登録日:2022/01/14 Fri 07:38:29
更新日:2025/04/04 Fri 21:43:30
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◆スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
概要
監督は前2作と同じくジョン・ワッツ。
当初、本作の製作前にMARVELの親会社であるウォルト・ディズニー・スタジオは映画『スパイダーマン』シリーズの興行収入の取り分をより多く要求し、
それに反発したソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが映画3作目はマーベル・スタジオとの連携を解約する(つまり、MCUではなくなる)と発表した。
しかし、主演のトム・ホランドが両社の間を取り持った事で新たに契約を結び直し、続く3作目もまたマーベル・スタジオとソニーが連携して製作する事が決定した。
……そして、製作中の3作目の全貌が徐々に明らかになるにつれ、とんでもない噂が流れ始める。
それは、ヴィラン(悪役)として過去にソニーが製作した映画『
スパイダーマン』に登場した
グリーン・ゴブリン、『
スパイダーマン2』に登場した
ドクター・オクトパス、『
スパイダーマン3』に登場した
サンドマン、
『
アメイジング・スパイダーマン』に登場した
リザード、『アメイジング・スパイダーマン2』に登場した
エレクトロを再登場させ、しかも演者は5人全員
同じ俳優(日本語吹替まで一緒。)で、過去作に登場したヴィランと
同一人物として出演しているというのだ。
このニュースには全映画ファン達の間で衝撃が走った。
衝撃は更に続いた。MCUの既存キャラの中でのドクター・ストレンジの登場。そして
「マルチバース」という単語の発表。
奇しくも、MCUフェイズ4ではドラマ『
ロキ』やアニメ『
ホワット・イフ…?』において「マルチバース」の概念が出現した時期でもあった。
公開が近づき、遂にソニーは今作で登場するヴィラン達は過去の映画『スパイダーマン』シリーズ及び『アメイジング・スパイダーマン』シリーズに登場したキャラクターと同一人物である事を明かす。
そう、遂に「マルチバース」を駆使し、スパイダーマン映画において長年の壁であった「配給会社の壁」を超えるクロスオーバー企画が実現したのである。
そのクロスオーバーは単なる「ゲスト出演」には留まらず、劇中でも登場した過去作の内容が事細かに語られ、キャラクターのバックボーンとして重要な役割を果たす。
すなわち、本作はMCUのスパイダーマン映画(ホームカミング、ファー・フロム・ホーム)のみならず、これまでのソニー・ピクチャーズ製作・配給の『スパイダーマン』映画である、
の5本を全て見ている事が推奨されている(勿論、それぞれの作品を見ていなくても、十分に楽しめる内容にはなっている)。
もはやこれは「MCUの1本」の枠にあらず、2002年のサム・ライミ版から始まった、実写版「スパイダーマン」を総括する映画としてとてつもない規模の物語が描かれており、「20年間、スパイダーマンを愛してくれた全ての人へのファンサービス」、そして何より「MCU版スパイダーマン3部作の最終章」として申し分ない出来となっている。
その詳細については後ほど説明するが、「スパイダーマン」を愛した人にとっては満足する事間違いなしの出来栄えだ。
一方
日本では全世界よりも3週間遅れの2022年1月7日公開となり、これには国内のMCUファンからの批判的な意見も相次いだ。
近年のソニー・ピクチャーズ配給作品の日本公開時期は全世界よりも遅めに設定される事が多く、同様の指摘は『
ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』でも見られたが、ディズニー配給のMCU作品が基本的に全世界で一斉に公開されている事も批判に拍車をかけてしまった。
他方、12月後半には『マトリックス レザレクションズ』や『
劇場版 呪術廻戦0』『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』など多くの話題作の公開が続いていたため、「これらの作品との競合を避けたのでは」という見方も少なくない。
ちなみに日本だけ公開が遅くなったわけではなく、フィリピンでも2022年1月の公開となっている。
ストーリー
普通の高校生と親愛なる隣人ヒーロー「スパイダーマン」の2つの顔を持つ少年、ピーター・パーカー。
トニー・スタークとの繋がりでアベンジャーズの仲間になり、同級生のMJとも両想いになって順風満帆な生活を送っていた……はずだった。
トニーの発明を悪用した詐欺師・ミステリオことクエンティン・ベックを倒したのも束の間、彼は死ぬ間際に偽の映像を作り上げ、スパイダーマンは無差別攻撃をして自分を殺した悪党であるという「嘘」と「スパイダーマンの正体はピーター・パーカー」という「真実」を世界中に暴露したのだ。
JJJらデイリー・ビューグルによってあっという間にヒーローから殺人犯の汚名を着せられたピーターや家族、仲間達に容赦なく向けられる捜査の目、そして浴びせられる市民の罵声。
優秀な弁護士によって起訴は免れたものの、世論は容赦せず、ピーターは世間からの好奇の目に晒される羽目となる。
そして、心機一転となるはずだった大学進学も、MJ、ネッド共々取り消される事態となってしまった。
どうしようもない現実に途方に暮れたピーターは、NYに住む魔術師、ドクター・ストレンジの住むサンクタムの門を叩く。
「時間を戻してほしい」と頼むピーターに対するストレンジの答えはNO。だが、咄嗟の閃きで「世界中の人間がスパイダーマンの正体を忘れる」魔術を使うことを思いつく。
しかし、突然魔術を始めたストレンジに焦ったピーターがあれこれと注文をつけた結果、修正を加えるうちに魔術が暴走を開始し、途中で中断することに。
何も言わずに魔術を始めた自分にも非があるとはいえ、「大学に全く交渉しなかった」ピーターに怒ったストレンジは、彼を追い出す。その後、ピーターは大学関係者に大急ぎで掛け合いに向かう。
そこへ、突然現れたのは4本の凶暴なアームを背中に纏った謎の科学者。
彼は「スパイダーマン」が「ピーター・パーカー」であると知っていたものの、目の前の「ピーター・パーカー」は別人だと認識していた。その後、高笑いをしながら襲いかかる緑の悪魔やトカゲの姿をした怪人、そして砂や電気を自由自在に操る男達が次から次へとピーターの前に姿を現す。彼らも同じく、スパイダーマンの正体がピーターである事を知っていたが、目の前にいるピーターの事はやはり知らなかった。
そんな中、ストレンジは衝撃の事実を告げる。先の魔術の暴走によって次元に歪みが生じ、その隙間から「スパイダーマンの正体がピーター・パーカーである」という事実を知る別の世界のヴィラン達がマルチバースを通して侵入したというのだ。
やがてピーターは知る。この5人がマルチバースにおいて「スパイダーマン」と戦い、敗北し、そして何人かは死ぬ運命にあるという事を。
彼らをそのまま元いた世界と時代に戻し、世界の均衡を保とうとするストレンジに対し、事情を知っていく内に、彼らが根っからの悪人では無い事を察したピーターは、改心させて元の善人にしてから戻すべきだと反発する。
果たして、ピーター・パーカーは何を選び、何を戦いの果てに得て、何を失うのか。
彼を待ち受ける、途方もない「運命」とは何か。
全ての審判が下される時は、着々と訪れていた……。
登場人物
ピーターを取り巻く人々
演:トム・ホランド/吹き替え:榎木淳弥
主人公。ご存じ親愛なる隣人にして少年スパイダーボーイ。
本質的に優しい性格であるため、他人を見捨てる事が出来ず、それ故に付け込まれる事がある。
過去作では色々な大人に庇護され、可愛がられてきた彼も歴代トップクラスに過酷な試練が与えられることとなる。
ミステリオの作り上げた「真実」、そして自分の正体の暴露により世間の目に晒され、平和な日常を一切合切奪われてしまった。
そんな中でもMJやネッドとの時間は大切にし、共有してきた「秘密」が明るみに出た事に少しほっとしたりもした。
自分だけでなくメイおばさんやMJ、ネッドにも被害が及ぶ事に傷つき、それを阻止するためにも、精神面の幼さ故に早まった行動(大学に交渉せずストレンジに頼んで大事に発展させる)を取ってしまう。
結果、マルチバースからのヴィラン達の侵入を許してしまい、その後始末に奔走するも、彼らに待ち受ける悲惨な運命を知った事や、メイ
おばさんの正義感溢れる言葉から彼らを見捨てられず、助ける事を選ぶ。
スターク・インダストリーズの技術や自分の頭脳を駆使して彼らを元の善人に戻そうとしたものの、グリーン・ゴブリンの
裏切りに賛同したエレクトロがオクタビアスを襲撃してしまう。
結果、ダメージを負ったオクタビアスは一時撤退。一方、エレクトロはアーク・リアクターを奪ってパワーアップし、その力で世界を支配する為に逃亡。
さらに最初からピーターを信用せず、元の世界に帰りたかったリザードも騒動に紛れて逃亡し、予想外の出来事が起こる状況に不信感を感じていたサンドマンも危険を感じて逃亡してしまう。
騒動の発端となったゴブリンはスパイダーマンを瀕死寸前まで追い詰めた後、世界征服を実行する為に逃亡し、挙げ句の果てには
ピーターの目の前でメイおばさんの命を奪ってしまった。
孤独と
怒り、そして悲しみと恐怖で
絶望したピーターの前に待ち受ける運命とは……?
