天使族(遊戯王OCG)

登録日:2021/11/26 Fri 00:00:20
更新日:2025/04/04 Fri 18:40:26
所要時間:約 11 分で読めます





神の光が聖域を満たす時、光の天使たちが新たな姿で蘇る

神光の波動が聖域に満ちる── 目覚めよ、天空聖騎士


天使族とは、遊戯王OCGにおけるモンスターの種族の1つ。



概要

の使いや精霊など、スピリチュアルな存在をモチーフにした種族。
天使と聞いて真っ先に連想されやすい「神聖」「慈悲深い」「清麗」のイメージからか、いわゆるアイドルカードの割合はかなり多め。
その一方で「秩序を守る/裁きを下す者」そこから更に転じて「圧制、傲慢」といったモチーフにもつながる危険な一派でもある。

また、現代日本人のイメージする「いかにもな天使」とはかけ離れた、訳の分からない連中がここに分類されている例もままある。
紙飛行機に乗った全身タイツ人間な《アイツ》とその仲間達、
どちらかと言えば怪物なアルカナフォース等もこの天使族に分類されている。
天使のイメージに違わず光属性の比率が高めであり、闇属性が多めの悪魔族とは対照的である。

今に至るまで数多くのカード・カテゴリを輩出し、それぞれのカテゴリ毎に独自の進化を遂げている。
そしてなまじカテゴリが豊富なだけに、天使族という種族サポートのカードは、層の厚さの割に少なめ
…という部分は、同じメジャー種族の機械族などと共通している。

現在でこそ強力な種族の一種として扱われているが、実の所初期はどちらかと言えば不遇な種族で、
第3期になってようやくスポットが当てられるまでは、使いやすいカードや一定の人気を得ていたカードは両手の指で余裕で足りる程度しかなかった。
その為初期のゲーム作品では単体での使い勝手は良いとは言い難い。

前述の通りアニメや漫画作品などでの天使族デッキの使用頻度は非常に高いが、特に女性キャラクターは天使族デッキが割り当てられやすい。
「天使」の単語から清麗なイメージをあてたことの結果だろう。
また歴代ヒロインも十六夜アキ以外は全員天使族デッキの使い手だったりする*1
一方で男性の天使族デッキ使いは少々奇天烈なキャラ付けをされる傾向が強い。
また漫画版遊戯王GXでは光属性天使族をメインで使うレジー・マッケンジーと闇属性天使族をメインで使う響みどりによる【天使族】対【天使族】のミラーマッチが発生するという、初期では考えられない対戦カードが組まれていたりする。
この2人が使用したカードは天使族の強さを底上げしたものが多いため、《大天使クリスティア》や《堕天使スペルビア》、《神の居城-ヴァルハラ》など今でも見かけるカードが結構あったりする。ただし漫画の時点では大半がバニラではあったが…。
あと限定カードや付録カードで登場することが多かったため、地味に値が張っていた。
そのため主要カードが「ロスト・サンクチュアリ」で再録された2010年位までの天使族デッキはちょっとした札束であった。

宗教観に厳しい諸外国では「天使」の要素は桁並み手が加えられている。
例えば「天使族」という種族名だが、英語版では「ANGEL*2」ではなく「FAIRY」になっている。*3
そのほか、天使の象徴である「頭の上の輪っか(ハイロゥ)」も削除されているため、海外輸出に面倒が起きやすい。


特色

「裁き」「傲慢」のイメージの反映か、相手の行動を縛りつけたり無効にする効果(ゲーム用語でいう所の「ロック」「パーミッション」戦術)に長けているところが特徴として挙げられる。
現代遊戯王における展開の要たる特殊召喚を封じる《大天使クリスティア》や、使おうとしたカードを強制的に破棄させる「宣告者」シリーズ、難易度はとんでもなく高いが相手のターンを丸々スキップし続ける最凶のロックカード・《アルカナフォースXXI-THE WORLD》などがよく挙げられる例だろう。
カードの無効化、破棄を専門とするカウンター罠カードに関連した効果の持ち主も全クラス中トップクラスで天使族が多く、それを活かして相手の行動をひたすらダメ出しするくせに自分ばかり思い通りにデュエルを進めるというコンセプトの【エンジェル・パーミッション】デッキも開発されている。

一度布陣が整ってしまえば相手のあらゆる逆転の目を潰すことが可能なのが天使族デッキの大きな特徴であるが、そうした制限系のカードに一日の長がある反面、天使族自体の攻撃力・展開力には難がある。
下級モンスターの選択肢が乏しいのと、上記のパーミッションカードは重いコストを要求する関係で、布陣が整うまではギリギリのリソースで戦うことを強いられがち。
当然、パーミッションにデッキの比率およびコストを割くとその分だけ展開力も落ちる。

