シーマイン

登録日:2014/06/08 Sun 19:19:13
更新日:2023/09/10 Sun 11:12:34
所要時間:約 4 分で読めます






美しい物を見ながら死にたいのならば、水中都市に攻めこめばいい。



シーマインとは、デュエル・マスターズのクリーチャーである。

▽目次

【概要】

記念すべき初弾である、『DM-01 第1弾』にて収録。レアリティはベリーレア。

DM-01では、今もなお愛される、様々な高レアのカードを求めて購入した人は多いだろう。例えば



などだろうか。

今ではもう通用しないカードではあるが、DM初期には高い人気を得たクリーチャーである。
特に《ボルシャック・ドラゴン》や《クリムゾン・ワイバーン》は後に、様々なリメイク版も登場した。

しかし、DM-01はデュエル・マスターズ初のパック。それ故に、全ての高レアカードが強いわけではない。
特に、初期環境から既に使われなかった高レアクリーチャーも、数多く存在する。

そのDM-01から既に産廃扱いされ、当てた瞬間から、購入者を悲しませた高レアカードが存在する。

そんなカードの代表的な存在、それが《シーマイン》である…



【それではご覧いただこう】

シーマイン VR 水文明 (6)
クリーチャー:フィッシュ 4000
ブロッカー

終わり。なんだこれ。

コストの割には、特に高パワーや、何らかの特殊な能力があるわけでは無い。持っている能力はブロッカーだけ。ウッソだろお前!
一応、初期の水文明のブロッカーでは珍しい、相手プレイヤーを攻撃できるブロッカーではある。

実はシーマインは、DM-01の『相手プレイヤーを攻撃できるブロッカー』のサイクルのカード。
そのサイクルの中では一番のパワーとレアリティのカードなのだ。だからどうした。

では性能の方を見てみよう。

コストは6でパワーは4000。中型クリーチャーである。

まず問題なのが、コストが中途半端に重い。
初弾の時点で、6コストには《ボルシャック・ドラゴン》を初めとしたパワー6000以上のクリーチャーが存在している。

パワーも4000と貧弱。
前述で述べたように、6コストもあればもっと強力なクリーチャーが召喚できる。
というか、初弾の時点で既に、5コストで4000以下のクリーチャーを破壊できる《トルネード・フレーム》なる呪文が唱えられる。

こうなったのも、や水のブロッカーの特徴である『攻撃が出来ない』能力が存在しないため、このような性能になったと思われる。
しかし、初期のコスト論で見ても、シーマインはパワーを1000は損をしている。
当時の開発陣が「基本攻撃できないブロッカーが攻撃可能」という点を過大評価していた可能性すら存在する。
今はともかく、後述するが当時のパワー的にタップが必要なブロッカーと攻撃動作って元々相性悪いのは目に見えていたはずなのだが……。

肝心の『攻撃できる』性能も、コストが重ければ意味を成さない。
まずクリーチャーを攻撃するにも、6コスト域のクリーチャーとしてはパワーが足りない。
仮に殴り倒せても、他のクリーチャーに攻撃されるのがオチである。
シールドをブレイクするにも、6コストの他のクリーチャーにはW・ブレイカー持ちが基本であるため、厳しい。

こう言ってはなんだが、そもそも初期のブロッカーに求められたのは『コストに見合ったパワーと徹底的な守り』なのだ。
態々、『攻撃する』ためだけにパワーやコストを損してしまっていれば意味がない。
もっとも、今でこそインフレの影響で、強力な攻撃が可能なうえにブロッカーを務められるクリーチャーは多い。
しかし初期のコスト論やインフレが起きていない時代では、攻撃と守りの両方が可能な性能を手に入れることは難しい。

誤解のないように言っておくが『攻撃が出来るブロッカー』のコンセプトは悪くは無かった。
上述したように、現状のDMにおいて攻撃のできる強力なブロッカーなどは(そもそもブロッカーが存在しないを除いて)文明を問わずに多数存在するのがその証明だろう(ブロッカー自体はメタカードも多いが)。
だが、シーマインは生まれる時代を間違えた(これはシーマインに限らずDM-01の攻撃可能ブロッカーサイクル全体に言えるが)とも言えるだろう。

なお、種族フィッシュである。
言うまでもないが、フィッシュはDMでもトップレベルの不遇種族である。
数も少ないので、ファンデッキを組むことも出来ない。

ちなみに初弾のカードのくせに、種族の命名ルールを守っていない。
初期なので方針が固まっていなかったのか、或いは既に最初からフィッシュが軽視されていたのか、現在まで真相は不明。

同じく命名ルールを守っていないフィッシュには《ワダツミ・フィッシュ》が存在する。
しかし、こちらはオリジンとの複合種族なので、命名ルールが変わっていても不思議ではないので問題はない。

なんと言っても一番の問題点は、レアリティがベリーレアであることだろう。
同じレアリティのカードである《ボルシャック・ドラゴン》などを期待して、パックを開けた多くの人間の心を打ち砕いたと言われる。
フレーバーテキストで語られている心境と同じ気分になった、という体験談も報告されている。


登場当時から現在まで散々な評価をされているシーマインだが、評価できる面もある。

まずはそのイラストだろう。
その幻想的なデザインは見ていて、本当に飽きない。レアリティの輝きと組み合わさって、完成度が本当に高い。
ファイルに一枚ぐらい保管しておいて、観賞するのも悪くない。

