隠れ特性(ポケモン)

登録日:2010/12/02 Thu 09:42:27
更新日:2023/01/28 Sat 10:56:09
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隠れ特性』(Hidden Ability)とは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するポケモンが、通常では所有しない特殊な特性のことである。
ブラック・ホワイト』で登場した。


概要

ポケモンには、『ルビー・サファイア』以来、攻撃、タイプ等のステータスとは別に、「とくせい」と呼ばれるパッシブスキルのようなものが持っており、その効果も「特定の技の威力が上がる」「特定のタイプのダメージを半減する」「野生のポケモンが出やすくなる」「場に出した時に天候を変える」等多種多様である。
また、テッカニンファイアローのように特性の恩恵で環境上位に上り詰めるポケモンもいる。
その一方で、ケッキングレジギガス等、デメリット効果を持つ特性を足枷代わりとして、高い種族値とのバランスを取っている種も存在する。
このように特性は、特に公式大会などの対人戦の場面において、戦局に大きな影響を与える重要な要素だが、何でも使用できるわけではなく、種族によってある程度定められている。
第四世代までは1つの種族につき特性は2つまでしか無く、既に特性が2つ出揃っているポケモンは今後特性面での強化は望めないものと考えられていた。
※ただし第六世代ではペンドラーバスラオ(あおすじ)、第七世代ではゲンガーの既存の特性が別のものに置き換えられるという仕様変更が起きている。また、フォルム違いを含めば特性が4種類を超す種族はごく僅かだが存在する。

ところで、第五世代では、連動サービスとして『ポケモンドリームワールド』(PDW)というものがあり、そこで手に入れたポケモンを本編に送ることが出来た。
そのPDWで手に入るポケモンは、通常プレイでは手に入らない特性を持っている。これこそが「隠れ特性」である。
これらの特性はドリームワールドで入手できる事から、非公式な通称として「夢特性」と呼ばれるように。
後に公式から「隠れ特性」という名称が発表されたものの、発表がかなり遅かったため、第五世代では「夢特性」という呼称の方が一般的であった。
PDWそのものは第五世代限りのサービスで、現在はサービス終了しているが、第六世代以降もその名残で「夢特性」呼称を使うプレイヤーが決して少なくないので、あまりその辺は強要しないように気を付けよう。

隠れ特性の中には他のどのポケモンも持っていない隠れ特性限定の特性もあり、中には「マルチスケイル」や「マジックミラー」の様な強力な特性も存在する。
ただし第五世代当時から、ある特定の雑誌等のオマケとして隠れ特性のポケモンが手に入る、所謂「株ポケ商法」と揶揄されるパターンもあった。
これらのオマケは、大概書籍であるため、複数個体を入手するには複数冊の購入が必須だった。
しかも大抵御三家が「ランダム」に手に入るというのもガチャに見立てられたこともある。
その中には「かそく」のアチャモ等、対戦における強さの評価を根本的にひっくり返すような特性を持ったポケモンもいたため、物議を醸すことに。

第五世代においては、隠れ特性と性格値は紐付けされた関係ではなかった。
隠しパラメータが性格値から暗号化定数に移行した第六世代以降は事情が異なるが、通常特性と隠れ特性の違いを分ける暗号化定数の仕組みには未だ謎が多く、改造ツールを使う場合でも通常特性→隠れ特性への変更は失敗しやすく危険だとされる。


変遷

第五世代

第五世代では、
  • ♀の親が隠れ特性である場合にしか遺伝しない。
  • ♀が隠れ特性であってもメタモンとの配合では遺伝しない。
という仕様であった。
このことから、容易に複数個体が手に入らないうえに、♀が出なければ個体値、技の遺伝が不可能であった。

しかし、強力な特性『ひでり』と『あめふらし』を持つロコンとニョロモが解禁された翌日にはGTSで♀の夢特性持ちのニョロモ、ロコンが大量に出回った。
(厳密には『すいすい』を持ったニョロモが『あめふらし』を持つニョロトノ進化するため、ニョロボンを使う場合やリトルバトルでは『あめふらし』は使えない)
解禁から暫く経ってからも♀のニョロモや♀のロコンがPDWで発見されたという情報はなかったが、Wi-Fi対戦環境ではニョロトノ・キュウコンが多く出回っていた。
これらの♀は全て改造、又は改造産の子孫ではないかという噂が流れたが、公式側からの正式な声明は無く、プレイヤーの間で水掛け論が起きたりもした。
ほかにもGTSで、通常特性の♀のロコンや♀のニョロモに「ユメ」「ひでり」「あめ」などとNNをつけて、レアポケを要求する(詐欺を働く)者もいた。