演:ゼンデイヤ/吹き替え:真壁かずみ
ピーターの同級生で恋人。旅行で彼からもらったペンダントを大事にしている。
誰よりもピーターに絶大な信頼を寄せており、彼の心の支えとなっている。
ピーターと一緒に世間の悪評に晒されながらも、気丈に振る舞ってレッテルを跳ね除けていた。
ストレンジ相手にも物怖じせず意見を言えるなど、気骨ある少女。
演:ジェイコブ・バタロン/吹き替え:吉田ウーロン太
ピーターの同級生で親友の「椅子の人」。
ピーターの親友という理由だけでやはり世間からバッシングを受けるも、一切気にせずピーターのそばにい続け、スパイダーマンとしての彼もサポートする。
実家が魔術師の家系だと自称するも、ストレンジからは相手にされなかった。
だが、思わぬ才能を発揮し……?
ある意味では本作最大のMVP。
演:マリサ・トメイ/吹き替え:安藤麻吹
ピーターの叔母で、育ての母親。
殺人容疑のかかったピーターの保護者として非難されるが、それを鼻で笑う胆力のある人物。
「指パッチン」によるホームレスを助ける活動を継続しており、人の助けになる事をモットーとする慈愛の心を持つ。
スパイダーマンを訪ねていたノーマン・オズボーンを保護し、彼と意気投合する。
ヴィランズの治療を手伝うが、彼らの逃亡により狙われてしまう。
そして、ピーターの「お人好し」の元凶だとグリーン・ゴブリンに付け込まれ、彼の目の前でグライダーに刺され、パンプキンボムを目の前で爆破されて致命傷を負う。
最初は平気そうにしていたが、自分の選択を後悔したピーターに「あなたには力がある。そして大いなる力には大いなる責任が伴う」と説き、彼を勇気づけ……そして倒れた。
そのままピーターに話しかけながらゆっくり息を引き取った。
原作や過去の映画シリーズでお馴染みのベンおじさんの名台詞を残し、まさかのMCUピーターにおける「ベンおじさん」の役割を担う事になってしまった。
彼女の死はピーターに深い傷を残す事になる。
演:ジョン・ファヴロー/吹き替え:大西健晴
スターク・インダストリーズの警備責任者。トニー・スタークを通してピーターとは腐れ縁。
メイおばさんとは交際していたと思われていたが、それは当人だけだったようで、彼女にとっては「夏の火遊び」だったようだが、今も彼女に未練タラタラである。
スターク社のドローンがミステリオに利用されたことで自身も世間のバッシングを受けてしまうも、所有していたマンションの一室をパーカー家に提供するなどサポートしていた。
演:トニー・レヴォロリ/吹き替え:畠中祐
かつてピーターをいじめていたお坊ちゃん。
本作では金髪になっており、アメコミ版に近い外見になっている。
ピーターが憧れのスパイダーマンと発覚するや否や手のひらを反して「彼の親友」と豪語している。
「フラッシュポイント」なる自伝本を出版するなど、やっぱりどこか抜けている。
ピーター達3人がMIT(マサチューセッツ工科大学)に落ちた中、自身は合格して気まずくなるも、ピーターに「親友」と喧伝してもらう事を条件に副学長補佐官の居場所を教えた。
演:アンガーリー・ライス/吹き替え:
水瀬いのり
ミッドタウン高校の報道部員。
あくまでピーターの味方として彼を応援する密着番組をレポートする。
演:マーティン・スター/吹き替え:長野伸二
演:J・B・スムーヴ/吹き替え:山野井仁
学力クラブでピーターを担当していた教師2人。
スパイダーマンとしての彼の功績を讃えており、本人が頼んでないのに記念の展示物を作り上げた。
演:ハンニバル・ビューレス/吹き替え:高桑満
ミッドタウン高校の体育教師。
上記の2人とは違って完全にミステリオ信者となっており、教え子であるピーターを公然と「人殺し」と非難した。
演:ポーラ・ニューサム/吹き替え:百々麻子
ピーター達の第一志望校であるMITの副学長補佐官。
当初はMJとネッドの入学を認めるよう直談判しに来たピーターを冷たくあしらっていたが、
ドック・オクの襲撃から身を挺して守ってくれたピーターに心を打たれ、3人の入学を許可するよう事務局に掛け合うと約束した。
去り際には騒動を起こしたオクタビアスに悪態をついていった。
演:アリアン・モイェド/吹き替え:尾上松也
ダメージ・コントロール局の捜査官。
ピーターとその仲間、家族を犯罪者だと決めつけ、彼らに罪を認めるよう迫った。
演:J・K・シモンズ/吹き替え:立川三貴
デイリー・ビューグルのレポーター。
ミステリオを「至高のヒーロー」と褒め囃す一方でスパイダーマンを「社会の敵」と断言し、スパイダーマンに対する根も葉もないバッシングを公然と繰り返している。
彼が悪事を働く証拠がないかと常に部下に尾行させており、監視の目を怠らず、
弱みがあるや否やすぐに大袈裟に報道する。
前作『
ファー・フロム・ホーム』のラストでのJ・K・シモンズの登場は大きな話題となり、「ライミ版3部作の世界(『アメスパ』シリーズでも存在は示唆されていた)から転移してきたのではないか」という憶測も少なくなかったが、こちらのJJJはMCU世界の住人である。
スパイダーマンのバッシングに力を入れる傍ら、サプリメントの宣伝も欠かさないという一面を挿入する事で「どこか憎めないコメディリリーフ」としてのライミ版の面影を若干残しているものの、
インフルエンサーの影響の大きさや、
陰謀論者の悪質さが再認識された現代を反映した本作ではマルチバースのヴィランズ以上に性質の悪い敵としての役割が強い。
一方で「スパイダーマンの存在があらゆるヴィランを引き寄せる」という騒動の核心を突いた発言もしており、この発言はピーターの最後の決断にも影響を与えている。
その他大勢の“善良な”市民の一部。
「スパイダーマンがミステリオを殺した」という「真実」を鵜呑みにした者達は、その正体であるピーターに付き纏い、話題として消費し続け、面白半分に危害を加え、
徹底的に追い詰めた。
ヴィランに襲われる姿を見て我慢できずにスパイダーマンに加勢したり、素顔を知っても秘密にすると誓ったライミ版『スパイダーマン』や、万全の協力体制を築いてくれたウェブ版『アメイジング・スパイダーマン』の両シリーズとは真逆の市民描写である。
