登録日:2015/07/02 Thu 23:45:41
更新日:2025/03/03 Mon 08:05:57
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◆アメイジング・スパイダーマン/アメイジング・スパイダーマン2
恐れるな。自ら選んだ、この運命を。
この「戦い」――絶対に勝つ。
『アメイジング・スパイダーマン(The Amazing Spider-Man)』は2012年と2014年に公開された
アメリカ合衆国の映画。
監督は若者の間で人気の恋愛映画『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ、主演に『ソーシャル・ネットワーク』でエドゥアルド・サベリンを演じたアンドリュー・ガーフィールド。
【概要】
MARVEL社の人気コミックヒーローである「
スパイダーマン」の二度目の実写映画化作品であり、サム・ライミ監督の
『スパイダーマン』3部作のリブート作でもある。
2014年には続編の『アメイジング・スパイダーマン2(The Amazing Spider-Man 2)』が公開された。
本来は2011年にライミ監督の第4作が製作予定だったが、ライミの降板によりシリーズを一新したリブート作品の製作を発表、それに伴ってキャストや設定も一新し、心機一転を図った。
主人公ピーター・パーカーの性格やウェブシューターの存在、ヒロインが初代彼女のグウェン・ステイシーである事、「シニスター・シックス」の存在など原作準拠の設定を採用しつつ、
一方でピーターの両親の謎の死の真相という
ミステリー要素も投入する事により、飽きさせない海外ドラマタッチの長編大作として期待されていた。
もちろん、ライミ版から引き続き一般人の心境に沿ったピーターの苦悩や、ヴィラン達の心情描写も取り入れている。そして何より、このシリーズは
アクションが素晴らしい。
……しかし。
興行成績はメガヒットを記録したライミ版3部作に到底及ばず、製作陣を悩ませた。
それでも2作品それぞれの全世界興収は7億ドルを越えており、世界的に見れば十分なヒット作ではあるが、それでも配給側にとっては満足のいく結果ではなかった。
中でも本国アメリカの成績は伸び悩み、1作目はそれなりのヒットを記録したが、『アメスパ2』では1作目の成績を大きく下回り(それでも一応2億ドルは稼いでいる)、更には映画制作費を国内だけで回収できず、興行的に失敗作と見なされてしまう事態となった。
加えて『アメスパ2』公開時には同時期に公開された『
X-MEN:フューチャー&パスト』やMCU系列の『
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、後の『
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に負けており、MARVEL作品の波がMCUに移りかけている事を示す結果となってしまう。
シリーズの続行が危ぶまれる中で、かねてよりスパイダーマンの映画化権の譲渡を提案してきたMARVEL側でも大きな動きがあり、『シビル・ウォー』を映画化するに当たり、同作の監督を務めるアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟がスパイダーマンのMCU登場を要望してきたのだった。
MARVELの製作社長であり、かつてライミ版に関わった経験を持つケヴィン・ファイギもそのアイデアを支持した事で、ソニー・ピクチャーズとマーベルスタジオの極秘交渉が始まり、最終的にソニーは当初の計画から方針を転換してスパイダーマン映画の建て直しを決断。
『アメスパ2』の公開から1年経たずにマーベルスタジオとの業務提携を締結して、スパイダーマンの映画化権を同社と共有する事を発表する。
それにより、スパイダーマン映画はMCU内の新シリーズとして再リブートし、単独映画の製作・配給権をソニーが引き続き所有しながら、ウォルト・ディズニー・スタジオ配給のMCU作品との間で相互にキャラクターを登場させる事が可能になった。
再リブートされた新スパイダーマンは2016年公開の『
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で初登場し、その翌年には単独映画『
スパイダーマン:ホームカミング』が公開された。
しかしながらそれに伴い、現行の『アメスパ』シリーズの製作打ち切りが決定し、全2作で大量の布石をばら撒いた挙句、全て放置したまま物語は終わりを迎える事になってしまった。
