キュウコン(ポケモン)

登録日:2009/11/11 Wed 04:26:08
更新日:2025/08/16 Sat 22:16:52
所要時間:約 7 分で読めます





黄金に輝く体毛と9本の長い尻尾を持つ。1000年は生きると言われる。


キュウコンとはポケットモンスターシリーズに初代から登場するポケモン。由緒正しいお狐さまである。

○データ


分類:きつねポケモン
全国図鑑No:038
英語名:Ninetales
高さ:1.1m
重さ:19.9kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂25♀75

タイプ:ほのお

特性:もらいび(ほのおタイプ技を受けるとそれを無効にし、自身が使うほのおタイプ技の威力が1.5倍になる)
隠れ特性:ひでり(戦闘に出た時、5ターンの間、天候を晴れにする)

種族値
HP:73
攻撃:76
防御:75
特攻:81(初代のみ100)
特防:100
素早さ:100
合計:505


努力値:特防+1、素早さ+1

ロコンに「ほのおのいし」を与えると進化する。

○ロコン


分類:きつねポケモン
全国図鑑No:037
英語名:Vulpix
高さ:0.6m
重さ:9.9kg

タイプ:ほのお



○概要


金色の毛並みと九本のを持つのポケモン。
かの有名な「九尾の狐」をモチーフにしてデザインされており、非常に洗練されていて美しい。
グラフィックも世代を追うごとによくなっており、非常に格好良くかつ美しくなっている。

因みに色違い銀色の体毛尻尾の先が青い白狐様である。中々見る機会はないがとてもふつくしいので頑張って探してみるのもいいだろう。
ひかるおまもり」で確率を上げるのも手。


長寿なポケモンとして有名であり、1000年以上生きる個体もいる。
9本の尻尾の1本1本に神通力が込められており、これのお陰で長生きすることができる。
神通力を用いて口から吹いた炎を自在に操り、相手を攻撃したり、炎を揺らめかせて催眠状態にする。

真っ赤な瞳で睨みつけた相手の心を自在に操る。
人の言葉を理解するなど知能が高く、非常に賢い一方で、しつこく執念深い一面も持つ。
特に不用意に尻尾に触れられることを嫌うようで、戯れに掴んだりして恨みを買うと子孫含め、1000年の祟りを受けるとか…
実際にポケダン青・赤では、尻尾を触った人間に呪いをかけた。

「聖なる力を得た九人の仙人が合体してキュウコンになった」という伝説も残されている。


「きゅうこん」という同名のアイテムがあるが、全くの無関係。効果は「みずタイプの技を受けた時一度だけ特攻アップ」。
ただし、素でそこそこの特防があり、ひでりでみずタイプのダメージを半減でき、さらに特殊アタッカーでもあるため、意外ときゅうこんとの相性は悪くない。
というか、実戦で一番きゅうこんを使いこなせるポケモンの一匹とも言われる。「じゃくてんほけん」でいいじゃん、とか言わない


○ゲームでのキュウコン


BW以外では野生で登場せず、ロコンにほのおのいしを使用する必要がある。
そのロコンは何故か墓地や廃墟、その近辺といった霊的な場所によく生息している。

初代ではグレンジムのトレーナーが使用するほか、最終決戦でライバルがピカチュウ版限定で使用する。
赤では出現せずウインディと対を成すポジションである。
性別は♀が出やすく、この点でもウインディ系と対照的。

タマムシシティ直前の草むらで進化前のロコンが手に入るのでエリカ戦で重宝する…と思いきや強力なほのお技を覚えるのが遅い*1ので捕獲直後は大して役に立たない。
と言っても他の炎ポケモンに比べればダントツで早いのだが。
しかし見た目がいいので人気はあった。

第三世代ではロコンはRSEおくりびやま外壁に出現する。
リーフグリーンからは強力なタイプ一致技「かえんほうしゃ」や先制技「でんこうせっか」、
さらにストーリーでも優秀な変化技「おにび」を低レベルで覚えてくれるのでストーリー攻略になかなか役立つ。

DPtではリーフグリーンとのダブルスロットを使用することで、ロコンがロストタワーがある209番道路に出現。

第五世代のBWでは、遂にキュウコンが野生で登場。クリア後に行ける「豊穣の社」に出現する。完全にお稲荷さまです。
BW2ではここの隠し穴に隠れ特性持ちのロコンが出現する。

第六世代ではXYには出現しないが、RSEのリメイクであるORASにて元作通りロコンが登場。群れバトルでも出現する。

第七世代ではアローラのすがたのロコンが登場する。今までのロコン・キュウコンも過去作を通して引き継ぎ可能。


アローラのすがた(リージョンフォーム)


雪に閉ざされた神様のいる山で暮らしていたため 昔は神の化身と敬われていた。

タイプ:こおり/フェアリー

特性:ゆきがくれ(天候があられ状態の時、回避率が1.25倍になる)
隠れ特性:ゆきふらし(戦闘に出た時、5ターンの間、天候をあられにする)

種族値
HP:73
攻撃:67
防御:75
特攻:81
特防:100
素早さ:109
合計:505

4倍:はがね
2倍:ほのお/いわ/どく
1/2:むし/こおり/あく
無効:ドラゴン

サン・ムーンからはリージョンフォームという新たな姿が登場した。アローラ地方に人間と共に移り住んだロコンが雪山に適応し変化したようだ。アローラ地方に古くから住む老人は「ケオケオ」*2と呼ぶらしい。
同じキュウコンであるものの実質まったくの別ポケモンで、オリジナルを真っ白に、更に妖艶にしたような見た目になっている。ふつくしい……!

