ビシソワーズ兄弟(コロッケ!)

登録日:2014/11/01 Sat 23:22:18
更新日:2025/03/31 Mon 21:53:13
所要時間:約 10 分で読めます




やつらはビシソワーズ家の兄弟じゃ!!

かつて、わしがバン(キング)に願って二度とこの世界で暴れぬよう、
封印したやつらじゃよ!!


ビシソワーズ兄弟とは、かつてコロコロコミックで連載されていた漫画コロッケ!の登場人物。
作中における、実質的なラスボスである。

概要

はるか昔、コロッケの父バーグタロの二人を相手に、星一つを消滅させる力を持つ「ブラック禁貨」を巡って三日三晩の死闘を繰り広げた極悪バンカー集団。
とどめを刺される直前にタロが偶然最後の禁貨を見つけバン王を呼び出し、「ビシソワーズ家の兄弟を人目のつかぬ所に封印してほしい」と願ったことにより、ピザの斜塔に封印された。
なおバンカーサバイバル編でタロは自分の願いが「世界一のダジャレ名人になる事」とコロッケらに語っており、「願いを叶えてもらった割にはダジャレが面白くない」とプリンプリンに突っ込まれていたのだが……これがまさかの伏線だったとは誰が予想していただろうか。

裏バンカーサバイバル編のラストにて、ピザの斜塔内で行われた非情な戦いに敗れていき、壁に埋め込まれた仲間たちを復活させるため塔を倒したことで、塔に封印されていたビシソワーズ兄弟も復活した*1


その実力は実質的なラスボスと言うだけあって作中最強候補であり、5対2とはいえ当時最強クラスだったと思われるバーグ、タロの二人を相手に圧倒する程。
兄弟全員に体のどこかに十字模様のアザがあり、そのアザがビシソワーズ家である証である。なお、アザのある場所が判明しているのは、スズキの首元とレモネードの左肩のみ。

ただし、同じく作中最強候補でありその伏線や過去も作中全般に及ぶ物だった裏バンカーサバイバル編のボスキャラであるDr.フォアグラーの存在に比べると、
ぽっと出の彼らがラスボスと言うのは何処か納得出来ない読者もいるかもしれない。

ビシソワーズ(Vichyssoise)とはご存知の通り、フランス料理の一つでジャガイモの冷製ポタージュスープのこと。
当初グァバ兄弟と名付ける予定だったが、これでは南国っぽくて陽気になってしまいがちということで、彼らに付きまとう「冷たさ」をイメージするものとしてこの名がついた*2


以下ネタバレ












その正体は地球のバンカーではなく、「マッシュ星」と呼ばれる別の惑星から地球にやってきた宇宙人である。
マッシュ星の軌道上に地球の軌道が重なっており、このままでは惑星同士が衝突し、マッシュ星が壊滅してしまうため、地球を破壊することを目的としている。
そもそもコロッケ!の世界は地球だったのか、とか言ってはいけない。

そのため、地球を消滅させるべくブラック禁貨を探しており、封印から目覚めた後はこのブラック禁貨の在りかを知っているバーグを探している。


メンバー

兄弟と呼ばれているが血の通う実の兄弟ではなく、マッシュ星各地より集められ、マッシュ王直属のスパイ集団として兄弟の同然の様に育てられたエリート集団である。いわば義兄弟。
CVコロッケ!DS 天空の勇者たちのもの。
原作で本格的な活躍をする前に先駆けて登場したため、原作と性格設定が異なるキャラが多い。


  • ユバ
CV:羽多野渉
本作のラスボス。
金髪碧眼の青年で、前髪で常に左目が隠れている。
明確な描写はないが、ブーケガルニとスズキからは兄さんと呼ばれており、5人の実質的なリーダー。
背中から6本の棘のようなものが生えており、そこからレーザーを射出したり必殺技を放つほか、体に巻きつけることで敵の攻撃を防御することもできる。

与えられた任務を全うすることこそが自身の生きてきた証=人生と考えており、リゾットに『地球を消し去ったらお前たちも消えてしまうんだぞ! それでもいいのか!?』と言われた際は『マッシュ王の為ならば、ぼくらの命なんて関係ない』と答えたり、滅びゆく星から逃げ出そうとした全てのマッシュ星住民をマッシュ王自ら滅ぼしたと知った際も任務を完遂する事だけを考え、自身を説得してきたブーケガルニを何の躊躇いなく消滅させた。

