登録日:2016/02/04 Thu 19:07:42
更新日:2025/07/05 Sat 10:04:48
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目次
◆原作
合成獣錬成の分野で有名な
国家錬金術師。銘は『
綴命』。
人語を解する合成獣の錬成を成功させたことで国家錬金術師の資格を得た錬金術師であり、見た目は丸眼鏡のくたびれたおじさんといった風貌。
以前は結婚していたが2年前に妻に逃げられ、それからは一人娘のニーナと愛犬のアレキサンダーと共に暮らしているが、国家錬金術師として研究に没頭するあまり、娘たちに思うようには構えないでいる。
国家錬金術師の資格を取得する以前は、生活が貧しく苦しいもので、妻が出て行ってしまったのはその生活苦に耐えられなかったからだとの事。
しかし、この頃のタッカーはなかなか研究成果が振るわず、前年の査定では厳しい結果に終わり、資格剥奪の瀬戸際に立たされていた。
とはいえエルリック兄弟を無下にすることはなく、自身の研究室にある蔵書を彼らに開放して自由に読んでいいと告げ、エルリック兄弟もその言葉に甘えて蔵書を読み耽る傍ら、父親にかまってもらえないニーナの遊び相手を務めることにした。
その後、再び『人語を理解する合成獣』の錬成に成功し、その成果をエルリック兄弟に披露した。
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以下ネタバレ
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見ててごらん
いいかい? この人はエドワード
えど…わーど?
そうだ、よくできたね
よく…でき…た?
信じらんねー 本当にしゃべってる…
あー、査定に間に合ってよかった これで首がつながった
また当分、研究費用の心配をしなくてすむよ
えどわーど、えどわーど、えど…わーど、えどわーど、
お…にぃ…ちゃ…
初めはタッカーが練成したキメラに目を輝かせていたエドだったが、自身の名前に続いてキメラが話した単語を聞き、何かに気付いたかのように硬直する。
そして、硬直が解けたエドは、静かにタッカーに問いかけた。
タッカーさん…人語を理解するキメラの研究が認められて資格をとったのはいつだったっけ?
ええと、2年前だね
奥さんがいなくなったのは?
…2年前だね
もうひとつ、質問していいかな……
ニーナとアレキサンダー どこに行った?
……君のような勘のいいガキは嫌いだよ
そう。思うような研究成果が得られずに焦ったタッカーは、ニーナとアレキサンダーを使って人語を話す合成獣を錬成したのである。
人語を解する合成獣という多大な成果も、ある意味では当たり前である。人語を解する人間を材料に使ったのだから。
また、エドの質問内容とタッカーの返答から、タッカーが国家資格を取るきっかけとなった「最初に錬成した人語を解する合成獣」も、彼が「逃げた」と言っている自身の妻を材料にして錬成したことが察せられる。
件の合成獣は、ただ一言「死にたい」とだけ呟くと、その後一切食事を摂ろうとせずに衰弱死したという。
おそらくは自身の意思を無視して無理矢理合成獣に錬成され、自らが人ならざる存在に変えられたことに絶望し、死を選んだのだろう。
今回合成獣の材料とされたニーナは、まだ幼い故か自分が合成獣にされたという現実を理解できていないようだった。
こうしてタッカーの研究の真実に思い至ったエドは、家族を実験材料のように扱ったタッカーに怒りを爆発させる。
そうだよな、動物実験にも限界があるからな! 人間を使えば楽だよなぁ、あぁ!?
は…何を怒ることがある? 医学に代表されるように人類の進歩は無数の人体実験のたまものだろう? 君も科学者なら…
ふざけるな! こんな事が許されると思ってるのか? こんな…人の命をもてあそぶような事が!
人の命? はは! そう! 人の命ね! 鋼の錬金術師!
君の手足と弟のそれも君が言う“人の命をもてあそんだ”結果だろう?
激昂したエドはタッカーに手を上げ、怒りのままに拳を叩きつける。
タッカーを殺してしまいかねないエドを見かねたアルが兄を制止するも、タッカーは反省する様子もなく、乾いた笑いをあげる。
はは…きれい事だけで、やっていけるかよ…
タッカーさん。それ以上喋ったら今度は僕がブチ切れる
静かながら渾身の殺意がこもったアルの言葉にぐっと声も出ず、タッカーはようやく黙った。
その後、エドかアルが通報したのかタッカーは資格を剥奪され、ニーナと共に自宅に拘留される。
今回の一件を「悪魔の所業」と断じるホークアイに対し、マスタングは「人の命を奪うという点では我々軍人もタッカーも大差ない」と否定する。
同時に落ち込むエドに対し「これしきのことで立ち止まってるヒマがあるのか?」と発破をかける。
「これしき」……かよ。ああそうだ…狗だ悪魔だとののしられてもアルと二人元の身体に戻ってやるさ
たった一人の女の子さえ助けてやれない ちっぽけな人間だ‥‥‥!!
