オーキド博士(ポケモン)

登録日:2012/05/18 Fri 16:16:35
更新日:2025/07/03 Thu 07:44:22
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みんなもポケモン、ゲットじゃぞ!



ゲームポケットモンスター』シリーズに登場するポケモン博士の一人。


■概要

カントー地方マサラタウンに研究所を構え、日々ポケモンについて研究している。
若い頃はポケモン図鑑の完成を目指し旅をしていたが、現在は引退した模様。

フルネームはオーキド・ユキナリ。
ユキナリという名前は初期の攻略本『ポケットモンスター図鑑』制作時にゲームフリーク(当時)のとみさわ昭仁氏が、フルネームが必要と考えて独自につけた名前だったが、その後公式化された。
由来は人類学者の香原志勢(こうはら ゆきなり)氏。*1

四天王キクコと、ヒワダタウンに住むボール職人ガンテツとは旧知の仲。
キクコ曰く「昔は強くて良い男だった」とのこと。
実際、バグで戦うと恐ろしく強い。
シンオウ地方ナナカマド博士は先輩にあたる。

家族には孫の姉弟(姉・ナナミ、弟・ライバル)がいること以外は不明。
サン・ムーン』では、舞台となるアローラ地方リージョンフォームについて研究をしている、従兄弟の「ナリヤ・オーキド」が登場。
色黒・髪型・服装は異なるものの、顔はオーキド博士そっくりである。

別に呆けるほど年は食っていないが(ゲーム版で60歳未満、アニメ版で55歳)、初代では主人公及びライバルの名前を決める際に孫の名前を忘れるという珍事を見せる。ただし、ピカブイによると、これは孫を人に紹介するときの持ちネタらしい。

タマムシ大学携帯獣学部教授(文献によっては卒業した大学*2もタマムシ大としている)。まだわからないことだらけだったポケモンをタイプで分類することを提唱した、ポケモン研究の偉大な第一人者である。
……はずだったのだが、タイプ別分類に関しては過去の時間軸を舞台とした『Pokémon LEGENDS アルセウス』のラベン博士が手掛けた図鑑の時点できっちりと体系化されていたことが判明する。
特にこのラベン博士、あくはがねフェアリーといった後に発見されたタイプや、リージョンフォームといった「タイプの違う亜種」と言った概念にまできちんと踏み込んだもはやオーパーツとも言える図鑑をはるか昔に完成させており、オーキド博士に限らず後の時代の研究者が唖然とするような内容になっている*3
そのせいで現行設定だと「オーキドのどこがパイオニアやねん」と言われかねない状況なのだが、
当時は現代ほど(地方による違いなどもあるが)人間とポケモンの関係が良好ではなかったことなどもあってポケモン研究そのものが一般的ではなく、オーキド博士の功績はそれを幅広く広めて一般化させた……などという所だろうか。
実際の生物学でも過去の文献に当たったことで新事実になりそうな説が見つかることはあるしね。


初代以降の作品でもちょくちょく登場する。

金銀系列では主人公のお使い先のポケモンじいさんの家に偶然居合わせており、主人公にポケモン図鑑を託す。
また、「オーキド博士のポケモン講座」というラジオ番組も持っている。助手の話によると生放送ではなく、録音らしいが。
HGSSでは全国図鑑を完成させると彼と写真を撮ることができる。

DPtではシンオウ地方のポケモン図鑑を完成させた主人公の前に登場。全国図鑑にパワーアップしてくれる。
その後はハクタイシティの空き家に滞在して図鑑の評価をしてくれる。
プラチナでは彼に話しかけたあと、フリーザーサンダーファイヤーが徘徊を開始する。
また、シェイミイベントでも登場する。

■アニメ版でのオーキド博士

基本的にゲーム版と同じ設定である。
CVは1997年の放送開始当初から石塚運昇氏が務めていたが2018年8月に石塚氏が逝去された後は、従兄弟でアローラのオーキド校長共々堀内賢雄氏が後を引き継いでいる。後述するが、中の人繋がりで、ネタにされたのは内緒。

