世代(ポケモン)

登録日:2017/11/29 Wed 01:17:39
更新日:2025/10/19 Sun 18:52:32
所要時間:約 26 分で読めます




ポケットモンスター』シリーズにおける世代とは、各作品(群)を区別するための概念である。


概要

ポケットモンスターシリーズは、一般的なシリーズ作品と異なり、原則としてナンバリングを持たない
このため、大雑把にシリーズやポケモンの種類ごとに区分するときに、Generation(世代)という区分をファンの間で使うことがある。
元々は英語圏からこの発想は広まったようだが、現在は日本をはじめとした非英語圏でも使われるようになっている。
基本的にはあくまでもプレイヤー間で用いられるスラングであり、公式の用語ではない。
だがポケモンGOにおいては、アローラ地方にまつわるリサーチでは7の数字が頻出し(ポケモンを"7"匹捕まえるタスク、リワード報酬がきのみ"7"個や"7"000XPなど)、
それ以降でもガラルなら8、パルデアは9……といったように、明らかに世代ナンバーを意識しているらしきタスクや報酬が見られる。
加えて現在においてはゲームフリーク内でも用いられているようである。*1

世代が変わるごとに新たなポケモンが多数登場したり、新たな地方を舞台にした冒険が展開される。
また、世代の移り変わりと同時に戦闘システムが根本的に変わっている。結果として世代ごとに対戦戦術は大きく変わることになる。同時に技や特性、道具の効果などに手が入ることも多いため、異なる世代間同士の通信は基本的に行えず、ポケモンの移動についても旧作品から新作への一方通行になるなど強い制約がかけられていることが大半である。
第4世代以降はマイナーチェンジ版や過去作のリメイク版で多少システム面の変化が起こることもあった。
また、ハードがNintendo Switchに移り変わってからは、同じ世代の本編作品でもシステムが大きく異なるなど、両者間に直接的な互換性がなくなっている。これはSwitch以降の作品は全てのポケモンを1つのソフトに登場させることができない(=作品ごとに登場するポケモンが異なる)という制約からきているものであるとされる。

基本的にはゲームフリーク制作の本編作品(リメイク含む)に使われる用語であるが、
それ以外のゲームやアニメ、マンガでも、登場するポケモンを中心に使われることも多い(本項目では解説しない)。
基本的には多くのメディアミックス展開は最新世代に合わせるが、ポケスペは諸事情から第6世代相当の第12章(XY)と第13章(ORAS)が終了後、
第七世代の第14章(SM)と並行して第五世代の第11章(BW2)が執筆されるというイレギュラーなパターンが起きていたりする。


世代一覧

本編作品との連動要素があるスピンオフ作品は各世代ごとに関連作品の項にて紹介している。*2
また、本編に連なる作品として、USUMと剣盾の間に初のSwitch作品にして2度目の初代リメイクである『Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』(LPLE)、剣盾とSVの間にダイヤモンド・パールのリメイクである『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』(BDSP)、DPtの過去を舞台にした『LEGENDS アルセウス』、SVの後にXYの未来を描いた『LEGENDS Z-A』が登場している。
ただし、LPLE、BDSP、アルセウス、Z-Aにはそれぞれに独自のシステム等があり、近年は単純に「世代」で括れないような状態になってきている。
それでいてLPLEとアルセウスでは新種が登場しており、結果LPLEは第7世代か第8世代かで迷われることが多く、アルセウスは『HOME』を介して剣盾とSVのどちらとも相互移動ができるため、そもそも「世代」の概念に入れられるのかどうかという意見もある。
そのため、ここでは「新たなポケモン・新たな地方が同時に登場する作品」を世代の区切りとし、同じ本編作品でも作品ごとにシステムが異なる第7世代以降のリメイク作品やPokémon LEGENDSシリーズも関連作品の項に含めるものとする。
また、各世代の詳細な対戦環境についてはポケモンシリーズにおける対戦環境の変動記の項目を参照のこと。

第1世代(ゲームボーイ)

日本語圏ではかつて『赤緑青黄』『赤緑青ピ』『RGBP』『RGBY』などとも呼ばれていた。まだ白黒だったGB世代。
ポケモンの新規登場数は、言わずと知れた151種類

