スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

登録日:2022/01/14 Fri 07:38:29
更新日:2025/07/01 Tue 15:15:37
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◆スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム









全ての運命が集結する



















概要

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(Spider-Man: No Way Home)』とは、2021年に公開された米映画。
MARVEL社のコミックヒーロー「スパイダーマン」の実写映画第8弾
MARVELコミックヒーロー映画化シリーズ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画通算27作目にしてフェーズ4の映画第4弾。
MCUのスパイダーマン映画では『スパイダーマン:ホームカミング』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』に続く3作目となる。

監督は前2作と同じくジョン・ワッツ。

当初、本作の製作前にMARVELの親会社であるウォルト・ディズニー・スタジオは映画『スパイダーマン』シリーズの興行収入の取り分をより多く要求し、
それに反発したソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが映画3作目はマーベル・スタジオとの連携を解約する(つまり、MCUではなくなる)と発表した。
しかし、主演のトム・ホランドが両社の間を取り持った事で新たに契約を結び直し、続く3作目もまたマーベル・スタジオとソニーが連携して製作する事が決定した。

……そして、製作中の3作目の全貌が徐々に明らかになるにつれ、とんでもない噂が流れ始める。
それは、ヴィラン(悪役)として過去にソニーが製作した映画『スパイダーマン』に登場したグリーン・ゴブリン、『スパイダーマン2』に登場したドクター・オクトパス、『スパイダーマン3』に登場したサンドマン
アメイジング・スパイダーマン』に登場したリザード、『アメイジング・スパイダーマン2』に登場したエレクトロを再登場させ、しかも演者は5人全員同じ俳優(日本語吹替まで一緒。)で、過去作に登場したヴィランと同一人物として出演しているというのだ。
このニュースには全映画ファン達の間で衝撃が走った。

衝撃は更に続いた。MCUの既存キャラの中でのドクター・ストレンジの登場。そして「マルチバース」という単語の発表。
奇しくも、MCUフェイズ4ではドラマ『ロキ』やアニメ『ホワット・イフ…?』において「マルチバース」の概念が出現した時期でもあった。
公開が近づき、遂にソニーは今作で登場するヴィラン達は過去の映画『スパイダーマン』シリーズ及び『アメイジング・スパイダーマン』シリーズに登場したキャラクターと同一人物である事を明かす。

そう、遂に「マルチバース」を駆使し、スパイダーマン映画において長年の壁であった「配給会社の壁」を超えるクロスオーバー企画が実現したのである。

そのクロスオーバーは単なる「ゲスト出演」には留まらず、劇中でも登場した過去作の内容が事細かに語られ、キャラクターのバックボーンとして重要な役割を果たす。

すなわち、本作はMCUのスパイダーマン映画(ホームカミング、ファー・フロム・ホーム)のみならず、これまでのソニー・ピクチャーズ製作・配給の『スパイダーマン』映画である、
の5本を全て見ている事が推奨されている(勿論、それぞれの作品を見ていなくても、十分に楽しめる内容にはなっている)。

もはやこれは「MCUの1本」の枠にあらず、2002年のサム・ライミ版から始まった、実写版「スパイダーマン」を総括する映画としてとてつもない規模の物語が描かれており、「20年間、スパイダーマンを愛してくれた全ての人へのファンサービス」、そして何より「MCU版スパイダーマンのホーム3部作の最終章」として申し分ない出来となっている。
その詳細については後ほど説明するが、「スパイダーマン」を愛した人にとっては満足する事間違いなしの出来栄えだ。

なお、本作は当初『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の後に公開される予定だったが、新型コロナウイルスの影響でスケジュールが変更された結果、本作が先に公開される事になり、MCUの映画において初めてマルチバースの概念を説明した作品となった。

一方日本では全世界よりも3週間遅れの2022年1月7日公開となり、これには国内のMCUファンからの批判的な意見も相次いだ*1
近年のソニー・ピクチャーズ配給作品の日本公開時期は全世界よりも遅めに設定される事が多く、同様の指摘は『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』でも見られたが、ディズニー配給のMCU作品が基本的に全世界で一斉に公開されている事も批判に拍車をかけてしまった。
他方、12月後半には『マトリックス レザレクションズ』や『劇場版 呪術廻戦0』『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』など多くの話題作の公開が続いていたため、「これらの作品との競合を避けたのでは」という見方も少なくない。
ちなみに日本だけ公開が遅くなったわけではなく、フィリピンでも2022年1月の公開となっている。



ストーリー

普通の高校生と親愛なる隣人ヒーロー「スパイダーマン」の2つの顔を持つ少年、ピーター・パーカー。
トニー・スタークとの繋がりでアベンジャーズの仲間になり、同級生のMJとも両想いになって順風満帆な生活を送っていた……はずだった。

トニーの発明を悪用した詐欺師・ミステリオことクエンティン・ベックを倒したのも束の間、彼は死ぬ間際に偽の映像を作り上げ、スパイダーマンは無差別攻撃をして自分を殺した悪党であるという「嘘」と「スパイダーマンの正体はピーター・パーカー」という「真実」を世界中に暴露したのだ。
JJJらデイリー・ビューグルによってあっという間にヒーローから殺人犯の汚名を着せられたピーターや家族、仲間達に容赦なく向けられる捜査の目、そして浴びせられる市民の罵声。
優秀な弁護士によって起訴は免れたものの、世論は容赦せず、ピーターは世間からの好奇の目に晒される羽目となる。
そして、心機一転となるはずだった大学進学も、MJ、ネッド共々取り消される事態となってしまった。