石塚氏はアニメ無印時代の特番等では何度かコスプレをしてオーキド博士として顔出し出演されたこともある。なかなかのハマり役であった。
本編に出ることは(サトシがマサラタウンにいるシリーズ序盤以外)たまに電話で出るくらいだが、
ポケモンに関する知識が長けている役柄上EDと次回予告の間のミニコーナーでポケモンの解説をすることが多い。
ほぼ毎回の様に、解説しているポケモンの機嫌を損ねても損ねなくても痛い目にあっているが、
大きな怪我をしている様子は無い。

そして解説後の締めは博士の趣味のポケモン川柳である。
ハッキリ言って駄洒落を5・7・5で表したものが殆どだが、過去に募集が行われるなど割と好評のようである。
アニメ本編でも時々川柳を読むことがある。そのためかヒカリからは「川柳の人」と呼ばれている。

また、記念すべき初代ED「ひゃくごじゅういち」を子供達と共に歌唱していた。

アニメ版を元にした小説『ポケットモンスター The Animation』では、彼の先祖のオーキド・マサラの偉業を称える為にマッシロタウンをマサラタウンに改名したという設定。


劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇』では少年時代の姿が登場した。
CVは戸田恵子

40年前にハンターに追われたセレビィと共に現代へタイムスリップ、サトシ一行と冒険し最終的には元の時代に帰って行った。
当時彼はスケッチブックにポケモンの姿を描いており、相当な画力を持っていることをうかがわせる。
作中に登場したスケッチブックは現代の研究所においてあるものの、本人はセレビィと会ったことを幻だと認識している模様。
この頃はリザードを所持していた。
この時、ジョウト地方スイクンバンギラスニューラハッサム、セレビィは目撃している。

ちなみにサトシたちはその時会った少年が昔のオーキド博士であることに気づいていない*4
現在はケンジが助手にいる。


・ポケモンとの関係など
サトシやシゲル、(この二人と比べると一時的にではあるが)ハルカなどからポケモンを預けられているため結構な数の登場ポケモンから顔を知られている。もちろん(愛情表現の程度に差はあるが)一様にオーキド博士にも懐いている。
ここでは特に印象深いポケモンを挙げていく。

ピカチュウ
サトシにあげたピカチュウ。
言うことをまったく聞かなかったためかなり手を焼いていたらしい。

フシギダネ
真面目でリーダーシップのある性格とサトシとの付き合いの長さから、研究所にいるサトシのポケモンたちのリーダー格*5をサトシの捕まえた個体に任せている。
割と問題児が多いのだが、ちゃんとまとめているようだ。
また、一時期ハルカが捕まえた個体も預かっていた。

ベトベトン
サトシのベトベトンに非常に好かれており、四六時中つきまとわれて愛情表現としてのしかかりをされる。
とはいえベトベトンもオーキド博士に危害が及ぶほどは行わず*6、オーキド博士も困りはすれど 「元気のいい子だ」 とポジティブに捉えていると思われる。
実際にTV電話の向こうでベトベトンが博士を邪魔していても、サトシは「元気なのはうれしいけど、あまり迷惑ばかりかけちゃダメだよ~」くらいにとどめている。

ケンタロス
特にこれと言った関わりはないがサトシのケンタロスを30匹預かっており、サトシに要求された個体をその中から選んでサトシに渡しているため、
それぞれがどのような性格などかをすべて把握している模様。

・使用ポケモン
コピーミュウツー事件レベルになるとさすがに…ではあるようだが、現役世代よりは積極的でないだけで、バトルの腕も高い描写のほうが多い。
もちろんタイプ相性や生態知識は持っているが、どちらかと言えばアドリブや「この個体、この子」そのものへの観察で組み立てる、サトシに近い戦法を取る様子。

