青眼の光龍

登録日:2014/02/12 Wed 23:00:00
更新日:2025/06/27 Fri 16:42:22
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全てを消し去る光の龍! 現れるがいい! 青眼の光龍(ブルーアイズ・シャイニングドラゴン)!!


2004年8月に全米で公開された劇場版遊戯王デュエルモンスターズ 光のピラミッド』に登場したモンスター。
属性・種族・攻撃力・守備力はすべて《青眼の白龍》と同一であるが、レベルが10であり、効果モンスターである点で一線を画す。

青眼の究極竜》から進化する、《青眼の白龍》の最終進化形態である。
名前の漢字が『龍』から『竜』になって最終的にまた『龍』に戻ってきた。

究極竜と比較すると、首が3本から1本に戻り、腕はなくなり、レベルも12から10になっているため、弱体化のようにも見える。
まぁ、《青眼の白龍》の最終進化形態なのでそこら辺はご愛嬌。

映画におけるテキスト

効果モンスター
星10/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在する「青眼の究極竜」1体を生け贄に捧げて特殊召喚する。
このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在するドラゴン族モンスター1体につき300ポイントアップする。
このカードが受ける魔法・罠・効果モンスターの効果を、このカードに対してのみ無効にする事ができる。
また、このカードを生け贄に捧げる事で、フィールド上に存在するカードを1枚破壊しなければならない。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

ペガサスによって作り出された三幻神の対抗カード。
このカード自身が別作品とは言え、すでに三邪神なみの力を持っているあたり説得力がある。

バトルシティ編で遊戯に敗れた海馬がペガサスとのアンティ決闘で勝利し、《光のピラミッド》と共に入手した。

その後圧倒的な耐性とずば抜けた攻撃力、そして究極の絶対破壊能力で遊戯を追い詰めた。
その後、このデュエルが仕組まれたものだと知った海馬は、第3の効果で自身を生け贄として《光のピラミッド》を破壊しようとしたが、
突如現れたアヌビスの手によってデュエルは実質的に中断されてしまう。

アヌビスの出現後も遊戯の《死者蘇生》によって復活し、劇中で何回か破壊効果を使用している。

攻撃名は「シャイニング・バースト」
無効効果名は「シャイニング・フレア」
破壊効果名は「シャイニング・ノヴァ」

白龍3体を生け贄にした究極竜を更に生け贄にするという非常に重いコストの割に攻撃力はパッと見で1500もダウンしているが、正規の融合を経ていれば、召喚の為に墓地に送った白龍3体+究極竜の加算で実質打点が4200になるので、そこまで差は無い。
寧ろドラゴンテーマデッキなら、ターン経過する程に墓地肥やしでのドラゴン族の加算分により凄まじい攻撃力となっていく。
その上で一定の破壊耐性を持つ為、伊達に究極竜を犠牲にしていない。


2004年には『ザ・ヴァリュアブル・ブック7』の付録として、《光のピラミッド》と共にOCG化を果たした。
当時の環境下ではアニメ効果だと対処手段がないと判断されたのか、召喚条件が重い割りに大幅に弱体化してしまっている。

OCGにおけるテキスト

効果モンスター
星10/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「青眼の究極竜」1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードの攻撃力は、自分の墓地のドラゴン族モンスターの数×300アップする。
(2):このカードを対象とする魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。
その効果を無効にする。

通常召喚できない特殊召喚モンスターで、墓地のドラゴン族の数を参照して攻撃力を上げる効果があるのは映画版と同じ。
ただし、特殊召喚方法が《青眼の究極竜》をリリースした場合のみに限定された。
これにより《死者蘇生》などの蘇生カードを使用できなくなり、劇中の再現も不可能になった。

さらに絶対破壊能力がなくなり、(2)の無効効果も対象を取るもののみにと限定的に。
OCGで頻繁に使用されていた《地砕き》や《聖なるバリア −ミラーフォース−》で簡単にやられてしまうようになる。