どうしようもない現実に途方に暮れたピーターは、NYに住む魔術師、ドクター・ストレンジの住むサンクタムの門を叩く。
「時間を戻してほしい」と頼むピーターに対するストレンジの答えはNO。だが、咄嗟の閃きで「世界中の人間がスパイダーマンの正体を忘れる」魔術を使うことを思いつく。
しかし、突然魔術を始めたストレンジに焦ったピーターがあれこれと注文をつけた結果、修正を加えるうちに魔術が暴走を開始し、途中で中断することに。
何も言わずに魔術を始めた自分にも非があるとはいえ、「大学に全く交渉しなかった」ピーターに怒ったストレンジは、彼を追い出す。その後、ピーターは大学関係者に大急ぎで掛け合いに向かう。

そこへ、突然現れたのは4本の凶暴なアームを背中に纏った謎の科学者。
彼は「スパイダーマン」が「ピーター・パーカー」であると知っていたものの、目の前の「ピーター・パーカー」は別人だと認識していた。その後、高笑いをしながら襲いかかる緑の悪魔やトカゲの姿をした怪人、そして砂や電気を自由自在に操る男達が次から次へとピーターの前に姿を現す。彼らも同じく、スパイダーマンの正体がピーターである事を知っていたが、目の前にいるピーターの事はやはり知らなかった。
そんな中、ストレンジは衝撃の事実を告げる。先の魔術の暴走によって次元に歪みが生じ、その隙間から「スパイダーマンの正体がピーター・パーカーである」という事実を知る別の世界のヴィラン達がマルチバースを通して侵入したというのだ。
やがてピーターは知る。この5人がマルチバースにおいて「スパイダーマン」と戦い、敗北し、そして何人かは死ぬ運命にあるという事を。

彼らをそのまま元いた世界と時代に戻し、世界の均衡を保とうとするストレンジに対し、事情を知っていく内に、彼らが根っからの悪人では無い事を察したピーターは、改心させて元の善人にしてから戻すべきだと反発する。

果たして、ピーター・パーカーは何を選び、何を戦いの果てに得て、何を失うのか。
彼を待ち受ける、途方もない「運命」とは何か。

全ての審判が下される時は、着々と訪れていた……。


登場人物

ピーターを取り巻く人々

演:トム・ホランド/吹き替え:榎木淳弥
主人公。ご存じ親愛なる隣人にして少年スパイダーボーイ。
本質的に優しい性格であるため、他人を見捨てる事が出来ず、それ故に付け込まれる事がある。
過去作では色々な大人に庇護され、可愛がられてきた彼も歴代トップクラスに過酷な試練が与えられることとなる。
ミステリオの作り上げた「真実」、そして自分の正体の暴露により世間の目に晒され、平和な日常を一切合切奪われてしまった。
そんな中でもMJやネッドとの時間は大切にし、共有してきた「秘密」が明るみに出た事に少しほっとしたりもした。
自分だけでなくメイおばさんやMJ、ネッドにも被害が及ぶ事に傷つき、それを阻止するためにも、精神面の幼さ故に早まった行動(大学に交渉せずストレンジに頼んで大事に発展させる)を取ってしまう。
結果、マルチバースからのヴィラン達の侵入を許してしまい、その後始末に奔走するも、彼らに待ち受ける悲惨な運命を知った事や、メイおばさんの正義感溢れる言葉から彼らを見捨てられず、助ける事を選ぶ。

  • ミシェル・ジョーンズ“MJ”・ワトソン
演:ゼンデイヤ/吹き替え:真壁かずみ
ピーターの同級生で恋人。旅行で彼からもらったペンダントを大事にしている。
誰よりもピーターに絶大な信頼を寄せており、彼の心の支えとなっている。
ピーターと一緒に世間の悪評に晒されながらも、気丈に振る舞ってレッテルを跳ね除けていた。
ストレンジ相手にも物怖じせず意見を言えるなど、気骨ある少女。


  • ネッド・リーズ
演:ジェイコブ・バタロン/吹き替え:吉田ウーロン太
ピーターの同級生で親友の「椅子の人」。
ピーターの親友という理由だけでやはり世間からバッシングを受けるも、一切気にせずピーターのそばにい続け、スパイダーマンとしての彼もサポートする。
実家が魔術師の家系だと自称するも、ストレンジからは相手にされなかった。
だが、思わぬ才能を発揮し……?
ある意味では本作最大のMVP。

  • メイ・パーカー
演:マリサ・トメイ/吹き替え:安藤麻吹
ピーターの叔母で、育ての母親。
殺人容疑のかかったピーターの保護者として非難されるが、それを鼻で笑う胆力のある人物。
「指パッチン」によるホームレスを助ける活動を継続しており、人の助けになる事をモットーとする慈愛の心を持つ。
スパイダーマンを訪ねていたノーマン・オズボーンを保護し、彼と意気投合する。

  • ハロルド“ハッピー”・ホーガン
演:ジョン・ファヴロー/吹き替え:大西健晴
スターク・インダストリーズの警備責任者。トニー・スタークを通してピーターとは腐れ縁。
メイおばさんとは交際していたと思われていたが、それは当人だけだったようで、彼女にとっては「夏の火遊び」だったようだが、今も彼女に未練タラタラである。
スターク社のドローンがミステリオに利用されたことで自身も世間のバッシングを受けてしまうも、所有していたマンションの一室をパーカー家に提供するなどサポートしていた。

