ヘカトンケイル(ギリシャ神話)

登録日: 2018/01/31 Wed 15:37:38
更新日:2025/03/22 Sat 10:11:08
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ヘカトンケイル(Hecatoncheir)とは、ギリシャ神話に登場する多頭多腕の巨人である。その名は古代ギリシャ語でἑκᾰτόν (hekătón,“百”)+χείρ (kheír,“手”)でまんま「百の手」を意味する。

日本では英語読みの単数形ヘカトンケイルで広まっているが、実際には種族名のためギリシャ語でも英語でも複数形のヘカトンケイルが固有名詞であり、単数形は存在しない単語である(「絶対複数」という)*1

この巨人はその名の通りに多数の手、そして頭を備え、その怪力で神々をもねじふせたという。


【概要】

○血縁について

ヘカトンケイルは原初神である大地の女神ガイアと彼女の子であり夫である天空神ウラヌスとの間の子である。
ガイアは自ら産み落としたウラヌスと交わり数多くの巨人たちを産み落とした。
最初に産んだのがクロノス、レアらティターン十二神。次に産んだのがサイクロプス族の三兄弟*2
そして三番目に産みだしたのがヘカトンケイルの兄弟、

コットス(Kottos 強撃*3
ブリアレオス(Briareōs 強大*4
ギュゲス(Gyges 強腕*5

の三人であった。
なので彼らはティターン12神とサイクロプス三兄弟の、直接の弟らである。*6
なおティターン族とサイクロプス族は数多く存在するが、ヘカトンケイルは彼ら三兄弟以外は神話に登場しない。

あと彼ら三兄弟は誰が兄か弟かははっきりしない。
多くの場合コットス・ブリアレオス・ギュゲスの順で表記されるが、
最も多くのエピソードを残すブリアレオスが長兄とされることもある。

ブリアレオス

ヘカトンケイルの長兄とも次兄とも言われる巨人。
だがなぜか彼のみが、原初の海の女神タラッサ*7の子とされることもある。

名の意味は「強く大きな者」「力あふれる者」で、胆力にすぐれる三兄弟のなかでもひときわ豪胆であったという。
また彼はエーゲ海の嵐の神でもあり、人々からはアイガイオン*8「エーゲ海の男」とも呼ばれた。
彼は海神ポセイドンの娘である大波の女神キュモポレイア*9を妻にした。
そして彼女との間に波の妖精である娘オイオリカ*10をもうけたとされる。
また母親は違うようだが、エトナ山の女神アイトナ*11もブリアレオスの娘だという説もある。

コットス

一般的にヘカトンケイル三兄弟の長兄とされる人物。
名の意味は「一撃・突撃」、あるいは「恨む者」「怒る者」
非の打ち所がない人物と評されており、その評価にふさわしい精神性と雄弁さを持つ。
ゼウスが誰からも恐れられている彼ら三兄弟を解放し、多くの神々に向けて彼らの助力が必要であることをとうとうと説いたとき、
コットスはそれに堂々と応えて神々の意気を大いに高めてみせた。(後述)

ギュゲス

三兄弟の末弟とされることが多い人物。名の意味は「(強い)手足を持つ者」「曲がりくねった者」、「大地」
あまり描写は多くないが、「戦いに飽くことなき者」とされており、好戦的かつ勇猛な性格であったと思われる。

○棲み処・役割について

彼らヘカトンケイルの三人は、基本的にはタルタロスにいるとされる。
生まれた直後に父であるウラノスに、そしてウラノス亡きあとも兄であるクロノスによって幽閉され虜囚となっていたのだ。
しかし彼らはゼウスによってタルタロスから解放され、ゼウスらに味方してクロノスらティターン神族と戦った。
そしてティターン族に勝利した後は逆に彼らを幽閉する立場となり、牢番として再びタルタロスにとどまることとなる。

ただ開放され勝利した後はタルタロスに閉じこもりっぱなしではなく、ゼウスがガイアに約束した通りちゃんと地上で暮らすようになった。
そして彼ら三人は海の神となったのだ。
ブリアレオスは前述の通りエーゲ海の神となり、コットスとギュゲスもオケアノス*12の上に館を作って住まうようになったという。*13
同時に彼らは自分を解放してくれたゼウスに忠実な部下として仕えた。

その後ブリアレオスがポセイドンの娘をめとり彼のもとに迎えられたことでオリュンポス十二神に連なる者となった。
そして地上で多くの神々と関わりあうなかで彼らの争いに割って入りそれをおさめて、神々の調停者として知られるようになるのである。


