天馬月行(遊戯王R)

登録日:2017/11/12 Sun 14:23:02
更新日:2024/10/27 Sun 06:25:50
所要時間:約 9 分で読めます







その思いは――私達の中で完結すべきなんだ




遊戯王Rネタバレを含むので閲覧注意


天馬月行とは、漫画遊戯王R」の登場人物。
本作での黒幕・天馬夜行の双子の兄。


概要

元々は双子の弟「天馬夜行」共々、ペガサス・J・クロフォードに拾われた孤児であった。
ペガサスは世界中から優秀な孤児を集め、「ペガサス・ミニオン(寵児)」としてデュエリストやゲームデザイナーを育成しており、
彼も夜行と共にデュエルの腕を磨いていた。

その甲斐あってか、実力をめきめきと上げた月行はミニオンの中でも最強レベルのデュエリストとして成長、
ペガサスをして「パーフェクト・デュエリスト」と呼ばれるほどになる。

この称号を励みにさらに研鑽を重ねていったが、
一方で弟の夜行は未完成のデュエリスト「ラフ・ダイヤモンド」と呼ばれ、周囲からは月行の劣化コピーとして馬鹿にされていた。
これが後々まで尾を引くことになる。

決闘者の王国のラスト、ペガサスは恋人シンディアのカードを残して消息不明になる。
以降、月行はインダストリアル・イリュージョン社(I2社)の再建に尽力するが、夜行はこの頃から超神秘科学体系の研究に没頭していた。
彼はペガサスの遺した「邪神」のカードのデータを発見し、それらの持つ強大なエネルギーを利用しようとしたのだ。
詳しくは本人の項目を参照。

この話を聞きつけた月行は弟の凶行を止めようと手を尽くしたが、逆に三邪神の力で肉体をハッキングされ、夜行の端末として操られることになってしまった。

自由がきかないまま夜行の代行者としてKCに移動、夜行としてマイコ・カトウを降した闇遊戯を相手にデュエルを開始。
高速召喚で生贄を揃えドレッド・ルートを召喚、最強の神ラーの召喚すらも召喚自体を無効化することで優位に立つもリバースコンボで切り返され戦闘破壊される。
その衝撃でハッキングが解け、クロケッツの介入で投了した形となった。

ここでようやく名前と存在が明らかになり、その後は夜行を止めるべく遊戯に同行。
途中遊戯達に対する責任を取る形で二度のデュエルを行ったが、テッド・バニアスには完勝したものの、ミニオン仲間であるリッチーには焦りから来る戦術ミスで敗北を喫してしまった。

幸いにもサーバーのコントロールを取り戻したモクバのおかげで道は開かれ、遊戯と共に夜行のもとに辿り着く月行。

結局のところ、この事態に対してほとんど何も出来なかったこと、
一度は遊戯の道を閉ざしてしまったことから無力を痛感し、全てを遊戯に委ねざるを得なかった兄に対し、
夜行は「パーフェクト・デュエリストも無様なものだ」と優越感を以て罵倒する。

しかし、それに対して月行は言った。
自身の持つ称号にして、誇りであった「パーフェクト・デュエリスト」の名。
ペガサス直々に与えられたそれはしかし、周囲や夜行が思うような「完璧なデュエリスト」のことではないことに気づく。

ペガサスのもとにいた頃からデュエルを重ねていた月行。
連勝を重ねていたが、対戦を重ねるうちに相手との実力差がどんどん埋まっていく。経験を積んでいるのは自分も同じ、ではこの埋まり続ける実力差は何を意味するのか?
対戦相手の成長を実感する月行と、縮むその差。
それが意味するもの……


私の成長は 完了(パーフェクト) している……


さながら、RPGのキャラのレベルがカンストしたかのように。
天馬月行というデュエリストのレベルは、もはや上がることはない。
そういう意味で、ペガサスは彼を「パーフェクト」と呼んだのだろう、と。

「完璧な」デュエリストではなく、「完成してしまった」デュエリスト。
若くして「完璧」という頂点に至った月行だが、完成してしまったものはそれ以上変わりようがない。
伸びることもなければ、広がることも変化することもない。成長の余地を失った月行に残されたのは、立ち止まるという選択だけだった。
進む道は、もうなかったのだ。

だが、夜行にとっては想定外の事実だった。
彼が邪神を手にし、力をつけたのは、完璧だと思っていた兄への劣等感から。パーフェクトだと呼ばれ、ペガサスの寵愛を受けていた彼を超えたかったからだ。
その兄が、完璧ではなく一つの完成に至ってしまった、行き詰まりのデュエリストであったのならば、それと比較されていた自分は何なのか?

その答えも既に示されていた。
夜行に与えられた名は「ラフ・ダイヤモンド(原石)」。磨かれる、カットされる前の宝石。
月行を相手にほとんど互角の勝負を演じ、それでもまだ未完成のデュエリスト。
この先どこまでも、どれほどまでも成長する可能性を秘めた未知数の存在。

最上のデュエリストたるものだと期待されていたのは、夜行の方だったのだ。

それでも行き着くところまで行ってしまった夜行はもはや引き返せず、闇遊戯を相手に激闘を展開。
最終的に邪神アバターが倒され、憑き物の落ちた夜行はデュエルを放棄しようとするが、月行はそれを止めようと叫んだ。


戦いの前に、夜行は言った。
ペガサスとは、ミニオン達にとって太陽だった。月行はその名の通り、太陽の光を一身に受ける月。対する夜行は、光のない闇の中を彷徨うしかないのだと。
そこには別の側面がある。月は太陽がなければ輝けない。ペガサスがいなければ折れるのは、月行の方だ。
だが、夜行は暗闇の中を彷徨っていた。つまり、彼は自らの力で先へ進むことが出来る。
邪神が消えた今、この戦いの先に、ペガサスがかつて見出した「最上のデュエリスト」の姿があると。