後はフレーバーテキストだろうか。
初期の背景ストーリーの雰囲気を表しており、なおかつ水文明の特徴を上手く表していると言える。
やっぱり、初弾からハズレアのFTは力が入っていたんだなぁ…



【関連カード】

キング・クラーケン UC 水文明 (3)
クリーチャー:リヴァイアサン 1000
ブロッカー

DM-01の同サイクルの一枚。シーマインとは仲間である。
こちらも攻撃できるブロッカー。

今でこそ、上位互換のカードが出ており使われることは少ない。
しかし、最軽量のリヴァイアサンであり、《レジェンダリー・バイロン》の進化元としても使われていた。

少なくともコストが軽いので、シーマインよりはずっとマシ。

嘆きの影ダーク・レイブン UC 闇文明 (4)
クリーチャー:ゴースト 1000
ブロッカー

これも同様のサイクルカード。

シーマインよりはマシだが、コストパフォーマンスは悪い。
しかも、上記の《キング・クラーケン》からしてみれば、こいつは文明は違えどほぼ下位互換。

滅びの影ナイト・マスター R 闇文明 (6)
クリーチャー:ゴースト 3000
ブロッカー

またもや同サイクルのカード。

パワーも高くなく、コストも重い。
文明は違えど、種族の優秀さ以外は性能を見ればシーマインの下位互換。

しかし、こいつだけはまだ救いの光は灯っていたのだ。

長い年月を経た、DMR-05で《拷問の影カワハギ・ジャケット》が登場。
カワハギの能力で、ナイト・マスターのリアニメイトが可能になった。

これにより、カワハギで呼び出せるゴーストのブロッカーとしての地位を得る。
どちらにせよ弱いカードではあるが、ゴーストの種族デッキを作る際にはお呼びがかかることも増えてきた。
しかし、後に《衰えの影ナイト・エルダー》が登場した事でその利点も失われ、完全に引退状態となっている。

バウンサー・イール C 水文明 (6)
クリーチャー:ゲル・フィッシュ 4000
火・自然ブロッカー(相手の火または自然のクリーチャーが攻撃するとき、このクリーチャーをタップして、その攻撃を阻止してよい。その後、その相手クリーチャーとバトルする)

DM-05で登場したゲル・フィッシュ。
唯一の能力であったブロッカーまで劣化してしまった、まさかの同文明かつ下位互換のカード。
種族もほとんど変わらないため、ここまで来ると《メテオレイジ・リザード》と張り合えてしまう程のスペックになる。
一応、バウンサー・イールよりシーマインの方がレアリティが高いのだが、
初出の期間が1年も開いていないベリーレアとコモンが比較されるというのも悲しい話だろう……

戦攻魔海 アラジル C 水文明 (6)
クリーチャー:オラクル/アースイーター 4000
ブロッカー
このクリーチャーが破壊された時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。

能力だけを見れば、シーマインのほぼ完全上位互換である。
まぁ、こちらもほぼ使われることは無いが。

だが実はこのカードはシーマインと共通点が存在する。

実はスペックがシーマインに似ているだけではない。
さらにフレーバーテキストに『その結末はイカに!』というテキストが出てくるが、シーマインはイカに似ている。

このことからシーマインとの背景ストーリーでの関連が疑われている(実際にはないだろうが)。

龍装艦 ゴクガ・ロイザー SR 闇文明 (6)
クリーチャー:ドラゴンギルド/ムートピア 4000
ブロッカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを2枚引く。
呪文の効果によって相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選ばれない。
呪文を自分の手札から唱えた時、その呪文を、墓地からコストを支払わずに唱えてもよい。

誰が読んだか、異名「超覚醒シーマイン」

見ての通り、殿堂入り呪文の連打やランデス呪文の嵩増しなどに役立つ。しかも呪文耐性があるので場持ちもする。

このクリーチャーですら双極篇の一時期に少し流行しただけと聞けば、当時の環境のインフレ具合が分かるだろう。

まぁ少しでも場に残したいスペックが革命チェンジとアンチシナジーだったり、非力故にクリーチャーによる除去に弱かったりと、それほど活躍しなかっただけの欠点はあるが。

天空の守護者 グラン・ギューレ VR 光文明 (6)
クリーチャー:ガーディアン 9000
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。

同弾で出た光文明のベリーレア。シーマインと同じレアリティ。シールドに攻撃できないがパワーがシーマインより5000も上(登場当時上回れたのは同じ光文明でスーパーレアの《光輪の精霊シャウナ》しかいなかった)

種族もガーディアンと恵まれている。光文明は守りが得意という設定に準じてこのようなコストパフォーマンスになったのだろうがシーマインとあまりにも差があり完全上位互換にすら思えるレベル。

…まぁどっちも次弾で出る《クリティカル・ブレード》で2マナで真っ二つになってしまうのだが…



デュエル・マスターズ プレイス

DMPP-01 第1弾「超獣の始動 -MASTER OF DUEL-」に収録。
プレイスでもカスレアとしてユーザーを苦しめるのかと思いきや、なんとレアリティがコモンにまで一気に降格した
種族設定に反して違和感のあるカードデザインも特に問題視されなかったらしく、《ミラフォース・ドラゴン》のような変更措置は行われていない。

ようやくレアリティがスペック相応に見直されたので、ある意味ハズレアの汚名は消えることになった。
しかし、スペック面での調整が一切行われていないままなので、レアリティが本家と違って相応な設定であったとしても、結局使う理由はないのだ…。





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最終更新:2023年09月10日 11:12