○外見・能力について

彼らの外見上の特徴としては、まず果てしなく巨大であるということ。
巨人だから大きいのは当然だが普通の巨人よりもはるかに大きく、それこそ山ほどもある巨体である。
そして最大の特徴は冒頭で述べた通り、無数の手と頭を持つことである。
その数には諸説あるが、50の頭と100の腕を持つというのが一般的。

そして彼らにはその巨体に見合った怪力がある。
その力は山を根こそぎ引き抜いて投げてしまえるほど。
そして100本ある腕のいずれにもそれだけの力がある
だから真正面からの取っ組み合いなどとてもできる相手ではない。
かといって遠くに離れてしまえば、巨岩や山までもを雨あられと投げつけてくる。
その力の前にはティターン12神やオリュンポス12神さえも手も足も出ない。

その奇怪な体と怪力から、ヘカトンケイルらは容貌は醜悪で知能は低く性格は野卑で凶暴と思われることが多い。
古来からの多くの創作物でもそのような扱いが多いが、彼らのけして多くないエピソードからは、これらをことごとくくつがえす人物像が見えてくる。
まず容姿についてだが、ウラノスが彼らを幽閉したのは一般的にはその醜さを嫌がり力を恐れたからだと広く伝わっている。
しかしヘシオドスの神統記には、ウラノスがヘカトンケイルらの肉体と精神そして外見に嫉妬したからだと明記されている。
さらにポセイドン、そしてその娘キュモポレイアがブリアレオスを受け入れたのは、彼の姿が美しかったからだという。

また性格については粗暴で傲慢かつ好戦的だとされているが、反面豪胆で勇猛果敢とも評されており
さらに巨人たちの中ではかなり穏健なほうでもある。
怒ったり戦ったりするときは猛威を振るうが、少なくとも進んで神や人に襲いかかったという伝承はない。
また後述するエピソードから自分たちを開放したゼウスを信頼し心服していて、またゼウスからもかなり頼りにされていた様子。
かといってそれをかさに着て人を支配したり暴虐をはたらいたりといった記録もない。

そして彼らはけして無知でも低能でもなく、思慮深さとそれを他者にあまさず伝える雄弁さを兼ね備えている。
特にブリアレオスは地上に出るようになってから神々の争いを仲裁・調停する役割を果たしているほどである。
詳しくは後述するが、これなどは自分の裁定を強大な神々にさえ受け入れさせる実力はもちろん
双方の言い分をすりあわせる思慮深さと私心に走らぬ公正さ、
そして誰しもにそれを認めさせるための雄弁さと人望が無ければとても務まらない役目だろう。

そのほかにも、ゼウスを縛っていた無数の縄の結び目をたちまちほどいてしまったという伝承もある。意外と手先も器用だったのかもしれない。
あと50の頭に100の目を持ちタルタロスの牢番を務めたことから、百眼巨人アルゴス*14と同じように眠らないという能力もあったと思われる。


【神話】

この項目ではヘカトンケイルらの神話・伝承について解説する。
彼のエピソードには大地母神ガイアが深くかかわっているのでこちらの項目も参照してほしい。

○誕生、そして幽閉

かつてこの宇宙にはただ虚空(カオス)だけがあった。
そしてそのカオスから大地(ガイア)が生じた。
ガイアは自分と同じ大きさを持つ息子天空(ウラヌス)を産み、彼と交わって多くの巨人を産み落とした。
その巨人たちがティターン、サイクロプス、そしてヘカトンケイルたちである。

しかし父であるウラヌスはサイクロプスとヘカトンケイルを嫌って、奈落(タルタロス)へと幽閉してしまう。
わが子を閉じこめられたガイアは嘆き悲しみ、彼らの兄であるクロノスに父を倒して弟たちを開放せよと命じる。
ガイアから鎌を受け取ったクロノスはウラヌスを討ち取り神々の王となる。
しかし彼もまた弟たちであるサイクロプスとヘカトンケイルらを、その力を恐れてかタルタロスから解放しなかった。
ガイアはこれを恨み、今度はクロノスの子であるゼウスに子供らの解放を命ずるのである。

○ティタノマキアでの活躍

ガイアは約定をたがえ弟たちを解放しなかったクロノスに「お前もいつか子によって王位を追われるのだ」という予言を行った。
これを恐れたクロノスは、レアとの間の子を次々に呑みこんでいく。
ひとりそれを免れたゼウスはガイアの手引きによって、タルタロスからサイクロプスとヘカトンケイルを解放する。