  • フラッシュ・トンプソン
演:トニー・レヴォロリ/吹き替え:畠中祐
かつてピーターをいじめていたお坊ちゃん。
本作では金髪になっており、アメコミ版に近い外見になっている。
ピーターが憧れのスパイダーマンと発覚するや否や手のひらを反して「彼の親友」と豪語している。
「フラッシュポイント」なる自伝本を出版するなど、やっぱりどこか抜けている。
ピーター達3人がMIT(マサチューセッツ工科大学)に落ちた中、自身は合格して気まずくなるも、ピーターに「親友」と喧伝してもらう事を条件に副学長補佐官の居場所を教えた。

  • ベティ・ブラント
演:アンガーリー・ライス/吹き替え:水瀬いのり
ミッドタウン高校の報道部員。
あくまでピーターの味方として彼を応援する密着番組をレポートする。

  • ロジャー・ハリントン
演:マーティン・スター/吹き替え:長野伸二
  • ジュリアス・デル
演:J・B・スムーヴ/吹き替え:山野井仁
学力クラブでピーターを担当していた教師2人。
スパイダーマンとしての彼の功績を讃えており、本人が頼んでないのに記念の展示物を作り上げた。

  • アンドレ・ウィルソン
演:ハンニバル・ビューレス/吹き替え:高桑満
ミッドタウン高校の体育教師。
上記の2人とは違って完全にミステリオ信者となっており、教え子であるピーターを公然と「人殺し」と非難した*2

  • 補佐官
演:ポーラ・ニューサム/吹き替え:百々麻子
ピーター達の第一志望校であるMITの副学長補佐官。
当初はMJとネッドの入学を認めるよう直談判しに来たピーターを冷たくあしらっていたが、
ドック・オクの襲撃から身を挺して守ってくれたピーターに心を打たれ、3人の入学を許可するよう事務局に掛け合うと約束した。
去り際には騒動を起こしたオクタビアスに悪態をついていった。

  • アルバート・クリアリー
演:アリアン・モイェド/吹き替え:尾上松也
ダメージ・コントロール局の捜査官。
ピーターとその仲間、家族を犯罪者だと決めつけ、彼らに罪を認めるよう迫った。

  • ジェイ・ジョナ・ジェイムソン
演:J・K・シモンズ/吹き替え:立川三貴
デイリー・ビューグルのレポーター。
ミステリオを「至高のヒーロー」と褒め囃す一方でスパイダーマンを「社会の敵」と断言し、スパイダーマンに対する根も葉もないバッシングを公然と繰り返している。
彼が悪事を働く証拠がないかと常に部下に尾行させており、監視の目を怠らず、弱みがあるや否やすぐに大袈裟に報道する
前作『ファー・フロム・ホーム』のラストでのJ・K・シモンズの登場は大きな話題となり、「ライミ版3部作の世界(『アメスパ』シリーズでも存在は示唆されていた)から転移してきたのではないか」という憶測も少なくなかったが、こちらのJJJはMCU世界の住人である。
スパイダーマンのバッシングに力を入れる傍ら、サプリメントの宣伝も欠かさないという一面を挿入する事で「どこか憎めないコメディリリーフ」としてのライミ版の面影を若干残しているものの、
インフルエンサーの影響の大きさや、陰謀論者の悪質さが再認識された現代を反映した本作ではマルチバースのヴィランズ以上に性質の悪い敵としての役割が強い。
一方で「スパイダーマンの存在があらゆるヴィランを引き寄せる」という騒動の核心を突いた発言もしており、この発言はピーターの最後の決断にも影響を与えている。

  • アンチスパイダーマンの市民達
その他大勢の“善良な”市民の一部。
「スパイダーマンがミステリオを殺した」という「真実」を鵜呑みにした者達は、その正体であるピーターに付き纏い、話題として消費し続け、面白半分に危害を加え、徹底的に追い詰めた

ヴィランに襲われる姿を見て我慢できずにスパイダーマンに加勢したり、素顔を知っても秘密にすると誓ったライミ版『スパイダーマン』や、万全の協力体制を築いてくれたウェブ版『アメイジング・スパイダーマン』の両シリーズとは真逆の市民描写である。
その姿はとてもではないが「『親愛なる隣人』に対する態度とは思えない」と専らの評判。

主な描写としては
  • 自分から「マスクを脱げ」と絡みに行ったくせに、拒絶したら「スパイダーマンが殴った」と大袈裟に言いふらす市民
  • スパイダーマンに緑のペンキをぶっかけたり、ピーターの家にレンガを投げつけるミステリオ信者
  • 本人の許可なしにMJのTシャツを着て「子供いつ作るの?」とプライバシー0の質問を投げかける追っかけファン。
  • ピーターの前でいちいちミステリオ殺しの批判を小言で行ってくる陰謀論者。
……等々。
とはいえ、ヒーローがスパイダーマン一人だけの過去作と違い、MCU世界はNY決戦ソコヴィア事件ラゴスの戦いマキシモフ事変といったヒーローによるコラテラル・ダメージが続発しており、普段からヒーローに対する不信感や不満が強くても無理はない世界観なのだ。
さらには「指パッチン」による多くの生命の消失と復活により生活が激変して間もない頃である。精神的・経済的にも余裕がないのも請け合いなのかもしれない*3