ハリウッド映画において、シリーズ化を想定しながらも興行的不振や作品自体の不評が原因で続編が製作されなかった作品は多いが、
本シリーズの場合は極端に大コケしてないのに打ち切られた過去に例のないケースとなり、MCU版が好評を得た現在でも本シリーズの打ち切りを残念がるファンは多い。
第2作の興収が予想を大きく下回ってしまった結果(10億ドルを目標値としていた説もある)にソニーが相当危機感を抱いた事が窺える。
もし本シリーズが続行していれば、『
ヴェノム』は当初の予定通り『アメスパ』の関連作品として製作され、MCUもスパイダーマンが不在のままユニバースが進行しているため、マーベルヒーロー映画全体の歴史は大きく異なっていたかもしれない。
【物語】
天才的科学者の両親を持つ優しい少年、ピーター・パーカーは、幼い頃両親を謎の事故で亡くしていた。
それから数年後、高校生になったピーターは天才的科学の才能を持ったものの、同級生からはいじめられる日々を過ごす。
ある日、彼は父の書斎にあった形見の鞄の中に、オズコープ社の極秘資料を発見する。
オズコープ社に届けに行ったピーターは、ラボの中へと入り込み、実験動物の蜘蛛に刺されてしまう。
するとその日の帰り道、気が付くと彼は蜘蛛のような身軽さと俊敏さといった超身体能力を身につけていた。
手に入れた大いなる力に有頂天になるピーターだったが、それを咎めた叔父のベンと喧嘩になった晩、自分が見逃した強盗に叔父を殺されてしまう。
叔父殺しの犯人を見つけるため、彼は自分の能力を正義のために使うことを決意し、自前の武器「ウェブ・シューター」も用意した覆面ヒーロー「スパイダーマン」としての活動を開始する。
それから、ピーターはニューヨークの平和を守る傍ら、憧れのマドンナ・グウェンとの恋を育み成長していく。
そして、オズコープ社に勤める善良な科学者で、ピーターの両親とも親交があったカート・コナーズ博士や、気弱だが几帳面で優秀な電気技師のマックス・ディロン、そしてスパイダーマンを恨むハリー・オズボーンやアレクセイ・シツェビッチといった者達が様々な事情で怪人と化し、スパイダーマンに襲い掛かる。全ての鍵は、ピーターの両親が進めていた研究にあった……。
【主要人物】
演:アンドリュー・ガーフィールド/吹き替え:
前野智昭
主人公。天才的科学の才能を持つ陰キャで
オタクな高校生。
ひ弱ないじめられっ子だが、いじめられてる子を見つけると率先して助けに行くなど、正義感はスパイダーマンになる前から強い。原作準拠で前向きな明るく優しい性格。
コナーズ博士の研究のヒントを与えたり、自分で発明した粘着糸を使った武器「ウェブ・シューター」を作ったりと、発明家としても優れている。
スパイダーマンになった時は敵に向かって軽口で煽るのがデフォ。
ふと見つけた両親の極秘資料がきっかけで、オズコープ社との因縁が浮上しその運命を狂わされることになる。
それは、彼の周りから次々と大切な人を失わせ、彼自身も苦悩の日々に……。
ぶっちゃけ、演じるアンドリュー・ガーフィールドの体格と
イケメン具合が相俟って
全然負け組に見えない。
演:エマ・ストーン/吹き替え:
本名陽子
ピーターの同級生のブロンド美少女。ピーターが密かに憧れている。
彼女自身も、科学の天才で成績も優秀且つ正義感も強い。
ピーターと徐々に親密になっていき、彼の方からスパイダーマンの正体をカミングアウトされる。
その後、父の
死といった悲劇を迎えるも、それをものともせず交際を続ける。
『2』ではスパイダーマンとしてのピーターに迷いを生じさせ、ロンドンへの留学を決意するが、彼の熱烈な告白に根負け。
しかし、その直後起こった事件で、悲劇が起こる……。
ちなみに2人を演じたアンドリューとエマはプライベートでも恋人同士。劇中ではずっと2人の
バカップルっぷりが披露されている。
……しかし、シリーズ打ち切りから数ヶ月後、破局が明らかになった。
もっともエマの結婚後も友人としての付き合いは続いており、アンドリューが某映画の出演についてとぼけたことでエマにラインでブチギレられたというほっこりするエピソードも。
演:マーティン・シーン/吹き替え:佐々木敏
ピーターの叔父さん。
原作通り、増長するピーターを諌めて喧嘩になった直後、強盗に襲われ死亡し、彼をスパイダーマンとしての運命を決定づける。
演:サリー・フィールド/吹き替え:一龍齋春水
ピーターの叔母さん。
ピーターを母のように見守り、甥が落ち込んだ時は深い言葉で立ち直らせる。
演:デニス・リアリー/吹き替え:菅生隆之
グウェンの父。ニューヨーク警察警部。