天使族自体の展開力がないわけではないが、それらは天使族十八番のロック/パーミッションと二者択一になることが殆どのため、「相手の行動を制限するためにどこまでカードを捨てられるか?」「限られたリソースでどのカードを封じるか?」という、難解な駆け引きが要求されやすい種族でもある。

また、もう1つの弱点として、「行動を封じる」ことは得意だが「今既に出ているカードを除去する」ことは得意ではないため、相手が先に盤面を整えてしまった場合に「捲り(逆転勝ち)」ができず、そのまま押し負けてしまいやすい、というのがある。


代表的な天使族関連カード

個別項目のあるものは下線付きで表記。
あまりにも数が多すぎるので、これ以外は タグ:天使族 も参照。

メインデッキの天使族モンスター

通常モンスター

  • 《逆転の女神》(☆6)
貴様のおかげで…………レアカードに傷がついたわ!!
拳銃の撃鉄にも耐える破壊耐性、そして相手の攻撃を無力化し殴り込む隙を作ってくれる、フレーバーテキストの通り逆転の力を与えてくれる女神様である。
《煌々たる逆転の女神》というリメイクカードも存在する。「フィールドに何もなく、手札がこれ1枚のみの時」のみ使える強力な効果を持ち、文字通り逆転の一手となりうる。

第2期にて登場、現在でも天使族通常モンスターとしては最高の、そしてこのカード以外では3枚しかない攻撃力2750を備える最上級モンスター。
当時としては珍しいレアリティノーマルで登場した最上級モンスターであり、青眼が手に入らない資金力の乏しい年少デュエリストから頼りにされたという。

効果モンスター

  • 《あまびえさん》(☆3)
元々は九州を中心に言い伝えられているマイナー(だった)妖怪がモチーフのモンスター。
手札の自身を公開することで、お互いに300LP回復する効果を持つ。
2021年2月に登場したカードとはいえ、回復量自体は微妙であり、一見すれば現代の環境に性能が見合っていない1体のように思えるかもしれない。
しかし当時は世界情勢に鑑みてとあるカードが規制を受けるという時代背景があり、その中でこのカードは非常に大きな意味を持つ存在だったのだ。

「効果による除去」という概念が乏しい初期に戦闘破壊耐性を持って登場し、迂闊に攻撃した相手にダメージまで与えてくれる。
時間稼ぎの壁として高い信頼を得ており、【終焉のカウントダウン】等の特殊勝利デッキや【ロックバーン】等のデッキに引っ張りだこだった。

光属性といえばコレ、とまで言わしめた光属性サポートカード。
戦闘を行う相手モンスターの攻撃力を自分の光属性モンスターに上乗せする。
自分から攻撃して大ダメージを与えられるのは勿論、警戒心が高じて「攻撃力の低い光属性」を迂闊に攻撃できなくなる心理的な障壁の役もある。
今でこそ採用率は減ってきているというのがインフレの恐ろしいところ。

  • 《閃光の結界像》(☆4)
属性単位で特殊召喚を封じる石像群・結界像シリーズの光属性担当。
しかし光属性モンスターは汎用カードを除いても決して少なくない上、現環境においては非常に採用率の高い《原始生命態ニビル》を通すという致命的な弱点を抱えている。
一応、自身のステータスは低いので《コーリング・ノヴァ》などで容易に特殊召喚できる点、《オネスト》による戦闘サポートに対応している点は持ち味と言える。

メリット効果が3つもあるのに、なんでポンコツ美人呼ばわりされるんですか!?

  • 《マンジュ・ゴッド》(☆4)
召喚・反転召喚した時に、儀式モンスターか儀式魔法をサーチする。儀式モンスターのみをサーチする《センジュ・ゴッド》の上位互換。
特殊召喚に対応していないのは惜しいが、手札消費の激しい儀式召喚デッキにおける潤滑油として重宝されている。

「魔法カード扱いで魔法・罠ゾーンにセットできる」効果を持ち、この状態で相手ターンに破壊される事で特殊召喚されるアーティファクトモンスターの一群。
いずれも自分ターンではバニラ同然という難点から純【アーティファクト】でこそ許されていた効果だったが、汎用性の高さからいつしかデッキ関係なしに出張される存在に。
結果、影響力の強いデスサイズは現在禁止カードとなった他、モラルタも制限カードに指定されていた事がある。