  • クエンティン・ベック/ミステリオ
演:ジェイク・ギレンホール/吹き替え:高橋広樹(前作『ファー・フロム・ホーム』からのアーカイブ出演)
前作においてピーターから奪ったトニーの発明で彼を苦しめ、そして命を落とした偽りのヒーロー。
しかし、死の間際に捏造した「真実」を世間に公表した事で、ピーターのその後の人生を何もかも台無しにした。
調査が進めばいずれ彼が「詐欺師」であるという「事実」は世間に知らされたと思われるが、それでも結局ピーターが大きな代償を払う事になるのは確実な為*4、事実上の勝ち逃げを果たしてしまっている。
そして、エレメンタルズをでっち上げた彼の悪事が正真正銘本物のマルチバースからの敵を呼び寄せる遠因となるとは皮肉もいいところである。

  • ニック・フューリー
  • タロス
ベックがペテン師であるという事実を知っている者達。
……だが、フューリーは既に地球外にいたため、ピーターの訴えすら聞いてもらえなかった。
ぶっちゃけ、タロスを通して説明すれば良かったのに何もしなかったため話が拗れた元凶と言える。

  • リズ・トゥームス
ヴァルチャーことエイドリアン・トゥームスの娘であり、かつてピーターに想いを寄せられた元優等生。
劇中では本人は直接登場しないものの、ミッドタウン高校を去った後にモデルとなっていた事が判明し、ピープル誌の表紙を飾っていた。



魔術師

  • ドクター・スティーヴン・ストレンジ
演:ベネディクト・カンバーバッチ/吹き替え:三上哲
最強クラスの力を持つ至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)
世界を守るという使命感・責任を常に背負っているため、若干偏屈に捉えられがち。
プライベートでは同じアベンジャーズの一員としてピーターに親しみやすさを持っているものの、魔術に関しては気軽に無茶を言う彼に対し厳しく当たっている。
当初はピーターへの同情心から忘却の魔術を使う事を許可したものの、あれこれと注文をつけて魔術が暴走し、更には大学に交渉する事もせず短絡的に自分を頼ったと発覚した為、彼を激しく叱責*5
そして結果、マルチバースのヴィランズが侵入し、彼らを元の世界に戻そうとしたが、彼らを助けようとするピーターと対立し、ミラー・ディメンションで激しい戦いを繰り広げる。
最終的には不覚を取られ、スリング・リング*6を没収されてディメンション内部に閉じ込められるも……

  • 浮遊マント
ドクター・ストレンジの相棒のマント
今作においても、日常生活から戦闘までストレンジのサポートをしている有能な存在。
さらには思わぬ人物に使われる事に……?

  • ウォン
演:ベネディクト・ウォン/吹き替え:田中美央
ストレンジの補佐を務める魔術師。
今作でストレンジがサノスの「指パッチン」で消滅中に「至高の魔術師」の代役を務めていた事が判明。サンクタムの手入れを怠っていたけど
忘却の魔術を使おうとするストレンジに警告するが、無理を押し通され黙認して立ち去った。
結果、大変な事態になってしまい……


マルチバースから来訪したヴィラン


「ピーター、いいかよく聞け? 人助けってのはかえって仇になるもんだ。後で俺に感謝するぞ……」
演:ウィレム・デフォー/吹き替え:山路和弘
宙を飛ぶグライダーに乗り、パンプキンボムなど様々な武器を操る緑の悪魔。スパイダーマンにとって最大の宿敵。
『スパイダーマン』からの登場で、彼の時系列は『スパイダーマン』でピーターの正体がスパイダーマンだと知ってから、死亡するまでの間。
格闘戦でも非常に強く、スパイダーマンを圧倒するほど*7

元々は軍事企業オズコープ社の社長で、息子のハリーや彼の親友であるピーターを大切に思う心優しい科学者だったが、軍から圧力を受けた事で焦ってしまい、まだ人体投与出来る段階では無い危険な「身体能力増強薬」を、恐怖を感じつつも自らに服用してしまう。
その結果、身体は強化されたものの副作用で誕生してしまった凶悪な別人格に意識を完全に支配され、グリーン・ゴブリンとなり悪事を働くようになってしまった。(ちなみにノーマンはゴブリンに支配されている間の記憶は無い。)
「ノーマン」としての人格は薬を服用する前と変わらず、善良で怯えきっているが、「ゴブリン」は非常に狡猾にして悪辣。相手の弱点に付け込む手段を平然と取り、スパイダーマンと戦う際には卑劣な手段を次々と繰り出す。
最期はノーマンの人格に戻ったフリをして、スパイダーマンを油断させ、背後からグライダーで騙し討ちにしようとしたが、スパイダーマンが避けたため自分がグライダーに刺さって死亡するはずだった。
現世界のスパイダーマンのアースに来てからはノーマンの人格に戻って、ゴブリンの呪縛から逃れる為にマスクも粉々に破壊した。その後、家も会社も息子もいない世界で途方に暮れてスパイダーマンのいると思われるメイおばさんの支援所に助けを求めてピーターと合流し、二重人格である事を打ち明ける。
なお、MJを紹介された際に自身の世界の「メリー・ジェーン」と間違える場面が挿入されている。
ピーターの提案により始まった、ヴィランズを元に戻すための研究に協力を志願し、持ち前の頭脳を発揮してピーターと一緒にオクタビアスの制御チップを分析・開発したり、グリーン・ゴブリンの人格を完全に消し去る解毒剤の開発を着々と進めていく。