その姿はとてもではないが「『親愛なる隣人』に対する態度とは思えない」と専らの評判。
主な描写としては
- 自分から「マスクを脱げ」と絡みに行ったくせに、拒絶したら「スパイダーマンが殴った」と大袈裟に言いふらす市民
- スパイダーマンに緑のペンキをぶっかけたり、ピーターの家にレンガを投げつけるミステリオ信者
- 本人の許可なしにMJのTシャツを着て「子供いつ作るの?」とプライバシー0の質問を投げかける追っかけファン。
- ピーターの前でいちいちミステリオ殺しの批判を小言で行ってくる陰謀論者。
演:ジェイク・ギレンホール/吹き替え:高橋広樹(前作『ファー・フロム・ホーム』からのアーカイブ出演)
前作においてピーターから奪ったトニーの発明で彼を苦しめ、そして命を落とした偽りのヒーロー。
しかし、死の間際に捏造した「真実」を世間に公表した事で、ピーターのその後の人生を何もかも台無しにした。
調査が進めばいずれ彼が「詐欺師」であるという「事実」は世間に知らされたと思われるが、それでも結局ピーターが大きな代償を払う事になるのは確実な為、事実上の勝ち逃げを果たしてしまっている。
そして、エレメンタルズをでっち上げた彼の悪事が正真正銘本物のマルチバースからの敵を呼び寄せる遠因となるとは皮肉もいいところである。
ベックがペテン師であるという事実を知っている者達。
……だが、フューリーは既に地球外にいたため、ピーターの訴えすら聞いてもらえなかった。
ぶっちゃけ、タロスを通して説明すれば良かったのに何もしなかったため話が拗れた元凶と言える。
ヴァルチャーことエイドリアン・トゥームスの娘であり、かつてピーターに想いを寄せられた元優等生。
劇中では本人は直接登場しないものの、ミッドタウン高校を去った後にモデルとなっていた事が判明し、ピープル誌の表紙を飾っていた。
「良いニュースだピーター。証拠不十分で君は不起訴だ。」
演:チャーリー・コックス/吹き替え:内田夕夜
NYの暗黒街・ヘルズ・キッチンに在住の弁護士。
盲目でありながら感覚が鋭く、背後から投げられたレンガを難なくキャッチ出来るという、弁護士としてのスキルの範疇に収まらない謎めいたスキルを持つ人物。
ピーターの弁護を担当し、彼の無罪を勝ち取った恩人だが、その後ピーターに「『世論』という名の「法廷」が待ち構えている」と警告した。
まさかのNetflix配信ドラマ『
デアデビル』から登場。
同時期のドラマ『
ホークアイ』にも宿敵ウィルソン・フィスク/キングピンが登場しており、マーベル・テレビジョン製作ドラマとの垣根が超えられた事となる。
本作公開前、ケヴィン・ファイギはネトフリドラマのキャラクターやキャストの今後について、「デアデビルが現在のMCUに登場するならコックスを起用する」と明言していたが、実際には密かに本作の撮影に参加していた。
また、本編からカットされたシーンでは法廷でピーターの弁護を行い、無実を証明する一連のシーンがあった事が判明している。
彼の客演により、ピーターの元へ正確に瓦礫を投げ込んだある種超人的な技量を持つ人物の正体はブルズアイ説がまことしやかに囁かれるとか
魔術師
演:ベネディクト・カンバーバッチ/吹き替え:三上哲
最強クラスの力を持つ至高の魔術師。
世界を守るという使命感・責任を常に背負っているため、若干偏屈に捉えられがち。
プライベートでは同じアベンジャーズの一員としてピーターに親しみやすさを持っているものの、魔術に関しては気軽に無茶を言う彼に対し厳しく当たっている。
当初はピーターへの同情心から忘却の魔術を使う事を許可したものの、あれこれと注文をつけて魔術が暴走し、更には大学に交渉する事もせず短絡的に自分を頼ったと発覚した為、彼を激しく叱責。
そして結果、マルチバースのヴィランズが侵入し、彼らを元の世界に戻そうとしたが、彼らを助けようとするピーターと対立し、ミラー・ディメンションで激しい戦いを繰り広げる。
最終的には不覚を取られ、スリング・リングを没収されてディメンション内部に閉じ込められるも……
ドクター・ストレンジの相棒の
マント。
今作においても、日常生活から戦闘までストレンジのサポートをしている有能な存在。
さらには思わぬ人物に使われる事に……?
演:ベネディクト・ウォン/吹き替え:田中美央
ストレンジの補佐を務める魔術師。
今作でストレンジが
サノスの「指パッチン」で消滅中に「至高の魔術師」の代役を務めていた事が判明。
サンクタムの手入れを怠っていたけど
忘却の魔術を使おうとするストレンジに警告するが、無理を押し通され黙認して立ち去った。
結果、大変な事態になってしまい……
マルチバースから来訪したヴィラン
5人の内4人がスパイダーマンと戦って敗れる前の時間軸から跳ばされており、『
アベンジャーズ/エンドゲーム』でアベンジャーズのタイム泥棒作戦の影響で歴史から分岐したサノス軍や
ロキと同じような身の上となっている。
前述の通り、彼らを演じる俳優及び吹き替え声優は以前の作品群から続投しており、当時の作品に合わせてCGで若返らせている。
「ピーター、いいかよく聞け? 人助けってのはかえって仇になるもんだ。後で俺に感謝するぞ……」
演:ウィレム・デフォー/吹き替え:
山路和弘
宙を飛ぶグライダーに乗り、パンプキンボムなど様々な武器を操る緑の悪魔。スパイダーマンにとって最大の宿敵。
『スパイダーマン』からの登場で、彼の時系列は『スパイダーマン』でピーターの正体がスパイダーマンだと知ってから、死亡するまでの間。
格闘戦でも非常に強く、スパイダーマンを圧倒するほど。
元々は軍事企業オズコープ社の社長で、息子のハリーや彼の親友であるピーターを大切に思う心優しい科学者だったが、軍から圧力を受けた事で焦ってしまい、まだ人体投与出来る段階では無い危険な「身体能力増強薬」を、恐怖を感じつつも自らに服用してしまう。
その結果、身体は強化されたものの副作用で誕生してしまった凶悪な別人格に意識を完全に支配され、グリーン・ゴブリンとなり悪事を働くようになってしまった。(ちなみにノーマンはゴブリンに支配されている間の記憶は無い。)