キュウコンのリージョンフォームと判明するまではの化身と崇められており、昔はキュウコンが住んでいる山に立ち入ることを禁じられていたほど。
普段は穏やかな気質だが、山を荒らすなどして怒らせると体毛から無数の氷の粒を生み出し、容赦なく浴びせかけて氷付けにする。
雪山で迷った旅人を見つけると麓まで案内してくれるが、それは縄張りからさっさと追い払いたいため。

こちらはロコン(同じくリージョンフォーム)に「こおりのいし」を与えると進化する。

色違いは明るい紫。こちらも非常に美しい。

余談だが、北海道稚内市の稚内駅付近には、アローラロコンとアローラキュウコンをあしらった「ポケふた」(マンホール)がある。

○対戦でのキュウコン


素早さ・特防に優れ、バランスのとれた種族値。
しかし逆に言えば突出したものがなく、金銀以降ダウンした特攻など若干不安の残る数値であることは否めない。
初代では「ほのおのうず」と「あなをほる」という強力技を両立可能という個性もあった*3が、それも今は昔。

しかし侮るなかれ。


この子は賢いのである。
お狐様なのである。
お稲荷さまなのである。
千年の知恵は伊達じゃない。


他のほのおタイプが覚えられない豊富な変化技を駆使することで、意外な活躍を見せてくれる。

まず、自分の特攻を2段階上昇させる「わるだくみ」。これを習得することにより、火力不足は解消される。
無論、考えなしに使うと積んでいる間に攻撃を受けるし、お世辞にも高いとは言い難い耐久力の為そのまま退場、という結果になりがちである。

しかし「さいみんじゅつ」「あやしいひかり」「メロメロ」「おにび」といった嫌らしい状態異常・状態変化技を覚える為、
事前にそれらを決めておけば安心して能力を上げられる。その戦法を使う場合は、素早さに補正のかかる「おくびょう」な性格の子を選ぼう。
なお、「こうかくレンズ」を持たせ「さいみんじゅつ」を撃つタイプは、プラチナからの仕様変更でねむりが弱体化した為、かつての使い易さは失われてしまった。
上記の「わるだくみ」より特攻の上昇量は劣るが「めいそう」で特防を上げながら火力を補強してもいい。
自身の特防も100と高水準なので特殊型のポケモンの前では安定して積めることだろう。

第二世代では前述のとおり特攻が下がり、他の炎ポケモンと比べて決定力に欠けることからマイナ―寄りだった。
当時は「さいみんじゅつ」を覚えず「おにび」が無かった点も響いた。
他の炎ポケモンとは違い攻撃力が特に必要無いため、性別を♀にして「あやしいひかり」や「メロメロ」、「みがわり」を組み合わせた戦い方をすることがあった。
この型は♂が多い環境にマッチしており、レベル55のカビゴンとのタイマンで勝率が5割を超すなどネタとは言い切れない強さを誇っている。

また、第四世代ではサブウェポンとしてくさタイプの特殊技「エナジーボール」を修得するようになった。苦手な水・地面・岩を狩れる点も評価が高い。
因みに「エナジーボール」は第五世代からわざマシンで覚えられるようになった。流石はお狐様。時代の流れを分かっている。
ただし、隠れ特性ひでりが解禁されてからは「ソーラービーム」のほうが扱いやすくなった。

タマゴ技でイメージに合う「じんつうりき」を習得することも可能。
ほのお半減・エスパー弱点の相手はバシャーモアーゴヨンテラキオン等それなりにいる。
10%のひるみ効果のおかげで優位に立てる可能性もある。
特防の高いウツロイドドククラゲにはマシン技の「サイコショック」もあるが局所的か。
めざめるパワー」はほのおタイプ同士の戦闘に有効な岩・地面や、ドラゴン対策の氷が有力。

状態異常・状態変化技を駆使した戦い方になるので、それらへの対策が進む現環境では思うような活躍は難しいかも知れない。
…だが、何度も言うがこの子は賢いのだ。自らの力の低さを知恵によって克服する狐様なのである。

扱いは難しいが、キュウコンと共に知恵を絞って戦い抜けば、そこに勝利への糸口が見えてくることだろう。

隠れ特性はまさかの「ひでり」。これにより大陸を作ったポケモンと同じ事が出来るように…流石、千年の知恵凄すぎるぜ。

まあ凄すぎるせいでパーティにお狐様を入れる人が激増したわけだが…

なに、「ひでり」につられてお狐様を育て始めた奴らと、若干の使いにくさを感じながらもをもって育ててきた我々とでは、
お狐さまにかける想いが違うのだよ!