しかしゼウスの配下である神々は、彼らのことを恐れ警戒していた。
ゼウスは宴を開いて、彼ら神々とヘカトンケイルらとを神の食べ物と飲み物*15でもてなす。

彼らが楽しみ打ち解けあったところでゼウスは、神々に向けてはヘカトンケイルたちの力がこの戦いの勝利に必要なのだと、
ヘカトンケイルらに向けては解放の代償として自分たちに従い助力せよと、とうとうと説いた。

それを受けて三兄弟の長兄であるコットスが一歩前に進み出て応えた。





これはしたり、我らとてしかとわきまえております。 暗闇から解き放ってくださった御恩を、

それにあなたが抜きんでた深き思慮と果断さによって神々を守っている御方であることも


我ら三兄弟、不撓(ふとう)の決意と(はや)る心でもってあなたの力となりましょう。

いまこそ、ティターンどもと雌雄を決するときです





この堂々たる決意の言葉を聞いた神々は口々に彼らをほめたたえ奮い立ち、ティターンとの戦いへの決意を新たにした。
ゼウスはクロノスの腹から兄弟たちを救い出し、彼らとともにクロノスたちティターン族に挑む。
ここに宇宙の覇権を争う戦い、ティタノマキアが開戦した。

サイクロプスらが強力な武器を作り出して支援する一方、ヘカトンケイルたちは自らティターン族に攻撃を加える。
彼ら三兄弟は100の手を振るいひといきで300もの巨岩・・・

というよりも岩山を絶え間なく投げつけた。

サイクロプスに<姿隠しの兜>を贈られたハデスの奇襲によってかつてウラヌスを倒した必殺の神器である<金剛の鎌>を失っていた事も有り、これにはクロノスも手の打ちようがなく、あっというまに軍勢ごと岩の下敷きにされてしまった。
こうしてゼウスらの勝利に貢献したサイクロプス・ヘカトンケイルらは約束通りタルタロスから解放された。
ヘカトンケイル三兄弟はタルタロスの牢番という役割を与えられ、地上に居を構えることを許されたのである。

○神々の調停者としての活躍

タルタロスから解放されたヘカトンケイルたちは、地上の海に住まいを作った。
彼らは自分たちを救ってくれた恩を忘れることなく、ゼウスの忠実な腹心となったのだ。
母ガイアの手引きによってゼウスと手を組んだ彼らだったが、
後にガイアとゼウスの全面戦争であるギガントマキアが勃発した際には
ガイアに与することなくタルタロスにとどまっている。
(まったく参戦しなかったので、ゼウス側にも積極的には協力していないのだが)

ティタノマキアに勝利したゼウスはティターンを地上から一掃し妹のヘラを妻にして、すべての神の長となった。
しかし女癖の悪さからヘラの怒りをかい、さらに弟や子供らにも高慢な態度をとったせいでうとまれるようになってしまう。
そしてついにヘラとポセイドン、そして子のアポロンアテナまでもが共謀し、ゼウスを縛りあげて拘束してしまった。
彼ら神々は身動きの取れないゼウスを後目に彼の後継者を決めるべく話し合いを始める。

この内乱を収めるべく英雄アキレウスの母である海の女神テティスがゼウス救出をはかる。
彼女はゼウスの腹心で自身も親しくしていたブリアレオスを呼び寄せてゼウスの監禁場所に潜入。
ブリアレオスはゼウスを縛っていた縄の100の結び目を、その100の手を使ってあっというまにほどいてしまった。

自由になったゼウスは、ブリアレオスを引き連れて兄弟らの前に姿を現す。
ゼウスのかたわらで傲然と構える百手巨人(ヘカトンケイル)を前にして、さしもの神々も手も足も出せなくなった。
ゼウスはヘラを鎖で縛り詫びをいれるまで天上から吊るし、アポロンとポセイドンにはトロイアの城壁を建設するよう命じたのである。
・・・ひどい仕打ちと言えばそうだが、ウラノスやクロノス、そしてゼウス本人が親子兄弟にしてきたことよりは大分ぬるい。
愛娘アテナはおとがめなしだったところから見ても、さすがにゼウスも自らの過ちに思いいたったのだろう。
結局ゼウスの女癖はあらたまらなかったのだが

