ゆめしま(ポケモン)

登録日:2011/05/02(月) 20:01:05
更新日:2025/04/04 Fri 13:37:17
所要時間:約 6 分で読めます





◆「ゆめしま」とは

第5世代からパソコンとソフトを連動させる事で利用できるようになったサービスの一種。
ポケモングローバルリンク(PGL)の1コンテンツ「ポケモンドリームワールド(PDW)」の中の更に1コンテンツ。

まずは、PDWから説明する。

BWではゲーム中に登場するポケモンを捕まえてパソコンに預けた状態で眠らせると、そのポケモンが夢を見る
ただし、特性が「やるき」「ふみん」のポケモンはPDWに転送出来ない。
…戦闘中は眠らないからといって平時から眠れないわけではないと思うのだが*1、該当するポケモンは眠らせられない=ゆめしまに行く事ができない。
なんとも、あんまりな仕様である。

この夢の中では各自が自分の島(浮遊島)を持つ。
島にはインテリアが設置出来る家・きのみが育てられる畑・他者とアイテム交換が出来るおすそわけだながある。
また、他の人が眠らせたポケモンの島に遊びに行く事も可能である。

家のインテリアはきのみを消費して購入するという形になっている。
また、通貨となっているNo.1~15のきのみ以外にも半減きのみや努力値減きのみも入手出来る。これらは本編中での入手が難しい為、大いに役立つだろう。

そして島には家、畑、おすそわけだな以外に、PDW最大の目玉である「ゆめしま」に行く事が出来る虹の橋がかかるエリアもある。


ゆめしま

ゆめしまとは、夢の世界のポケモンが住むエリアである。
内部構造はランダム生成されるマップを10マス移動すると、ゆめの樹にたどり着く。


そして、ゆめしまに生息するポケモンは隠れ特性と呼ばれる、通常とは違う特別な特性を持っている。
なお、これらの特別な特性については「隠れ特性」という名称が公式で出されるまでは「夢特性」という通称でよく呼ばれていた。
夢の世界で出会える特別な特性持ちのポケモンだから「夢特性」とは実に分かりやすい通称である。
それもあってか当時の第5世代を長く遊んでいたプレイヤーの間では今も「夢特性」という通称を使っている者は多い。

そんな隠れ特性は誰得なものから対戦バランスを破壊するようなものと幅広い。PDW利用者の大体の目的はこの隠れ特性を持った個体の入手にある。

隠れ特性のポケモンを入手するには、そのポケモンと仲良くなる必要がある。
仲良くなる為には、出会ったポケモン達とミニゲームをクリアする事が必要になる。
彼らが提案してくるミニゲームはポケモン毎に固定で、例えば相手がオタチであれば「アイスクリーム作り」をする事になる。

各ミニゲームのノルマは低めに設定されているが、それすらクリアできないと仲良くなれないので注意。
ちなみに高得点であればあるほど、通常では覚えないレアな技を覚えている確率が上がる。
(例:ムウマの「れんごく」・ゴースおよびドガースの「ヘドロウェーブ」・ニドラン♀の「ふいうち」など)
仲良くなったらゆめの樹できのみを1個お供えすれば、そのポケモンをハイリンクの森に連れていける。モンスターが実体化した!


ただし、一度のプレイで連れていけるのは1匹だけな上、誰か仲間にするとその時に仲良くなっていた他のポケモン達との仲はリセット。
夢から覚めれば全て忘れてしまう事を表現しているのかもだが、随分とケチくさいにも程がある面倒臭い仕様である。
選ばなかったポケモンは出会う所からやり直しなので、誰を連れて行くかは慎重に決めよう。


ゆめポイント

最初は何とも普通(どこにでも出てくる=レア度が低い)なポケモンばかり出てくるのだが、実はこのPDWには「ゆめポイント」というものが設定されている。
このゆめポイントが貯まれば貯まるほど行けるエリアが増えたり、実用的な隠れ特性を備えたポケモンが出てくるようになる。


なるのだが……


◆問題点

ぶ っ ち ゃ け し ん ど い

2011年5月現在の環境では全てのエリアに行けるようになるのに必要なポイントは5000ポイント。
「ひでり」ロコンや「あめふらし」ニョロモといった強特性持ちで需要が高い種族のポケモンは10000ポイントも要する。
実は稼働初期よりは必要ポイントは半減しているのだが、それでも面倒極まりないポイント設定である。


なるほど、よし、頑張って貯めよう!