カイリュー
ポケモンミラージュにて使用。
コピーミュウツーと戦い、「はかいこうせん」で攻撃をするも偽物とはいえミュウツーの力には及ばず跳ね返されて返り討ちにされた。

ポッポ
アニメ金銀編にて使用。公開収録に出向く道中でゲットしたようだ。
「ふきとばし」でロケット団を吹っ飛ばした。

ロトム
デコロラアドベンチャーにてゲット。その後も時折登場する。

●リザード
若いころに手持ちにしており、『セレビィ』にて登場。
現在の所在は不明だが、オーキド博士の性格を考えれば(存命であれば、だが)今でも手持ちにいる可能性は高い。

●参考:飼育施設としての研究所で預かっているポケモンたち
ヤマトやコサブロウが襲撃してきたなど、研究所がロケット団に狙われた際はサトシたちから預かっているポケモンを選抜する形で手持ちパーティに相当するメンバーを構成することも多い。
先述したフシギダネのような実力者はもちろん、かなりのお調子者のワニノコのようなバトルの面ではかなりクセのある性格メンバーも的確に起用・指示しており、(事実上こういうサイドストーリーエピソードで「ロケット団レギュラー」を務めていた)この2人相手なら戦闘不能どころか苦戦することすらなかった回も普通に存在する。
もちろんサトシの育成力やコーチングあってのものとはいえ、他人が育てたポケモンの強みを理解しそれに応じた起用を即取れる・そもそも他人のポケモンが博士のバトル指示に完全に従っている*7のは、こちらの分野でもかなりの実力者であることを伺えるだろう。
ゲーム版と同じなら、トレーナーしてた時期にバッジ全部集めた(ジムを全部突破した)可能性も。


ポケットモンスターTHE ORIGIN

CV:森功至

ポケモン赤・緑を題材にしたオリジナルアニメ、ポケットモンスターTHE ORIGINにも登場。
ゲーム通り、冒頭でポケモンについて説明したり、レッドとグリーンにポケモン図鑑とヒトカゲ、ゼニガメを託した。
ポケモンリーグで決着が付いたときに駆けつけ、言い訳をするグリーンを叱責し、「ポケモンへの信頼と愛情が足りなかったから負けたのだ」と説く。


ポケットモンスターSPECIALでのオーキド博士

最初は勝手に研究所に入っていたレッドを泥棒扱いしたが、その後の行動から信頼した。

過去には第一回ポケモンリーグで優勝している。
現在でも多少なまってこそいるものの腕前は確か。ラッキーガルーラオニスズメなどノーマルタイプのポケモンを多く使用する。
ポケモンには「○○っち」と付ける。

しかしブルーにゼニガメを盗まれたり、シルバーに新型ポケモン図鑑を盗まれたり、ゴールドにも半ば強引に新型ポケモン図鑑を持っていかれたりと、運があまりない。
おまけにポケモン研究の第一人者として悪に狙われることも多く、特にロケット団には二度も拉致・監禁されている。

キクコやガンテツに育て屋夫妻、そしてヤナギとは旧知の仲。

ポケモン博士としての権威だけでなく知識人・人格者としても優秀な人物で、図鑑所有者だけでなくジムリーダー等からも信頼と尊敬を受けている。
カントーだけでなく、シンオウ四天王からも文献解析の手助けを頼まれるほど。

所有者に対しては時に厳しく、時に優しく、大人として彼らの成長を促す。
特にエメラルドに対しては危機的状況にありながらも彼に対して心を砕いている。


ポケモンカードゲームでのオーキド博士


第一弾のトレーナーカードとして登場。
「手札を全て捨て、新たに自分の山札からカードを7枚引く」という効果。手札がなくなるデメリットはあるものの、それを補って余りある強力なドローソースだった。
拡張パックで「にせオーキドはかせ(相手の手札を全て山札に戻させ、よく切ってから7枚引かせる)」というカードも登場したが、オーキド博士との関係は不明。
なお、彼はゲームでは登場しないにもかかわらず「にせオーキドの逆襲(自分の手札を1枚捨てる代わりに、相手に引かせるカードが4枚になった)」「にせオーキドの発明(相手のサイドカードを全て見た後で、それらを山札に戻してよく切ってから同じ枚数を新しいサイドカードにさせるかどうかを決められる)」と派生カードも存在。漫画作品では「ポケモンカードになったワケ」でアカネの祖父として登場した他、「ポケットモンスターSPECIAL」ではユンゲラーが見せた幻覚内のオーキドがこの姿だった。