BWの本編に登場する隠れ特性持ちは「テレパシー」のムシャーナと「ダルマモード」のヒヒダルマのみだったが、BW2では「隠し穴」で様々な種族と出会える。
「ひでり」ロコンや「マルチスケイル」のカイリュー、「いたずらごころ」のレパルダスや「スキルリンク」のチラーミィをはじめとする新ポケ達等なかなかの粒揃い。
また、『ポケモンARサーチャー』で捕獲した霊獣コピロスも化身フォルムでは隠れ特性だったりする。

第六世代

X・Yでは群れバトルで低確率、三体目枠解禁後のフレンドサファリで出現するようになった。
しかもフレンドサファリは1つのサファリにつき3種類しか出ない上、2V以上確定なので色々と便利である。
任意のポケモンが出るサファリの人を3DSに友達登録する必要があるものの、一度登録してしまえば楽になる。
フレンドサファリでは第六世代の新ポケモンの殆どが出現するようになった。
入手できない新ポケモンはドラミドロガチゴラスアマルルガのみ。
このうちガチゴラスとアマルルガは同世代の公式大会参加者に配布された。ドラミドロについては後述。

また、隠れ特性ポケモン×メタモンとの組み合わせでも遺伝できるようになった。(メタモンの特性は不問)
他種族から引き継ぐタマゴ技等の関係で相変わらず♀は必要であり、本作から始まったボール遺伝にも♀が必須だった。
それでも隠れ特性持ち自体は♂でも1匹手に入りさえすれば増やせるようになったのは大きな進歩と言って良いだろう。
これにより、『かそく』と「バトンタッチ」を両立したバシャーモを使用することも可能となった。テッカニン「…」他にも♂しかいないポケモン、性別不明のポケモンがこの仕様で救済されている。

ORASでは図鑑サーチの機能によりそこら辺の草むらでも隠れ特性持ちを捕獲可能に。
こちらは個体値0Vで出現することもあるが、運が良ければ最大で3V以上確定になる可能性もある。
最低1匹は捕獲した上でサーチレベルを上げる必要があり、フレンドサファリよりは効率面で劣る。
また、水上や洞窟内でも図鑑サーチは有効であるが、草むらと異なりターゲットが動き回るため更に効率は落ちる。
それでも単独でも好きな隠れ特性持ちを3Vで入手できるようになったのは大きい。

X・Yで苦行とオサラバしたトレーナー達は孵化による厳選のため今日も廃人ロードを駆け巡る。

第七世代

SM/USUMでは乱入バトルにより、野生で出てくるほとんどのポケモンの隠れ特性を入手できる。ただし「しまスキャン」や「ウルトラワープライド」で出会ったポケモンは仲間を呼ばないため、これらで捕まえれる御三家もやはり通常特性限定となる。



第八世代以降

剣盾では、マックスレイドバトルの太い柱から出現するポケモンが隠れ特性を持つ。ワイルドエリアでは通常特性が混ざるが、DLCの「ヨロイ島」「カンムリ雪原」では確定で隠れ特性。
また、『冠の雪原』で通常特性から隠れ特性に変更するアイテム『とくせいパッチ』が追加され、BDSPやスカーレット・バイオレットにも続投したため、剣盾もしくはBDSPに連れて行けるポケモン、パルデア地方に生息するポケモンは全種類隠れ特性を入手可能となった。
これにより、ヒードランの隠れ特性『ほのおのからだ』は10年越しにようやく解禁された。
ただし、第八世代のとくせいパッチは通常特性に戻すことは出来ないので注意が必要。
剣盾のレート戦では、レギュレーションマークを付けることで技はレベル技のみになり、配信限定技や過去作限定タマゴ技を二度と覚えられなくなる代わりに過去作産の隠れ特性のポケモンも使用可能となった。

入手に手間がかかるのは主に伝説のポケモンをはじめとするタマゴ未発見グループのポケモンである。
タマゴから生まれる種族は隠れ特性持ちの個体が1匹いれば最低限タマゴで何匹でも手に入れることができるが、『とくせいパッチ』はタマゴほど気軽にいくつも入手できるものではない。

なお、テッシードは通常特性と隠れ特性が両方『てつのトゲ』で見分けがつかず、とくせいパッチも使えないため、人から貰う際には注意。
ナットレイに進化させれば通常特性が『てつのトゲ』、隠れ特性が『きけんよち』になるため、とくせいパッチも使用可能になる。