種族値個体値努力値というポケモンのステータスを決定する3つの要素は最初期であるこの世代からすでに存在していたが、現在とは仕様が異なっている。
そして開発ギリギリの段階で通信対戦を取り入れたため戦闘バランスが現在と比べるとかなり大味。「はかいこうせんで敵を倒すと反動なし」「ふぶきが凶悪な性能」あたりは有名どころだろう。
しかしポケモンの大方のシステムや「集める・戦わせる」という遊びの基本は既に確立されており、多くのポケモンフォロワーを生み出す一大ブームを創り上げた。

青はポケモン図鑑の新規説明文やグラフィックの変更、一部の出現ポケモンの変更が行われている。ストーリーにも関わるような大きな変更はまだなかった。
ピカチュウは当時放映されていたアニメに合わせ、アニメの要素を取り入れたマイナーチェンジ版。以降はストーリーも改変するような大きな変更が施されたマイナーチェンジ版が定着していく。

システムに関係はないが、第1世代の人たちのセリフはなぜかやたら攻撃的。
「ふはは! まけると わかって たたかうか!」とか「シッポ まいて かえるかい!」とか
「…きゃ! いま からだ さわらなかった?」とか。

現在とは異なる主な要素

  • ポケモンのタイプは15種類。あく・はがね(第2世代で追加)・フェアリー(第6世代で追加)は未登場。
  • ポケモンの性別の概念が基本的にない。*4
  • タマゴのシステムもない。
  • ポケモンに持たせるもちものがない。
  • 技の物理・特殊の分類がタイプごとに分かれていた。
  • 個体値・努力値の仕様が現在とは異なる。
  • 特攻・特防が分離されておらず、「とくしゅ」のステータスに一纏めにされていた。
  • 急所の確率が使用者の素早さ種族値依存だった。


関連作品

初のポケモン対戦に特化したソフト。ゲームボーイで育てたポケモンが64上で3Dポリゴンとなって競い合う。
1人用モードとしてコンピューターと戦うモードや、十分に育てたポケモンがいないという人にもレンタルポケモン機能も完備している。
しかし使用できるポケモンは当時大会で使われていたポケモンをメインに40種類しかおらず、ポケモン対戦用ツールとしてはまだまだ未完全であった。*5
また、ゲームボーイソフトにいるポケモンを引き出したり預けたりできるというポケモン管理用ツールとしての一面も持っており、テレビ上でそのままゲームボーイのポケモンを遊ぶこともできる。
なお、なみのりピカチュウを手に入れるには本作が必須となっている。

  • ポケモンスタジアム2:1999年4月30日 NINTENDO64
前作から様々な点がバージョンアップ。海外ではこちらがPokémon Stadiumとして発売されている。
使用できるポケモンが151種類に増加。1人用モードが大幅に拡張され、当時の大会のルールに沿った対戦ルール3つ+オリジナルルール3つが用意されたスタジアムや、非常に強くなったジムリーダーたちと対戦できる「ジムリーダーのしろ」、そして当時最強格だったミュウツーとのバトルモード「ミュウツーをたおせ」といったモードが収録されている。
そしてミニゲーム集「チビッコクラブ」も非常に人気。人によってはこちらがメインだという声も。

なお、前作共々ゲームボーイのポケモン作品群とは対戦のゲームバランスにメスが入っており、「ふぶきの弱体化」や、2では「はかいこうせんの反動なしが削除」といった変更がなされた。


第2世代(ゲームボーイカラー)

ポケモンシリーズを初代から見事に牽引してみせた不朽の名作。
グラフィックは前作の面影を色濃く残しているが、カラーのハードにも対応した。
ポケモンの新規登場数は100種類。ちなみに、技の総数とポケモンの総数が同一である。
殿堂入りを果たすと前作の舞台を冒険できるため、殿堂入り後シナリオの濃さは歴代屈指である。
単に『金銀』『金銀水晶』『GSC』とも言われ、互換切りが行われたRSE以降との区別として第一世代とまとめて『初代金銀』と呼ばれることもある。
以降の作品では前世代から新世代へのポケモンの移動は一方通行であることが基本となっているため、最近までは前世代と双方向でポケモンの行き来ができる唯一の世代でもあった。

