登録日:2017/01/08 (日) 19:55:27
更新日:2024/07/30 Tue 07:32:57
所要時間:約 5 分で読めます
“それじゃあ、僕の勝利を祈っていて。この世界と、きみが愛する人達のために”
青春は、傷と平和のくりかえし。
概要
『愚物語(オロカモノガタリ)』は講談社BOXより刊行されている、100%趣味で続いた小説。
西尾維新による
物語シリーズの通算19冊目にあたる。
挿絵はVOFAN。
今作から物語シリーズは「オフシーズン」に入り、前作『
続・終物語』で完結したファイナルシーズンに続く、
ネクストシーズンへの繋ぎの役割を持つ、いわば番外編集となる。
阿良々木暦は基本的に登場せず、老倉育、神原駿河、
阿良々木月火(語り手は
斧乃木余接)の三人のヒロインを主役に据えた、三話の中短編集で構成。
それぞれの話に「フィアスコ(大失敗)」、「ボーンヘッド(うっかり)」、「アンドゥ(やり直し)」というタイトルがつけられ、
三人のヒロインの「失敗談」がテーマ。
第零話 そだちフィアスコ
直江津高校を去り、里親に預けられた
老倉育は、新天地の公立宍倉崎高校に編入することになった。
心機一転を図った育だったが、
自己紹介の段階で大失敗した挙句、クラスで孤立していた少女とグループを作ろうとしても断られ、早速クラスで浮いてしまう。
だがその少女からクラスの人間関係についてレクチャーされた後、育は現在のクラスの実力者に気に入られ一躍人気者になる。
しかし、その作られた「幸せ」を、「不幸に浸かるのに慣れた」育は受け入れるはずもなかった。
登場人物
今回の主役。彼女の一人称のモノローグで物語が進行し、台詞に「」も挟まない。
阿良々木暦と幾度も交流があったにもかかわらず、助かることのなく彼と別れた少女。
未だに暦を憎み続けており、新天地で幸せになって彼を見返すことを目標にしている。
しかし持ち前の捻くれた性格や極端な対人恐怖症が仇となり、ことごとく第一歩で失敗。
さらにクラス内の派閥争いと村八分に巻き込まれ、一度はクラス内で優遇されるものの、それを拒絶してまで茨の道を突き進む。
育が新しいクラスで初めて声をかけたクラスメイト。
元々気が強くリーダーシップのある(悪く言えば横柄)クラスの実力者だったが、
幼馴染を傷つけてしまった事件がきっかけで地位から転落。
クラス全員から疎外され、一人ぼっちの学園生活を送る羽目になる。
ムキになって声をかけてくる育を当初は鬱陶しそうにあしらい、彼女を理由に登校も拒否していたが、
新入りの彼女にもクラスの情報を教えてあげるなど、筋を通す人物。
現在のクラスの実力者。運動部のOBとして後輩の人望もあり、面倒見のいい性格で通っていた。
しかし、有事には取り巻きを使っての仲間外れや暴力も辞さない、気性荒い本性を持つ。
忽瀬亜美子とはクラスの勢力での
ライバル同士だったが、彼女が起こした事件を機にクラスを扇動し、彼女を孤立させた。
クラスメイトの一人で、忽瀬亜美子の幼馴染。
いつも忽瀬亜美子に追従する形で行動していたが、ある日彼女に公然で激しく罵られ、ショックで登校を拒否するようになる。
クラスメイトの一人で、いい奴と評判の女子。
育からクラスの対立についての情報を
問い詰められ、怯えながらも詳しく話す。
育を預かる里親の老夫婦。
何かと複雑な性格の育にも優しく接する人格者。
直接は登場しないが、育の妄想の中で彼女を見下したり彼女に罵られたりする。
第零話 するがボーンヘッド
悪魔の木乃伊の件が解決し、ゴミ溜めの部屋の片づけをしようとした駿河だが、そこで彼女が発見したのは
忍に処分されたはずの猿の左手の木乃伊だった。
さらに部屋のふすまの裏側に、臥煙遠江が遺したと思われる手紙を発見する。
なぜか乱入してきた扇とともに、謎かけのような手紙を解くことにした駿河だが…。
登場人物
『花物語』の直後、左手の悪魔の木乃伊が消え去り、大学での
バスケへの復帰を目指していた。
しかし、処分されたはずの猿の左手や母の手紙で、またしても怪異の事件に巻き込まれる。
暦とは喧嘩したため助けを求めるのは気まずく、自分の力で事件を解決しようとする。
自称駿河の大ファンの後輩男子にして、彼女に取り憑く怪異。
一年前の暦に対するように、駿河をおちょくりながら木乃伊の謎解きに協力。
その合間に駿河にセクハラ発言を繰り返しては、変態であるはずの彼女に総ツッコミを受けるド変態。
駿河の母にして、彼女に悪魔の木乃伊を遺した張本人。
新しい左手の木乃伊の対策のように、駿河の部屋のふすまに
暗号めいた詩の手紙を遺した。
そして、悩む彼女のもとに沼地蝋花の姿で現れ、助言する。
駿河に失礼な態度を取られてブチ切れ、彼女の部屋の掃除を拒否し、現在仲違い中。
現在、海外でトラブルに遭い、暦に手伝われているらしい。
第零話 つきひアンドゥ
暦と月火の監視のため、ぬいぐるみのふりをして阿良々木家に居座っている余接。
しかし、アイスを食べている現場を月火に見られてしまう。
追い詰められた彼女は「自分の正体は人形に取り憑いた
魔法少女だ」と嘘をついてしまい、化け物退治の現場を演出することになるが…。
登場人物
今回の主役で語り手。なお怪異では初めての語り手。
要注意人物の月火の監視をしていたが、息抜き現場を当の本人に見られて大失敗。
臥煙伊豆湖にバレないためにも事態を収拾させるために
魔法少女のフリをして誤魔化そうとするが、次々と起こるトラブルに振り回される羽目になる。
余接の監視対象の不死鳥(しでの鳥)の怪異。
気まぐれかつ素っ頓狂な行動で周囲をかき乱し、かつ自分はマイペースを貫く無為式的人物。
動いた自分のぬいぐるみを確かめるためにサラダ油をかけて燃やそうとしたり、
魔法少女の話をあっさり信じて自分も戦うと言い出したりととにかく滅茶苦茶な行動をとる。
月火の同級生の元蛇神。
現在漫画家を目指して家でひたすら
漫画を描き、かつての努力嫌いが嘘のよう。
余接に、かつて
詐欺師に憑かされた蛞蝓豆腐の怪異と絵の上手さを見込まれ、退治する化け物用の式神作りを依頼される。
北白蛇神社の新しい
神。
余接は彼女にバレないように事態を収めようと思っていたが、筒抜けだった。
阿良々木派の皆さんは暗証番号を誕生日以外の数字を打ち込んで追記修正お願いします。
最終更新:2024年07月30日 07:32