フィールドと墓地の天使族を入れ替える効果と、天使族が場に出るたびに600ダメージを与える効果を持つ。
入れ替え効果はレベルやステータスなどの指定が一切ないので最上級モンスターも呼び出すことができる。
効果ダメージも回数制限が無いので、特化させればバカにならない量になる。
最上級モンスターという部分がネックなので、《神の居城-ヴァルハラ》等の効果を上手く使いたい。
《堕天使スペルビア》は特殊召喚するにしても、されるにしても相性が良い。

フィールドにいる限りお互いにモンスターの特殊召喚を封じるという、危険な永続効果の持ち主。
他の類似した永続カードと異なり元々の攻撃力2800、自己特殊召喚効果、サルベージ効果で手札補強まで備えており突破手段はかなり限られてくる。
このカードが出回ったのは2006年10月だが、インフレが進んだ今ですら「脅威」と呼ぶには十分すぎる。
なお漫画GXではよくあることなのだが、漫画版だとただのバニラだったりする。

  • 宣告者の神巫(デクレアラー・ディヴァイナー)》(チューナー・☆2)
召喚・特殊召喚に成功した場合にデッキ・エクストラデッキから天使族1体を墓地へ送れるという、天使族専用《終末の騎士》と言うべき効果を持つ。
これだけでもかなり優秀なのに、「墓地へ送った天使族のレベルに応じて自身のレベルを上げる」・「自身がリリースされた場合に同名カード以外のレベル2以下の天使族をリクルート」と、プラスアルファが更に付いてきちゃったカード。
天使族デッキの回転を飛躍的に高めるクレイジーエンジンであることは疑いようが無いが、特に《虹光の宣告者》を墓地に送ることで儀式召喚の助けになる。

儀式モンスター

《宣告者の預言》で降臨する儀式モンスター。
守備力2800に加え、手札の天使族を切ることでカードの発動に対する万能カウンターを行える。
ただでさえ手札消費の荒い儀式ギミックに加えて手札コストが必要なこと、攻撃力が低いため膠着状態になりがちなこと、カードの発動を伴わない高打点モンスターには倒されてしまうことなど欠点も少なくはないものの、他の強力な天使族と力を合わせ相手の全ての行動を封じることも難しくはない。

  • 《サイバー・エンジェル-荼吉尼(だきに)-》(☆8)
《機械天使の儀式》で降臨する、【サイバー・エンジェル】デッキのエース格と呼べる儀式モンスター。
「儀式召喚成功時に敵モンスター1体を墓地へ送らせる」・「自身を含めた自分の儀式モンスター全てに貫通付与」・「墓地の儀式モンスターもしくは《機械天使の儀式》をサルベージ」と、盛り盛りの効果を持つ。
特に一つ目の効果は「相手はモンスター1体を墓地へ送らなければならない」という、相手任せながらプレイヤーに強制するため防御困難な効果になっていることが目玉。

アニメGXにおける(一応)ヒロイン・天上院明日香の切り札として何度か活躍していたのだが、儀式召喚そのものが基本的にマイナーなOCGにはなかなか実装されず、アニメ初登場から約11年を経てようやく日の目を見た。
しかしそんな可哀想なカードによくある話で、桁違いにインフレした環境に合わせるためスペックやサポートカードはGX当時より格段に充実しての実装となり、OCG的には遅れに遅れたことで返って良い目を見れた部類に属する。
OCG化以前にタッグフォースシリーズではオリジナルカード名義で実装していたのだが、それ以上の総合能力に仕上がっている。
デュエルリンクス』でも実装即大暴れしており、2018~2021年まではLIMIT2の規制を受けていた。

  • 崇光なる宣告者(アルティメット・デクレアラー)》(☆12)
《宣告者の神託》で降臨する、神光の更に上位の儀式モンスター。
カードの発動に加え、モンスターの特殊召喚までも無効にするため、更に突破手段が無くなっている。
…のだがレベルが12になったため儀式召喚の難度が跳ね上がってしまい、そこから更に手札コストまで用意しないと機能しない、おまけに攻撃力も2000と低く、特殊召喚カウンターも壊獣などには効かないなど、しばらくはデメリットの大きさばかりが目についてしまい評価は低かった。

転機になったのは今までと一味も二味も違う儀式ギミックを持ったドライトロンの登場。
レベルの合計ではなく攻撃力の合計で儀式素材を決める都合上、非常に大きい数字の「レベル12」ではなく非常に小さい数字の「攻撃力2000」を参照してくれたので、嘘のように簡単に儀式召喚することができるようになった。