「ノーマン」としての人格は薬を服用する前と変わらず、善良で怯えきっているが、「ゴブリン」は非常に狡猾にして悪辣。相手の弱点に付け込む手段を平然と取り、スパイダーマンと戦う際には卑劣な手段を次々と繰り出す。
最期はノーマンの人格に戻ったフリをして、スパイダーマンを油断させ、背後からグライダーで騙し討ちにしようとしたが、スパイダーマンが避けたため自分がグライダーに刺さって死亡するはずだった。
現世界のスパイダーマンのアースに来てからはノーマンの人格に戻って、ゴブリンの呪縛から逃れる為にマスクも粉々に破壊した。その後、家も会社も息子もいない世界で途方に暮れてスパイダーマンのいると思われるメイ
おばさんの支援所に助けを求めてピーターと合流し、二重人格である事を打ち明ける。
なお、MJを紹介された際に自身の世界の「メリー・ジェーン」と間違える場面が挿入されている。
ピーターの提案により始まった、ヴィランズを元に戻すための研究に協力を志願し、持ち前の頭脳を発揮してピーターと一緒にオクタビアスの制御チップを分析・開発したり、グリーン・ゴブリンの人格を完全に消し去る解毒剤の開発を着々と進めていく。
「邪悪な分身は消えるだと? この俺がそんな事みすみす許すとでも?」
実はオクタビアスを治療した後、ピーターのスパイダー・センスが反応した時点で人格がゴブリンへと完全に変わってしまっていた。
ゴブリンの人格を消して元に戻りたいノーマンとは対照的に、彼の怯えた目を通して、ピーターの様子を密かに観察していたゴブリンは消える気など毛頭ないどころか自分達の力を「
神」と称し、他のヴィランズを煽って反逆させ、世界を征服しようとする。
パンプキンボムの威力も相変わらずで、新たなキルスコアを計上した。
ピーターに底なしの悪意をぶつけた彼は、肉弾戦でピーターを追い詰めて組み伏せ、絞め殺す寸前にまで至る。その隙を突かれてノーマンが開発途中だった未完成の解毒剤をメイおばさんに打ち込まれる。多少のダメージは受けたものの、ゴブリンの人格を抹消するまでには至らず、狂暴さも衰える気配は無し。
逆にピーターの「お人好し」の原点である
メイおばさんに致命傷を負わせて絶命させた事で、さらなる絶望へと叩き込む。
そして他のヴィランズが無力化され、本来の善良な人間に戻った後、ピーター・パーカーの最後にして最悪の脅威として再び現れ、マキナ・ド・カダヴァスを爆破して魔術を暴走させた上、更に攻撃の余波でMJが転落してしまうも、彼女は間一髪で救出された。
メイおばさんの死を嘲笑う形でピーターを
挑発して暴走させる。
ピーターの殺意や怒りによって湧き上がる力とメイおばさんに打ち込まれた解毒剤で体調に異変を来した事で、先刻の戦いとは一転。糸を駆使するピーターの巧みな体術に翻弄され、肉弾戦の末に追い詰められたのだが……
本作のヴィランズの中でもトップレベルに悪辣な活躍を見せるその姿は、まさしく「映画版スパイダーマンの『最初』にして『最後』でもある『最悪』の敵」に相応しい暴れっぷりと言えよう。
御年66歳にもかかわらず、全く老いを感じさせないウィレム・デフォーの怪演は圧巻。
デフォーは今作への出演にあたって「自分にアクションシーンをさせて、カメオ出演にしない事」を条件にオファーを引き受けた。
グリーン・ゴブリンを「『スパイダーマン』最大のヴィラン」として再認識させる演技は必見である。
「やぁ、ピーター。私の装置に何をした?」
演:アルフレッド・モリーナ/吹き替え:
銀河万丈
背中に圧倒的な怪力を有した4本の人造アームを装備した哀しきマッドサイエンティスト。スパイダーマンにとって憧れだった敵。
『スパイダーマン2』からの登場で、彼の時系列は『スパイダーマン2』のラストで死亡する直前。(正確にはスパイダーマンの喉をアームで掴んでいた時。)
元々は心優しく、愛妻家な一面を持つ温厚な性格で、知性についても「授かり物」と称し、人類の為に使うべきだと考えていた科学者だったが、
実験の際の事故が原因で自身の背中に装備していた人工知能を搭載するアームの制御チップが破損し、愛していた妻を失った挙句、覚醒して凶悪化したアームの人工知能に思考を乗っ取られてしまう。
文字通り「操り人形」と化してしまったオクタビアスは、もはや別人といっても過言ではない程凶暴なドクター・オクトパスとなってしまう。
NYの街を犠牲にしてまで人工太陽の生成装置を完成させようとしていたが、スパイダーマンに説得された事でアームの支配から一時的に解放される。最期は罪を償う為に装置と共に川に沈んで死亡するはずだった。
ピーターが初めて会敵したマルチバースのヴィランであり、スパイダーマン状態のピーターを自身の世界の「ピーター」と思って攻撃したが、マスクを剥がした際に別人だと気づき、攻撃を止めた。
戦いの当初はアームの圧倒的パワーによってピーターを圧倒し、アイアン・スパイダーのナノマシンをアームに
吸収させてパワーアップを試みたものの、それが裏目に出た。
ナノマシンの制御権はスーツの持ち主であるピーター側にあったため、逆にアームの制御権を彼に奪われて身動きが取れなくなってしまう。
元が律儀かつ善良な科学者だからか、アームの制御権を奪われた本作では比較的ピーターに協力的な姿勢を見せており、彼に悪態を吐きつつも元の世界の知識や出来事などを説明したりと大人しく従ってくれている。
ピーター・MJ・ネッドの3人に本名を笑われたり、周囲に振り回されて愚痴をこぼすなどコミカルかつ苦労人な描写も多い。
別人で姿が変わっているとはいえ、自身の世界の友人のコナーズの名前がエレクトロの口から出てきても特に何も反応しなかった。
最初にピーターが新造した制御チップによってアームの精神浸食から完全に解放され、正気を取り戻した。
直後のヴィランズ脱走の際にはエレクトロの電撃を受け、最終決戦に遅れて到着すると彼に手を貸したため再び制御チップが壊れたと思われた……
が、実際は壊れておらず、エレクトロの油断を誘ってアーク・リアクターを奪取、無力化に貢献した。
そして、無限の力を秘めるアーク・リアクターを見やって感慨にふけっていると……?