隠れ特性によって強化されたポケモンの例

安定した耐久力を得たことでドラゴン同士のタイマンを制しやすくなり、「しんそく」で確実に1匹倒せる。
とはいえ、素早さでも勝る『かたやぶり』持ちのオノノクスの前では形無し。

上述の通り雨パの始動役という役割を確立した。
もちろんそのままアタッカーに転ずることもできるし、変化技でサポートすることもできる。

ありとあらゆる変化技を弾き返すことができるようになり、「ステルスロック」や「ちょうはつ」に強くなった。
相変わらず『かたやぶり』に貫通はされるが。

火力こそそこそこ高いが中途半端な素早さと低い耐久に悩まされた二匹。バシャーモの場合はゴウカザルの存在も大きかった。
それが毎ターン素早さが上がるようになったことで上から安定して高火力技を打てるようになり大化け。サメハダーはそれでもメジャーポケモンとはいかなかったがバシャーモは一躍トップメタにまで躍り出ることに。

第四世代まではミカルゲの存在が重く不遇ポケモンだったが、隠れ特性で強力かつ凶悪な特性『いたずらごころ』を習得。
変化技を先制して放てるようになり、特に先手で「じこさいせい」ができるのは現在ヤミラミのみ。
第七世代ではあくタイプには『いたずらごころ』が通らなくなったが自身もあくタイプなのでいたずらごころ無効の恩恵はある。

厳選のお供としてどの世代でも使われるポケモンであった一方、対戦では「へんしん」の手間もあってダブルで味方に変身させる目的で少数使われる程度のポケモンだった。
しかし隠れ特性で場に出た瞬間即座に目の前のポケモンに「へんしん」するという掟破りの特性「かわりもの」を獲得。そのまま変身しても同速勝負になり先制できるかは運ゲーになってしまうが、「こだわりスカーフ」を持てば相手のポケモンもスカーフ持ちでない限り必ず上を取ることができる、
先発で出して相手の技構成を把握する偵察要員のような使い方から、相手が強化した積みエースを能力変化ごとコピーして逆に暴れさせる積みポケキラーになったりと、オンリーワンの個性を活かし要注意ポケモンとして知られるように。
ちなみにメガシンカだろうとそのままコピーできる上に自身は一般ポケモンなので伝説のポケモンの頭数にカウントされないという利点もあり、メガシンカや伝説のいる環境では通常環境より更に警戒されるポケモンとなる。

第四世代までは微妙過ぎるステータスと芸の無さから不遇だったが、試行回数を稼げばこおりタイプの突破力と相まって全抜きも可能。
研究が進んだ現在は害悪と呼ばれるまでに大化けしている。
第八世代では『ムラっけ』で命中率と回避率が上がらなくなった。

類似特性も含めて攻撃技が皆無だったり超紙耐久でないと許されないレベルの凶悪すぎる特性。無対策だと積み起点にされて終わる。
第五世代から解禁されていたが、第五世代では入手難易度の高さから、第六世代~七世代ではメガゲンガーの存在の影に隠れてマイナー気味で、強さが本格的に認識されだしたのは第八世代から。
積むことで威力の上がる「アシストパワー」を獲得したことも大きい。



隠れ特性が死に特性なポケモンの例

通常特性にある『やるき』と全く同じ効果である。ゲーフリはデリバードに何の恨みでもあるのか……

『かるいし』を持たせてやっと「けたぐり」等の威力を120から100に下げられるという誰得仕様。
メガシンカ前のトレース対策としても使えない。
ハッサムもほぼ同じだが一応あちらは持ち物なしでも火力が下がる。

「もろはのずつき」や「フレアドライブ」を覚えないどころか「がんせきほう」や「アームハンマー」といった反動を受ける技が対象外である。
反動と言っても反動ダメージを受ける技のみが対象なのでドサイドンには「とっしん」「じごくぐるま」「すてみタックル」の3つのみで、どれも「ストーンエッジ」に劣る威力。
しかも過去作産が使えないルール下では対象技が「とっしん」だけという有様になる。

そもそもゴーストタイプなので「じばく」「だいばくはつ」は無効、「ビックリヘッド」も半減で受けられるため、等倍で通るのは「ミストバースト」のみ。
さらに、接触攻撃はほぼ使わないため相手の『ゆうばく』を発動させることもない。
まともに使う場面があるとすればダブルバトルで相手の爆発技から味方を守る程度か。

パンチ技の威力が1.2倍。攻撃種族値35で。ナメてんのか?
素早さが80と結構あるので、進化前のレディバが持つ『びびり』の方がまだ使えるとか言われる始末。
ではその『びびり』自体はどうなのかというと…