ポケモンマスターズでのオーキド博士


2020年2月14日のバレンタインデー…ではなく稼働から半年を迎えたハーフアニバーサリーイベントで初登場。
またポケモン勝負がしたくなったということからパシオに登場した。
CVは緒方賢一氏。
バディポケモンはまさかのミュウ
レアリティ自体は★3と平凡である一方、バディーズわざを発動すると通常技が変化するという極めて個性的なパッシブスキルを持つ。
火力にも耐久にも特化していない上、NPCから狙われやすいという難点はあるが、★3の無償配布キャラとしては高めの性能である。

バディーズエピソード「とある日のオーキド」ではキクコのゲンガーに対し、ニドリーノで勝負する様子が見られる。
この構図を見たプレイヤーから、「初代やFRLGのOPで戦っているニドリーノとゲンガーはオーキドとキクコのポケモンだったのでは?」との考察も。
ちなみに赤緑青の冒頭でオーキドがモンスターボールから出したポケモンもニドリーノであった(鳴き声は何故かニドリーナのものだったが)。
このニドリーノとは2024年に「オーキド&ニドリーノ」として実装される。
ちなみにキクコは「私ならさっさとニドキングにする(意訳)」と彼女らしいことを口にするが、博士は「ニドキングとは違うポケモンなので戦術の研究になる」と研究者らしい発言をした。
サカキ「博士よう…表でろや」*8

■余談

よく間違えられるがオーキードではない。

担当声優は石塚氏の後を堀内氏が引き継ぐ形になったが、これは某上院議員の後を某サイボーグが引き継いでいることになるため、一部では別の世界で本当に「ミームが受け継がれた」などと言われる事もある。

「ポケモンは全部で151匹じゃ」と発言した後増えまくったことを認めない等とネタにされているが*9そのような発言をしたことはない。むしろ本人は増えていくポケモンに興味津々である事を忘れてはならない。




『オーキド博士の項目大図鑑』
さぁ~て今回の項目は?
ピッピカチュウ!
No.0と言えば…そう、アニヲタじゃな

~項目川柳~
アニヲタの
追記・修正
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最終更新:2025年07月03日 07:44

*1 https://x.com/hitoqui_ponko/status/1868831298518970615

*2 おそらくは大学院を指していると思われる。街の位置関係からすればおそらくモデルは東京大学か?

*3 『スカーレット・バイオレット』において歴史の授業でラベン博士の写真(?)が登場している為、後の時代でも功績はちゃんと残っている様子

*4 逆にオーキド博士は海外版の追加パートおよび特別編でのセリフから最終的にははっきり認識した様子である。

*5 言わずもがなのピカチュウ、修行に出ていたりピカチュウにならぶエース格として呼び出されたりが多いリザードン、消防団の仕事で多忙なゼニガメと他の御三家+サトシの最初のポケモンが研究所にいないことが多いのも大きい

*6 本来であればで死亡してもおかしくはない。ただしアニポケではこの辺の危険な設定は無視されることが多いのにも留意すべきだろうが

*7 アニポケでもこの「トレーナーとしての実力が足りないともらいもののポケモンは言うことを利かなくなる」設定は存在する。サトシのリザードンが該当

*8 ちなみに本作のサカキはニドキングとニドリーノ両方とバディを組んでいる。

*9 厳密にはミュウかミュウツーのどちらかを除いた150匹が「見つかっている」と発表している