娘に深い愛情を持って育ててきた。
当初はスパイダーマンを危険視していたが、リザードとの最終決戦で彼と協力する。
しかし、その戦いで致命傷を負い、ピーターにグウェンを巻き込まないように言い残し息を引き取った。
『2』でもグウェンを危険な目に合わせてしまうピーターの罪悪感の象徴として幻覚で登場している。
演:クリス・ジルカ/吹き替え:石上裕一
ピーターの同級生。ガタイのいいジョックスで、ピーターを始めとするひ弱な生徒をいじめていた。
超人能力を身につけたピーターにコテンパンにされ、その後は彼に謝罪し、打ち解けるようになった(ついでにスパイダーマンのファンになった)。
ベンおじさんが死んだ時はピーターを労わっており、ちょっと良い奴だった。
演:キャンベル・スコット/吹き替え:てらそままさき
演:エンベス・デイビッツ/吹き替え:吉田美保
ピーターの両親。共にオズコープ社に務める研究者だった。
ピーターが4歳の時、遺伝子改造された蜘蛛の研究を成功させた直後身の危険を感じ、息子をベン夫妻に預け身を隠す。
その直後、飛行機事故で死亡したと考えられていたが、実際は殺されていた。その背後にはオズコープ社の存在が……。
未公開シーンでは、死亡したはずのリチャードが息子と再会する様子が描かれていた。
ピーターがベンと口論になった夜に、ピーターの目の前で店のレジの金を盗んだ泥棒。
手首に星型のタトゥーを入れている。
逃走中にベンにとがめられ、彼を射殺した。
ギャング仲間に顔を見られないようにしつつこいつを捕まえるためピーターはマスクをかぶりスパイダーマンを名乗るようになっていく…のだが、その存在は1作目途中でフェードアウト。
2作目に至っては存在を全く語られない。
演:リス・エヴァンス/吹き替え:内田直哉
『1』に登場したヴィラン。オズコープ社に務める優秀で善良な科学者。異種間遺伝子交配の研究を通して、全ての人が平等な弱者のいない世界を作る事を目指している。
生前のパーカー夫妻とも親しく、社内に入ったピーターともすぐに打ち解けた。
右腕を失っており、その再生を目的とした新薬の開発を進めている。
会社をクビにされそうになった事や、オズコープ社の社員がインフルエンザの予防接種だと嘘をついて、ブルックリンの退役軍人病院の患者で人体実験を行おうとしたことで焦ってしまい、自分の身体を使った異種間遺伝子交配の人体実験を強行し、ピーターと共に開発した試験薬を自らに打ち込んでしまう。その結果、彼は凶暴なトカゲの怪人「リザード」に変貌。
更に薬の影響で精神的にも歪んでしまい「トカゲの生態系は人間より優れている」といった偏った考えを持ち始め、ニューヨーク市民をトカゲに変えるために試験薬を空中に散布するバイオテロを引き起こそうとするが、スパイダーマンがワクチンにすり替えた事で失敗。
ワクチンの効果で元の人間の姿に戻った事で性格も元に戻り、ピーターを助けるも、騒動を起こした罪で
投獄されたが…?
演:ジェイミー・フォックス/吹き替え:中村獅童
『2』に登場したメインヴィランで、元々はオズコープ社の優秀な電気エンジニア。
コミュ障でオタッキーな一面もある事から、いつもバカにされ、社内でも理不尽なパワハラを受けるのが日常茶飯事だが、本人は真面目で心優しい普通の青年で、偶然エレベーターで乗り合わせたグウェンからも「紳士」と言われていた。(後に公開された"とある映画"では、ピーターからも「最高に優しい人だった」と言われていた。)
また、街中でスパイダーマンに命を救ってもらったのがきっかけで彼の大ファンとなっていた。
そうして迎えた誕生日、一人だけ残業を押し付けられ、危険な配線のメンテナンスをしていた際に誤って感電し、電気
ウナギの入った水槽に落ちてしまい、そこで大量のウナギに全身を噛まれた事で身体に電気を溜め操る特異体質を身につけてしまう。初めは自身の変化に戸惑って、周囲の人に助けを求めるが、駆けつけたスパイダーマンが自分をはっきりとは覚えていなかった事や、自分を売名行為に利用したと誤解し、凶暴な性格に変貌。自らをエレクトロと名乗り、スパイダーマンを抹殺しようと牙を剥く。
これまでの実写版歴代スパイダーマンのヴィランの中でもかなりの強敵であり、『アメスパ2』公開当時のキャッチコピー等では
スパイダーマン史上最強の敵と書かれた程。実際スパイダーマンもグウェンの手助けがなければ
死亡していたかもしれない。
しかしながら、本作のヴィランの中でもトップクラスに可哀想過ぎる境遇を理由に、多くのリスナーに同情されていたものの、最期は体内へ許容量を上回る電流を一気に流し込まれた事で
爆死してしまったが…?