17年振りにドック・オクを再演するアルフレッド・モリーナは御年68歳。
「老いた身体でアクションをやるのはキツい」と思い、最初はオファーを断ろうとしたが、よくよく考えたら「アクションをしていたのは自分じゃなくてアームの方だった」と気付き、さらに「CGで若作りも出来る」と聞いて「じゃあ出るか(意訳)」と快く承諾したんだとか。
予告編が公開された段階で顔出し登場が明らかにされており、ゴブリン役のデフォーやエレクトロ役のフォックスと共に積極的にプロモーションにも参加していた。
- フリント・マルコ/サンドマン(From:Earth-96283)
「別のピーター? 解せんな…」
演:トーマス・ヘイデン・チャーチ/吹き替え:石田圭祐
身体が砂で出来ており、周囲の砂を吸って自在に形を変える事が出来る男。スパイダーマンにとって因縁の敵。
『スパイダーマン3』からの登場で、彼の時系列は『スパイダーマン3』のその後。
元々は愛する娘の医療費を手に入れる為に強盗に加担してしまった脱獄囚で、分子分解装置に迷い込んで肉体が砂と化してしまった結果、サンドマンとなってしまう。
かつて、ピーターの祖父であるベンおじさんから車を奪おうとした際に、「拳銃を捨てて家に帰りなさい」と言われた事で改心しようとしたが、背後から金を奪って逃げてきたもう一人の強盗に背中を押され、持っていた拳銃が暴発。
それによりベンおじさんを誤って殺害してしまった事でピーターとは因縁があったものの、話し合って互いに分かり合えた事でピーターに悪い感情は抱いておらず、そのまま彼の前から砂となってどこかへと消えるはずだった。
その為、当初は現世界のスパイダーマンにも同じスパイダーマンだからと協力してくれていたが、家族以外は心から信用しない極度の人間不信な為、自分の世界のスパイダーマンとは異なり、妙な魔術を使う彼を完全には信じておらず、物語中盤のある出来事をきっかけに、再び不信感を抱いて対立してしまう事に……
「娘へ会うために早く元の世界に帰りたい」にもかかわらず、治療を理由に送還を先延ばしにするピーターに渋々付き合う中、ゴブリン、リザード、エレクトロが反逆して暴走を始めた事で、これ以上MCUの世界に残っていても自分にはメリットが無く危険だと判断し、逃亡。
決戦ではスパイダーマンから魔具を奪い元の世界に帰るため、リザードやエレクトロと呉越同舟の関係となる。
元の姿での出演は『スパイダーマン3』当時の映像を流用したライブラリ出演であり、劇中ではほとんどCGで描かれ、チャーチ本人による新規の音声がアテレコで追加された。
- カート・コナーズ/リザード(From:Earth-120703)
「待て! 元気か、ピーター?」
演:リス・エヴァンス/吹き替え:内田直哉
怪力と敏捷性、切断部の
再生能力を有するトカゲ人間となった男。スパイダーマンにとって悲劇の敵。
『アメイジング・スパイダーマン』からの登場で、彼の時系列は同作でピーターがスパイダーマンだと知ってから、ラストで改心する前。
元々は異種間遺伝子交配の研究をしながら自身の失った片腕を取り戻し、そして全ての人が平等な弱者のいない世界を目指していた優秀で善良な科学者だった。
そんな中、彼はかつて研究者仲間だったリチャードの息子であるピーターと共に爬虫類の再生能力を転用した薬を開発する。人体実験はまだ早いと考えていた彼だったが、上司のラーサ博士から研究の催促を迫られた事を理由に100%安全とは言い難い薬を自らに投与してしまう。
その結果、彼は凶暴なトカゲ人間のリザードとなってしまった。
さらに薬の影響で精神的にも歪んでしまい、「トカゲの生体は人間よりも遥かに優れている」という偏った考えを持ち始めていく。
そして、NY市民をトカゲ化させるバイオテロを実行しようとしたが、スパイダーマンがワクチンにすり替えた事で計画は失敗。
自身は元の姿と性格に戻り改心した後、騒動を起こした罪で逮捕されるはずだった。また、唯一正史においても元の姿に戻ったヴィランでもある。
ストレンジと下水道で激闘を繰り広げた後に捕らえられ、以後はすっかりやさぐれてピーターに嫌味を吐き続け、彼を一切信用していなかった。
ピーターの治療を受ける為にトラックの荷台で嫌々ながら待機させられていたが、ゴブリンとエレクトロがピーターの治療を拒否して反逆、そしてエレクトロに撃破されて一時撤退したオクタビアスと、この場にいるのは危険だと判断して逃亡したサンドマンに紛れて自身もトラックを破壊。
その後、ゴブリンと共にスパイダーマンを襲い逃亡。終盤では元の世界に帰る為、サンドマンやエレクトロと呉越同舟の関係となって、スパイダーマンと最終決戦を繰り広げる。
また、何気に本作で同じ世界からやって来たエレクトロとは以前から面識があった事が明らかに。
他人を卑下する考えを持っているからか、他のヴィランズと異なり、一線を引いて傍観しているような場面が多い。
その為、4人のヴィランズがピーターの部屋に行った際にも部屋に行くのを拒否してトラックの荷台で待機するなど、出番はやや少なめ(しかしながら、初登場のシーンでは叫びながら壁を叩いて登場したり、MJとネッドに突然襲い掛かったりと少ない出番の中で強い印象を残していた)。
後述の通り、本作のリザードを演じたリス・エヴァンスはライブラリ出演のため、映像が少なかったと思われる。
元の姿での出演は『アメイジング・スパイダーマン』当時の映像を流用したライブラリ出演であり、劇中での表現と音声の扱いはサンドマンと同じ。
ちなみに演じたエヴァンスは公開直前のインタビューにて、出演しているのか問われた際に「クリスマスプレゼントみたいに開ける時まで何が入っているのか分からないのがいいよね。」と本作に出演する事を匂わせていた。
- マックス・ディロン/エレクトロ(From:Earth-120703)
「よぉ、ピーター。新しい"俺"はどうだ?」
演:ジェイミー・フォックス/吹き替え:中村獅童
オズコープ社で働く優秀な電気技師だったが、過剰な電気が肉体に流れ込んだ影響で肉体が異様に変質してしまった男。スパイダーマンにとって最強の敵。
『アメイジング・スパイダーマン2』からの登場で、彼の時系列は『アメイジング・スパイダーマン2』のラストで死亡する直前。
最強の敵の異名は伊達ではなく、その実力はスパイダーマンのヴィランの中でもトップクラス(実際、彼の出典である『アメイジング・スパイダーマン2』ではスパイダーマンを瀕死になるまで追いつめており、グウェンの手助けが無ければ本当に負けていた可能性が高い)。
元々は心優しく真面目な青年だったにもかかわらず、冴えない風貌と気弱な性格が災いして、周囲から酷過ぎる扱いを受ける日々を送っていた。
そんな弱い自分に嫌気が差していたが、スパイダーマンに命を救われた際に「君が必要だ」と言われた事で、彼は精神的にも救われ、スパイダーマンの大ファンとなる。
また、ピーター曰く「マックス・ディロンは本当、最高に優しい人だった」との事。(グウェンからも「アナタ紳士ね」と言われていた。)
そんな中、自身の誕生日に上司からたった一人残業を命じられてしまう。その際に電気ウナギの入った水槽に落下して、全身をウナギに噛まれた事で電気人間のエレクトロとなってしまう。
当初は自身の変化に戸惑って助けを求め、駆けつけたスパイダーマンもそれに応えようとするが、無能な警察官がスパイダーマンの制止を無視してエレクトロに銃を発泡し、それを見ていた周囲の無知な野次馬は、エレクトロに罵詈雑言を浴びせてしまう。
それにより、スパイダーマンに「ヒーローとしての売名行為」に利用されたと誤解し、不信感を抱いたエレクトロは承認欲求を拗らせて暴走。自分の力を駆使し、世界の支配を目論むようになってしまう。
最期は発電所の電気を使ってスパイダーマンを圧倒したが、その際に大量の電気が体内に流れ込んでしまった事で、過充電により爆死するはずだった。
現世界に来た時は元同様の青い肉体をしていたが、スパイダーマンに電源を落とされた事を機に元以上に精悍な人間としての肉体を手に入れた。
その影響かどうかは不明だが、以前は微塵も見せなかったような笑みを浮かべたりジョークを言ったりと、性格も陰りのある性格から陽気な性格に変わっている。
また、前述の通り同じ世界からやって来たリザードとは以前から面識があった事が本作で明らかになった。
何だかんだドクター・オクトパス同様、最初はピーターの治療を大人しく受けていたが、ゴブリンに唆された事で反逆を始める。
力に呑まれ、支配欲に満ちているのは相変わらずで、現世界の技術に酔いしれ、それらを駆使してパワーアップせんと目論む。