本世代の主な新規・変更要素

  • 女の子主人公の登場(クリスタルバージョン限定)。
  • あくはがねタイプの追加。これに伴い、コイルレアコイルでんき・はがね複合になった。
  • どく→むしが等倍、むし→どく・こおり→ほのおが今ひとつに、ゴースト→エスパーが効果なしから効果抜群に変更。*6
  • ポケモンが道具を持てるようになった。
  • 一部のわざのタイプが変更*7
  • 特殊が特攻・特防に分かれた。ただし個体値・努力値は第1世代との互換性の関係上共通のまま。
  • 天候の概念が追加された。この頃はひざしがつよい・あめ・すなあらしの3種のみ。
  • 性別・色違いが導入された。
  • ポケモンのタマゴが登場
  • 「なつき度」の導入。これによりなつき具合で威力が変化するわざや、なつきが進化条件のポケモンが登場した。
  • 「わすれおやじ」の登場。ひでんわざ含むすべての技を任意に忘れる事が可能となる。
  • 時間帯と曜日の概念の導入。第3世代で一度廃止されるが、第4世代で復活する。
  • バトル施設のバトルタワーが登場*8
  • 感染したポケモンに獲得努力値上昇の効果を与えるポケルスの登場。

関連作品

  • ポケモンスタジアム金銀:2000年12月14日 NINTENDO64
ポケスタ2から更に更にパワーアップ。第1世代の作品群に加え、金・銀、そして同日発売のクリスタルバージョンにも対応。
前作同様豊富な対戦モードに加え、人気を博したミニゲーム集も拡張された。
様々な知識を学べるポケモン講座も用意されており、ポケモン対戦のいろはや少し踏み込んだ応用戦術を学べるのに加え、非常に詳細で攻略本いらずとも称される全ポケモンのデータベースも完備。
まさしく第2世代までのポケモン対戦ツールの決定版とも言えるべき逸品である。


第3世代(ゲームボーイアドバンス)

ハードがGBAに移り、仕様も大幅に変わった新世代ポケモン第一作。
グラフィックも大幅に向上し、キャラクターの頭身も少し上がった。
ここからは世代総称としてバージョン名を使うことは減り、ルビー・サファイアで『RS』、エメラルドを入れて『RSE』、赤・緑のリメイク作品であるファイアレッド・リーフグリーンは『FRLG』と別個に括るように。
新規登場数は135種類

前世代までの互換が切れたことでポケモンをやめてしまった人も多かったが、それでもGBAの売上トップ3はポケモンで占めており、RSの国内売上は544万本。
その後赤緑のリメイクであるFRLGの発売によって一度ポケモンを離れた層を再度取り囲むことにも成功している。
また、本世代から海外版との互換性も確保されるようになった。

この世代からのライバルは主人公の友人という一面が大きくなっており、
グリーンのような主人公を馬鹿にするライバルや金銀のライバルのような主人公を見下すようなライバルは登場しなくなった。
ただし悪役気味なライバル自体は第二のライバルポジションでN(BW1)やグラジオ(SM/USUM)、ビート(剣盾)などが後の作品で登場している。

本世代の主な新規・変更要素

  • 特性が追加された。
  • 性格が追加された。
  • 個体値と努力値の仕様が変更。
  • 天候にあられが追加された。
  • ダブルバトルが追加された。
  • フォルムチェンジが導入された。
  • ポケモンに「リボン」をつけられるようになる。
  • ポケモンを捕獲したときのボールが反映されるようになった。
  • トレーナーメモが導入され、ステータスでポケモンを捕獲した時のレベルと場所を確認できるようになった。

関連作品

ポケモン管理に特化したユーティリティソフト。GBAケーブルでゲームキューブとGBAを接続する必要がある。
預けられるポケモンの総数は1ボックスあたり60体×25で計1500体。
タイトルにルビー&サファイアとあるが、FRLGとエメラルドも各ソフトで条件を満たすことで利用できるようになる。
RSのみ本ソフトから直接起動して遊ぶこともできる。