己の無力さに憤るエドとは逆にタッカーは自分の研究が認めてもらえないことを嘆いていた。
そう寂しげにニーナに話しかけるタッカーの前に現れたのは
傷の男。
傷の男はタッカーを容赦なく殺害した後、事切れた父に呼びかけるニーナが人と動物を錬成して出来た合成獣であることを察し、人の心を持ちながら永遠に人間に戻ることは出来ない(分離させる術がない)彼女を哀れみ、冥福を祈りながらその命を奪った。
タッカーの狂気の研究の犠牲となったニーナは、エルリック兄弟にとって忘れがたい
トラウマとなった。
エドは「最後の錬成」で真理からの「錬金術の使えないただの人間に成り下がるか」という問いかけに、
「成り下がるも何も、自分はただの無力な人間だ」と言いながらこの一件を引き合いに出し、
アルは最終回で
「僕達が助けられなかった女の子がいます。その子をずっと忘れる事ができません」と、お互い名前は挙げていないがニーナについて言及している。
◆研究成果について
表向きの成果は「人語を理解するキメラ」であり、猿やオウムなどを素材に知能の高いキメラを作り出したものと思われていた。
しかし、実際には人語を元から理解可能な人を素材にした捏造であり、人としても研究者としても失格である。
なお、「
人と獣の合成獣」といえば、
グリード一味や
キンブリー隊なども後で登場するが、そちらは「人語を理解する」どころか「人間の理性と獣の特性の両立」に成功している。
一方、タッカーのキメラは彼らに比べて明らかに完成度が低く、(人間を材料にしたことを露見しないようにするためもあったのだろうが)見た目もほぼ獣寄りになっている。
ちなみに、グリード一味とキンブリー隊は元々軍人であり、公には死亡宣告がなされながらも秘密裏に軍に拘束され、合成獣の材料とされた経緯を持つ。
つまるところ軍は、タッカーよりも何歩も先を行っていながら、彼に国家資格を持たせていたことになる。
この点については、公式ガイドブックにてエドとマスタングによって考察がなされており、軍主導による非人道的な実験の隠蔽と、キメラ研究の程度を実際より低く周知させるための「表向きの権威者」に仕立て上げられた、という結論に至っている。
これを正しいとするなら、タッカーが国家資格を得るきっかけとなったキメラを、軍は最初から「人間を使ったもの」と把握していたことになる。
査定としてこの合成獣を鑑定した人物が、そういった軍の暗部に関する知識を持っていたのかどうか定かではないが、知っていたのなら人間の合成獣だと見抜いた上で「利用できる」と判断して軍上層部に具申したのだろうし、知らなかったのなら査定そのものは恙無くパスされ、その上で軍上層部の判断で資格が与えられたという事で、どちらでもつじつまは合う。
いずれにせよ、世間的には合成獣の錬成の分野においては「人語を解する合成獣」という時点で国家クラスである事は間違いないため、合成獣の分野だけハードルが異様に高い…なんて噂が立ったら逆に怪しまれてしまう。
なお、軍のやっていた「人に動物の能力を付与するキメラ」と、タッカーの表向きの研究である「動物の知能を向上させ言語を理解するキメラ」では方向性が違うため、一概にタッカーの研究は無意味だったとは言い切れない。
だが真相がどうであれ、本当にどうしようもないのが家族を犠牲にしてまでやったことが高尚な理想の追求でもなんでもなく、ただ「査定をパスするため」というその場しのぎの動機だったことである。
肝心の出来上がった合成獣も前回(妻)から劇的な進歩があったとは言い辛く、ほぼ単なる焼き直しでしかないのが更にやるせない。
万が一本当にパス出来ても、いつかは「錬金術師としては発展の見込み無し」と弾かれることが容易に想像できる。あるいは性懲りもなく、家族以外の他人にまで手を出していた可能性はあり得る……。
また、先述のグリード一味の生き残りであるトカゲ人間のビドーが、軍によって拉致されたグリードを追って軍用車に張り付き、中央司令部にもぐりこんだ際に地下室の番犬合成獣たちに襲われかけるが、「合成獣である=仲間である」と誤認識され、見逃されるというシーンがある。
この時番犬たちが「ナカマ?」「ナカマ。」「ナカマ!」と発言しているが、こちらは飽くまでマンガ的なデフォルメ表現であり、実際に発声しているものではないと思われる。敵味方の区別がつく辺り、知能が高いのは間違いなさそうではあるが
余談だが、原作コミックのカバー裏の背表紙ではその巻で死亡したキャラが天に召される姿が描かれており、ホムンクルスや