御年66歳にもかかわらず、全く老いを感じさせないウィレム・デフォーの怪演は圧巻。
デフォーは今作への出演にあたって「自分にアクションシーンをさせて、カメオ出演にしない事」を条件にオファーを引き受けた。
グリーン・ゴブリンを「『スパイダーマン』最大のヴィラン」として再認識させる演技は必見である。

「やぁ、ピーター。私の装置に何をした?」
演:アルフレッド・モリーナ/吹き替え:銀河万丈
背中に圧倒的な怪力を有した4本の人造アームを装備した哀しきマッドサイエンティスト。スパイダーマンにとって憧れだった敵。
『スパイダーマン2』からの登場で、彼の時系列は『スパイダーマン2』のラストで死亡する直前。(正確にはスパイダーマンの喉をアームで掴んでいた時。)

元々は心優しく、愛妻家な一面を持つ温厚な性格で、知性についても「授かり物」と称し、人類の為に使うべきだと考えていた科学者だったが、
実験の際の事故が原因で自身の背中に装備していた人工知能を搭載するアームの制御チップが破損し、愛していた妻を失った挙句、覚醒して凶悪化したアームの人工知能に思考を乗っ取られてしまう。
文字通り「操り人形」と化してしまったオクタビアスは、もはや別人といっても過言ではない程凶暴なドクター・オクトパスとなってしまう。
NYの街を犠牲にしてまで人工太陽の生成装置を完成させようとしていたが、スパイダーマンに説得された事でアームの支配から一時的に解放される。最期は罪を償う為に装置と共に川に沈んで死亡するはずだった。
ピーターが初めて会敵したマルチバースのヴィランであり、スパイダーマン状態のピーターを自身の世界の「ピーター」と思って攻撃したが、マスクを剥がした際に別人だと気づき、攻撃を止めた。
戦いの当初はアームの圧倒的パワーによってピーターを圧倒し、アイアン・スパイダーのナノマシンをアームに吸収させてパワーアップを試みたものの、それが裏目に出た。
ナノマシンの制御権はスーツの持ち主であるピーター側にあったため、逆にアームの制御権を彼に奪われて身動きが取れなくなってしまう。

元が律儀かつ善良な科学者だからか、アームの制御権を奪われた本作では比較的ピーターに協力的な姿勢を見せており、彼に悪態を吐きつつも元の世界の知識や出来事などを説明したりと大人しく従ってくれている。
ピーター・MJ・ネッドの3人に本名を笑われたり*8、周囲に振り回されて愚痴をこぼすなどコミカルかつ苦労人な描写も多い。
別人で姿が変わっているとはいえ、自身の世界の友人のコナーズの名前がエレクトロの口から出てきても特に何も反応しなかった。

17年振りにドック・オクを再演するアルフレッド・モリーナは御年68歳。
「老いた身体でアクションをやるのはキツい」と思い、最初はオファーを断ろうとしたが、よくよく考えたら「アクションをしていたのは自分じゃなくてアームの方だった」と気付き、さらに「CGで若作りも出来る」と聞いて「じゃあ出るか(意訳)」と快く承諾したんだとか。
予告編が公開された段階で顔出し登場が明らかにされており、ゴブリン役のデフォーやエレクトロ役のフォックスと共に積極的にプロモーションにも参加していた。

  • フリント・マルコ/サンドマン(From:Earth-96283)
「別のピーター? 解せんな…」
演:トーマス・ヘイデン・チャーチ/吹き替え:石田圭祐
身体が砂で出来ており、周囲の砂を吸って自在に形を変える事が出来る男。スパイダーマンにとって因縁の敵。
『スパイダーマン3』からの登場で、彼の時系列は『スパイダーマン3』のその後。

元々は愛する娘の医療費を手に入れる為に強盗に加担してしまった脱獄囚で、分子分解装置に迷い込んで肉体が砂と化してしまった結果、サンドマンとなってしまう。
かつて、ピーターの祖父であるベンおじさんから車を奪おうとした際に、「拳銃を捨てて家に帰りなさい」と言われた事で改心しようとしたが、背後から金を奪って逃げてきたもう一人の強盗に背中を押され、持っていた拳銃が暴発。
それによりベンおじさんを誤って殺害してしまった事でピーターとは因縁があったものの、話し合って互いに分かり合えた事でピーターに悪い感情は抱いておらず、そのまま彼の前から砂となってどこかへと消えるはずだった。
その為、当初は現世界のスパイダーマンにも同じスパイダーマンだからと協力してくれていたが、家族以外は心から信用しない極度の人間不信な為、自分の世界のスパイダーマンとは異なり、妙な魔術を使う彼を完全には信じておらず、物語中盤のある出来事をきっかけに、再び不信感を抱いて対立してしまう事に……

元の姿での出演は『スパイダーマン3』当時の映像を流用したライブラリ出演であり、劇中ではほとんどCGで描かれ、チャーチ本人による新規の音声がアテレコで追加された。

  • カート・コナーズ/リザード(From:Earth-120703)
「待て! 元気か、ピーター?」
演:リス・エヴァンス/吹き替え:内田直哉
怪力と敏捷性、切断部の再生能力を有するトカゲ人間となった男。スパイダーマンにとって悲劇の敵。
『アメイジング・スパイダーマン』からの登場で、彼の時系列は同作でピーターがスパイダーマンだと知ってから、ラストで改心する前。