前述のように『アメイジング・スパイダーマン2』では全身が青色だったが、今作では黄色に近い白色の電流を纏っており、エネルギー放出時にアメコミ版のマスクのような電流が走る描写がある。
また、今作ではスパイダーマンがクイーンズ出身である事から、ずっと正体が黒人だと思っていた事が明らかになった。
体内の電気を吸い出される事を拒否し、世界を支配する為に治療装置開発に使われていたアーク・リアクターを奪ってパワーアップ。
後にあちこちから装備を集めた事で更なる強化を果たしてスパイダーマンの前に立ち塞がる。
久々にエレクトロを演じることになったジェイミー・フォックスだが、本作への出演にあたって「前みたいな青いハゲじゃないのなら」と条件を出し、出演を引き受けた。
用語集
前作においてピーターの手によって造られた新型スーツ。
愛用していたものの、心無い市民によりペンキをぶつけられ、台無しにされてしまう。
その後はメイ
おばさんによって洗濯された。
『
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以来使っていたナノテクスーツ。
アップグレードスーツが汚れてしまったためか、大学関係者との掛け合いに携行していたところをドック・オクに襲撃される。
その際に破壊されてドック・オクのアームにナノマシンを奪われた事が逆転の鍵となった。
ドック・オクからすると、背中から4本脚が生えるこのスーツには思うところがあった様子。
かつて使用していたハイテク・スーツ同様に補助用AI(吹き替え:藤森慎吾)が搭載されている。
エレクトロ捕獲作戦で用いたスーツ。
ストレンジの魔術によってウェブ・シューターが強化されており、命中させた目標をサンクタム地下に転送出来る
魔法のウェブを発射出来るようになっている。
実際はペンキ塗れになったアップグレード・スーツを裏表反対に着ただけのもの。よく見ると裏地の配線がむき出しになっている。
裏返しただけとはいえ魔術による一時的な強化も受けていたため、事前宣伝の新スーツであるかのような表現も間違ってはいないが……
アップグレード・スーツが改良され、新デザインとなったバージョン。
正気に戻ったオクタヴィアスによりアームのナノマシンを返され、ナノマシンによってデザインが変化した。
事件が終わった後、ピーター自身が家庭用ミシンで縫製したスーツ。
市販の素材で作られているため、ハイテク・スーツ以降の特殊機能は一切持たないと思われる。
カラーリングが鮮やかになり、デザインも従来のスパイダーマンに近くなっている。
「忘却」の魔術。
ストレンジも普通に使っている基本的な魔術のようだが、大規模に使った場合、時間と空間の境界を揺るがす事態となるようだ。
中断した魔術を封じ込める魔具。
固定し、スイッチを押すと、魔術が逆転して「なかった事」になる。
ヒーローのコラテラル・ダメージを管理し、取り締まる連邦捜査局。
……なのだが、本作ではスパイダーマンを犯罪者として追い詰めており、完全にヒーローの敵となっている。
トニーが設立した組織だが、彼が指導したピーターを追い詰める事態になるとは何たる数奇な運命なのだろうか。
過激な報道で話題となっていたネットニュース社。
当初はジェイムソンが単独でやっていた小規模スタジオに過ぎなかったが、スパイダーマン叩きの報道で名声を得てからはスタジオの規模が大きくなっていた。
ついでに胡散臭いサプリメントの宣伝もしている。
ニューヨークのシンボル。
アベンジャーズの功績を讃えて、
キャプテン・アメリカの盾を松明と一緒に持つ改装工事が行われているが、反対の意見も出ている。
この先、超重要なネタバレがあります。閲覧には十分ご注意ください。
グリーン・ゴブリンの手によりメイおばさんを目の前で殺され、ジェイムソンはこの事態すらダシに使い、ヴィランの襲来による悲劇の責任をピーターに押し付ける形でバッシングを強める始末。
哀しみに暮れるピーターは行方を眩ました。
音信不通になったピーターを心配するMJとネッドは、何とかしてピーターを見つけ出して励ましてやりたいと考えるも、居場所が分からない。
しかし、なんとネッドが預かっていたストレンジのスリング・リングで不完全ながらゲートウェイを展開出来る才能を持つ事が明らかになる。
「ピーター・パーカーに会いたい」
「スパイダーマンを支える椅子の男」ではなく、ただの「ピーター・パーカーを大切に想う親友」として、そう念じながらゲートを展開させたネッドは、とある路地裏で歩くスパイダーマンの姿を捉え、こっちに来るようにMJと共に呼びかける。
……が、ここでMJとネッドと観客はある違和感に気付く。
おばさんが殺された直後なのにスパイダーマンはこちらへ手を振り、妙にノリと足取りが軽い。
そして何だかいつもより身長が大きく、ガタイが良くて、目の大きさがパッチリしているし、良く見るとスーツのデザインも違う。
そもそも、直前のカットでは広々とした屋外で素顔を晒していたはずなのに、なぜマスクを被って路地裏を歩いている?
二人は、自分達が知っているピーターを見つける為にもう一度ゲートを展開させる。すると今度は、牧師みたいな私服を着た一般人が姿を現す。
本当に目の前に居る二人はピーター・パーカーなのか?
そしてゲートを潜り、彼らの前に現れたのは───
「スパイダーマンだよ...僕の世界ではね。」
「宣伝して歩く真似はしないよ。スーパーヒーローは謎の存在って設定が崩れるだろ?」
登場人物(ネタバレあり)
スパイダーマンズ
- ピーター・パーカー/スパイダーマン(From:Earth-120703)
演:アンドリュー・ガーフィールド/吹き替え:
前野智昭
ご存知、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズの主人公。
コナーズ博士、マックスの世界のスパイダーマンで、背が高く精悍な体に明るくお喋りな性格の「ピーター3」。
彼の時系列は『アメイジング・スパイダーマン2』のその後である。
科学
オタク気味で、科学の話になるとすぐ早口になる。ウェブシューターはピーター1同様自分の手作り。
自身の過ちが原因でベンおじさんを失ってしまった事をきっかけに、スパイダーマンとして自警活動をしていたが、闇堕ちしてグリーン・ゴブリンとなってしまった親友のハリー・オズボーンと激闘を繰り広げている最中、恋人のグウェン・ステイシーを自分の不注意で死なせてしまい、深い悲しみに落ちてしまった。
それでも一度は彼女の死を乗り越え、善良なニューヨーク市民を守るためのスーパーヒーローとして再起していたはずだったのだが、結局悲しみを払うことは出来ずに「気付けば殴っていた」と漏らし、
悪人に対し、負の感情のままに拳を振るい続ける、「冷酷」で「情け容赦のない」ヒーローとなっていたようだ。
その過ちを現在では深く後悔しており、ピーター1とMJの関係を自分の事のように嬉しく思っている模様。その後はピーター1とピーター2と共にヴィラン達を元に戻す解毒剤やデバイスの製作に協力し、以前の戦いで治すのに成功したコナーズの肉体と性格を元に戻す解毒剤を再び作り上げた。
ずっと兄弟が欲しかったらしく、別の世界の自分達と会えた時は兄弟が出来たと思って最高の気分になっていた。
上記のセリフからも分かる通り、一人で戦ってきた彼はアベンジャーズの事など知る由もなく、ピーター1に対して「バンドか!?」と聞き返していた。
また、自分に憧れていたマックスを救えなかった事も後悔し続けており、彼と分かり合う事を望んでいたが、一方で元の世界では和解済みだったコナーズ博士との絡みは少なかった。
ピーター1からの「今まで戦ってきた中で一番ヤバかった敵は?」の問いにはライノを挙げているため、あの後結構苦戦した模様。
そうなると逆説的にハリーや帽子の男は大して苦戦させられずに倒された可能性があるという事になるが……
しかし他の2人が異星人を挙げたため、エイリアンと戦った事がないとふてくされてしまう。ピーター2と観客「You're amazing!(君はアメイジングだよ!)」
なお、彼が二人のスパイダーマンに話した「I love you guys!(君達大好きだ!)」はガーフィールドのアドリブ。
グリーン・ゴブリンの急襲の余波でMJが自由の女神から落下した事に気付くと咄嗟に動き出し、かつてのグウェンの時と同様に、救出のために飛び降りる。
「今度こそ」助けたシーンに、彼と共に多くの観客が涙したという。
- ピーター・パーカー/スパイダーマン(From:Earth-96283)
演:トビー・マグワイア/吹き替え:猪野学
ご存知、サム・ライミ版『スパイダーマン』3部作の主人公。