この内乱というか家族ゲンカの仲裁に大きく関わったブリアレオスは、和解のあかしとしてかポセイドンに迎えられ彼の娘をめとった。
こうして彼らはオリュンポス12神の末席に連なる者となり、栄光ある神々のひとりとして認められたのである。

その後ポセイドンがコリント*16の領有をめぐって太陽神ヘリオスと争ったときにも、調停者としてブリアレオスが出向いている。
そして彼は、コリントの中心である神殿が建つ丘*17とその周辺をヘリオスの、
コリントス地峡*18とその沿岸部をポセイドンのものとするという裁定を下した。
この裁定をポセイドンもヘリオスもともに受け入れ、争いは決着したのである。

神々の戦いで大きな役割を果たし、その後も大任を務め上げているヘカトンケイルらは、すべての神々から一目置かれる存在であったのだろう。


【解説】

○起源について

海に住まい絶え間なく岩を投げ続ける彼らは「嵐」「波」を神格化したものだという説が一般的。
嵐とともに押し寄せる大波はそれこそ岩も街もなにもかも押し流し、人々に恐れられたのだろう。

さらに彼の起源については興味深い説がある。
彼らはサイクロプスとともに印欧語族の太陽神であったというものだ。
一つ目のサイクロプスは太陽の象徴であり、四方に手を伸ばし顔を向けるヘカトンケイルは世界をくまなくてらす陽光の象徴なのだという。

これはおそらく、


『ヘカトンケイルはアスラ神同一の起源を持つ』


ということでもあるのだろう。

太陽の象徴である多頭多腕の存在と言えばまさしくアスラ神そのものである。
またヘカトンケイルが海と嵐の神であるというところも、須弥山から追われ海の神となった仏教の阿修羅や、
アスラ神のひとりとされる暴風の神ルドラらと共通する。
印欧語族たちの神はギリシャでヘカトンケイルとなり、アーリヤ人とともにインドに渡ってアスラ神となったのかもしれない。


いずれにせよヘカトンケイルは古代ギリシャ神話において、異形異質ではあってもけして邪悪な存在ではなかった。
彼らの正体がなんにせよ、恐らくはギリシャの人々と良好な関係を築けていたのだろう。

神をもねじふせる力を持つ彼らだが、神や人をすすんで襲うことはなかった。
兄らのように、世界を我がものとせんという野心も無かった。
そして地上に居を構え妻をめとり誉れある立場を得たあとは、神話の表舞台に立つことも無くなった。


彼らにはありふれた自由と小さな幸せ、それにささやかな誇りさえあれば、それでよかったのかもしれない。


○創作文化におけるヘカトンケイル

絶大な力を持つヘカトンケイルだが、創作文化の題材としてはあまりメジャーなほうではない。
同じ巨人であるティターンやサイクロプス・ギガースらとの間だけでなく、ギリシャ神話に登場する存在全体の中でも扱いは小さいほうである。
ティターンやサイクロプスがティタノマキア後も子孫を残し大きな勢力になったのに比べ、
最初に産まれた三兄弟しか存在しないヘカトンケイルは神話における記述がかなり少ない。

後の時代の神や英雄とからむこともあまりなく、また絵や彫刻などで描写しづらいという理由もあってか
他の神や巨人や魔物らに至るまでがことごとくメジャーな存在になっていったギリシャ神話の中ではやや異質である。

それでもけして多くないその出演作においては、ほぼ例外なく強烈な存在感を放っている。
見た目のインパクトに加え神々をも震え上がらせるその実力からくる存在感は原典たる神話と同様に、
単純に戦力ということにとどまらずストーリー全体の展開における「切り札」としての役割を十二分にはたしてくれるのだ。

なので本人役として出るにしろそこから名を取って登場するにしろ、他のキャラクターとは一線を画した存在となることが多い。
味方であればもちろん頼もしい存在であり、敵であればザコ敵ということはほとんど無い。
またその強さから兵器・武器・技の名前として採用されたり、
百手という要素から発展し軍勢・勢力といった複数のものを指す名称、
100本の腕を力強く精密に動かす様から複雑なシステムへの名として用いられることがある。

◆キャラクターの名前

主人公格のひとりである戦闘サイボーグに「ブリアレオス・ヘカトンケイレス」が登場する。

ザイバツ・シャドーギルドの構成員として、ブリアレウス、コットゥス、ガイギスの名を持つニンジャが登場。
神話のヘカトンケイル同様に3兄弟であり、容姿も兄弟らしく似通っているという。
彼らが「ヘカトン・ジツ」により合体する事で、蜘蛛めいた六つの目、六本の腕を持つ強大なニンジャ「ヘカトンケイル」となる。
合体前後で完全な別人として扱われており、三人個別の状態ではアデプト(一般構成員)なのに対してヘカトンケイルはマスター(下級幹部)と位階すら変化している。