キンブリー、地下研究所の番人たちのような極悪人も天に召されていたのだが、彼のみ地獄に堕ちている。
落ちたキャラはマリア・ロス少尉もいるが、彼女は死んだとされながらも実は生きていたためであり、ついでに言うとロス少尉は叫び声を上げながらフェードアウトしているだけなのに対し、タッカーは血の池地獄のようなところに堕とされている。
◆鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
アルを怒らせるシーンがカットされた他、多少台詞の違いはあるものの、ほぼ原作通りである。
オリジナルのシーンとして、エドに殴られた後に国家錬金術師の証である銀時計を払い飛ばされ、それを這い進んで拾い上げるタッカーの姿が描写され、『国家錬金術師』の権威に執着し続けて道徳を失っていたという部分が強調されている。
◆赤きエリクシルの悪魔
序盤のエピソードが再現されているが、タッカー自身はすぐに傷の男に殺されてしまう。
タッカー邸には失敗作のキメラが解き放たれており、火を吹いたりしていて危険。止めろよ、軍。
序盤の展開が変更されており、エドが国家錬金術師試験を受験する前(リオール大暴動事件の2年前)にタッカー邸で研究資料を閲覧し、居候していた設定になっている。
また、ニーナとはこの時に面識があり、兄弟とニーナはグレイシア婦人(ヒューズの妻)の出産に立ち会っている。
ちなみにこの事件の時にエドはニーナから指摘されて手合せ錬成に気付いている。
原作通りにニーナをキメラに練成するのだが、キメラを披露した際には原作よりも早いタイミングでキメラの正体をエドにニーナの書いた絵が燃やされていたことを機に気づかれてしまう。
その為、エドの台詞がアルの台詞にされており、「奥さんに…今でも手紙は届いているのか?」「何が言いたい?」という台詞が追加されている。
おまけにニーナをキメラに練成した理由が原作とは異なっており、マッドサイエンティストの部分がより強調されたキャラとなっている。
何故です、タッカーさん! あなたはニーナとの生活を続けるために査定に通らなければいけないんじゃなかったんですか!?
キメラを作る理由などない。目の前に可能性があったからそれを試した。人の言葉を理解するキメラ…それを作ってみたかっただけだ
禁忌とは知ってはいても人の錬成を試さずにはおれなかった。君も私も同じだよ…
科学者の、いや人間の…己の知識を実践したいという欲望に限りなどない
自分に与えられた力がどれほどのものかを、この世界に隠れた秘密の全てを知り尽くし試してみたい…それが錬金術の本質だ
原作同様にエドに散々殴られた後、キメラとなった二ーナを再練成で元に戻そうと試みるエドに対し、
ハハハハハ、私のキメラは完璧に練成されている! 誰にも元に戻せんよ! 気をつけろよ、母親みたいにしないようにな!
……と、罪悪感どころか人体練成の失敗を引き合いに出した罵倒でエドを嘲笑した直後に
バスク・グラン率いる軍が現れ、ニーナと共に連行されてしまった。
ちなみにニーナの方はエドの妨害で逃がされるのだが、逃げた先の路地裏で運悪く傷の男に出会ってしまい、錬金術で肉体を分解され木端微塵になるという原作以上に悲惨な死を遂げた。このシーンはかなりグロい。
傷の男が去った後、原型をとどめない遺体となったニーナを最初に発見したのはエルリック兄弟だった事が悲劇に、更なる拍車をかけてしまった。
一方、軍に移送されたタッカーは上層部の一存で処刑が執行されたとの事。
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以下ネタバレ
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処刑されたとされていたタッカーだったが、第21話にて生きていたことが判明。
だが、第5研究所でエドと再会した時のタッカーは以前のタッカーではなかった。
面影こそあるものの、熊のような獣の胴体に、頭部から背面にかけて上下逆さの人間の身体が組み込まれているという
異形のキメラと化していた。
おまけに肉体の構造が変化したせいなのか、声が人間だった頃よりも低くかすれている。
表向きは死亡した事にされて第5研究所で研究を続けており、そこに侵入して来たエドと再会した際には、
ニーナは…ニーナは…あの子はあんたのせいで死んだのにッ! 何であんたがまだ生きている!?