決着の後、アバターのカードを破り捨てる夜行と共に、計画の全てに終止符を打った。


◆使用デッキ

装備魔法を戦力の軸とした【天使族】を主に使用。
発動限定のスキルドレインを内蔵した「エンジェルO7」をエースに据えており、
これを高速でアドバンス召喚することで優位に立つパーミッションビートを戦術の基本に据えている。

装備カードの多さゆえ手札事故が起きやすいが、
それをご存じ天使の施しで解消しつつ、落とした装備カードを「武装転生」でトークン化して展開するなど非常にトリッキーなデッキ。

実は「エースを出すための生贄を高速で揃える」という部分に置いては夜行と傾向が同じ。



●主な使用カード

モンスター

・エンジェル07
アドバンス召喚時に限り、モンスターの効果発動を封印するレベル7のサイボーグ天使。
攻撃力2500と数値は若干頼りない。
ちなみに漫画では「相手のフィールドのモンスター効果と発動を無効にする」効果で、効果下級モンスターを主力とするリッチーのデッキには思い切り刺さった。
OCG化したことで自分のモンスターにも影響するようになり、さらに永続効果を無効に出来なくなったが、代わりにフィールドに限らなくなった。


・邪神ドレッド・ルート
夜行から渡されたコピーカード。
正気に戻った際に破っている。


・ラーニング・エルフ
大きな本を抱えたメガネっ娘
墓地に送られた時1ドロー。しかも強制なのでタイミングを逃さない+回数制限なし。
効果以上にイラストの面でOCG化が望まれている。
と思ったらなぜかラッシュデュエルのカードのイラストになった。


・サラブレッド・エルフ
打点1800のバニラ。
多分アタッカー担当。


・ワンダービート・エルフ
他の天使族の数だけ攻撃回数追加。
大量展開とは相性が良いだろう。恐らく数を増やしてコイツに装備魔法をつけて殴るのが基本戦術。


召喚僧サモンプリースト
OCG次元ならば知らぬ者ぞなき展開の要。
漫画効果では何とノーコストだった。
ただ登場当時はシンクロもエクシーズもリンクもない時代に「このカードは生贄に出来ない」「魔法カードを切らないと発動できない」「特殊召喚したモンスターはそのターン攻撃不可」といったリスクはわりと重く日陰ものだった。
汎用融合が出て来たのはGX末期からだし。


・セラフィムシリーズ
天使族の下級で、セイバー・ガンナー・ガードナーの三種が存在。
自分以外の天使1体につき攻撃力または守備力が300上がる。
ガンナーは元の打点が1800なので、並べばサイドララインには届く。逆に1600のセイバーは微妙。



魔法カード

  • 神の進化
通常魔法。
自分の場の神属モンスターの元々の攻守を1000アップ。さらに発動と効果を無効にされず、三幻神はラーと同ランクに出世する。
恐らく邪神を強化するためのカード……と思いきや、夜行のリアクションからして元々月行が持っていた模様。
月行にだけ渡したカードという意味合いでなければ多分だがエンジェルO7用だろう。
OCGでは三幻神と三邪神専用になった。


  • 天使の施し
御存じぶっ壊れ手札交換。あくまで手札交換目的が多い原作のデュエリスト達と違い、OCGのように墓地肥やし能力もきちんと利用している。
こいつに対するテッド・バニアスのリアクションは未だに語り草。


・スピリット・スレイヤー
装備魔法カード。
装備モンスターの攻撃力+500、戦闘する相手モンスターの攻撃力-500。
攻撃力の差が1000以内なら処理可能。


・ラミネート・アーマー
装備魔法カード。
守備力1000アップ+戦闘破壊の身代わり&ダメージ消去。
超重武者にいいかも。


・ネオンレーザーブラスター
装備魔法カード。
攻撃力500アップ+貫通付与。メテオストライクの完全上位互換。


・武装転生
通常魔法カード。MTGプレイヤー的に言うならリアニメイト効果の殴打頭蓋
墓地の装備魔法および装備カードになる罠カードを全部攻守500+そのカードの効果を持ったトークンとして蘇生。
レベルや種族、属性は不明だが、効果のオマケ付きのトークンが最大5体同時に出てくると考えればその強力さは想像がつくだろう。
OCGではいろいろな意味で再現が困難なカードともいえるが。


・パワーコネクション
通常魔法カード。
発動ターン終了時まで、自分の場のモンスターは同種族1体につき攻撃力500強化。
武装転生とのコンボ用だと思われる。


・反射盾-リフレクター
装備魔法カード。
装備モンスターが攻撃対象になった時、その攻撃を無効にして攻撃力の半分のバーン。
仁王立ちとコンボで使おう。


・生贄の副葬品
通常魔法カード。
装備カードを装備しているモンスターをダブルコスト化。


罠カード

・ミラーバリア
発動後に装備カード化する通常罠カード。
モンスターが攻撃対象になった時、別のモンスターに対象を変更する。
一応発動から4ターン持続するが、使い切りがせいぜいだろう。


・慈愛のアミュレット
発動後に装備カード化する通常罠カード。
装備モンスターの戦闘で発生するダメージを1回だけ0にする。


・ホーリー・サクリファイス
自分モンスター1体に攻撃を集中させ、戦闘ダメージを0にする。



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最終更新:2024年10月27日 06:25