  • 女神転生シリーズ
真・女神転生Ⅱ』以降より「邪鬼」としてヘカトンケイルが登場。
全悪魔中トップクラスの力を持ち、全体攻撃の通常攻撃や大威力の突撃技など熾烈きわまる物理攻撃を放つ。
基本的にはおぞましい姿の巨人として描かれるが、少年向けの『デビルチルドレン』シリーズではムキムキの体操選手のようなコミカルな容姿になっている。

人造巨人ヘカトンケイル裏ボスを務める、個別項目参照。

  • ファイナルファンタジーシリーズ
FF13』ではヴァニラの召喚獣として登場する、無数の手(マニピュレータ)を持つ魔導機械ヘカトンケイル。
この無数の手はドライビングモード時にひとかたまりにあつまり変形してガトリング砲になる。
ちなみに『FF3』でも暗黒の洞窟のボスとして登場する。
こちらは剣とマントを装備した巨人の姿(通常モンスターの使いまわし)をしており、手は普通に2本しかない。物理攻撃力だけは異常に高いが。

ギリシャ神話世界(ギア)である3rd-Gで制作された自動人形にヘカトンケイルシリーズがある。
重力制御能力を持つ戦闘型自動人形でギュエス・アイガイオン・コットスの三体のみ存在する。

怪人「ファントム」の内、精神世界「アンダーワールド」に登場する巨大個体の1体として登場。
頭は1つ、腕は6本とだいぶスケールダウンしているが、腕の内4本に持つ武器で目に映る物全てを破壊し、頭を失っても死なないと言われるなど、その戦闘力は脅威。
なお何の因果か、CGモデルは神話においても縁のあるサイクロプスの名を冠したファントムのものを流用・改変したものである。
劇中では仮面ライダーウィザード必殺キック「ストライクエンド」に対して飛び蹴りで迎え撃つも、押し負けて爆死した。

◆キャラクター以外の名称

  • アップルシード
前述のサイボーグ・ブリアレオスに使用されている「ヘカトンケイルシステム」。
情報処理システムの名称である。

登場人物のひとり不二周助のテクニック「百腕巨人(ヘカトンケイル)の門番」。
彼の多用する「返し球」シリーズの一つで、ラケットの両面を使う事でボールに二乗の超回転を与え、
これにより相手の打球はネットを越えられなくなるという、相変わらず超技術なテクニック。

斧「ヘカトンケイル」。外見は斧というよりグレイブに近い。
「全ての攻撃ダメージ+3%」という強力な追加効果を持ち、斧としての使い勝手は上位に位置する。

  • エースコンバット6
エストバキア軍空中艦隊を構成する巨大航空機に「アイガイオン」「コットス」「ギュゲス(英語音声の発音は「ガイゲス」に近い)」が登場する。
外見はいずれも違いはあるが、一言で言えば「巨大な空飛ぶマンタ」。
シリーズ伝統の「序盤に於ける大きな脅威として立ちはだかる敵軍の超兵器」である。
アイガイオンは全長433m・全幅963m・全高102mという超巨大空中管制機。
多数の航空機を離発着させる能力を持つ空中空母、そして特殊な弾道ミサイル「ニンバス」の発射プラットフォームでもある。
コットス・ギュゲスはアイガイオンより一回り小さな(と言っても500m近い全長に200m超の全幅という巨体である)アイガイオンの支援機で、
コットスは強力な電子戦装備を持つ電子支援機、ギュゲスは巨体に反して高い運動性と多数の対空火器を備えた火力支援機である。

  • GOD EATER2
デミウルゴスの素材から作れるブーストハンマーに「ヘカトンケイル」「エーゲオン」「ブレアリオース」が存在する。
ヘカトンケイルはコンボマスターとスタミナ回復量増加というブーストハンマーと好相性のスキルと氷属性を持つ。
エーゲオン・ブレアリオースはトリガーハッピーと銃攻撃力上昇というガンナー向けの優秀なスキル構成となる。

  • ガルフォース
1980年代に人気を得たSFメディアミックスシリーズ。
第2部「地球章」に異星人のオーバーテクノロジーを得て建造された地球人製の100m級プラズマ砲艦が登場し、「ヘカトンケイル」の名が付けられている。
艦首プラズマ発生機で生成されたプラズマを100枚の反射板で収束・照射するシステムを、100本腕の石つぶてに例えたネーミングなのだ。

