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星のデデデ(アニメカービィ)

登録日:2011/06/24 Fri 10:52:55
更新日:2026/02/14 Sat 23:26:57
所要時間:約 10 分で読めます




わしが正義のデデデぞい!……絵はまだか!?
んなこと言ったって…ああ…もう限界でゲス…
参ったかカービィめ、悪のピンクボールめ!正義のデデデの力、思い知ったか!



「星のデデデ」とは、テレビアニメ版『星のカービィ』第49話「アニメ新番組・星のデデデ」に登場した劇中劇のことである。
サブタイトルは「ふとった訪問者」魔獣が羊を吸い込むシーンなど、内容の大筋はアニメカービィ第1話「出た!ピンクの訪問者」が元ネタになっている。


概要

デデデ大王設立のアニメ制作スタジオで生まれた、チャンネルDDDのアニメーション作品。
元はフームが子供達にパラパラ漫画を見せる光景から着想を得ており、プププランド初のアニメ番組をホーリーナイトメア社がスポンサーのもと*1、全宇宙に放送して大儲け……というデデデの欲にまみれた動機からスタートした経緯がある。

スタッフや声優は城の者も複数参加したが、大半は求人を見て応募してきた村人達。
ほぼ村一丸のような雰囲気で制作が進められた。


が、色々あってその出来はとても鑑賞に堪えない最低品質のアニメーションである。
放送日の決定によるスケジュールの圧縮、過酷な労働環境に加えて、そもそもアニメ分野で素人の集団がいきなりクオリティーの高いものを円滑に作れるわけがなく、必然の結果となった。
それでも一応、フームなどの一部スタッフがクオリティーアップに尽力していたのだが、制作中の作品をデデデが無断で「星のデデデ」に変更するという暴挙をしでかしたため、全員の努力は台無しに。
このせいで修正の余裕すら無く、遂にはぶっつけ本番で放送中に生アフレコするという前代未聞の策に打って出た時点で、制作体制のグダグダっぷりが知れるというもの。

その筆舌に尽くし難い問題点の数々は後ほど……。

本当に酷すぎたせいで、劇中の最終的な視聴率は不名誉極まる0.001%を記録したらしい*2


関係者

事の発端。
最初は自分が正義の味方のアニメを作らせようとするも、結局カービィが主役に据えられたことが気に食わず、後で内容を自分主役・カービィ悪役のアニメ「星のデデデ」に無断で改変してしまう。
ただでさえ素人作業の現場だったというのに、この身勝手な変更が史上最低のアニメを世に送り出してしまう……。そして史上最低記録は1年足らずで更新された
プロデューサーとしても横暴そのもので、放送日の決定に関してアニメーターの村人達から文句をつけられた時は「黙れ!我が国はあくまで独裁国!悪の枢軸ぞ~い!!」強引に働かせ、作画の酷さをスタッフに責任転嫁する始末。
アフレコ時には酷い棒読みをかます一方、「死んでも合わせるのが声優ぞい!」中の人を覗かせたような名言が飛び出した。

頑張りも虚しく放送は大失敗に終わり、カスタマーサービスからの損害賠償請求を逃れるために「タダで続きを作る」と苦し紛れの代替案を通したのだが、
散々な目に遭った村人達が二度と手伝ってくれないのは明白であり、声に至っては全て自分が担当(そもそも自分のセリフしか用意しなかった)するハメになった。

監督とは言うものの、実際に一番頑張っていたのは下記の作画監督である。にもかかわらず絵の酷さを作画監督のせいにした。
こっちもアフレコ時にはデデデと棒読みで中身のない掛け合いを繰り広げた一方、「こうなりゃ得意のアドリブでごまかすでゲス!」中の人の名言が飛び出した。

  • 作画監督 フーム
意図せずしてデデデにアニメ作りの発想を与える。
素人ばかりのアニメーター達をまとめ上げ、カービィ主役の「星のカービィ」を完成させようと頑張った。
しかし、そんな努力もデデデのせいでパーにされ、挙句カービィが魔獣扱いされたことに憤慨。
最低な出来の「星のデデデ」にはアフレコに参加した家族と共に文句を垂れまくった。

  • シナリオライター パーム大臣
良いアニメを作ろうと夜なべして考え、徹夜で脚本を完成させた。
だが、身を粉にして書き上げたストーリーは最悪の形で無に帰してしまった……。脚本書かせる意味あったのかな

スタッフとしての他、面接も担当。

  • 村人達
デデデの求人をきっかけにアニメーターとして応募した村人達。
元々アニメ作りの経験など皆無である為、全員絵が下手くそな上に知識も技術も足りず、編集作業の際には着色されてないミスが発覚、絵の具を頼まれたコックカワサキがケチャップとマヨネーズを出す……と、呆れかえるほど素人の集団であった。
特に絵の下手さ加減たるや酷いもので、デデデマンの怪物的作画の数々を見せられたデデデがドン引きの末にショックで卒倒するレベル。
ちなみにレン村長とボルン署長も声優および登場人物として参加するが、出番はたったの約3秒。
「わしらはどこへ…」「逝っちゃったんですかな?」