PDWにアクセスすると50ポイント。

一日にPDWで遊べるのは1時間だけ。一度繋ぐと24時間繋げない。

だったら毎日繋ごう!


……もうこの時点でやってられない。毎日PCに向かえる人間ならまだしも、世の中そんな人間ばかりではない。

ストレートに地獄である。つかぶっちゃけ子供には無理。
だが隠れ特性のポケモン達はやはり魅力的な為、欲しい人はやっぱり欲しいのである……が、このままだと200日かかってしまう。
仮に5月の頭に始めると、終わるのは11月半ば。他にゆめポイントを稼ぐ方法はないのだろうか? 



……実はある。
それを兼ねているのが前述の仲良くなる為のミニゲーム。

実はこのミニゲームは一回プレイするたびにゆめポイントが20ポイント手に入る。
5匹仲良くなれば100ポイントだ。




ゆめしまには何回か行くとその日はもうポケモンが出なくなるシステムが存在する。まるで無人島
その為、思うように稼げないなんてザラ。

しかし、このミニゲームを混ぜればゆめポイントの収集も楽になる。むしろミニゲームをやる事前提。
全部あわせて1日に250ポイントずつ貯めればなんと40日で必要なポイントが貯まるのだ!!


無理に決まってんだろ


鍛え上げられた(?)大人や廃人はともかく、学生や子供にこんな単純作業を毎日とか無理ゲー以外の何者でもない。ちなみにミニゲームは4種類(後に8~10種類まで増加)。
これが容易にできるようならダイエットなんて皆が長続きするし、毎日ビーフジャーキー干す作業ができる。


……何がいいたいかというと、とにかくメンドイ。
毎日のように単調なミニゲームを淡々とこなし、お目当てのポケモンが出現するだけのポイントがたまってもなかなか出てこず、出てきても性別や技がetc...



しかし、その苦痛を超えた先にまさに『夢のポケモン』が待っているのも確かなのだ。
どれだけ苦痛な行為でも、今日もPDWで夢の世界を目指すトレーナーは後をたたないであろう。



「夢」とはすなわち理想であり欲望なのだ。
それらを叶える為にどう動くのか、それはその人次第なのである。




ちなみに、隠れ特性持ちの♀ポケモンがいれば、タマゴ孵化で隠れ特性は遺伝するので、いくらでも隠れ特性ポケモンは増やせる。
PDWなど使わず、この方法で他人が養殖したポケモンをGTSで貰う人が多い。PDW自体が面倒事の塊なので簡単に入手できる方法に縋りたくなるのは当然ではある…

ただし、それを考慮してか、ゆめしま内では♀が出現しづらいようになっている。
しかもミニゲームをこなして仲良くならないと性別が分からないという仕様付き。
念願のロコンが出てきて仲良くなったけど実は♂でした! …なんて事もよくある。お前、男だったのか!?(二次元ハーレム系作品の主人公感)
出会ったポケモンの悉くが♂なパターンを引きまくって、泣く泣く♂個体(もしくは性別不明・隠れ特性を持たない個体)を選び、連れて行かざるを得ない日もあったりなかったり…

…そもそもゆめの樹という名の大木の下で好きなポケモンを1体だけ選ぶのは、自分が一緒にいたいと思う子を選ぶのに等しい…
とどのつまりミニゲームはヒロイン攻略(攻略対象が♀であるとは言ってない)であり、ゆめの樹におけるポケモン選択はギャルゲでいうルート選択もしくは最終告白→エンディングなのかもしれない…?
ハイリンクの森で選んだ子と実際に対面する行為について?「夢だけど夢じゃなかった」とかじゃね?(適当)




しかし現在はPDW自体がサービスを終了しており、プレイする事ができない。
『ブラック2・ホワイト2』ではルリ/テツとのポケモン交換や隠し穴などで隠れ特性個体の入手が可能になっているが…
入手できるのはほんの一部だけであり、ゆめしまに生息していた全ての種類が補完されたわけではない。
なお、隠し穴で入手が可能になった種族がいるとは言っても対戦界隈でも需要が高いポケモンは出現率が軒並み低く、そう簡単には出会えない。
そして、やはりというべきかゆめしま同様に♂が出やすい。夢だけでなく現実でも♂偏重とかふざけんな