エクストラデッキの天使族モンスター

融合モンスター

  • 《無の畢竟(ひっきょう) オールヴェイン》(チューナー・☆2)
テセウスの魔棲物》に次ぐ融合バニラチューナー。
融合素材指定は「通常モンスター×2」。とは言えこちらも所謂ただのバニラモンスターなので、なるべく《簡易融合》・《簡素融合》で呼び出したい。
あちらとは属性・種族・レベル・攻守が違うので差別化は可能だが、S召喚に繋げる目的に限れば(レベルが低い)こちらに分があるか。

初出収録パック「DAWN OF MAJESTY」の同期に《魔鍵召獣-アンシャラボラス》(獣族・効果持ち)という融合チューナーも存在する。

特殊召喚成功時にレベル4以下のモンスターを蘇生する。
「SモンスターかXモンスターを計2体」と、馬鹿正直に用意するのは気が遠くなる融合素材だが、簡易融合》1枚で「蘇生制限をクリアした状態で」簡単に呼び出せることとなり、様々なコンボパーツの要として大活躍。
蘇生効果も回数制限がないため、ノーデン自身を復活させれば何度でも発動でき、生み出すアドバンテージは計り知れない。
カップ麺早食い大会」と揶揄される程に大暴れしたため現在は禁止カード指定を受けている。

シンクロモンスター

  • 虹光の宣告者(アーク・デクレアラー)(☆4)
手札・デッキ限定版の《次元の裂け目》を内蔵する上、自身をコストにあらゆる効果を無効にして破壊する効果を持つ。
これだけでも相手の行動に大きなブレーキをかけられるが、自身が墓地へ送られた場合は儀式モンスター又は儀式魔法カードのサーチも可能なので、相手からすれば鬱陶しいことこの上ない。
(1)の被害が気にならないデッキであれば素直にS召喚も狙えるが、(3)の効果はEXデッキから直接墓地に送っても発動できるため、儀式召喚を使うデッキでは《ゲール・ドグラ》や《宣告者の神巫》を使って墓地に送りリソースを確保する動きが多い。

極めて重い素材指定と手札コストを満たした先にあるのが、限定的な闇属性の蘇生では到底実用には耐えられまい。
一方で妙齢ながらも色気の多いデザインであるため、その手のファンも多い。

エクシーズモンスター

「元々の攻撃力と異なる攻撃力になっている、攻撃表示の相手モンスター」をフリーチェーンで破壊し、ついでに1ドローを行う。
一見すると破壊できる対象が狭いように思えるが、最近はテーマ専用の便利なフィールド魔法などで全体微量攻守アップ効果が当然のように搭載されているため、このカードを棒立ちさせるだけでも多少の牽制になってくれる。
勿論《強者の苦痛》などの永続効果をこちらから採用することで、更に相手の展開にブレーキをかけることが期待できる。

お互いにサイコロを振って出目が大きい方のプレイヤーに魔鍾洞させる効果と、サイコロの出目を7にする効果を持つ。
ギャンブルに勝ちさえすればそのままデュエルの勝ちにできるくらい強力な制約だが、それはつまりギャンブルに負ければそのまま負けに直結しかねないということでもある。
出目を7にする効果まで使うことを考えると召喚の手間は非常に大きいが、見返りが禁止カードと同等とあればやってみる価値はあるかも。

X素材を消費することで、次の相手ターン終わりまで「モンスター・魔法・罠」のいずれか1種の発動を封じる効果を持つ。
一見すると「お互いに」影響を受けているようにも見えるが、これには抜け穴があり、例えば自分のターンでモンスター効果を発動しきった後にこの効果を使うことで事実上相手だけモンスター封じを押し付けることができる。
デュエルの勝敗を決定づけるほどに強力な効果であることは言うまでもなく、レベル4を3体も並べることが困難とされていたからこそ許されていたところだったが、9期の荒波に呑まれ、X召喚が非常に容易になってしまったことで、禁止カードに指定された。

リンクモンスター

  • 《ハイパースター》(L2)
L召喚黎明期から存在する、属性強化リンクモンスターの光属性担当。
「光属性モンスター2体」をL素材に指定する。《スーパースター》のリメイク。

  • 《彼岸の黒天使 ケルビーニ》(L2)
彼岸モンスターの1体にして、レベル3モンスター専用チェインとしても高く評価されている1枚。
更に嬉しいことにレベル3モンスターを墓地に送るのはコストになるので、《無限泡影》等のカウンターを食らっても墓地肥やしの役目はしっかり果たしている。
当初の筆頭候補だった《ダンディライオン》こそ禁止になったものの、レベル3軸デッキを円滑に動かしてくれるので今でも活躍している。