演:デイン・デハーン/吹き替え:
石田彰
『2』に登場したヴィラン。オズボーン家の御曹司で、ピーターの
幼馴染。
病死した父の後を継いだ、オズコープ社の2代目社長。しかし、
いきなり社長に転身する羽目になった直後に一家に代々伝わる奇病を発症し、精神的に追い詰められた事で、彼はスパイダーマンの血液が自身の病を治してくれるのではないかと思い、本人に直接交渉するが、前作でのコナーズ博士の一件を踏まえて、余計に症状が悪化してしまうのではないかと考えたスパイダーマンからは「危険」と言われ、輸血を断られてしまう。
やがてエレクトロ誕生の責任を押し付けられ、会社もクビにされ、余裕をなくした彼はエレクトロと共謀して会社を襲い、蜘蛛から得た薬の予備を危険を顧みず投与する。だが、案の定薬は体に馴染まず肉体を変貌させ、怪人「グリーン・ゴブリン」に変貌させてしまう。
狂気に取り憑かれた彼は、何故か「自分が
ゴブリンとなってしまったのはスパイダーマンのせいだ」と思い込み、スパイダーマンを襲ってグウェンを
人質に取り、戦闘になった際に頭を強打して気絶。後日、刑務所に収監された。
演じたデイン・デハーンは映画『クロニクル』で鬱屈した
超能力少年を演じており、本作でもその怪演を発揮させている。
演:ポール・ジアマッティ/吹き替え:楠見直巳
『2』に登場したヴィラン。ロシア人ギャングで、プルトニウムを盗んだところをスパイダーマンに捕まり、刑務所に収監された。
その後、ハリーの手引きによって脱獄し、サイ型の装甲アーマーを纏って「ライノ」となり、再びスパイダーマンと戦闘になる。
演:クリス・クーパー/吹き替え:小川真司
オズコープ社社長で、ハリーの父。
オズボーン家に代々伝わる奇病に冒され、ハリーに後を託し病死。
未公開シーンでは、死後に頭部だけの状態で冷凍保存されたノーマンが描かれており、3作目でグリーン・ゴブリンとなって復活する予定だった。
演:フェリシティ・ジョーンズ/吹き替え:森夏姫
『2』に登場。ハリーの秘書。
序盤でオズコープ社の2代目社長となったハリーの権限によってオブコープ社の重要な役職に就くのだが、元は平凡な社員だったフェリシアは当然困惑し、重役達に至ってはハリーに対して不満を募らせる事となる。
その後、病に冒されるハリーを甲斐甲斐しく支えるのだが、いつの間にかフェードアウトした。
未公開シーンではグリーン・ゴブリンとなって社内で暴れ回るハリーと遭遇しており、重役達と違って見逃された。
続編があったらヴィラン「ブラック・キャット」として登場予定だった。
演じたフェリシティ・ジョーンズは後に『
ローグ・ワン A STAR WARS STORY』の主演に抜擢される事になる。
演:コルム・フィオール/吹き替え:家中宏
『2』に登場。オズコープ社の重役で、オズコープ社という腹黒企業を体現したかのようなクズ。
社内で起きたマックスの事故を隠蔽し、エレクトロと化したマックスの事を調べていたグウェンを連行しようとするなど、オズコープ社の運営と自分が権力を得るためにはどんな手段も選ばない。
中盤でハリーがオズコープ社の最高機密「スペシャルプロジェクト」の存在に気づき始めた事で、彼を追い出すと同時にレイブンクロフト刑務所へと投獄した。
だが、ほどなくエレクトロと共に会社に戻ってきたハリーの逆襲で逆に追い詰めれてしまい、ハリーに脅される形でスペシャルプロジェクトの施設へと案内させられ、彼に命じられるまま薬を投与した。
そして薬の副作用で苦しみだしたハリーを置き去りにしてエレベーターに乗ったシーンでフェードアウトしたが、未公開シーンではグリーン・ゴブリンと化したハリーの報復で上空から投げ落とされて死亡する様子が描かれている。
演:マイケル・マッシー/吹き替え:小島敏彦
獄中のコナーズ博士やハリーに語りかける謎の男。
ハリーにはスパイダーマンへのリベンジを唆し、オズコープ社製の装備を使った犯罪集団の準備を整えた。
その一人がライノである。装備の中には
4本の触手のようなものや
大きな翼のあるものが見られていた。
……残念な事にシリーズの打ち切りと、演者が2016年に病に倒れ、死去してしまった事で水泡に帰してしまったが。
次回作があった場合にはシニスターシックスを率いるゴブリンと並ぶメインヴィランになる予定だったらしい。
演:ホルヘ・ベガ/吹き替え:西田光貴
『2』に登場。序盤でスパイダーマンに助けられた少年。
スパイダーマンに憧れている市民の1人であり、終盤での出番は必見である。
……やっぱり出てるよ!