ポケモンシリーズとしては異色なダークでハードな作風が特徴の作品。
シナリオモードが設けられており、オーレ地方を舞台にいつもとは異なる冒険が待っている。
シナリオ中のポケモンバトルは全てダブルバトルで、戦闘難易度もかなり高い。シリーズ経験者向けの難易度と言える。
本作で捕まえたポケモンを本編作品へ送ったり、その逆も可能だが、一度エンディングを迎えないと連動が解禁されない。
ポケモンスタジアムシリーズ同様GBAで育てたポケモンを本ソフト上で戦わせる対戦モードも用意されているが、あちらと比べてバトルルールが削減されている。

上記『ポケモンコロシアム』の続編。
対戦モードがオミットされ、より1人用に特化された。
作風は前作と比べるとマイルドになったが、やはり経験者向けの高難易度なゲームバランスになっている。
ちなみに第4世代に先駆けウソハチとゴンべがゲスト出演を果たしている。


第4世代(ニンテンドーDS)

ハードがDSに移り、ここから世代が意識されてきた。
ダイヤモンド・パールで『DP』、プラチナを入れると『DPt』、金・銀のリメイク作のハートゴールド・ソウルシルバーは『HGSS』と呼ばれる。
新規登場数は107種類
Wi-Fi通信によって世界中の人と通信ができるようになったのもこの世代からである。ただしこの当時はまだまだ制約が強く、特に対戦はバトレボを用いない限りフレンドになった人同士でしか行えなかった。

本世代の主な新規・変更要素

  • わざの物理・特殊の分類がタイプに依存せず個別に設定されるようになった。
  • すなあらしの時にいわタイプのポケモンの特防が1.5倍になるように。
  • 時間帯と曜日の概念の復活、細分化(夕方、深夜など)。
  • 一部のポケモンの見た目が性差で変わるようになった。
  • フラットルールがDPtのバトルタワーやバトルフロンティア、HGSS以降は対人戦でも導入。
  • 世界中の人とポケモン交換ができる「GTS」が初登場。

関連作品

第4世代作品に対応したポケモン対戦用ソフト。
ルールや登場ポケモンはDPに準拠しており、Pt以降の変更点は反映されない。
この世代で唯一Wi-Fi通信によるランダム対戦ができるという革命的な利点によって対戦プレイヤーに重宝された。
しかしこの時はまだレート機能などがなかったので競技性は現在と比べると薄かった。
また、当時はYoutubeやニコニコ動画での動画配信が流行を見せ始めた時期である。「バトレボ実況」という文化が生まれ、様々な動画配信者が名を馳せたのである。

  • みんなのポケモン牧場:2008年3月25日 Wii
DPtに対応したポケモン管理用ツール。
最大1500匹までポケモンを預けられるほか、華やかなビジュアルでポケモン管理に色合いをもたらした。
ただし純粋なポケモン管理用ツールとして見るとかなり難点が多く、異なるソフト間でのポケモンの引き出し・預け入れができない、最初から1500匹まとめて預けられない、後発ソフトの『HGSS』には非対応と問題点がかなり多い。


第5世代(ニンテンドーDS)

リメイクが出なかった世代にして、初のナンバリングタイトルが登場。DS後期を飾った。ストーリーの方向性も大きく変わったことで賛否を巻き起こすが、それはまた別のお話。
無印ブラック・ホワイトは『BW』または『BW1』、ブラック2・ホワイト2は『BW2』と呼ばれる。
新規登場数は156種類とぶっちぎりで多いが、これはBWのコンセプトが「殿堂入りまでは新ポケオンリー」だったから。
戦闘でポケモンのドット絵が常時動くのが印象的。なお第6世代で3Dポリゴンに完全移行したため、ドット絵を用いた最後の世代となっている。
また本世代からインターネットを介したランダム対戦が実装されている。勝敗にこだわらず対戦できる「フリーバトル」とレーティング機能搭載でシビアとなった「レーティングバトル」の2つのモードを搭載。

本世代の主な新規・変更要素

  • 隠れ特性の実装。
  • トリプルバトル、ローテーションバトルが追加。
  • わざマシンが使い捨てではなくなり、ひでんマシンと同様に何度でも使用できるようになった。