ノーマン、オクタビアス博士、フリントの世界のスパイダーマンで、ぱっと見普通の一般人で温厚な性格の「ピーター2」。
彼の時系列は『スパイダーマン3』のその後である。
3人の中でもスパイダーマン歴が長いようで、腰を始めとして大分と体にガタがきている模様。
ピーター3が現れた後、今度こそ「自分達の知るピーター(ピーター1)」の下にゲートを開こうとしたネッドによって呼び込まれる。
服装は私服を着用していたが、昔と同様その下にしっかりスーツを着込んでいる。
父親代わりのベンおじさんを殺され、犯人を追い詰めた末に彼が自滅するきっかけを作ってしまった経験が今でも後悔として残っており、その後も救えなかったヴィランズや親友ハリー・オズボーンの
復讐と死、恋人MJ(メリー・ジェーン)との複雑な関係など、波乱万丈な人生を送ってきた。
そうした経験あってか、ベンおじさんの遺した「大いなる力には大いなる責任が伴う」の言葉の重みを特に感じており、不信感を抱いて暴走したフリントを命懸けで止めようとしたりとヴィランズを救う事には人一倍乗り気を見せている。
その中でも、ハリーが自身に対して憎しみを抱き、ニュー・ゴブリンとなって死亡するきっかけとなってしまったノーマンの死は今でも非常に心残りで、今回は何としても彼を救うために以前からずっと考えてきた、ノーマンの中にいるグリーン・ゴブリンの人格を、完全に消滅させる解毒剤を製作した。
なお、気になるMJとのその後は「色々あったけど良い関係を見つけられた」と話しているので、あの後も無事に交際を続けている様子。
ちなみに唯一ウェブシューターと蜘蛛糸液を用いずにスパイダーウェブの射出と生成が出来るため、他2人のシューター談義についていけていなかったが、シューターが必要ないと知った2人からは驚愕と尊敬の眼差しを受ける事になった。
「今まで戦った中で一番ヤバかった敵は?」の問いにはヴェノム(というよりもシンビオートか?)を挙げている。
こちらも一人で戦い続けてきており、アベンジャーズの一員として戦ったと語るピーター1に対して「That's great! What's that?(“アベンジャーズ”!?凄いな!……それはなんだ?)」と聞き返している。
終盤にマスクを脱いでオクタビアス博士と会話するシーンで「How are you?(元気か?)」と聞かれて返した「Trying to do better.(努力してます)」は『スパイダーマン2』で初めて彼と会った時のセリフであり、
長い年月を経ても変わらぬ畏敬の念を示す姿は当時のファンを深い感慨で包んだ。
- ピーター・パーカー/スパイダーマン(From:Earth-199999)
演:トム・ホランド/吹き替え:榎木淳弥
グリーン・ゴブリンにメイおばさんを殺され、失意のどん底に落ちていた「ピーター1」。
「ヴィランズを治療し、悲惨な運命から救いたい」という己の願いがメイおばさんというかけがえのない人を失う原因になってしまったと打ちひしがれ、全てを諦めてヴィランズとスパイダーマン達を元の世界に戻そうとしたが、
別世界からやって来たスパイダーマン2人の境遇を知り、彼らもまた大切な人を失い傷つき、そして出来る事ならヴィランズを救いたいという思いが同じだと知る。
そして、メイおばさんの遺した「大いなる責任」を果たすため、改めて2人のピーターと協力してヴィランズを元に戻そうと決意。
高校の実験室を拝借してヴィランズの治療用に開発していた薬やメカ群を5人がかりで修理すると、テレビ通話でデイリー・ビューグルの生中継を介してヴィランズに自分のいる場所を間接的に伝え、工事中の自由の女神像におびき出すと、砂嵐と稲光とトカゲ男が荒れ狂う中を率先して駆け出していく。
他の2人はチーム戦を経験していない事から、若年ながらリーダーとして彼らを率いる事に。
ゴブリンと対峙した際には「八つ裂きにしてやりたい」と言うほどの強い復讐心を認め、それでもノーマンを救おうと必死で憎悪を抑え込んでいたが、メイおばさんの死を嘲笑うゴブリンの挑発に激怒して再び暴走してしまう。
激しい肉弾戦の末にゴブリンを追い詰め、遂には自らの手で止めを刺そうとしたのだが……?
そんな彼の前に立ちはだかるのはヴィランズだけではなかった。
ゴブリンの急襲でマキナ・ド・カダヴァスが破壊され、封じられていた魔術が解き放たれてしまい、ストレンジですら抑え込めないほどに暴走してしまう。
ニューヨークはおろか、マルチバースそのものが崩壊を始める中、彼は後には戻れない選択を下す……。
ちなみに前述のニューレッド&ブルースーツであるが、公開された本作の脚本によればやはりと言うべきか、ライミバース及びウェブバースの2人のスパイダーマンたちのスーツを意識してピーターが作ったものであるようだ。
概要(ネタバレあり)
本作の製作時には、「トビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドといった歴代スパイダーマンは登場するのか」という噂が飛び交った。
しかし、その度にケヴィン・ファイギやトム・ホランドは「出ない」と否定し、マグワイアはノーコメント、ガーフィールドも「出た事はない」と否定し続けた。
……それは本作最大にして万全のサプライズを期すために、公式サイドが仕掛けたフェイクだった。
遂に本作でマグワイアとガーフィールドの歴代スパイダーマンが「本人」として登場を果たしたのである。
2人の登場は事前宣伝では徹底的に隠され続け、予告編においても彼らの登場シーンはCGで消され、プレミアにすら呼ばれなかったので、公開当日に2人で連れ立って映画館へ行き、一般客に混じって公開を見たとの事。
リザードが誰もいないところに飛びかかっている事を突っ込まれたり、ブラジル版の予告がカット割りをミスってリザードが何もない場所で何かからダメージを食らっている絵面をモロに写したりしたけど
前述の通りマグワイアとガーフィールドは自分達の出演を公開されるまで周囲に伏せていなければいけなかった。
特にガーフィールドの方は『アメイジング』シリーズで共演したグウェン役で元カノのエマ・ストーンから「新作に出るの?」という質問をLINEで何度も問い詰められ、ガーフィールドは何度も「知らない」「分からない」という答えを公開されるまではぐらかし続けた。
そしていざ公開されて、自身が出演した事をストーンが知った際には彼女から「アンタは嫌なヤツね」と言われたという。
ただし、「家族は自分と変わらない存在なので例外」らしく、自身の両親と兄には出演する事が決まってからすぐに報告したとのこと。
マグワイアの方はしつこいパパラッチや取材、ファンに対し、「それについては話せないんだ。」などと返事して何とか隠し通していたそうだがある人物のいつものうっかりのせいで1人の人物に出演することがバレてしまっている(詳細は後述)。
そして登場した彼らの姿に多くのファンが拍手喝采し、3人の絡みに
笑顔になるファンは数え切れないほどだった。
特に数多くの伏線を残したまま、打ち切りで終わってしまった『アメイジング』シリーズのピーターのその後の示唆には涙を禁じ得ないものがある。
しかも、彼らの出番は特別ゲスト程度だけではなく、過去作の言及まで及んでおり、先述のようにもはや本作は「MCUの1本」のみならず「全スパイダーマン実写映画シリーズの総括」という役割を担っている。
実は本作の前に公開された『
スパイダーマン:スパイダーバース』で
3人が共演することが検討されていた。
マグワイアはピーター・B・パーカー役として出演し、ガーフィールドとホランドはそれぞれの映画の本人役として登場する予定だったらしいが、観客が『スパイダーバース』の概念が分かりにくくなる上に混乱するかもしれないとのことで実現されなかった。
しかし今作ではそれが実現されたのでまさしくこれは
『実写版スパイダーマン:スパイダーバース』とも言える。
これら、全ての『スパイダーマン』シリーズを内包する本作には多くの賞賛の声が寄せられ、「スパイダーマンシリーズ最高傑作」との呼び声も高い。
ちなみにマグワイアとデフォーはこの作品でそれぞれの役にカムバックした事で2002年の映画初登場から19年と225日という最も長期でマーベルのキャラクターを演じたという事になり、2022年1月25日にギネス世界記録に認定された。
“The filmmakers would like to gratefully acknowledge the original true believer,
Avi Arad, whose vision led the way to bringing these iconic characters to the screen.”