その力はコロッケの登場キャラの中で最強と呼んでも差し支えないほど強大で、
BB7のリーダー・マルゲリータを〝消去(デリート)プロミネンス〟で一瞬で消し飛ばし、弱っていたとはいえキャベツの〝びよーんパンチマグナム〟を防ぎもせず顔面で受け止め、リゾットの全身全霊を込めた特大の〝(ソウル)キャノン〟をもゼロ距離で直撃しながらも防御体勢を取っただけで無傷でやりすごし*3今まで誰にも止められたことのなかったコロッケの超必殺技〝ウードン〟すら簡単に止めてみせた。

自身の部屋でリゾット・キャベツの2人を相手に無傷で勝ち残り、その後のグランドパーティにてコロッケ・ウスター・プリンプリンの3人相手に終始圧倒するも、仲間であるブーケガルニを殺害したことで激昂したコロッケの新型ハンバーガーにて深手を負う。
満身創痍になりながらも、自身の残る全パワーを込めた〝邪神(キング)アンゴルモア〟を放つが、仲間たちの激励を受けて立ち上がったコロッケの全身に炎を纏った渾身のハンバーグーで〝邪神(キング)アンゴルモア〟を打ち砕かれ、敗北した。

最期は戦いを通じて何か思うところがあったのか、最後の攻撃の際にコロッケが落としたブラック禁貨をコロッケより先に見つけつつも、マッシュ星のバンクであるチェリーにブラック禁貨を入れて自らマッシュ星を消滅させ、「命令に背くのは生まれて初めてだ」とどこか満足げな表情を浮かべながら息を引き取った。


  • ブーケガルニ
CV:下屋則子
兄弟の紅一点。
ブラック禁貨を感じ取る能力を持っており、コロッケがブラック禁貨を持っていることを見抜いた。
ゴスロリ風の衣装で赤毛のツインテールにハイライトのない黄色の瞳と萌え要素満載で、おおよそコロコロらしからぬ美少女であり、今でも一部に熱狂的な人気を誇る。かわいい。
初登場時はずっとユバの服の裾を掴んでいた。やっぱりかわいい。
それと同時に後述する〝パペット×マスター〟で味方同士を戦わせると言う非情さをも合わせ持つだがそれでもやっぱりかわいい。

しかし、実力的には兄弟の中でも上位に位置し、兄弟の中で唯一3人同時(フォンドヴォー・ルッコラ・ヤキソバ)に戦いしかも圧勝したり、後述するウズラの発言から兄弟の中でもナンバー2の実力を持つと思われる。

見えない糸で人間・物を問わず思い通りに操る能力・〝パペット×マスター〟を持ち、この能力でフォンドヴォーを操り、ヤキソバを戦闘不能にした。
また、この技で操られている間、操られている人物は声を発することができず、自分が操られていることを告げられないため、周りからは裏切ったように見えてしまう。
現にフォンドヴォーはこれによりルッコラから戦闘中激しい憎悪を抱かせる事となってしまう。

最終的にルッコラの炎で見えない糸が切れ、フォンドヴォーに反撃を許してしまうが、フォンドヴォーが倒したと思っていたブーケガルニは、ブーケガルニが操っていた人形であり、その人形から放った〝ビカ×ビカ〟で3人まとめて葬った。

グランドパーティーではユバと共に戦うも、星から逃げようとしたマッシュ星の住民が全てがマッシュ王の手で抹殺されたことを知ると、マッシュ王に騙されていたと動揺・絶望する。
地球を破壊することの無意味さを悟り、みんなで新しい人生を始めようと涙ながらにユバを説得するも、任務に憑りつかれたユバの〝消去プロミネンス〟により消滅した。

ゲーム版ではユバを「ユバ様」と呼ぶ等、ユバを信仰するキャラに設定されている。


  • スズキ
CV:久嶋志帆
右目にモノクルをつけ、スーツにシルクハット、ステッキ装備という紳士的な出で立ちのショタ。少年と言った容姿ではあるが、時折見せる狂乱の表情はなかなかに恐ろしい。

語尾に「にゃ」をつけて話し、口癖は「スズキ~~ニャ!」。攻撃の際「手品を見せてあげる」と言っていた辺り、連載当時に流行っていた手品師の子供がモデルかもしれない。
手品のような謎の奇術を操り、意のままにコロッケを操り吹き飛ばしたり、キャベツを縛り上げたりした他、物理的攻撃手段としてもステッキを用いる。必殺技は〝運命(デスティニー)ステッキ〟

登場時にバン(キング)をシルクハットの中に閉じ込め、コロッケ達と読者に衝撃を与えた。
コロッケは一度、シルクハットの中に入ったバン王にビシソワーズ家をこの世から消し去る様に願うも、バン(キング)が閉じこめられた〝魔ジカルシルクハット〟は外からの音・光を一切通さないため、叶わなかった*4