ファンからは弱体化がかなり惜しまれていたのだが、5D's以降は
  • 破壊以外の対象を取る単体除去や、汎用性の高い破壊無効カードの増加
  • 全体除去カードの大幅な規制
といった要因が重なり、耐性は相対的に少し強力なものとなった。

(2)についてもう少し詳細に説明すると、「対象をとる魔法・罠・モンスター効果を、コントローラーが任意で受けるか受けないかを決めることができる」誘発即時効果である。
オベリスクの巨神兵》《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》などの「対象に取られない」永続効果とは違って、何らかのカードの効果で対象を取られた際にチェーンして発動する形となる

何でもかんでも強制的に無効にするわけではないので、相手が発動した不都合な効果はシャットアウトしつつ、こちらは《突進》や「禁じられた」を使用したり、装備魔法を装備させたりできる。
「1ターンに1度」「同一チェーン上では1度まで」という制限も無いため、対象を取るカードに対しては優秀な耐性を持っていると言える。

ただし、以下のように意外と穴も多い。
  • 《死霊騎士デスカリバー・ナイト》など、対象に取らない効果や、永続効果には無力
  • 攻撃の無力化》のような、「対象を取るカウンター罠」はルール上チェーンができず、無効化もできない
  • 無効にするのは「効果」であって「発動」ではないため、ダメージステップには発動不可
攻守を変動させるコンバットトリックはダメージステップ中に使用される物が多いため、3000打点と(1)の強化があるとはいえ、注意が必要。

《青眼の光龍》ならびに《青眼の究極竜》の出しやすさについてだが、カードプールの増加によって改善はされている。
  • 1枚でEXデッキから直接《青眼の究極竜》を引っ張り出せる《デビル・フランケン》《融合強兵》
  • 場と墓地で《青眼の白龍》として扱われるため、融合素材の枚数をカサ増しできる《青眼の亜白龍》
  • 《青眼の光龍》に対応したサーチカードである《ドラゴン・目覚めの旋律》《エクリプス・ワイバーン》
加えて、ストラクチャーデッキの「青眼龍轟臨」「青き眼の光臨」による【ブルーアイズ】そのものの強化の恩恵もある。

ただし、上記のデッキはシンクロ召喚軸の強化という面が強く、究極竜については実質ノータッチ。
このカード自体は《竜の霊廟》の登場などで多少は恩恵を得ているものの、それによる変化は劇的と言うほどではない。
これでもこれだけの青眼やドラゴン族サポートに対応している時点で、対となる《黒の魔法神官》より遥かにマシではあるのだが……

そして光のピラミッド公開からおよそ12年後に新作映画『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』が公開。
同作にて青眼関連モンスターとして新たに《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》《ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン》が登場。

効果はOCG観点的には、カオスMAXはイラスト耐性が、ディープアイズはデザイン墓地のドラゴン参照がそれぞれ光龍を彷彿させる。
しかし、耐性の堅牢さ・墓地のドラゴン参照のダメージ効率・安定した攻撃力・出しやすさ等は、10年前のカードという事もあり光龍が圧倒的に劣るのが実情。
「他のカードでいい」という結論に達してしまうのは変わらない惜しい存在で、再録されたものの、ファンデッキくらいでしかお呼びが掛からない。
せめて劇場版のテキストだったなら、《究極竜魔導師》採用型の【ブルーアイズ】で採用の余地があったかもしれないのだが……

【余談】

デザインは我らが高橋和希画である。それゆえか後の《セイヴァー・スター・ドラゴン》とはデザインが微妙に良く似ている。
またちょっとした余談だが、両者とも『冥界の王』を倒したワイバーン型ドラゴン族モンスターである。



究極の追記・修正から生まれる 全てを消し去る光の龍! 現れるがいい! 良項目!!


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最終更新:2025年06月27日 16:42