関連作品

  • ポケモンARサーチャー:2012年6月23日 ニンテンドー3DS
BW2と同日発売した、3DSのAR機能を用いたシューティングゲーム。
ここで捕まえたポケモンをBW2に送ることも可能で、れいじゅうフォルムのトルネロスなどは第5世代内だとここでしか出現しない。
ちなみに本編作品とは世界観が繋がっており、本作で登場するバーネット博士は後にSMで再登場を果たした。


第6世代(ニンテンドー3DS)

マイナーチェンジが出なかった世代で、3DS前期を代表するソフト。
X・Yは『XY』、ルビー・サファイアのリメイク作オメガルビー・アルファサファイアは『ORAS』と呼ばれる。
グラフィックが大きく変わり、フィールドグラフィック、戦闘グラフィックが共に3D化。
一部の椅子に座ったときやイベント時にカメラアングルが大きく変わるようになり、物理的な位置関係が分かりやすくなった。
この世代から全世界同時発売が実現し、どの国の言葉で遊ぶかを選べるようになった。また、XYは最初に主人公の肌の色を選択できたり、ヘアサロンでの髪型変更やブティックでの服装のコーディネートが可能と、キャラメイク機能も充実している。ただしORASは固定。

新規登場数は72種類と少なく、準伝説も無し。
メガシンカこそ多かったが、その大半はカントー(第1世代)とホウエン(第3世代)出身ポケモンに割り振られた。
シンオウ(第4世代)はまだいくらかメガシンカポケモンもいるが、第6世代のメガシンカは1種ずつの状態が長らく続いた。

本世代の主な新規・変更要素

  • フェアリータイプの追加。これに伴い既存ポケモンの多くもタイプ変更が行われた。
  • 既存のタイプ相性の見直しが行われ、ゴースト→はがね、あく→はがねが等倍になった。
  • メガシンカの登場。一部はORASで追加された。
  • ゲンシカイキの登場。(ORASより)
  • 一部のポケモンの種族値の上方修正が行われた。
  • 「あかいいと」に、親の個体値からランダムに5ヶ所遺伝する機能が実装された。
  • ポケパルレの実装。これでポケモンと触れ合い「なかよし度」をあげることで、シナリオでの戦闘時にわざをかわしたり致命的なダメージをこらえたりするようになった。


関連作品

  • ポケモンバンク:2013年12月25日 ニンテンドー3DS
第6世代及び第7世代に対応したポケモン管理用ツール。
ネットサーバー上にポケモンを預けるという方式を採用しており、利用するには利用券が必要のサブスクリプション制。
預けられるポケモン総数は3000匹分と大容量で、第6世代から第7世代へポケモンを移動させる場合は本作が必要。
新規ダウンロード及び3DSのインターネットサービスが終了した2025年現在においても当面の間は無償で利用が可能。
派生ソフトに「ポケムーバー」があり、こちらは第5世代やバーチャルコンソールの作品からポケモンバンクへポケモンを移動させるときに用いる。


第7世代(ニンテンドー3DS)

3DS集大成を迎えた世代。グラフィックは大幅に向上し、フィールドグラフィックがついに従来のトレーナーカードなどと同じ6頭身になった。
略称はサン・ムーンが『SM』、ウルトラサン・ウルトラムーンは『USM』or『USUM』。
新規登場数はSMで81種類、USUMで4種類の計85種類。第6世代同様少ないが、第1世代のポケモンのリージョンフォームが多数登場している。
第六世代の反動か、カプとウルトラビーストという準伝枠の飛躍的増加を迎えた。

ちなみにUSUMは『エメラルド』『プラチナ』と同様のマイナーチェンジ版ではあるが、元々のSMのストーリーが更に肉付けされたというよりも異なる点からのアプローチといった面が強く、SMの伏線の一部はUSUMでは回収されず、またSMでは結論が判明したことについてUSUMでは疑問のままだったりする。
もっと詳しいストーリーの話題はUSUMの個別項目まで。

本世代の主な新規・変更要素

  • Zワザ」が登場。戦闘中に一度だけ使える超必殺技で、どんなポケモンでも使えるため、メガシンカよりも戦術の幅が広がった。
  • トリプルバトルとローテーションバトルが廃止された。
  • 「ポケモンライド」が登場し、フィールド技が廃止された。自転車とダウジングマシンもこれにとって変わられた。これに伴い、ひでんわざは通常わざに格下げ。これによりいつでも忘れさせることが可能となった。
  • 第6世代に引き続き一部のポケモンの種族値が上方修正された。
  • 個体値を疑似的に最大値(31)まで引き上げる「すごいとっくん」の実装。