ビシソワーズパーティーではコロッケ・レモネードの2人を相手に戦い、自慢の手品で姿を消したり現れたりと翻弄しつつ、互角以上の戦いを見せる。
しかしその後、戦いの際にレモネードにも自分たちと同じビシソワーズ家の証であるアザがあることを発見すると、レモネードの正体がビシソワーズ兄弟末弟のシトロンであることを明かし、共に地球を消滅させようと勧誘。
しかしレモネードのだまし討ちに合い、〝水のレーザー〟で胸を貫かれ温泉の中に沈んでいった。

この一撃で死んだと思われたが実は生きており、最期の力を振り絞って〝(ファイナル)運命(デスティニー)ステッキ〟を放ち、レモネードを消し飛ばし息絶えた。

レモネードを勧誘した際の発言から、任務完遂=自身の死という事実に気付いていなかった可能性もある。もしかしてアホの子?


  • ストロガノフ
CV:三浦博和
大男だが赤ん坊のような恰好をしており、基本的には静かに寝ているがいつも口にしているおしゃぶりを取られると、暴れて手が付けられなくなる。
常に白目を向いており、「バブゥー」や「オンギャー!」などイクラちゃん語しか話さないくせに巨漢とぶっちゃけキモい。

生粋のパワーファイターで、天井に大穴を開けたり、ウスターのツメトギスラッシュをまともに食らっても傷一つつかないタフネス。マウントポジションから一方的にウスターをフルボッコにするが、ウスターにとどめを刺そうと追い回していたところ花を踏みつけ、その事がマッシュ星を見て謎の生物に変身していたT-ボーンの逆鱗に触れ、口から放たれた光線で消し飛ばされた。

他の兄弟と違い、必殺技も持たない上にろくに喋りもしないため、印象に残りにくいキャラ。
一応、ゲーム版では普通に喋る。


  • ウズラ
CV:鈴木琢磨
熊の着ぐるみを着ているようなおっさん。
一人称は「わし」で、広島弁に似た荒い口調が特徴。
何故かとても表情が暗い。ぎゃーーーーす!
もっさりとした見た目通りのギャグキャラであり、プリンプリン・ダイフクーの2人に対し「ユバとブーケガルニにボコボコにされるのが嫌だからわしに勝って」と土下座までした。
この3人の戦いは〝誰がグランドパーティーに行くか〟ではなく、〝誰がグランドパーティーから逃れるか〟に重きを置いた戦いとなっており、互いにグランドパーティー進出の座を土下座しながら譲り合うという、なんともシュールなものになっている。

壮絶な土下座合戦は、ダイフクーと2人仲良くプリンプリンのトラップウンチにかかり、プリンプリンがトイレと思い込んで逃げ込んだドアの先がグランドパーティー会場だったため、結果としてプリンプリンがグランドパーティーに勝ち進む形となり敗北(?)

プリンプリンのことは〝覆面〟、ダイフクーのことは〝もち〟と呼んでいる。

上述の通りいつもグランドパーティーにてユバやブーケガルニに一方的にボコられている事実や、プリンプリンのトラップウンチに引っ掛かり動けなくなっていたり、ダイフクーにすごまれた際には怯んでいたりとイマイチ強さがわからないが、タロによると「ああ見えてもウズラの奴、5人の中で一番えげつない攻撃をしてきてつらかったんだよなァ…!」とのこと。

実際、壁や床をパンチ一つで凹ませたり、一人逃げようとするプリンプリンにマジギレして叩き潰そうとした際に筋骨隆々の巨漢と化していたため、兄弟の中では弱くとも相応の実力者であることは間違いない。今までグランドパーティーに残ったのは常に兄弟5人だけだったという事実を見ても、彼は彼で今までの挑戦者達を毎回下していたのは確かだと言えよう。
また、何気にビシソワーズ家唯一の生存者でもある。

ゲームに登場した際はやたらと「すいません」と謝る卑屈なキャラとなった。













  • シトロン(レモネード)
他の兄姉がバン(キング)により封印されると同時に最後の綱として宇宙船から地球に落とされた彼ら兄弟の末っ子。
その詳細についてはレモネードの項目を参照。





用語

  • ビシソワーズパーティー
邪魔なバンカーを消して楽しむために開催される、兄弟主催のバトルイベント。
それぞれの兄弟が待つ5つの部屋で一斉にバトルを行い、部屋の中で勝ち残った一人だけが決勝戦ともいえる〝グランドパーティー〟へ進む。
今まで何度か開催されていたようだが、その全てで兄弟以外がグランドパーティーに進出したことはなく、いつも兄弟5人の戦いになっていたらしい。