20km級巨大戦艦ヘカトンケイル」として登場。ちなみに主人公が乗るソードブレイカーは210m級である。
表向きはゲイザー・コンツェルンの試作実験工場という事になっているが、その正体は犯罪結社ナイトメアの本拠地にしてロスト・シップの基地。
ロスト・シップの技術を解析、応用して現代の技術で作り上げた、第6の生体殲滅艦(ダークスター)護衛艦という側面もある。
ゴルンノヴァの空間歪曲、ラグド・メゼギスの慣性中和、ボーディガーの照準機能を複合させたチップを複数展開させており、外壁も強固であるため絶大な戦闘力を誇る。
さらに他のロスト・シップとは違うエネルギーで稼働しているためソードブレイカーによる消去(イレイズ)システムが効かない。
内包しているエネルギーが莫大である事から、作中では「絶大な火力と射程を誇るがエネルギーチャージに時間がかかり連射できない」ボーディガーを接続させて砲撃用のエネルギーを供給し彼の弱点を補っていた。



追記・編集は家族を仲直りさせてからお願いします。


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最終更新:2025年03月22日 10:11

*1 ヘカトンケイル Hecatoncheir 古代ギリシャ語: Ἑκατόγχειρ, 複数形ヘカトンケイロス :Hekatoncheiros(Ἑκατογχειρος) ラテン語だとセンティマヌス(Centimanus)

*2 ブロンテス(Brontes 雷鳴)、アルゲス(Arges 落雷)、ステロペス(Steropes 雷光)の三人。

*3 コットス Kottos 古代ギリシャ語:Κοττος 

*4 ブリアレオス Briareos 古代ギリシャ語:Βριαρηως 

*5 ギュゲス Gyges 古代ギリシャ語:Γύγης またはギュエス Gyes(Γυης)、ギュアス Gyās, (Γύας) 

*6 最初に産まれたとも、二番目だともいう説もある。

*7 タラッサ Talassa 古代ギリシャ語:Θάλασσα 海、あるいは地中海そのものとされる原初神。同じく海そのものである原初神ポントスの妻で、彼との間にすべての魚類を産みだした。 またウラノスの生殖器を投げこまれて海から生じたアプロディテは、彼女とウラノスの子ともされる。

*8 アイガイオン Aegaeon 古代ギリシャ語:Αἰγαίων

*9 キュモポレイア Kymopoleia 古代ギリシャ語:Κυμοπόλεια  ガイアとポセイドンの娘。

*10 オイオリカ Oiolyka 古代ギリシャ語:Οιολυκα 名の意味は「一匹狼」で、嵐を受けてしぶきを上げる波のことであるという。 一説には母のキュモポレイアと彼女はアマゾネスの一族であったとされ、ヘラクレスが12の功業にて腰帯を譲り受けようとした相手は彼女だったという説もある。

*11 アエトナ Aetna 「燃える」という意味。 へパイストスとの間に双子の子バリコイを産む。 一般的にはガイアがひとりで産みだしたとされる。

*12 オケアノス:ここではギリシャ世界を取り囲む外海のこと。

*13 コットスとギュゲス:ティタノマキアでティターン側につき、彼らとともにタルタロスに幽閉されたという説もある。

*14 アルゴス Argos 古代ギリシア語::Ἄργος 100の目を持つ巨人。 100の目を交代で眠らせるため、アルゴス本人は消して眠ることがなかった。その能力を活かしてヘラの命令でゼウスの愛人イーオーを監禁、見張りについていたが、奪還に来たヘルメスに討たれてしまう。 死後はヘラによってその眼を孔雀の尾羽に飾られたとされる。

*15 食べ物・飲み物:アンブロシア(Ambrosia 不死)、ネクタル(Nektar 蜜) どちらも口にすると不老不死になるとされる。

*16 コリント:ギリシャ国ペルセポリス地方の港湾都市。古代ギリシャの経済の中心として栄えた。

*17 コリントの丘:アクロコリントス。コリントの中心地域。戦略的に重要な地点にありかつ防衛しやすい地形で、東ローマ時代には要塞化された。

*18 コリントス地峡:ギリシャ本土とペロポネソス半島を結ぶ細長い地形。両地域の要衝の地であり、古くから交易が盛んに行われていた。