ニーナのためだ。今なら君の気持ちがよくわかるよ
エドを研究室に案内するとそこには、その部屋にはニーナやアレキサンダーに似たキメラが隠されていた。
現在に至るまで失敗を繰り返しながらキメラの練成を続けていたらしく、その過程で自身もキメラになってしまった模様。
そして、さらに奥の扉の向こうには
ティム・マルコーが所持していた赤い液体…
賢者の石の試作品が大量に保存されていた。
実はホムンクルスと密かに結託してエドに賢者の石を作らせようと目論んでおり、その見返りとしてニーナを蘇らせようとしていたのである。
姿だけ蘇らせてどうする!? そこにニーナの魂は無い!
ニーナ似のキメラを抱きかかえたタッカーは、エドに答えを教えるかのごとく自分の頭に指を差した。
魂ならあるさ…ここに
私の記憶の中のニーナ…その全てをホムンクルスのニーナに植え付ける
そうすれば本当に完璧な私の望むニーナが生まれる
当然エドからは「そんなのニーナじゃねえ!」と否定された。
結局エドはアルを人質にされても人間を犠牲にしてまで賢者の石を作る事ができず、後から現れた軍や傷の男の介入により、計画は失敗に終わってその場から逃走した。
その後は他の合成獣人間や
ゾルフ・J・キンブリーと共にグリードに拾われ、デビルズネストに潜伏していたが、キンブリーが
フランク・アーチャーから軍復帰の話を持ちかけられた際に一緒に誘われ、再び軍に戻る。
軍に戻った後はアーチャーの部下として極秘に生物兵器としてのキメラの制作を行なっていたが、リオール消滅後は再度姿をくらます。
終盤ではアルが賢者の石そのものに練成された事を知り、彼を騙した上で賢者の石を使わせて人体練成を行なった。
その結果、生前と全く同じ全裸のニーナを練成する事に成功した。
いやぁ、アルフォンス君ありがとう!
ニーナだ。ほら、私の言うことがわかるんだ。ねえニーナ、パパと呼んでおくれ
タッカーは練成の成功に喜んでいたが、それを見ていたアルは薄々気づいていた。…
そのニーナには魂が無い。
するとそこへ
スロウスが現れ、彼女の登場に怯えるタッカーに対し、残酷な事実を告げた。
大丈夫よ。そんな魂の無い人形に興味は無いわ
魂を繋ぎとめる事が出来るのは、強力な意志だけ…あなたには無理だったわね
タッカーが練成したニーナは見た目こそニーナそのものだが、常に無表情で話しかけたタッカーの声に無反応であり、ニーナの魂が宿っているかどうかというレベルではなく、もはや「生きている」と言えるかどうかすらわからない人形そのものであった。
スロウスの言う「魂を繋ぎとめる強力な意志」が無かった事を突きつけられたタッカーはその事実を認めることができずに動揺し、賢者の石をもう一度使わせるよう頼み込むのだが、タッカーに失望したホムンクルス達からは用済み扱いされ、最終的に切り捨てられてしまう。
その後、ニーナを抱えて彷徨っていたところ、偶然エド達と鉢合わせになるのだが…
ハハ…ニーナ、ご挨拶なさい。ハハハ…どうした? 恥ずかしいのか、そうか
ニーナ、遊ぼうか? そうだ、アレキサンダーは? アレキサンダーはどこだ? しょうがないやつだなあ、ニーナ…
既に精神崩壊を起こしていたタッカーは、エド達には一瞥したのみでダッチドールに成り果てたニーナに話しかけてばかりであった。
そんな彼の姿を目の当たりにしたエドは哀れむような表情を見せつつ、イズミと共に立ち去った。
いいのか?