(映画化への道を切り拓いてくれたアヴィ・アラドに感謝を)
余談
- 冒頭のニューヨークのシーンで、ドラマ『ホークアイ』に登場したミュージカル『ロジャース・ザ・ミュージカル』の広告が登場している。
- クライマックスで垣間見えるマルチバースの人々には、クレイヴン・ザ・ハンターやライノらしきシルエットが登場している。
- ノー・ウェイ・ホームとは「家に帰る道がない」「帰る家はあるのにそこに行く事が出来ない」の意味。ある意味最大のネタバレである。
- 最初の実写映画版3部作を監督したサム・ライミは、MCU次作であり今作に直結した展開が期待される『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のメガホンを取った事が発表されている。
今後のMCUでライミ監督の演出するスパイダーマンが拝めるかもしれないと考えると今後に期待したいところだが……。
- 脚本作業は相当難航したようで、1年以上練り続け、撮影が終わった後も脚本作業をしていたらしい。「もう完成しないんじゃないかと思った」とは脚本家の一人、クリス・マッケナの弁。
ネタバレ王子ことトム・ホランドは撮影中にたまたま隣のスタジオでミズ・マーベルの撮影をしていたカマラ役のイマン・ヴェラーニに撮影の事について聞かれた際に、彼女に絶対に出演することをバラしてはいけない大先輩とのツーショット写真を見せてしまうといういつものうっかり大失態をおかしてしまった。MARVELオタクで知られているヴェラーニはこの写真を見て、すぐに映画の中身とその写真の意味がわかってしまったという。
- エンドクレジットで流れる楽曲はデ・ラ・ソウルの「The Magic Number」。
デ・ラ・ソウルはピーターの出身地であるクイーンズの位置するNY・ロングアイランドで結成されたヒップホップグループであり、歌詞で繰り返される「3は魔法の数字」は本作においても様々な意味を持つ。
- 本作の結末を見た日本のファンからは「東映版スパイダーマンの主題歌である『駆けろ!スパイダーマン』をエンディングに流してほしかった」という感想が散見された。
色物・ネットミーム的な印象を持たれる東映版であるが、自身が出演したわけでもないのにまたしても再評価される事態になったとか。
……なお、本作の日本語吹替版エンディングテーマはSixTONESの「Rosy」である。
- 同じマーベル作品であるアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』とは「マルチバース」の歪みから「歴代のスパイダーマンのヴィラン達が共謀して襲ってくる」といった共通点がいくつか存在するが、
上記のマックスがスパイダーマンを黒人だと思っていたという発言に対してピーターが謝ると、マックスは「謝らないで。黒人のスパイダーマンもどっかにいるよ…」と返答しており、
この黒人のスパイダーマンがアニメ映画版『スパイダーバース』及び原作アメコミ作品の主人公であるマイルス・モラレスを示唆しているのではないかというファンの指摘、また実際劇中のシーンで一瞬だけ登場する影が「マイルスらしき影ではないか」という噂も存在する。
追記・修正は「大いなる責任」を果たしてからお願いします。
「そうか、よし分かってきたぞ。つまり、こっちの世界には・・ここにはその、大量にいるんだな。超人たちが。」
「さっきから彼がずっとそう説明してるだろ!」
- エディ・ブロック(From:Earth-688B)
演:トム・ハーディ/吹き替え:中村獅童
南の国のバーでバーテンダーから話を聞いていた男。どうやら彼もまた別のユニバースから来たらしい。
アベンジャーズの話を聞く傍ら、彼にだけ聞こえる声にも返事をしている。
そして時たま、挙動不審な行動を取る。
……だが、エディが「ニューヨークに行ってスパイダーマンに話を聞こう」と決意した矢先、再び消えて元の世界に戻ってしまう。
困惑するバーテンダー。
そして、彼がいたテーブルには、「黒い粘ついたモノ」が付着しているのだった……。
『
ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のラストの流れから、ヴェノムが本作の戦いに参戦する形でMCUとソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)のクロスオーバーを予測する声も公開前には多かったが、結果的にゲスト出演に終わった事を残念がる声も少なくなかった。
だが、ヴェノムがMCU世界に残していった異物が今後のユニバースにどう影響を与えるのかを期待する声も多い。
なお、このエディはスパイダーマンは無論ピーターの事も知らないため、Earth-199999に現れる「スパイダーマンの正体を知っている」というルールには当てはまらない。
しかし、脚本家の一人であるクリス・マッケナにより、「シンビオートは他のユニバースに関する知識を持っており、ここに繋がる知識が埋め込まれている」という事実が明かされた。
つまり、
エディに取り憑いているヴェノム=シンビオートが、スパイダーマンに関する知識を知っていたためにEarth-199999に現れたというのが真相である。
スパイダーマンの正体を知っているシンビオートと言えば『スパイダーマン3』に登場したヴェノムが存在するが、もしかすると他のマルチバースにもスパイダーマンの正体を知るシンビオートが存在しているのかもしれない……。
マルチバースの危機はドクター・ストレンジの手によって収束したかに見えた。
……しかし、危機は終わっていなかった。
マルチバースの扉は解放され、世界全体にその影響が及んでしまう。
至高の魔術師と敵対するかつての兄弟子。
魔術師が応援を頼むのは、現実を改変する力を持つ魔女。
そして、災厄を呼ぶのは他でもない、「彼自身」だった……。
DOCTOR STRANGE WILL RETURN IN...
ドクター・ストレンジは帰ってくる
DOCTOR STRANGE
IN THE
MULTIVERSE OF MADNESS
最終更新:2025年04月04日 21:43