関連作品

初のポケモンシリーズ本編作品におけるSwitch作品であり、『ピカチュウ』のリメイク版。
それ故にSM・USUMとの互換性を持ち合わせていない。
Pokemon GOに合わせた捕獲方式を採用しており、全体的にライトユーザー寄りの内容になっている。
また、Pokemon GOと連動した新ポケモンも2匹登場している。
ちなみに本作は努力値の概念がなく、代わりに第2世代以前の努力値のシステムに似たパラメータを採用している。


第8世代(Nintendo Switch)

遂に舞台は本格的にSwitchへ。公式の略称は『剣盾』。

新規登場数は剣盾の初期バージョンで81種類、DLCで8種類の計89種類。また第1・2・3・5世代の一部のポケモンにリージョンフォームとその進化系が追加された。
剣盾の初期バージョン時点で890種とポケモンの数が増えてしまった弊害か、送れるポケモンに「その作品の図鑑に登録できるポケモンのみ」という制限がついた*10
ゲーム内に登場するポケモンは、初期バージョンでは新規登場するポケモンも含めて400種類。それ以外のポケモンでも、ポケモンバンクの発展形である『Pokémon HOME』に送ることができる。とはいえ、以後の作品で出現しなければそのポケモンは連れて行けないことになるので、懸念する声も多かった。

また、ポケモンでは初の有料DLCが配信され、第1弾『鎧の孤島』は2020年6月17日、第2弾『冠の雪原』は同年10月23日にリリースされた。過去作の一部ポケモンや伝説のポケモン、新しいリージョンフォームやキョダイマックス、伝説のポケモンなどが追加されている。
そんなこともあってか、この世代の公式大会は途中で発売された新作に移行することなく、終始剣盾一本で運用されていた。
そしてランダム対戦の仕様が変更されている。従来のフリー対戦にあたる「カジュアルバトル」と従来のレーティング対戦に当たる「ランクバトル」の2種類が用意され、1ヶ月ごとに変わる「シーズン」ごとにランクがリセットされ、数ヶ月ごとに変わる「シリーズ」ごとに対戦ルールが変更される。

本世代の主な新規・変更要素

  • この世代ではメガシンカとZワザは登場せず、新たな要素として「ダイマックス」が登場した。
  • 上記の登場ポケモンの制限に伴ってわざも一部廃止。ストーリー攻略においても実用性の低い技や「おんがえし」「めざめるパワー」といった対戦でよく使われるものも消滅。
  • 初となる種族値の下方修正が行われた。該当するのはギルガルドのみ。*11
  • なつき度がなかよし度に統合された。
  • ポケモンの性格の能力補正を変更できる「ミント」、細かく経験値を与えられる「けいけんアメ」が追加された。
  • ポケモンの特性を通常特性から隠れ特性に変更する「とくせいパッチ」が追加された。
  • タマゴ技を後天的に覚えさせられるようになった。



関連作品
ポケモンバンクに次ぐSwitch作品におけるポケモン管理用ツール。ポケモンバンク同様ネットサーバーを介したサブスク制。
Switch版とスマホ版で機能が分かれており、Switch版はボックス管理、スマホ版はGTSといった交換機能を擁する。
ポケモンバンクからの移動もこのソフトを用いる。また、第8世代と第9世代(SV)との世代を超えたポケモンの相互移動が久々に可能となった。
なお、LPLEからも本作を経由することで、第8世代以降の作品へポケモンを送ることが可能となっている。

  • ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール:Nintendo Switch 2021年11月19日
「ダイヤモンド・パール」のリメイク作品。本編作品初の外注作となっている。
その世代に合わせて新規要素を多数盛り込んだ過去のリメイク作品とは方向性が異なり、最近の任天堂作品のリメイクによくある原作に忠実な内容を打ち出している。
初の外注作故に発売当初はバグが非常に多かったが、現在はその殆どが修正済み。とはいえ、Pokémon HOMEとの連携の際にはこれらのバグが原因で本作特有の制約がつきまとってしまっている。