元々は異種間遺伝子交配の研究をしながら自身の失った片腕を取り戻し、そして全ての人が平等な弱者のいない世界を目指していた優秀で善良な科学者だった。
そんな中、彼はかつて研究者仲間だったリチャードの息子であるピーターと共に爬虫類の再生能力を転用した薬を開発する。人体実験はまだ早いと考えていた彼だったが、上司のラーサ博士から研究の催促を迫られた事を理由に100%安全とは言い難い薬を自らに投与してしまう。
その結果、彼は凶暴なトカゲ人間のリザードとなってしまった。
さらに薬の影響で精神的にも歪んでしまい、「トカゲの生体は人間よりも遥かに優れている」という偏った考えを持ち始めていく。
そして、NY市民をトカゲ化させるバイオテロを実行しようとしたが、スパイダーマンがワクチンにすり替えた事で計画は失敗。
自身は元の姿と性格に戻り改心した後、騒動を起こした罪で逮捕されるはずだった。また、唯一正史においても元の姿に戻ったヴィランでもある。
ストレンジと下水道で激闘を繰り広げた後に捕らえられ、以後はすっかりやさぐれてピーターに嫌味を吐き続け、彼を一切信用していなかった。
ピーターの治療を受ける為にトラックの荷台で嫌々ながら待機させられていたが、ゴブリンとエレクトロがピーターの治療を拒否して反逆、そしてエレクトロに撃破されて一時撤退したオクタビアスと、この場にいるのは危険だと判断して逃亡したサンドマンに紛れて自身もトラックを破壊。
その後、ゴブリンと共にスパイダーマンを襲い逃亡。終盤では元の世界に帰る為、サンドマンやエレクトロと呉越同舟の関係となって、スパイダーマンと最終決戦を繰り広げる。
また、何気に本作で同じ世界からやって来たエレクトロとは以前から面識があった事が明らかに。

元の姿での出演は『アメイジング・スパイダーマン』当時の映像を流用したライブラリ出演であり、劇中での表現と音声の扱いはサンドマンと同じ。
ちなみに演じたエヴァンスは公開直前のインタビューにて、出演しているのか問われた際に「クリスマスプレゼントみたいに開ける時まで何が入っているのか分からないのがいいよね。」と本作に出演する事を匂わせていた。

  • マックス・ディロン/エレクトロ(From:Earth-120703)
「よぉ、ピーター。新しい"俺"はどうだ?」
演:ジェイミー・フォックス/吹き替え:中村獅童
オズコープ社で働く優秀な電気技師だったが、過剰な電気が肉体に流れ込んだ影響で肉体が異様に変質してしまった男。スパイダーマンにとって最強の敵。
『アメイジング・スパイダーマン2』からの登場で、彼の時系列は『アメイジング・スパイダーマン2』のラストで死亡する直前。
最強の敵の異名は伊達ではなく、その実力はスパイダーマンのヴィランの中でもトップクラス(実際、彼の出典である『アメイジング・スパイダーマン2』ではスパイダーマンを瀕死になるまで追いつめており、グウェンの手助けが無ければ本当に負けていた可能性が高い)。

元々は心優しく真面目な青年だったにもかかわらず、冴えない風貌と気弱な性格が災いして、周囲から酷過ぎる扱いを受ける日々を送っていた。
そんな弱い自分に嫌気が差していたが、スパイダーマンに命を救われた際に「君が必要だ」と言われた事で、彼は精神的にも救われ、スパイダーマンの大ファンとなる。
また、ピーター曰く「マックス・ディロンは本当、最高に優しい人だった」との事。(グウェンからも「アナタ紳士ね」と言われていた。)
そんな中、自身の誕生日に上司からたった一人残業を命じられてしまう。その際に電気ウナギの入った水槽に落下して、全身をウナギに噛まれた事で電気人間のエレクトロとなってしまう。
当初は自身の変化に戸惑って助けを求め、駆けつけたスパイダーマンもそれに応えようとするが、無能な警察官がスパイダーマンの制止を無視してエレクトロに銃を発泡し、それを見ていた周囲の無知な野次馬は、エレクトロに罵詈雑言を浴びせてしまう。
それにより、スパイダーマンに「ヒーローとしての売名行為」に利用されたと誤解し、不信感を抱いたエレクトロは承認欲求を拗らせて暴走。自分の力を駆使し、世界の支配を目論むようになってしまう。
最期は発電所の電気を使ってスパイダーマンを圧倒したが、その際に大量の電気が体内に流れ込んでしまった事で、過充電により爆死するはずだった。
現世界に来た時は元同様の青い肉体をしていたが、スパイダーマンに電源を落とされた事を機に元以上に精悍な人間としての肉体を手に入れた。
その影響かどうかは不明だが、以前は微塵も見せなかったような笑みを浮かべたりジョークを言ったりと、性格も陰りのある性格から陽気な性格に変わっている。
また、前述の通り同じ世界からやって来たリザードとは以前から面識があった事が本作で明らかになった。
何だかんだドクター・オクトパス同様、最初はピーターの治療を大人しく受けていたが、ゴブリンに唆された事で反逆を始める。
力に呑まれ、支配欲に満ちているのは相変わらずで、現世界の技術に酔いしれ、それらを駆使してパワーアップせんと目論む*9
前述のように『アメイジング・スパイダーマン2』では全身が青色だったが、今作では黄色に近い白色の電流を纏っており、エネルギー放出時にアメコミ版のマスクのような電流が走る描写がある。
また、今作ではスパイダーマンがクイーンズ出身である事から、ずっと正体が黒人だと思っていた事が明らかになった*10