L素材の数に比例して攻撃力が上がり、その攻撃力を下げることでモンスターの効果を無効にするという、《光と闇の竜》にも似たカード。
非常に緩い素材指定に加え、1ターン中の回数制限なしに効果を無効にできるのは素晴らしいが、魔法・罠に対する耐性もなく、また攻撃力の下げ幅が高いために戦闘破壊という突破方法も残されている。
このカード単体だと弱点が多いので、他のカードと併用して真価を発揮する。



魔法・罠カード

  • 《神の居城-ヴァルハラ》(永続魔法)
天使族版《ミイラの呼び声》で、自分フィールドにモンスターがいない時、手札の天使族を特殊召喚できる永続魔法。
レベルや攻守ステータスの制限は一切なく、強力な最上級モンスターを遠慮なく出せ、専用サーチ手段《ヘカテリス》もあるので戦術として安定しやすく展開補助として極めて優秀。
優勢時には腐ってしまいやすく手札消費もやや荒いところが玉に瑕。

  • 《光神化》(速攻魔法)
手札から天使族を特殊召喚する速攻魔法。
《神の居城-ヴァルハラ》と同様に出せるモンスターに制限はなく、既にモンスターがいても使えるものの、特殊召喚したモンスターは攻撃力が半分になり、ターン終わりに破壊されるデメリットがある。
デメリットが意味を成さない時械神との相性は良好で、展開力を補うことができる。

  • 《奇跡の光臨》(永続罠)
ゲームから除外されている天使族を帰還させることができる。
《大天使クリスティア》を始めとする、相手ターン中に出しても存分に相手を困らせる天使族を上手く除外できればフリーチェーンの妨害札になり得る。
ただし《リビングデッドの呼び声》と同様の性質から、このカードを除去されると帰還していたモンスターも連動して破壊されてしまうので、魔法・罠除去には細心の注意を払いたい。



天使族テーマ

原作・アニメ登場の天使族デッキ

+ (←クリックして展開)女性デュエリスト使用の天使族デッキ
女性デュエリスト使用の天使族デッキ
最も地味な天使族使い。彼女の使った《現世と冥界の逆転》と《生け贄の抱く爆弾》の印象が強いが、モンスターカードの《アギド》・《ケルドウ》・《ケルベク》・《ゾルガ》・《ムドラ》はOCG化の際に全て天使族になっている。
《ムドラ》は攻撃力が墓地の天使族の数×200アップする効果があるので意外と侮れないかもしれない(ただし原作・アニメではバニラ)。

後に上記5体がリメイクされ、ほぼ全てが凄まじい墓地肥やし性能と相手のみ墓地利用を妨害する効果を持つようになった。
その性能から【ティアラメンツ】を始めとした墓地メインのテーマとの混成で大暴れし、最終的に《古衛兵アギド》・《古尖兵ケルベク》が禁止カード、《宿神像ケルドウ》・《剣神官ムドラ》が制限カードと大量の規制を受けた程。

「機械天使」とも呼ばれる、サイボーグの女武人達。儀式モンスターは全て仏教やインド神話を由来とする。
儀式召喚特有のサポートの多さと、サイバー・エンジェル自身の儀式サポートも駆使してサーチを多用し、多様な儀式モンスターの降臨を狙う。
汎用的に儀式を補助できる特性から、【デミスルイン】など他の儀式テーマに一部出張している事も。

天界から追放された天使たちが集う、闇属性・天使族デッキ。その中心には禁じられた神具を濫用した末に《失楽の堕天使》へと堕天した元天界人の女性の姿がある。
展開をアシストする魔法カード、相手の邪魔をする罠カード、そしてそれらの効果をコピーして相手を追い詰める堕天使モンスターの構成になっている。
一般的には上級モンスターばかりをデッキに詰めることは憚られるものの、このデッキにおいてはむしろその方が好都合という。
なお漫画版GXで響みどりが使用したのはOCGで堕天使テーマが登場するより前であり、カテゴリではなく《堕天使マリー》や《堕天使ゼラート》といった堕天使の名を持つだけのシリーズカードなのだが、闇属性・天使族のため上記カード群と相性が良いものも存在する。

有名な音楽家や音楽用語・演奏形態など、音楽をモチーフにした光属性・天使族デッキ。
特殊召喚ギミックを多用することで強固な耐性を付与し、相手の反撃を丁寧に潰していく。