ポケモンシリーズ初のアクションRPGという初の試みにして、『DPt』の遥か昔の出来事を描いた作品。
ポケモンを捕まえるというアクションを改めてフィーチャーしており、従来のシリーズよりもよりシビアな作風に仕上がっている。
バトルシステムも素早さの概念を筆頭に従来の本編作品とは一風変わったものとなっている。
本作にも新たなポケモンは登場しており、過去作のポケモンの追加進化系を筆頭に7種類が新登場した。
アクションRPG故に本作独自のシステムが多いが、一部の要素はSVにも引き継がれており、第8世代と第9世代の橋渡し的な役割を担っている一面も持つ。


第9世代(Nintendo Switch)

第8世代に引き続きSwitchが舞台。略称は『SV』で、久々に色がサブタイトルに選ばれた。
そして冒険の舞台もオープンワールドに移行。シームレスな冒険が展開される。
新規登場数は初期バージョンで103種類、DLC追加分の22種類の計125種類と久々に3桁となり、これによりポケモンの総数は1000を突破する事になった。

本世代の主な新規・変更要素

  • 剣盾の「ダイマックス」に代わるシステム「テラスタル」の追加。
  • 第8世代に引き続き一部ポケモンの種族値の下方修正、一部の技の削除が行われた。
  • 天候の「あられ」が「ゆき」に変更。スリップダメージがなくなり、こおりタイプのポケモンの防御が1.5倍になる。
  • わざマシンが再び消耗品化。
  • 預かり屋の廃止。手持ちポケモンがタマゴが見つかる条件を満たす場合に時間経過で入手になった。
  • ポケルスの廃止。

関連作品

『アルセウス』に引き続きアクションRPGを継承したPokémon LEGENDSシリーズ2作目。
Nintendo Switch 2 Editionに対応しており、Switch 2での起動時はグラフィックとフレームレートが強化される。
ミアレシティを舞台に、『XY』のその後を描く物語が展開される。
本作はポケモンの捕獲のみならずポケモンバトルにおいてもアクション要素を導入しており、『アルセウス』とはまた異なるゲーム性を打ち立てている。


余談

ポリゴンは第一世代では「シージーポケモン」だった(もともと当時の荒いローポリCGをネタにしたもの)が、ピカチュウ版以降は「バーチャルポケモン」になった。

世代を重ねるに連れて図鑑説明文にそれを意識した文章が出てくるようになった。
例えば上述のポリゴンは第一世代の図鑑説明文では「最高の科学力」と書かれていたが、第七世代では「20年前の科学だから時代遅れ」となっている(尤も、シルヴァディを作れる時代と考えるとポリゴンは時代遅れであろうが)。
他にもラプラスは乱獲され絶滅危惧種だったのが「保護しすぎて数が増えすぎた」、ベトベター・ベトベトンは「ヘドロが少なくなってきてもうそろそろ絶滅する」「駆除し続けた結果激減」「絶滅を防ぐため人工のヘドロ池を作る」といわれるようになった。


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最終更新:2025年10月19日 18:52

*1 増田順一氏のブログ「増田部長のめざめるパワー」において『XY』を指して「第6世代」と表現している記載が見られる。

*2 ポケモンレンジャーシリーズも本編連動要素があるが、いずれも配信限定であるため除外。

*3 前者は受注販売開始日。後者は一般販売開始日。

*4 ニドラン系は例外。ニドラン♀とニドラン♂が別種扱いなのはその名残。

*5 これは当初64DDで出す予定が変更となったため。

*6 というか初代でのゴースト・エスパー間の相性は設定ミスだったようで、それを修正した模様である

*7 ノーマルタイプだった「からてチョップ」「かぜおこし」「かみつく」がそれぞれかくとう、ひこう、あくタイプになる等

*8 クリスタルのみ、ただしモバイル限定

*9 マスターボールとプレシャスボールを除く

*10 よく言われるが「ポケモンを全く送れないわけではない」ため、完全な互換切りではない。また、作品内の企業ロゴなどの対戦に関係しない部分で使われたポケモンもいる。

*11 シールドフォルム時の防御・特防、ブレードフォルム時の攻撃・特攻の種族値が10減少