【余談】
- 『2』は当初、2代目ピーターの恋人のMJことメリー・ジェーン(演:シャイリーン・ウッドリー)も登場予定だったが、「キャラをさばききれない」という理由で出演シーンが全てカットされた。
恐らく3作目以降に登場予定だったのだろうが、その続編が幻のものとなってしまい、MJの登場自体もなくなった。
- また『2』ではライミ版にてJ・ジョナ・ジェイムソン編集長役で出演したJ・K・シモンズを再びJ.J.役で出演させるというアイデアがあったものの、氏のスケジュールの都合により没となった。
後にこのアイデアは『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』にて再利用された。
- 『アメスパ』のスピンオフとして映画化予定であったヴェノムの単独映画に関しては、『アメスパ』とは別作品として改めて企画が再始動し、2018年にトム・ハーディ主演で公開。
これを皮切りにソニーが映画化権を持つキャラクターで構成されるMCUとは別のユニバース「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」が始動したが、『シニスター・シックス』に関しては『アメスパ』の存続が前提となっていたため、こちらは正式に映画化が中止となった。
- アンドリュー・ガーフィールドは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』へのオファーが来ていたが、自分の演じてきたスパイダーマンのキャラクターと異なるキャラクター性を持つために断った。
他には、『アベンジャーズ』の際にオファーが来たエリック・バナ(アン・リー版のハルク)が断ったが、偶然だろうか原作でスパイダーマンとハルクは相棒として活躍する事もあった。
幻の『アメスパ3』以降を望む方、追記修正お願いします。
MARVELコミックヒーロー映画化シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)」の第27作目『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に本シリーズのヴィランであるリザード、エレクトロの登場が決定。更に、同じくスパイダーマンを原作とするサム・ライミ版スパイダーマン三部作からもグリーン・ゴブリン、ドクター・オクトパス、サンドマンが登場し、3つの世界のスパイダーマン作品によるクロスオーバーが実現することとなった。
そして……
ピーター「スパイダーマンだよ。……僕の世界ではね」
なんとアンドリュー・ガーフィールド演じる本シリーズのピーター本人も登場。本作では他のピーター・パーカーとの区別のために「ピーター3」と呼ばれる。
次いでサム・ライミ版スパイダーマン三部作のピーター(以下ピーター2)も登場し、3つの世界のピーター・パーカーが集結することとなった。本作の公開にあたってアンドリュー・ガーフィールドはメディアからの質問に対して「NWHに出た事はない(意訳)」とコメントしていただけに多くの観客も今回ばかりは登場を諦めていたが、思いもよらないサプライズに拍手喝采を送った。
そして、打ち切り同然に終了した『アメイジング・スパイダーマン2』の“その後”がピーター本人の口から語られたが……
それは、あまりにも悲しく、過酷なものだった。
「僕は……グウェンを喪った。僕のMJだ。
……救えなかった。
自分を一生許せないけど、でも努力はしようとした。
なんとかして、“親愛なる隣人”のスパイダーマンでいようって。
それが彼女の望みだと思うから……
でも気づくと人を殴ってた。
どんどん自制が効かなくなった。
……怒りが溢れて……情け容赦なく」
アメイジング・スパイダーマン2のクライマックス、再起を果たしたピーターだったが、最愛のグウェンを喪った悲しみは簡単に癒えるものではなかった。スパイダーマンとしての自警活動は暴力的になり、負の感情のままに拳を振るい続ける、冷酷なヒーローになっていたようだ。その描写が描かれることこそなかったが、本人の様子からして“親愛なる隣人”とはほど遠い様子だったのは想像に難くない。
しかしその有り様を本人も後悔している様子で、メイおばさんを喪い悲観に暮れるEarth-199999のピーター(以下ピーター1)に対しても「僕のようになってほしくない」と告げ、ピーター2と共にピーター1の再起を促すきっかけを作った。
その後はピーター1,ピーター2と共にヴィラン達を治療するための治療薬開発に協力。アメイジング・スパイダーマンでの経験を活かし、リザードの治療薬を開発した。
自由の女神での最終決戦ではイメチェンしたエレクトロと再戦。「古い方のスパイダーマン」、「お前なんか今じゃ雑魚」と罵られながらもスパイダーマンズ、そしてドクター・オクトパスの協力によって無事、エレクトロを治療することに成功。「黒人かと思った」と言われつつも、無事、和解を果たした。
しかし、突如として乱入してきたグリーン・ゴブリンの攻撃の余波によって自由の女神の足場が崩落。落下していくMJにピーター1が手を伸ばすが、グリーン・ゴブリンの妨害に遭う。絶体絶命の中、動いたのはピーター3だった。彼は崩落する足場から飛びだすとMJをキャッチし、落下する瓦礫の中に無事降り立った。
唖然とするMJに対して、「大丈夫か?」と問いかける彼の目には、涙がたまっていた……
彼の手は、「今度こそ」届いたのだ。
反響
『アメイジング』シリーズが打ち切りと言う形で終了してしまったことから本作へのサプライズ以降、幻の『アメイジング・スパイダーマン3』の製作を望む声が高まり、ファンの間でもシリーズ復活を求めるハッシュタグ「#MakeTASM3」が展開され、「Make The Amazing Spider Man 3(『アメイジング・スパイダーマン3』を作って)」を掲げるキャンペーンがTwitterでトレンド入りするなど大きな盛り上がりを見せることとなった。
これに対してソニーのTwitter広報担当がNWHにおけるアメスパピーターの呼称「ピーター3」と「アメイジング・スパイダーマン3」をひっかけた「
The Amazing Peter #3!(アメイジングなピーター3!)