占いに関する事柄をモチーフにしたデッキ。
遊戯王では珍しくリバースモンスターを手厚くサポートし、アドバンテージを生む《聖占術姫タロットレイ》の儀式召喚を軸に据えている。
非常に珍しい儀式リバースモンスター・《冥占術姫タロットレイス》を擁するのも特徴。

有毒植物をモチーフにし、そしてそれを感じさせないキュートなデザインのデッキ。
微量の効果ダメージを何かにつけて発射する戦法で、チリも積もれば山となると言わんばかりに相手を追い詰める。
除外による全ハンデス特化、ダメージかさ増しの拷問部屋、《トリックスター・マンジュシカ》を使ったお下品なワンキルなど、何かとダーティーな戦法と縁がある

+ (←クリックして展開)男性デュエリスト使用の天使族デッキ
男性デュエリスト使用の天使族デッキ
ヘタレなリアリストなのにおつむが足りない没落貴族の使用する、北欧神話の女神をモチーフにしたエロゲデッキ。
《Walkuren Ritt》による大量展開からの、(事実上)もう一度バトルフェイズを連続して行える《時の女神の悪戯》で止めを刺すという速攻勝負が特徴。

なんともいえない雰囲気を醸し出すマスコット。フレーバーテキストから見るにこれでも立派な天使らしい。
キーとなる《もけもけ》は低レベルの通常モンスターだが、専用サポートや融合形態が存在する。
GXで二度に渡って登場し、微妙な存在感を発揮していた。
しかしサポートカードを共有できる低レベルバニラには絶版のものも多く、デッキ構築の難易度は高め。

破滅の運命を告げる異形の使徒。
1ターンキルより先に0ターンキルを達成した偉業、顔芸やハイテンションやザ・ワールド被っちゃった等々笑顔にこと欠かさない占い師。
タロットカードがモチーフのコイントスの成果によって適用される効果が変わるデッキ。
効果が安定せずギャンブルデッキの特性が悪目立ちするものの、《アルカナフォースXXI-THE WORLD》の凶悪さは今でも人を惹きつけている。
また、11〜12期からの追加カードがアニメ後半の「失った運命操作能力を補う戦術に切り替えた斎王」をイメージしたのか、テーマが抱えていた不安定さを軽減する物*4が主。
その為、現在の【アルカナフォース】はGX放映期よりも大幅に事故率が下がり、比較的扱いやすいデッキとなっている。

デュエルよりもリアルファイトを得意とする癖に、シリーズでも類を見ない運命力と精神力を持ち合わせた男の使用デッキ。
雲や気象現象などをモチーフにしており、所属モンスターの多くが水属性・天使族になっている。
フォッグカウンターで相手に被害を与えつつ、自分は戦闘破壊耐性で耐えしのぎ、大型モンスターの召喚に繋げる。

どちらもデッキ内に天使族モンスターが多く組み込まれている。
夜行に操られていた時期の月光は「セラフィム」と名の付く天使族モンスター群を使用していた。
他の天使族の数だけ攻撃力が上がるという並べれば並べる程強くなる能力を持ち、《召喚僧サモンプリースト》で大量に展開する事でパワーアップを狙っていた。
洗脳が解けた後はエルフモンスターと装備カードを多用したデッキを使っており、エルフモンスターの種族ははっきりしないが、
切り札モンスターは「生きた《スキルドレイン》」とでも言うべき天使族モンスター、《エンジェルO7》が務めている。

夜行は原作では幻神獣族の三邪神とOCGでは悪魔族が主となった従属神を主軸としているが、一方で《エンジェルO1》や《小天使テルス》、更にはVol.1出身の最古参天使の一体、《命の砂時計》といった弱小天使族も使用している。
夜行の本来の戦術は当時としては珍しいレベルを参照して大量展開や防御を行うトリッキーな戦法「レベル・トリック・タクティクス」であり、
それに対応する意味で弱小モンスターを大量投入していた様子。
オリジナルモンスターであるO1やテルスはともかく、最初期のOCGカードである命の砂時計の突然の登場に衝撃を受けた読者は多かった模様。

月光は比較的常識的・良識的な人物であるが、夜行は双子の兄への劣等感とペガサスの蘇生と遊戯への復讐に取り憑かれた所謂マッドサイエンティストであり、
中盤からは片目は半開き、もう片方の目は見開いた顔という不気味な笑い方をするようになってしまっていた。