ゆめしま閉鎖により全ての種族が入手できなくなってしまった都合上、
現在の第5世代内では後から遊び始めたプレイヤー視点だと隠れ特性個体の単独入手すらできない種族もおり、
当時、第5世代をプレイしていた人から交換で譲ってもらう・過去にPDWをプレイしていた中古ロムを探す等、かなりの手間がかかる。

特にゆめしまでしか隠れ特性持ちを捕獲できないポケモンの入手は第5世代内に限らず、世代を越えてGTS等のインターネットサービス頼みになっていたりも…
ミノムッチなんかは野生出現すらしないソフトが多かったせいで、第5世代当時に遊んでいた人でないと第8世代まで隠れ特性持ちの入手が困難だったという有様。



また、ゆめしまの閉鎖に伴い、第5世代内ではきのみ栽培が一切出来なくなったのも致命的なデメリットとして挙げられる。
イッシュ地方ではどういうわけか、きのみ全般がレアな物として扱われており、レア度が低いクラボのみやモモンのみとかですら複数個の入手が難しい。
チイラのみとかカムラのみなど元からレアな木の実ならともかく、何故基本的なきのみすら出し渋るように入手させなかったのか……

それでいて「ほうじょうのやしろ」という如何にもな場所があるにも関わらず、ふかふかの土はそこに限らずどこにも存在しないため、ソフト単体ではきのみ栽培ができない。
制作陣的には「PDWをプレイして育てて増やしてね」と言いたかったのかもしれないが、1日1時間しか出来ないコンテンツを誰もが毎日覗けるかというと…
第4世代『ハートゴールド・ソウルシルバー』には「きのみプランター」というアイテムがあったのだが、それを別途用意するとかは出来なかったのだろうか。

きのみの入手が容易でないという事は努力値を下げるきのみの入手すら困難である事を意味し、
当時の『ブラック・ホワイト』では努力値の振り直しがしたくても出来ない状況に陥る事も多かった。
続く『ブラック2・ホワイト2』でもソフト単体でのきのみ栽培はできないままだったが、
「ジョインアベニュー」の「はなや」で一部のきのみを日替わり購入できるようになったり、ハイリンクのフェスミッションで一部のきのみを拾い集めるという形式で複数入手が可能になった。
些か強引な解決法ではあるが、未解決のまま終わるよりかはマシだろう。



以下余談だが第8世代『ソード・シールド』以降はとくせいパッチが登場。
これにより、あらゆるポケモンの隠れ特性を手に入れられるようになった……が、そのとくせいパッチの入手難度は夢島にも劣らないくらい面倒なレア物。
相変わらずネットや他人に頼らずポケモンを集めようとするソロ主義プレイヤーに厳しかった。

第9世代『スカーレット・バイオレット』でもレア物で、お金では買えない非売品のままではあるが入手難度が低下。ソロプレイでも割と楽に入手できるように。
隠れ特性問題は後発世代で解決しつつあるが、第5世代内に限ればポケモンならではの悪質な商法*2に多く使われ、後から遊び始めたプレイヤーの事はまるで考えていない仕様でもあったので、
隠れ特性は第5世代の汚点の一つとして捉えられる事も。まぁそういった歴史があってこそのポケモンシリーズなのかもしれないが…




ムクホーク「…(野生にいた俺より)お前の方がよっぽど欲望の渦の中にいたとはな……」

トレーナー「まあ、ね。」


オーキド博士「欲望は生きる原動力!!素ん晴らしいィっ!!
夢ポケモン、ハッピバァァァァスデェイッ!!」


『カウント・ザ・夢ポイント!現在アニヲタが使える夢ポイントは… ̄ ̄ ̄』
欲望は手の届く範囲で追記・修正お願いします。

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最終更新:2025年04月04日 13:37

*1 外伝作品だがポケダンシリーズこと『ポケモン不思議のダンジョン 青・赤の救助隊』では「やるき」「ふみん」のポケモンであっても睡眠モーションが用意されており、救助隊リーダーにして1日経過させると少しだけ見れたりする。

*2 隠れ特性のキモリ・アチャモ・ミズゴロウのいずれか1体(※♂固定)が入手できるシリアルコード付きの某攻略本筆頭に「この方法でしか入手できない隠れ特性個体を売る」という商法が第5世代では中々に多かった。