  • カービィ
同じくアニメーターとして参加するも、キュリオのカメラ作業を邪魔したり*3、作画も落書きレベルだったりと正直あんまり貢献していない。
「星のデデデ」内で魔獣にされていることは前述の通り。本人は不快に思うでもなく、むしろ終始楽しんでいた。こちらも本人役で声優として登場するが、一番上出来という意見もある。

声優としてのみ参加。
放送しながら声をあてるという策には「ぶっつけ本番でアフレコとは…正気の沙汰ではない」と呆れた。
更にアフレコの際、かなり不服だったのかとある場面では舌打ちしていた。
「やった!あれぞ、ファイアデデd…チッ、締まらないな、これでは……」

  • カスタマーサービス
デデデからアニメ作りの話を持ちかけられ、スポンサーとして協力。
しかし放送日を一方的に言い渡し、現場を混乱させたことも。
実際に放送された「星のデデデ」の記録的(最低)視聴率にはも900億デデンの損害賠償を請求し、代わりに前述の条件を呑むが……。


問題点の数々

シナリオが稚拙

基本的に「出た!~」の内容に沿ってはいるのだが、はっきり言って稚拙の一言に尽きる。
カービィに襲われている最中にいきなり味方同士(もちろんデデデとエスカルゴン)の長ったらしい会話が始まり、おまけに中身の無い台詞*4ばかり。
フームの発言から、差し替えられる前はまともな台詞だったようだが、実際に放送されたのはデデデをダラダラと褒め称えるセンスゼロの会話シーン……。
下記の劇画調デデデ&エスカルゴンもこの時に出たものであり、露骨な尺稼ぎと思われても仕方ないグダグダのしどろもどろなシナリオである。

演出がチープ

上記の会話シーンにも絡む問題点だが、アニメとしての演出・技術が安っぽいにも程がある。
動かすのが大変だからと作画コスト削減のために、キャラクターは棒立ちで喋らせ動くのも口だけ。
それらを誤魔化すためにカメラワークを駆使し、横移動やズームアウトで動いているように見せかけているという無残な有様。

この時点でも詐欺と訴えられても文句を言えない駄作なのだが、これでさえ可愛いもの。真の問題はまだある。

作画のクオリティーが(低い寄りに)不安定すぎる

このアニメで一番の問題点。
3DCGによるOP映像までは(デデデ中心に改変されていることを除けば)まだ普通ではあったのだが*5
肝心要となる本編は作画がガッタガタに崩壊、ありとあらゆる線が毎フレームグニャグニャに歪んでいるという凄惨な映像。この時点で肩を並べるアニメはロボ刑事番長くらいしかない。
全体的に子供の落書きがそのまま動いているかのような、見ていて不安になってくる映像が延々と続く。

特に冒頭の、宇宙の美しさに魅了されるカービィを元ネタにした場面は凄まじい改悪を受けており、
もはや原型をとどめていない魔獣デデデがアブナイ薬でもキメたかのようなきったない笑顔を画面に向ける様はインパクト抜群。
かと思えば、突然異様にイケメンな劇画調のデデデやエスカルゴンが現れる*6など、振れ幅が激しく常時カオス極まる。

それ以外にも未着色の作画が映されたり、絵コンテをそのままお出しされていたり、最後にはカービィが描き足した落書きが「おたよりコーナー」のように垂れ流されたり……と、スケジュールのカツカツっぷりを考慮してもアニメ制作以前の問題、言葉も出ない領域にまで達している。
おまけに最後はフィルムが焼き切れて放送中止となり、エンディングまで流し切ることすらできていない。もう作画すら関係ない放送事故である。
だが全部の作画がダメかと言うとそうでもなく、デデデがワープスターに飛び乗るシーンはやけに完成度が高く*7、本人も「出来のいい作画だぞい……」と掛け声も忘れて感動するほど。

大多数のスタッフが数日かけて関わって(勿論デデデの無断改変のせいも含まれるが)このザマなのだから、村人抜きのデデデとエスカルゴン、ワドルディ達だけで制作された第2話は更に酷く、
デデデ以外の総出でリアルタイムの作画を行い、第1話以上に落書きレベルの映像で村人達から大絶賛された。
フーム曰く「ひどさも極めると、芸術ね」。


余談

  • この「星のデデデ」はアニメ制作風景からアフレコに至るまで、オタクになればなるほど笑えない笑いに満ちた名言で占められている。
    • (逆)作画崩壊と「おたよりコーナー」ばかりがネタにされるが、「格別に安いギャラで使ってやる」「好きでやってる連中は給料安くて済む」「アニメーターにも基本的人権はある」と、アニメでアニメ業界を皮肉った台詞も多い。これを見ればある程度作画崩壊にも寛容になれるはずだ。むしろ作画崩壊大歓迎

  • 「わが国初のテレビアニメ」とあるが、第5話ではロボットアニメ(第15話にてこのアニメに登場するロボットの玩具が売られているのが確認できる)がチャンネルDDDで放送されている。このアニメは誰が作ったのだろうか?
    • メタ的には初期のエピソード内の描写であるため、「星のデデデ」時点では無いものにされているか制作サイドに忘れ去られた可能性が高い。真面目に考えるなら外部委託(なので純粋な国産ではない)ということか?

