慮したのか一部の機体の性能が変更されており、改善されたと感じるものや劣化したと感じられる部分が見られる。

前述の通りいわゆる「OGワールド」は原典たる「OG1」「OG2」ではなく本作がベースとして練り直されており、それによって単なるお祭り作品の枠を超え「スパロボOG」として明確な世界観を確立することになった。
商業的に特別扱いの色が濃かった魔装機神シリーズ・αシリーズ・COMPACTシリーズを除くと「スパロボオリジナルのキャラ・メカの出番は一作(1シリーズ)きり」であった慣例を打破して再活用機会を広げると共に、それらについたファンを引き戻す効果も見逃すべきではないだろう。

「MD」までにおいてシナリオの太い筋としての「第3次α」の領分が消化されておらず更なるシリーズ継続を期待されたものの、売り切り型のスパロボ総体が急速に細ってしまったこともあり、大きな動きもないまま2020年代に入って従来同等の続編の見込みはかなり厳しくなってしまった。
以後はソーシャルゲーム「X-Ω」「DD」内でサブエピソード規模のOG世界観シナリオが年数回ペースで配信されている。

ちなみに本作は一度発売を延期しているのだが、これが「本作に登場するヒュッケバインがガンダムに似すぎているので版権元から発売を差し止められたのではないか」という疑惑、俗に言う「ヒュッケバイン問題」が沸騰する大きなきっかけになった。
実際にはデザインや設定などを一切差し替えられることなく登場しているのだが、なぜかブログでは縦読みでヒュッケ参戦を示唆したり、アニメでは一切出てこないなどその疑惑はより深まったとネットでは更なる過熱に繋がってしまうのであった。

【追加要素・変更点】

◇ボイス搭載
◇GBA版で専用BGMを持たなかった多くのキャラに専用BGMが付けられた(一部例外あり)。
◇新機体の登場

〜主な新機体〜

◇シナリオの改変
【OG】
  • ユーゼスクォヴレー登場
    本作のイングラムの行動についてOG1では説明不足感があったが、それをある程度補強するものとなっている。
  • 南極事件でフーレから出てきた機動兵器がメギロートから「第4次スーパーロボット大戦」の敵メカであるガロイカに変更(「第4次」のシナリオ*3が取り入れられた。なお同作の本格再現は「第二次OG」まで待つことになる)。

【OG2】
  • R勢登場
  • 並行世界のキョウスケのアインスト化
  • DC残党軍を率いるロレンツォ、ムラタが新たに登場。ちょくちょくちょっかい出して来る。
  • アクセルの性格と設定の変更。これにより、シナリオデモで顔グラが常時悪人面だったGBA版の悪夢を回避した。
  • イベントCGの追加
  • 最終面の仕様が変更。特に裏ボスラスボスになっている。
  • ライン・ヴァイスリッターが元に戻らない。



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最終更新:2025年06月05日 11:00

*1 OG2ではモノリスに移籍して忙しく、参加できなかった。

*2 当初OGSは別のプロデューサーが担当していたが降板する事になり、ディバイン・ウォーズの製作に参加していた寺田Pが後任としてDW製作終了後に開発に参加し、既にモノリスに移籍している森住Pらとシナリオを詰めて寺田Pの自宅で24時間体制で書き進めるという過酷な状況になっていたとされる。

*3 厳密に言えばこのシナリオのベースになっている「第2次」でも、最初から「第4次」の敵勢力が関与していたという設定になっておりより原作に近づけた形になっている