…しかし結局、同じ特性のメガリザードンYの強さや晴れパ自体の使いにくさからか、他の天候変化組と比べて使用率はかなり低い。
それでもメガ枠を使わずに「ひでり」を発動できるというメリットはあり、メガヘルガーや「サンパワー」型リザードンの補助にも使える。
同じ特性を持つコータスとも種族値の傾向や覚える技等が全く違うため、特に差別化を意識する必要はない。
またリトルバトルでは「ひでり」持ちがロコンしかいないため、晴れパに欠かせない存在となる。

SMから登場したリージョンフォームはこおり/フェアリータイプという独特なタイプでドラゴン勢に滅法強い。
ただはがね四倍という痛すぎる弱点があり、特に先制技「バレットパンチ」には注意が必要。
オリジナルより素早い109なのでガブリアスも抜けるというかなり扱いやすい能力値であり、さらに隠れ特性ならば特性で霰を降らせることができる。
このおかげで本来低命中率の「ふぶき」を安定して連射でき、さらに雨パの面々やギャラドスへの有効打となる『フリーズドライ』も備えるなど、霰パにおいても強力な戦力となる。
無論、異常なまでの補助技のレパートリーも本家同様であり、『ぜったいれいど』使いとしては最速を誇り、あられ状態の時しか使えないものの「リフレクター」と「ひかりのかべ」を同時に貼れるという破格の性能である『オーロラベール』も使用可能。
オリジナルと違ってこおり技の威力自体が上がるわけでもなく特攻の数値は低めなので変化技を絡めたアタッカー型がオススメ。
生まれ変わったお狐さまの知恵と器用さで相手を翻弄してやろう。

「めざめるパワー」のタイプは鋼・炎対策を意識しての地面か4倍狙いの炎あたりが使いやすい。

ところが、剣盾になるとダイマックス環境で天候が簡単に覆されてしまうためキュウコンの使用率はそれぞれ大幅に下がってしまった。めざめるパワー没収も地味に痛く、技範囲の減少に苦しんでいる…が、アローラキュウコンはオーロラベール要員として禁止伝説が使えるルールでもそこそこの使用率を誇っていた。

そしてSVでは、追加DLC前編・碧の仮面で登場。アローラキュウコンはぜったいれいどを没収されるも、新天候ゆきは、こおりタイプのポケモンの防御を1.5倍になる効果で低めの防御を補えるとして前作ではタスキ持ちが多かったのがオーロラベールのターンを伸ばす光の粘土持ちが激増。
なんと使用率8位とSV環境と驚異の噛み合いを見せた。
一方原種キュウコンも晴れパの一角として定着。古代ポケモンの特性「こだいかっせい」の新たな起動要員としても活躍している。


○ポケダンでのキュウコン


救助隊では重要な役割を担うポケモンとして登場。
氷雪の霊峰でチームFLBに追い付かれた際に現れ、主人公にかけられた疑いを晴らしてくれるほか、クリア後のゲンガーのイベントにも大きく関わってくる。


○アニメでのキュウコン一族


進化前のロコンはポケモンブリーダーのユキのポケモンとして登場。
他人に触られるのを嫌っており、抱き抱えてきたカスミに「かえんほうしゃ」を放つほど。
ロコンがタケシになついたのを見たユキは、タケシにロコンを預けた。以降はタケシの主力として活躍。
後にユキと再会した際に返した。

キュウコンはジムリーダーカツラのポケモンとして登場。
レベルが非常に高く、相性が悪いゼニガメの水鉄砲を炎の渦で掻き消し、勝利。

アローラロコンはリーリエのパートナーとして登場。
ニックネームは『シロン』
ナリヤ・オーキドがラナキラマウンテンで見つけたタマゴから孵った。
下記のアローラキュウコンのオーロラベールに憧れ、特訓の末にオーロラベールを習得した。

アローラキュウコンはプロポケゾリ選手サーラ(CV.Lynn)のポケモンとして登場。
ポケゾリジャンプ大会のゲストとして呼ばれ、エキシビジョンでオーロラベールとマジカルシャインの合わせ技で観客を魅了させた。



ディアルガ「紛い物の神が、真性の神にかなうとでも?」

キュウコン「口の利き方に気をつけろ三下!」



キュウコン様は追記・修正と油揚げをお待ちしているようです。

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最終更新:2025年08月16日 22:16

*1 「かえんほうしゃ」はレベル35で習得、「だいもんじ」のわざマシンはグレンジムの報酬

*2 ハワイ語で「まっしろ」という意味。

*3 リザードンもだが、電気狩りには炎単のキュウコンの方が向いている。