セフィロトの樹とその守護精霊をモチーフにした、『遊戯王5D'sラスボスの使用デッキ。
ボディの胴体部分にデカデカと顔が表示され、よりにもよってトップバッターの《時械神メタイオン》が素敵な表情をしてくれたおかげで強烈なインパクトを残す。
1ターン居座ったら勝手にデッキに戻るくせに素の展開力が極めて低いという欠点はあれど、個々のカードパワーは極めて高く、「召喚して殴る」単純なギミック故の隙のなさと盤面突破力は逸品。

ウィングス!ブックス!ソード!ヘイロー!
本人は至って真面目なのに一挙一動がシュールな笑いを生み出す「バリアンの白き盾」が使用するデッキ。
「名は体を表す」と言わんばかりのデザインで、「剣」「魔導書」「王錫」等を模した無機的な姿をしている。
手札からの展開手段に特化し「モンスター3体を使ったX召喚」をアシストする光属性・天使族デッキ。
OCGにて強化されてからは、有用カードだけで出張するエアーマン現象とはいえ環境にて結果を残している。
セプター!スローネ!スローネ!ショックルーラー!

ハンティングゲームと人形遊びが大好きな幼子の使用するデッキ。ファンシーな風貌のぬいぐるみ。
「ファーニマル」モンスターと「エッジインプ」モンスターを素材に「デストーイ」融合モンスターの融合召喚を狙うデッキ。
見てて癒されるような愛らしいデザインが特徴で、当然ながら融合召喚のサポートが主な効果。
…うん、ファーニマル「は」愛らしい。エッジインプとデストーイになると本性を顕すが。


OCGオリジナルの天使族デッキ

+ (←クリックして展開)
秘境の武器庫に安置された、意志を持つ魔導武器。かつての使用者を模したアバターを構築し、自分自身そのものたる武器を使う。
モンスターカードでありながら魔法・罠ゾーンにセットし、更にその状態で破壊されることで展開を行うデッキ。
迂闊な効果破壊を仕掛けた相手を咎め、更に自分ターンではなく主に相手ターン中に動き回る変則的なギミックも相まって、相手を心理戦に持ち込むこともできる非常にテクニカルなデッキ。
海外では相性の良いハンド蟲惑魔との混成による【HAT】(Hand Artifact Traptrix)が環境を席巻した事も。

「端末世界」テーマの1つ。セイクリッドが対ヴェルズ用に製造していた地上観測・防衛マシン。
現地民を侵略者より守護するべく起動し、戦闘特化機体は自ら戦いつつ小型の機体は現地の義勇軍と協働してサポートしていたのだが……?
設定が設定なので機械族との混成。装備カードに応じて追加の効果を得たりと、とにかく「装備する、装備される」という事を重視するテーマ。
しかし、安定度の低いコンボがデッキの主軸だったり、他と比べるとパッとしない効果が多かったためにヴァイロン主体のデッキでは少々厳しめ。
その真価は個々のチューナーの種族・属性・レベルの組み合わせの優秀さで、《ヴァイロン・キューブ》等は様々なデッキのパーツとしてお呼ばれする姿がよく見られている。
そういった所は「小型機が現地の人々の装備として協力し、侵略者と戦う力となった」という設定とも嚙み合っている。

  • 【エンジェル・パーミッション】
カウンター罠の扱いに優れた天使族を存分に活用したデッキ。
派生デッキは多いが、例えば以下のようなカードが使われやすい。
    • カウンター罠の発動に成功するたびに1ドローを行う《豊穣のアルテミス》
    • 天空の聖域があれば、カウンター罠を発動するたびに別のカウンター罠をサルベージする《天空賢者ミネルヴァ》
    • P効果でカウンター罠のコストを無くし、モンスター効果でカウンター罠をランダムにサーチする《解放のアリアドネ》

烙印の力によって怪物やアンデッドにされたドラグマの者達や、自ら怪物へと変じたドラグマ上層部の面々。
メインデッキの闇属性・天使族と、それを素材にする光属性・悪魔族融合モンスターを擁するデッキ。
意外とオーソドックスな融合ギミックを使用するものの、ターンを跨いで繰り返し融合召喚を行える専用フィールド魔法と、融合素材となることでアドバンテージを稼ぐモンスター効果により盤面を整えていく。

空というキャンバスを様々な天気模様で彩るデッキ。
「天気」と名の付く魔法・罠カードをモンスターカードでかき集め、その魔法・罠カードがモンスターカードに様々な効果を付与していく。
効果を与えられたモンスターは一時的に除外されるものの、相手の除去を掻い潜れるというスピリットに似た利点がある。
一方、モンスターや永続カードの位置も考慮して回さなければならないという【ジャックナイツ】にも似た性質から、扱いには慣れが必要なデッキでもある。