  • (びびり)
むし・ゴースト・あくタイプの技でダメージを受けると素早さが1段階上がる。
通常特性で所有するのはエレズンただ1匹。
条件の方はエスパータイプのポケモンが弱点とする技で攻撃された時と言っても差し支えない。
だが所持ポケモンは進化前が多くエスパータイプは皆無、最終進化先で持っているのも鈍足で使いやすい特性を持つウソッキー・グランブルノコッチと、むし弱点だが防御2倍の特性『ファーコート』を持つアローラペルシアンと使う必要がないポケモンばかり。
そのため特性そのものが死んでいる。
唯一使えるとされるのはリトルバトルでのみ強いパールル
ただそれも特殊アタッカーでありながら特性が『シェルアーマー』といまいちなので、若干ではあるが攻撃的なこちらを積んだ方がマシという理由である。
あとはリトルバトルであればワンパチもこの特性が消去法で候補に上がる。
こちらの場合は通常特性が対戦で全く効果のない「たまひろい」である上、レベル5であれば素早さが1段階上昇するだけでもそれなりに抜ける相手が多いためである。

第8世代では『いかく』も対象になった…のだが、所有者が諸々未解禁の状態となり、
おまけに残った奴が(進化前以外は)ウソッキーとノコッチという『いかく』なんか喰らったら困る奴ばかりでやっぱり死んでいる。
アローラペルシアンもやっぱり『ファーコート』の方が魅力的だし…。


隠れ特性が変更されたポケモン

隠れ特性はその名の通り解禁されるまで公式に入手する手段が存在しない。
そのためか、当初設定されていた隠れ特性から変更されたポケモンが何匹か存在している。

当初解析などで判明していたのは「電気技を無効化し特攻を1段階上げる」という効果のひらいしんだったが、結局第五世代では隠れ特性のサンダーは解禁されず。
第六世代になって解禁されると上述のとおり「せいでんき」に変更されていた。
「せいでんき」サンダーの活躍は上述のとおりだが、もし「ひらいしん」のままだったら耐性の数が更に増える上にアタッカーとしての凶悪さも増していたことだろう。

第五世代でかげふみゴチルゼルがマイナーだった真の原因
ただでさえ当時からメタの一角に座っていたシャンデラに凶悪特性が与えられたら環境が一変どころの騒ぎではない。
解析が存在が判明してからはいつ隠れ特性のシャンデラが解禁されるか気が気でないトレーナーも多かったが、結局第五世代で解禁されることなく第六世代で「すりぬけ」に変更される形で隠れ特性のシャンデラが解禁されることになった。
「みがわり」を無視して攻撃できるのでこちらでもそこそこ強力。

第六世代まで三犬の隠れ特性は同タイプの技を無効化する特性だった。
一見意味がなさそうに見えるが、第六世代では「でんじは」が電気タイプにも通っていたのでそれを無効にできるライコウ、「おにび」に合わせて出すことでメインウェポンの火力が上がるエンテイ、同タイプの技に合わせて貴重な回復手段にできるスイクンやライコウと様々な戦略が考えられた。
バトルハウスでは未解禁特性も含めてランダムに特性が選ばれるのでそれで隠れ特性の三犬と戦うことが可能だったが、第七世代で何故か揃って変更されている。

既存の特性から次の世代で登場した新特性に変更された例。
LEGENDS アルセウス』はレジギガスを除き特性がシステム上機能していないが、内部的には隠れ特性込みでしっかり設定されている。
どちらも登場時点ではハズレ特性だったり特性と種族値が噛み合わなかったりとイマイチだったのだが、第九世代で新特性の「きれあじ」を獲得。
いずれも適用対象である「斬る技」にタイプ一致技が含まれており、倍率は1.5倍とかなり高いことから火力に期待できるようになった。
最終的な解禁は『Pokémon HOME』経由でパルデア地方に連れて行けるか次第だが、隠れ特性が変更される時点で解禁するつもりなのだろう。

一度隠れ特性が解禁された後に変更された唯一の例
第五世代での隠れ特性「はやあし」は仕様上ペンドラーとは尽く相性が悪く実質死に特性と化していたが、第六世代からは「かそく」に変更。
先達のバシャーモやサメハダーより決定力は劣り、「バトンタッチ」を覚える点もバシャーモと被るが、こちらは「てっぺき」を覚えたり耐久が多少高かったりするのが個性として生きる。


追記・修正は廃リンク厳選を終わらせてからお願いします。

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最終更新:2023年01月28日 10:56