久々にエレクトロを演じることになったジェイミー・フォックスだが、本作への出演にあたって「前みたいな青いハゲじゃないのなら」と条件を出し、出演を引き受けた。


用語集

  • アップグレード・スーツ
前作においてピーターの手によって造られた新型スーツ。
愛用していたものの、心無い市民によりペンキをぶつけられ、台無しにされてしまう。
その後はメイおばさんによって洗濯された。

  • アイアン・スパイダー・スーツ
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以来使っていたナノテクスーツ。
アップグレードスーツが汚れてしまったためか、大学関係者との掛け合いに携行していたところをドック・オクに襲撃される。
その際に破壊されてドック・オクのアームにナノマシンを奪われた事が逆転の鍵となった。
ドック・オクからすると、背中から4本脚が生えるこのスーツには思うところがあった様子。
かつて使用していたハイテク・スーツ同様に補助用AI(吹き替え:藤森慎吾)が搭載されている。

  • ブラック&ゴールドスーツ
エレクトロ捕獲作戦で用いたスーツ。
ストレンジの魔術によってウェブ・シューターが強化されており、命中させた目標をサンクタム地下に転送出来る魔法のウェブを発射出来るようになっている。

  • インテグレーテッド・スーツ
アップグレード・スーツが改良され、新デザインとなったバージョン。


  • カフカルの魔法陣
「忘却」の魔術。
ストレンジも普通に使っている基本的な魔術のようだが、大規模に使った場合、時間と空間の境界を揺るがす事態となるようだ。

  • マキナ・ド・カダヴァス
中断した魔術を封じ込める魔具。
固定し、スイッチを押すと、魔術が逆転して「なかった事」になる。

  • ダメージ・コントロール局
ヒーローのコラテラル・ダメージを管理し、取り締まる連邦捜査局。
……なのだが、本作ではスパイダーマンを犯罪者として追い詰めており、完全にヒーローの敵となっている。
トニーが設立した組織だが、彼が指導したピーターを追い詰める事態になるとは何たる数奇な運命なのだろうか。

  • デイリー・ビューグル
過激な報道で話題となっていたネットニュース社。
当初はジェイムソンが単独でやっていた小規模スタジオに過ぎなかったが、スパイダーマン叩きの報道で名声を得てからはスタジオの規模が大きくなっていた。
ついでに胡散臭いサプリメントの宣伝もしている。

  • 自由の女神像
ニューヨークのシンボル。
アベンジャーズの功績を讃えて、キャプテン・アメリカの盾を松明と一緒に持つ改装工事が行われているが、反対の意見も出ている。























この先、超重要なネタバレがあります。閲覧には十分ご注意ください。






















想像しろ。超えてやる。


























余談

  • 冒頭のニューヨークのシーンで、ドラマ『ホークアイ』に登場したミュージカル『ロジャース・ザ・ミュージカル』の広告が登場している。

  • クライマックスで垣間見えるマルチバースの人々には、クレイヴン・ザ・ハンター*17やライノらしきシルエットが登場している。

  • ノー・ウェイ・ホームとは「家に帰る道がない」「帰る家はあるのにそこに行く事が出来ない」の意味。ある意味最大のネタバレである。

  • 最初の実写映画版3部作を監督したサム・ライミは、MCU次作であり今作に直結した展開が期待される『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のメガホンを取った事が発表されている。
    今後のMCUでライミ監督の演出するスパイダーマンが拝めるかもしれないと考えると今後に期待したいところだが……。

  • 脚本作業は相当難航したようで、1年以上練り続け、撮影が終わった後も脚本作業をしていたらしい。「もう完成しないんじゃないかと思った」とは脚本家の一人、クリス・マッケナの弁。

  • ネタバレ王子ことトム・ホランドは撮影中にたまたま隣のスタジオでミズ・マーベルの撮影をしていたカマラ役のイマン・ヴェラーニに撮影の事について聞かれた際に、彼女に絶対に出演することをバラしてはいけない大先輩とのツーショット写真を見せてしまうといういつものうっかり大失態をおかしてしまった。MARVELオタクで知られているヴェラーニはこの写真を見て、すぐに映画の中身とその写真の意味がわかってしまったという。


  • エンドクレジットで流れる楽曲はデ・ラ・ソウルの「The Magic Number」。
    デ・ラ・ソウルはピーターの出身地であるクイーンズの位置するNY・ロングアイランドで結成された*18ヒップホップグループであり、歌詞で繰り返される「3は魔法の数字」は本作においても様々な意味を持つ。

  • 本作の結末を見た日本のファンからは「東映版スパイダーマンの主題歌である『駆けろ!スパイダーマン』をエンディングに流してほしかった」という感想が散見された。
    色物・ネットミーム的な印象を持たれる東映版であるが、自身が出演したわけでもないのにまたしても再評価される事態になったとか。
    ……なお、本作の日本語吹替版エンディングテーマはSixTONESの「Rosy」である。