」なるツイートを投稿。「あくまで広報担当なので映画を製作する決定権はない」としつつも「ハッシュタグは見ていますよ」と言う粋な計らいであった。
アンドリュー・ガーフィールドもピーター・パーカーの再演について「正しいと感じられたなら、可能性は間違いなくある(意訳)」とコメントしている。
「今度こそ」手が届いた方、追記修正お願いします。
- 東映スパイダーマンの電気ミミズは平行世界のエレクトロと見た -- 名無しさん (2015-07-03 00:03:10)
- 実写版ファンタスティック・フォーと同じ轍をふんじゃった。そんな感じ -- 名無しさん (2015-07-03 00:17:57)
- 伏線ばら撒いて打ち切りになったのなら、このスパイダーマンをアベンジャーズに合流させることって出来ないの? -- 名無しさん (2015-07-03 00:16:30)
- ↑版権問題(アメスパ以前のスパイディ映画の版権はソニーが所有、MCUに参戦させるには新しい契約が必要)があって無理 -- 名無しさん (2015-07-03 00:18:08)
- アンドリューがイケメンすぎるから、アメイジングピーターはあんまひ弱ってイメージないよね -- 名無しさん (2015-07-03 00:47:21)
- アメコミヒーロー映画が売れるって認識させた作品なのに不遇やな… -- 名無しさん (2015-07-03 02:57:34)
- 結構面白かったけど何で打ち切りになっちゃったんだろうか -- 名無しさん (2015-07-03 03:00:21)
- 日本と海外だと評価が真逆なんだよなあ -- 名無しさん (2015-07-03 03:19:57)
- 食わず嫌いしてて後悔したぐらい面白かったのに… -- 名無しさん (2015-07-03 05:54:54)
- 平凡なピーターが偶然超能力を得てスーパーヒーローになるのが魅力的だったのにアメスパは最初からピーターに設定盛りすぎて感情移入できなかった -- 名無しさん (2015-07-03 07:06:51)
- シニスターシックスが見たかったな。タコ、サイ、ハゲタカとあとどんなメンバーだったんだろう? -- 名無しさん (2015-07-03 09:26:22)
- また新しいシリーズを作るってことは、また蜘蛛に噛まれるのと、おじさんが死ぬのを見せつけられるってことかよ・・・ -- 名無しさん (2015-07-03 09:36:58)
- 謎の男はJJJかと思ったけど別にそんなことはなかった!! -- 名無しさん (2015-07-03 09:38:45)
- エレクトロの設定が新アニメシリーズからまんま流用してるね。あっちのマックスはピーターの同級生って設定だったけどピーター以上に冴えない男でいじめられていてその上メンヘラとかまんまだわ -- 名無しさん (2015-07-03 13:49:02)
- シリーズものでも、「次回に続く」エンドはよくないって好例だわな。 -- 名無しさん (2015-07-03 15:33:00)
- MCUのスパイダーマンはちゃんと完結してほしいな -- 名無しさん (2015-07-03 16:26:25)
- えっ。これから見る予定の1つなんだが、打ち切りなの…? -- 名無しさん (2015-07-03 17:30:11)
- 残念だけどね...でも打ち切りでも見る価値はあるとは思う 親父さんの遺言無視したのはあれだが(2では悩んでたけど)町の人がスパイダーマン助けようとしたり2の最後の少年との会話も好きだし何よりライノ絶対子供好きだろ。可愛いぞなんか -- 名無しさん (2015-07-03 19:12:19)
- ↑そのライノがなー。広告じゃあんなに持ち上げてたのに実際は最後にちょろっと出て終わりって…… -- 名無しさん (2015-07-03 22:55:21)
- ↑15トビーはなんか腹立つ顔してるからこっちのほうがいいと思うがね -- 名無しさん (2015-07-03 22:58:40)
- ↑3 なるほど、内容は別に悪いとかじゃないのね。ありがとう、やっぱり見てみるよ。伏線回収されないのは残念とはいえ、それだけが映画じゃないし -- 名無しさん (2015-07-03 23:27:07)
- 個人的には「ハリウッドで仮面ライダーをやったらこうなる」って印象の作品だった・・・伏線とかあって面白かったんだがなぁ -- 名無しさん (2015-07-04 00:44:25)