天使族の戦闘ダメージを0にするフィールド魔法・《天空の聖域》を活用するデッキ。
代行者」や「ヒュペリオン」・「パーシアス」を始めこのカードを名指しするカードが多数出ており、それらのカードもまとめて活用する事になる。
相手に苛烈なカウンター行為を働きかけられる一方で《天空の聖域》(及びその同名カード)への依存度が高く、如何にこのカードを守れるかがカギ。
ちなみに観月小鳥の中の人が放送当時使ってたデッキがこれだったりする。そのせいかゲーム作品では小鳥がこのカード群を使うことがある。

天界に暮らす音楽家の天使たち。演奏家の妖精を従え、皆で聖なる音楽を奏でて闇を浄化する存在らしい。
「Pスケールの偶数・奇数を参照する」という特徴的な効果を持つペンデュラムテーマで、スケールの値を上手く調整する事で全体に様々な強化をもたらす。
また、属するモンスターのほぼ全てが「ドレミコードモンスターのP召喚成功時にありとあらゆる効果を発動させない」という共通ペンデュラム効果を持つ。自分たちの演奏を絶対に聞かせるという事だろうか。
可憐な風貌に反して戦闘面での攻撃的な効果が多く、偶数・奇数のPスケールを用意した状態での彼女らはとてつもない火力を得る。

貫通とドロー効果を併せ持つ《天空騎士パーシアス》を中心とするデッキカテゴリ。
単体でも優秀なモンスターとされていたが、現在は専用サポートカードを活かすことが前提となっている。

  • 春化精(はるけしょう)
世界に春を告げる妖精と、それらを束ねる女神。
「地属性モンスターはみんな仲間だよ」というキャッチコピーの通り、地属性を広くサポートしたり、地属性モンスターを「春化精」モンスターとして扱ったりするデッキ。
下級モンスターは全員が《巌征竜-レドックス》のような効果を持つ。
レドックスより優れているのは、蘇生はオマケなので墓地にモンスターが居なくても動ける点と、手札コストが地属性モンスターに限定されていない点。
反面、この効果を使ったターンは地属性以外のモンスター効果を発動できなくなり、蘇生できる範囲も地属性のみという縛りを課される事になる。

犬のようでも猫のようでもある不思議な動物。思い出を力に変え、優しき飼い主に報いるべく様々な姿に進化する。
メインデッキに入るモンスターがテーマ内では2体のみ、それ以外はサポート系の魔法・罠で構築されるデッキ。かつ、主力は全てエクシーズ。
「X召喚主体なのにモンスターが足りなくない?」と思う構成だが、メインのモンスターが「特定の速攻魔法と自身を素材に、対応するXを正規召喚扱いで出す」という効果を持つので無問題。
エクシーズモンスターはどれも相手への妨害に秀でており、対応する素材を含んでいたり一定数以上の素材を保有すると効果が強化されるのがポイント。
また、素材が多くたまる為《天霆號アーゼウス》等とも相性がいい。

ヴィサス=スタフロストと縁が深い「世壊」シリーズの一つ。
桜の咲き誇る楽園に住まう精霊、楽園の守護者となった《ティアラメンツ・キトカロス》、そしてヴィサスの分身唯一の良心たる《マナドゥム・リウムハート》によって構成される。
大型シンクロを出すことをメインとしており、テーマ内のレベル2チューナーは破壊をトリガーに同名を増やすといった、とにかく場に並びやすいような効果となっている。
一気にチューナーを集めた後にエースモンスターである《マナドゥム・プライムハート》を作り、圧倒的な攻撃性能で決着に持ち込むスタイルが主な動きとなる。
また、今までの世壊シリーズの中でも特にヴィサスとのシナジーを重視しており、「ヴィサス」名称持ちや「1500/2100」のステータスを持つモンスターをサポートする効果が多いのもポイント。





追記・修正は、顔芸をしながら「ブックス!」と叫ぶ没落貴族にお願いします。

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最終更新:2025年04月04日 18:40

*1 一応漫画版のアキは《大凛魔天使ローザリアン》などの植物族ではあるが天使と名前のついたモンスターを使っていたりする。また杏子も乃亜編では魔法使いデッキだったがゲーム作品では天使族デッキを当てられていた事がある。

*2 キリスト教などにおける神の御使い

*3 一方で、近年では規制が緩和されたのかカード名については「ANGEL」は普通に使われつつある

*4 表も裏も良い効果、裏表効果とは別に持つ手札発動の特殊召喚やサーチ、相手へコントロールが移ったアルカナフォースも含めて素材化出来る融合、等