  • 同じマーベル作品であるアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』とは「マルチバース」の歪みから「歴代のスパイダーマンのヴィラン達が共謀して襲ってくる」といった共通点がいくつか存在するが、
    上記のマックスがスパイダーマンを黒人だと思っていたという発言に対してピーターが謝ると、マックスは「謝らないで。黒人のスパイダーマンもどっかにいるよ…」と返答しており、
    この黒人のスパイダーマンがアニメ映画版『スパイダーバース』及び原作アメコミ作品の主人公であるマイルス・モラレスを示唆しているのではないかというファンの指摘、また実際劇中のシーンで一瞬だけ登場する影が「マイルスらしき影ではないか」という噂も存在する。


追記・修正は「大いなる責任」を果たしてからお願いします。


























































































マルチバースの危機はドクター・ストレンジの手によって収束したかに見えた。






……しかし、危機は終わっていなかった。



マルチバースの扉は解放され、世界全体にその影響が及んでしまう。



至高の魔術師と敵対するかつての兄弟子。



魔術師が応援を頼むのは、現実を改変する力を持つ魔女



そして、災厄を呼ぶのは他でもない、「彼自身」だった……。













DOCTOR STRANGE WILL RETURN IN...


ドクター・ストレンジは帰ってくる




DOCTOR STRANGE

IN THE

MULTIVERSE OF MADNESS









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最終更新:2025年07月01日 15:15

*1 日本公開前に海外からのネタバレが拡散されてしまうのではという懸念も批判の一因だが、案の定と言うべきか、一部の心ない層によってネタバレは広がってしまった。それでもSNSのミュート機能を活用してネタバレを防いだファンも少なくない。

*2ホームカミング』の時点でキャプテン・アメリカを「犯罪者」と非難していた事から、元々反アベンジャーズ寄りの思想だった模様。

*3 原作マーベルの民度から考えると本作が近く、サム・ライミ版やアメスパがマーベル市民としては高すぎるとも言える。

*4 ピーターがベックに騙されて発明を渡し、大きな被害を出す失策を犯したのは事実であるため。

*5 途中からあれこれ注文をつけたピーターも悪いが、そもそもそうなった原因は前述したように、ストレンジが具体的な説明もせずにいきなり魔術を始めてからその効果を話し始めたのが原因であり、彼にも一応非がある。そのため、MJが発言した「そもそも原因はあなたが失敗したから」というのもあながち間違いではない。

*6 魔術を発動させるのに使う指輪。突起のないメリケンサックみたいな形状。

*7 彼の出典である『スパイダーマン』は後発作と比べるとまだ技術の進歩や予算の問題で豪快なCGアクションが使えず、結果として格闘戦の描写が非常に多いヴィランとして描かれていたため、それを本作で改めて特徴として押し出したのだと思われる。

*8 「Dr.オットー・オクタビアス」という名前は、日本名で例えるなら「タコ山タコ太郎」といったニュアンス。要するに英語圏でもフィクションでしかありえないような名前。

*9 ちなみにエレクトロは『アメイジング・スパイダーマン2』の劇中では、後述の通りスパイダーマンの素顔を一切知らなかったが、普通にMCUの世界にやって来ている。しかし、よく見ると劇中でグウェンがスパイダーマンに対して「ピーター…」と呟いた直後に、エレクトロが目を覚ますという描写があるので、恐らくスパイダーマンの正体がピーター・パーカーという人物である事を知ってさえいれば、素顔を知らなくてもMCUの世界に行けたのだと思われる。

*10 黒人のスパイダーマンと言えば『スパイダーマン:スパイダーバース』やゲームで主人公となったマイルズ・モラレスが有名だが、彼の叔父であるアーロン・デイヴィスが『ホームカミング』にて登場し、更に彼の口から甥の存在が語られている事から、Earth-199999にも存在していると思われる。

*11 『アメスパ』の物語が続いていた場合、シリーズの黒幕と思われる帽子の男や、彼の配下となったハリー・オズボーン/グリーン・ゴブリンが属するシニスター・シックスとの戦いが描かれていたはずだが、本作のピーター3はそういったヴィラン達を必要以上に傷つけてしまったのかもしれない。ただし、「気付けば殴っていた」という日本語訳は正確ではなく、本来は「手加減が出来なくなった」というニュアンスだという意見もあり、実際にどうなったかは今のところ不明。

*12 『アメイジング・スパイダーマン2』に登場したヴィラン。サイを模した巨大アーマーに身を包んだロシア人ギャング。

*13 恐らく『スパイダーマン2』の撮影時期にトビー・マグワイアが事故で腰を痛めていた事に由来すると思われる。

*14 当初はマグワイア自身もデフォーやモリーナ同様、CGで若返らせると提案されたが、マグワイア自身が「年を取って賢くなったピーターを演じたい」と願い出たことでそのままの姿で演じることになった。

*15 吹き替え版では吹き替え版『スパイダーマン2』に合わせてピーターのセリフも「反省してます」になっている。

*16 ちなみにマグワイアとモリーナは現実でも長いこと会っておらず、このシーンが久々の再会でもあった。特にモリーナの方はマグワイアに再会出来た事がとても嬉しかったとのことで、涙ぐみながら笑顔で会話するこのシーンは演技ではなくリアルに涙ぐんでいる。

*17 原作にてシニスター・シックスのオリジナルメンバーとなった孤高の狩人。初期プロットでは登場が予定されておりその名残と思われる(ただし、悪役ではなかったとのこと)。先頃彼を主人公とする映画の製作決定がアナウンスされた。

*18 ただし、西部のクイーンズではなく東部のサフォーク。