- 複線を無造作にばら蒔きすぎな上に「次回作に続きますED」だから一つの作品を見終えた充実感が全然無かったのが問題だった、ウェブや某人物の死みたいな原作要素もお世辞にも面白さに繋がってるとは言い難いし -- 名無しさん (2015-07-04 06:15:54)
- おじさんの死後もピーターが調子に乗ってるのは難だったけど町のおっちゃんが助けてくれたシーンは少年漫画みたいでグッと来たな -- 名無しさん (2015-07-04 16:55:19)
- おじさんの敵討ちが途中からどうでも良くなったり、あっさり恋人に正体バラしたり、警察の捜査の邪魔したことを開き直ったり、「娘を巻き込まないでくれ」という約束をあっさり流したり…自分の中にサムライミ版のイメージが残ってるせいなのかも知れないが、少なくとも一作目の時点では、おいおいそれでいいのかよ、って思うシーンが多すぎてなんかしっくりこなかった。 -- 名無しさん (2015-07-09 23:30:31)
- アメスパのピーターはやる事なす事が裏目に出てる感じだよね -- 名無しさん (2015-07-19 11:58:08)
- オズコープの電気ウナギを蒲焼にして食べたい -- 名無しさん (2015-07-24 13:43:06)
- 完璧とも言えるサムライミ版の戦闘シーンと差別化を図りつつも、カッコいい映像に仕上げたのは素晴らしいとしか言いようがない。オクトパス戦はさぞかし面白いんだろうなぁ…楽しみだなぁ…(遠い目) -- 名無しさん (2015-07-25 11:22:41)
- 面白いと思ったんだが、打ちきりとは残念だ -- 名無しさん (2015-07-25 11:51:51)
- ライミもウェブもSONYのせいで酷い目にあってるな。 -- 名無しさん (2015-09-27 00:39:05)
- 打ち切りってマジかよおおおおおおおお!?超好きだったんですけどォォォォォ!? -- 名無しさん (2015-09-28 07:18:22)
- ソニーとマーベルスタジオで協力してアメスパの続編とスピンオフ作ればよかったんじゃないんですかねえ... -- 名無しさん (2016-01-17 15:07:50)
- ↑版権問題がかかるから無理、版権問題を解決する為にリブートされた -- 名無しさん (2016-02-19 03:43:29)
- スパイダーグウェン「ピーター涙目www 」 -- 名無しさん (2016-03-06 20:13:36)
- せめて小説版とか出てほしい -- 名無しさん (2016-04-28 05:45:08)
- 2のラストめちゃくちゃ好き。数あるヒーローモノでも最高のラストだと思うんだけどなぁ、打ち切りかぁ -- 名無しさん (2016-05-02 11:45:50)
- 二作目はホント悲しいけど、頑張れよ、と背中叩いて送り出せる終わり方だったな カミングホームでフィアーズもリブートして出せないかな、アメスパ時空に近い形で -- 名無しさん (2016-05-02 12:13:43)
- 設定資料集とかいう形で3以降どうするつもりだったのか、をわかる形にしてほしいなあせめて… -- 名無しさん (2016-05-02 13:01:55)
- ↑3 海外だとあのラストシーンが凄く不評で、それも打ち切りの一因なんだよね、残念な事に。 -- 名無しさん (2016-05-02 17:03:41)
- ソニーピクチャーズの節操のなさが産んだ結果だよな。 -- 名無しさん (2016-06-14 15:20:48)
- 2のラストで恋人を失いつつも、卒業式当日に聞けなかった恋人の遺した言葉で再び立ち上がることを決めたシーンとか、久しぶりに感涙した映画だったんだけどな…本当に残念だ。DVDは大切にしよう。 -- 名無しさん (2016-09-14 12:25:33)
- グウェンと幸せになってほしかった… -- 名無しさん (2016-10-31 18:29:09)
- 2の未公開シーンでは、死んだと思われたピーターの父が生きていて、グウェンの死に悲しむピーターと再会し、激励してたな。まじ感動した。 -- 名無しさん (2017-03-07 19:47:18)
- 仮に打ち切りにならず続いてたらアベンジャーズシリーズに組み込まれてたのかな -- 名無しさん (2017-05-20 16:27:56)