魂の無い人形…それがあの人の罪の形です。それを抱いて生きていくんです。…それでいい
最後まで自らの過ちを認めず、独善的な理想ばかりを求め続けてきた彼に待っていたのは、
思いあがった報いと呼ぶべき絶望という因果応報の末路だった。
傷の男にあっさり殺された原作及びFAとどちらがマシだと感じるかは視聴者次第。
エピローグでは、人知れず廃墟の地下で練成陣をあたり一面に描いているタッカーの姿が確認できる。
劇場版には登場しない。まだ、どこかでニーナと共にひっそりと生きているのかもしれない。
なお、序盤のコーネロ司教は恋人が生き返ったと
ロゼ・トーマスを騙すために、オウムなどを素材に「ロゼ…ロゼ…」とうわごとの様に話せるキメラを作っている。
人を素材にしたかは不明。
◆その他、余談
- 2003年版アニメでのタッカーの結末について、少なくとも會川昇氏は「タッカーの犯した罪は、現実の人間でも規模の大小・事案か否かに関わらず、誰でもやってしまうこと。原作の様にあっさり退場してしまったら、『向こう側の出来事』としてすぐに消費されてしまう。あの事件の後も生き続けることが、彼に最も相応しい罰」と述べている。
- 永井氏は2003年版アニメでのキメラ化してからの演技は、常に喉を開きながら台詞を発していた。そこからは囁くように台詞を言うシーンで肉体的に負担がかかり、音響監督の三間雅文氏に「無理です」と苦情をいうも、三間氏は「お願いします」と何度も頭を下げた。
- 2003年版アニメにて、タッカーが賢者の石を用いてニーナを人体錬成して出来た魂の無い人形に関する解説。
まず、原作の設定では死者はこの世に存在しないものであり、この世に等価交換で払えるものが無いのでどうやっても錬成のキャパシティを超えてしまう。賢者の石を使っても同様。
その為、錬金術師としては最高峰とも言える実力を持つホーエンハイムや「お父様」でさえ、死者を蘇らせる人体錬成は絶対に不可能。
対する2003年版アニメでは、絶対的原則である「死者を蘇らせる人体錬成は不可能」「異なる人物の肉体と魂を紐付けるとどうしても拒絶反応が発生する」という設定が語られる前に放送されたものであり、死んだ者の魂は原作の真理の扉に相当する「門」の中に送られて保存される。
なので、「賢者の石」という強力なエリクサーを使うことが前提となるが、死者を蘇らせる人体錬成が可能。
ゆえに、彼がニーナを蘇らせる事が出来なかったのは、単純にタッカーの力量不足に加えて、スロウスの言うところの「魂を繋ぎとめる強力な意志」が無かったためなのだろう。
- 2003年版アニメのオマケ四コマでは、かなりファンシーな犬っぽい姿のタッカーが登場している。あと、かなりかわいい猫耳ニーナも出ている。
ナンバー48「キメラになって生きているものも……」
い、イヤそこに突っ込むんじゃなくて!
ちなみにニーナ
おにーちゃん!
悪魔めえぇぇ!!ナデナデ
- FAのオマケ四コマでは妻の尻に敷かれていた、というか鬼嫁だった事がニーナから語られている。
そんで妻をその辺の犬っコロと合成してキメラにしちまいました!!
タッカーさん、あんたよく耐えたよ…!
……が、実写映画版公開記念で配布された単行本0巻で明らかになったタッカーの奥さんはニーナ似の美人で良妻だったため、結果的に甚だしい風評被害みたいになってしまった。
もっとも、オマケ四コマはあくまで本編とは離れたセルフパロディギャグなので、本編とは別物として捉えて見た方が良いと言える。
- 「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ」までの一連のやり取りは、しばしばパロディ・コラージュのネタにされる。
元々印象的なシーンであったことに加え、エドのセリフを「……〇〇〇と×××どこに行った?」といった具合に、少し書き換えるだけでお手軽にパロディが成立する汎用性の高さが人気の秘訣。
- 実写映画版ではタレントの大泉洋氏が担当。……しているのだが、宣伝ポスターでは他のキャストが原作の衣装や髪型を再現している中で、タッカーの姿はどう見ても普段着姿の大泉洋そのものであった。
そのため「大泉君だけ衣装もらえなかったの?」「スタイリスト仕事しろ」「むしろ仕事した結果がコレ」「大泉洋役の大泉洋です」など大いにネタにされた。
追記・修正は、自分の妻と娘とペットの犬をキメラに練成してからお願いします。
最終更新:2025年07月05日 10:04