  • ぶっつけ本番のアフレコでの配役はそのままだが、コックカワサキがカブーの声(「ワープスター!」)を頼まれ、フームに褒められるほどの熱演を見せるという一幕がある。
    カワサキとカブーの声優が同じ飛田展男であることから来てると思われるネタであり。この他にもサモ、カインマッチョサンなど、このアニメだけで一人で実に10役以上を演じている。
    この演技のすごいところは、たった6文字にもかかわらずカブーの声ではなく「カブーの声を演じる緊張したコックカワサキ」の演技で、それが完璧だということだ。

  • 魔獣がカービィになっている件だが、ゲストキャラとしてではあるものの『ゼルダの伝説 夢をみる島』では実際に敵として登場した。開発スタッフはキャラクター使用許可を取っていたかどうか覚えていないとの事。別の意味でヒーローだったりする

  • なおぶっつけ本番のアフレコについて真面目に解説させてもらうと、1950年代はまだ録音機材が未発達だったため、洋画の吹き替えは実際に生放送で映像に合わせて行われていた。昔は大山のぶ代や野沢雅子なんかがそういう裏話を話すことがあった。
    そう考えると、『星のデデデ』のアフレコ方式はある意味先祖返りしていると言えるかもしれない…… そんなわけあるか!!

  • 他作品の話になるが、作画崩壊だけなら「ガンドレス」というこれに勝るとも劣らぬ伝説の作画崩壊アニメ映画が存在する。どれくらいすごいかは各自画像検索でもかけていただくとして、「映画公開時に謝罪文が貼ってあった」「DVD発売時には修正前が特典になった」という、「ひどさも極めると、芸術ね」を地で行く逸話が残っている。実際作画崩壊してた方が見てて楽しい

  • 「星のデデデ」終了間際に出るカービィの描いた絵は、作画スタッフのはしもとかつみの息子(当時6歳!)が描いたものである。

  • この回以降もひっそりと「肥惨!スナックジャンキー」で再放送されている様子を確認することができる。

  • 劇中劇におけるデデデの顔(「正義の為に戦うのだぞい」のセリフでの顔)は後に、まさかの『ロボボプラネット』でステッカー化*8。よりによって通常ステッカーであるため、量産可能。

  • 星のカービィ スターアライズ』のモードのひとつに『星の〇〇〇〇 スターフレンズでGO!』というモードが存在し、デデデもそのモードで操作できるのだが、〇の部分が操作キャラクターの名前になるためデデデの場合『星のデデデ大王』となり、名前だけではあるが図らずもゲームで星のデデデが実現することに。


  • 後にデデデは懲りずにアニメ制作を企み、新たに「オタキング」というアニメーター達を雇うのだが、これが星のデデデ以上の倫理的に最低な問題作を生み出してしまうことに……。



「悪い荒らしカービィめ!わしがやっつけるぞい!」
「正義の陛下が来れば、もう良項目でゲスな!」
「ああそうとも、わしの追記・修正を見せてやろう!」
「さぞかし驚くデゲしょうな!きっと神項目になるでゲス!」
「ドゥハハ!わしは常に正義のために編集するのだぞい!」

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最終更新:2026年02月14日 23:26

*1 ちなみに計画を持ちかけるにあたり、カスタマーサービスに見せたサンプル映像はフームのパラパラ漫画のフームをデデデに変えただけ。しかし絵がガタガタな上、フィルムの質も悪いようでチャー研よろしく繊維のようなものが映り込む酷いモノであった。

*2 実際には視聴率は0.1%までしか測れない。もっとも、「全宇宙に放送します」と言っているあたり、調査方法も特殊なものなのかもしれないが。

*3 もちろん悪気があって行ったわけでない。

*4 実際にフームが「下らない台詞」、ブンが「ひでーシナリオ」「じれったいアニメ」と酷評した。

*5 単純に本作のOP映像のパロディーというネタなのだが、これを誰が作ったのか?という疑問は残る。

*6 誰が描いたのかは不明。しばしばメタナイト作とされることがあるがそういう情報は一切ない。「これくらいの絵を描く人がメタナイトくらいしかいなさそう」という消去法から生まれた憶測なので注意する事。

*7 ただし色がところどころついていない。

*8 名前は「らくがき/デデデ大王」で、出展はロボボ。メニュー上画面のステッカーの組み合わせを見る限り描いたのはエリーヌと思われる