  • ブラック禁貨
かつて一度ビシソワーズ兄弟の手に渡ったが、その後バーグが隙を見て奪い、コロッケに形見として受け継がれることになったハンマーの中に隠していた黒色の禁貨。
地球のバンクに入れれば地球が、マッシュ星のバンクに入れればマッシュ星が滅びるため、最後のグランドパーティーでは、どちらが先に相手の星のバンクにブラック禁貨を入れるかを巡る戦いとなる。



結末

ウズラ以外の全員が死亡する結末となったが、グランドパーティー終了後、コロッケが「この館でやられちゃったみんなを元に戻してほしい」というピザの斜塔で手にした禁貨によって叶った願いにて生き返る。
その後の消息は語られていないが、上記のブーケガルニの発言などから察するに兄弟仲良く地球で暮らしている…と大半の読者は思っていたが…?


「新しいゲーム」

続編の『コロッケ!BLACK LABEL』にて再登場をするが、兄弟の本編後の人生はまさかの事態に陥っていた。

本編後は兄弟は地球に留まらずに5年間は自身の宇宙船に戻って過ごしており、ユバ以外の兄弟は地球の将棋などの文化で渋々暇潰しをしていたが、スズキなどは故郷も生きる目的も無ければマッシュ星人の寿命は地球人の百倍もあるという事態に悩んでいた。
ブーケガルニやスズキは地球上でコロッケや末っ子であるレモネードが凶悪なバンカー達を相手に激戦を続けていたことから援軍の意志を見せるのに対してユバは地球への不干渉の意志を表明した直後、コロッケがバン王の力で全世界のバンカーを消滅させるが、兄弟は宇宙空間にいたことからバン王の力が干渉出来ずに生き延びることになる。

地球が平和になったことから、自身の戦闘力が地球人よりも高すぎることを不安視したユバ以外の兄弟は地球への移住を決意し、兄弟は事実上離散。
この際にスズキがかつて役に立つことを考えて密かに集めて持ち歩き、結果的にバン王の干渉を回避して残った地球上の大量の禁貨を宇宙船に放棄するのだが、これが悲劇の始まりとなった

更に五百年が経過してもなお宇宙船で一人孤独に過ごすユバは、バンカーが消えても戦争を続ける地球人を「欲深く無能」と認識して、人類のために優しいコロッケが消えたと憤慨すると同時に異常な様子を見せ始める。
その時にスズキが残した禁貨が目に入ったことでユバは悪巧みを思い付き、地球に降りるとその禁貨を利用してバン王を500年ぶりに地球上に呼び寄せ、全バンカーの復活を願って「新しいゲーム」を宣言する。

『BLACK LABEL』で一部のバンカーの姿や性格が復活前と変わってしまったのは、ユバがあまりにも多くのバンカーの復活を願ったが故のバグ現象だった(バン王にも実行前にそれは警告されている)。
更に(正確な時系列は不明だが)過去の存在となっていたバンカーとして生まれたグランシェフ王国の王子のシャトーブリアンの精神内に正体を隠して潜入、彼の感情が安定しない不安定な性格に呼びかけて負の意識を煽ることで悪党として育て上げてバンカーによる数々の災いを呼び起こすなど、黒幕として活動を続けた。
第2回次の王様だ~れだ大会で最終的にリゾットと分かり合い始めたシャトーブリアンを用済みと判断すると精神世界から肉体を殺害して出現。
再会したコロッケが現実を受け入れ切れていない中、ユバは外道としての発言を繰り返してコロッケを失望させる。

一方でユバ以外の兄弟は地球各地で現地人と馴染んだ生活を送っており、ブーケガルニに関しては地球人と家庭を築いて子供まで生んでいた。
ところがユバが第2回次の王様だ~れだ大会に現れた中継映像を見ると現地に集結して再会を果たし、地球を混乱させる兄を止めることを決意するが…。




追記・修正はグランドパーティーに進出できた人にお願いします。

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最終更新:2025年03月31日 21:53

*1 もともとピザの斜塔はビシソワーズ兄弟を封印するため、バン王(キング)によって建てられた塔だった

*2 単行本13巻収録「コロッケ!うら話 その3」より

*3 ただし防御体勢を取らされてしまったこと自体は本人にとっては屈辱だったらしく、苛立ちを露にしていた。

*4 しかも、魔ジカルシルクハットに入れられたものは一週間で完全に消滅してしまうため、放っておくと二度とバン王(キング)を呼び出せなくなってしまう