- 大雑把に言えばアベンジャーズが原因で打ち切られたんやで -- 名無しさん (2017-06-09 19:16:39)
- 売れなかったからやろ -- 名無しさん (2017-06-25 21:30:55)
- アメスパでお蔵入りとなったヴァルチャーがホームカミングでメインヴィランになってたな -- 名無しさん (2017-07-29 02:31:41)
- アメスパにおけるグリーンゴブリンのグライダーはライミ版と違って自動でパイロットのところへと戻ってくる機能が無いみたいだな・・・そのせいでグウェン死んじゃったし -- 名無しさん (2017-08-19 09:18:47)
- 今日アメスパ2が地上波で放送 -- 名無しさん (2017-08-25 14:35:01)
- ちょくちょくシネマティックユニバース版スパイダーマン登場作品の劇場公開に便乗する形でTV放送されるけど、事情を知らない人がアメイジング→シネマティックユニバースの順で視聴すると絶対混乱すると思う -- 名無しさん (2017-08-25 16:11:23)
- ピーターとハリーが痛み分けのまま本編が終わっちゃったけど、ゲーム版アメスパ2では上手い具合にハリーとの決着をつけてたし -- 名無しさん (2017-11-25 00:01:58)
- そういやこのユニバースにも他のヒーローたちはいたんだろうか? -- 名無しさん (2018-03-21 06:53:46)
- エレクトロの中の人が実写版スポーンのリブートに出るみたい -- 名無しさん (2018-06-06 20:40:48)
- 今度映画に出てくるヴェノムの日本語吹き替えも中村獅童 -- 名無しさん (2018-09-19 13:38:57)
- いつかサム版、アメイジング版、MCU版が集結して欲しい -- 名無しさん (2019-06-27 09:50:47)
- 実写版スパイダーバースに賭けよう -- 名無しさん (2020-08-15 21:41:17)
- ↑ おめでとう ついに実現したぞ -- 名無しさん (2022-01-12 15:38:46)
- FFH公開の時にこっちが地上波放映されて、「なんでやねん!」って突っ込んでたけど。今となっては「なぜこれを放映しない!?」 -- 名無しさん (2022-01-16 22:24:22)
- 『アメスパ2』公開時には同時期に公開された『X-MEN:フューチャー&パスト』やMCU系列の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、後の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に負けており、MARVEL作品の波がMCUに移りかけている事を示す結果となってしまう。←相手が悪すぎるよこれ… -- 名無しさん (2022-01-17 09:13:27)
- ジェイムソンが出てこないのは、「J.K.シモンズのジェイムソン役が完璧過ぎて彼に並ぶ役者が見つからなかったから」らしい。 -- 名無しさん (2022-01-17 13:01:16)
- 演じるアンドリュー・ガーフィールドの体格とイケメン具合が相俟って全然負け組に見えない←これ外国の映画評論でもツッコまれてたよね(しかも頭がいい設定はそのままだからそれもツッコまれていた) -- 名無しさん (2022-01-17 15:28:20)
- ↑正直ハリーのキャストが発表されたとき「ピーターとハリー逆じゃね?」とは思った -- 名無しさん (2022-01-19 01:03:29)
- ↑2 もし出たらまたシモンズ氏が演じたのかな。MCUもそうだったし。 -- 名無しさん (2022-01-28 19:33:49)
- なんか、2ってグウェンがスパイダーグウェンになる案もあったらしくて、3が作られるとしたらピーターを失ったスパイダーグウェンがアメスパに来るみたいな展開が見たい -- スパイダーマッ! (2022-11-26 20:37:13)
- ↑スパイダーグウェンとは別のマルチバースだけど、『What If…? Dark: Spider-Gwen』というコミックではスパイダーマン(ピーター)がグリーンゴブリンとの戦闘で命を落としてグウェンが仇討ちのためにスパイダーウーマンになろうとしてたな -- 名無しさん (2023-11-15 10:00:17)
最終更新:2025年03月03日 08:05