カドック・ゼムルプス

登録日:2018/04/13 (金) 00:01:26
更新日:2024/03/06 Wed 18:22:33
所要時間:約 6 分で読めます





※注意※

この先には『永久凍土帝国アナスタシア』の重大なネタバレが含まれています。














これは証明だ

僕にも世界は救えるってね


Fate/Grand Order』の登場人物。
CV.赤羽根健治


プロフィール

身長:174cm
体重:57kg
出身地:ポーランド
特技:対獣魔術、臭跡消し、野外技能
好きなもの:現代音楽全般(主にロック)
嫌いなもの:才能溢れる魔術師
一生苦手なもの:皇女


概要

かつての人理継続保障機関フィニス・カルデアのレイシフトAチームの一員であり、クリプターの一角。
異聞帯(ロストベルト)No.1「永久凍土帝国アナスタシア」、通称ロシア異文帯担当。

計画はできる限り盤石に整えるタイプだが、根が悲観的で自虐的なため「どうせうまくいかない」とも思っており、失敗したときの切り替えが早い。

200年ほど続く魔術師の家系の後継者。彼の家系は獣に対処する魔術を扱う家系であり、彼自身もその使い手。
しかし、家系の魔術は人類が文明の利器で獣を駆逐できるようになった上、獣自体が減少の一途を辿る現代においては陳腐化しており、彼自身も天才ぞろいのAチームの中では凡人。
その分勉強家だったらしく、神話マニアでもあったそうな。
この通り、常に自身の魔術の才に不安と劣等感を感じており、そのため人理修復にあたって希望していたサーヴァントキャスター
魔力量に乏しい自分では強力な英霊を使いこなせないが、魔術師の英霊ならば自前で魔力をどうにかできる手段を持つ者が多いと考えての判断だった。

なお、魔術師としては凡才ではあるがレイシフト適性は高く、Aチームに選ばれたのは完全な才能。
それに対しては、自分の魔術師としての半生が無駄なものだったと言われたかのような苦しみと、実力を認められたことに対する喜びを半々で感じる複雑な心境だった様子。
しかし、ペペロンチーノから「運命の方から壁ドンしてきたんだからそれをものにしちゃいなさいよ」と励まされ、人理を救い、そこから始めようと考えていた。
ちなみにカドックはペペの気安い態度は不本意だったが、何故か拒絶しきることは出来ず、割と仲が良かった様子。
また、ベリルはカドックを弟のように思っているらしい…が、こいつに関しては本気で言っているのかは分からない。*1

しかし、レフの爆破工作によってカドックを含めたAチームは戦うことすらできず、蘇生の目途が立つまで凍結保存されることになった。

そして、そこに「異星の神」を名乗る何者かが選択を迫ってきた。
「蘇生」か、「永久の眠り」か。
Aチームは全員が蘇生を選び、Aチーム改めクリプターは汎人類史を押し潰すための異聞帯という「領土」と、自分のサーヴァントとなる「英霊」を与えられた。

カドックに与えられたサーヴァントはアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ。ロマノフ王朝の最期を背負った、悲劇の皇女。
自分を殺した無辜の人間を憎みながらも、ロマノフ王家の人間として、終わりが近づくこの異聞帯のロシアを救わんとするその姿に、カドックは何をしてでも彼女を勝利させると誓った。

そのため、他のクリプターと異なり、自分の異聞帯の勝利よりも、自身のサーヴァントであるアナスタシアを勝たせることを最優先に考えている。
彼女との契約後はそのために目の下にひどい隈ができるほど身を削っているが、そのためにオフェリアからはクリプターの使命を果たす気があるのか疑われており、キリシュタリア・ヴォーダイムカイニスを派遣。
カドックが使命に背いているのなら処罰するよう命じていたが、カイニスは未だ勝利を諦めていないカドックの野心を気に入り、問題なしとして済ませた。

そんな感じでアナスタシアとはお互いに全幅の信頼を置いており、神父からは「理想的な関係」とも称された。
性格面以外でもアナスタシアは魔力消費の大半をヴィイで賄うことができるため、カドックの魔力量でも余裕があるという点で戦闘面の相性も悪くない。

自分たちとは違い、「人理修復」という大役を成し遂げた主人公に対しては激しい妬みを抱いている。
それを「運が良かっただけ。僕たちの中の誰かならもっとうまくやれた」と口にすることもあるが、
これはアナスタシアにはただの強がりと指摘されており、「心にもないことをいうのはやめなさい」とも忠告されている。
また主人公を評価していない訳ではなく、後の行動からすると、直接戦闘では主人公側が大分上、くらいに思っていた様子。

ちなみに後に原作者奈須きのこが語った所によると、もし仮にAチームのメンバーのいずれかが主人公と同じ条件下で人理修復に向かったとしたら、人理修復を成し遂げられるのはキリシュタリアかデイビットのどちらかだけで、他の5人はいずれかの特異点で詰まるだろう、とのこと。
(そのキリシュタリアとデイビットも二部で詰むらしいが)
カドックがダメなのはひとえに「最後の運命力が足りない」から。どれだけ頑張っても、ここぞという時の運の巡り合わせがカドックには無いらしい。
これはアナスタシアがいればカバー可能だそうだが、「カドックのパートナーのアナスタシア」は即ち異聞帯のアナスタシアであり、
Aチームが凍結されていなかったら召喚されていなかった存在。つまりどう転んでもカドックがやり遂げる未来はない。


本編での活躍

プロローグではカルデアス凍結のためにアナスタシアと、イヴァン雷帝の宝具である殺戮猟兵・オプリチニキを派遣し、カルデアの制圧を完遂。
しかし、それによってカルデアから逃亡した主人公たちと縁が生まれてしまい、虚数空間から現実世界へ帰還する際のアンカーとして使われ、最初に主人公たちを相手にすることとなってしまった。

とっとと始末しようとしていたカドックだったが、主人公がアヴィケブロンを召喚していたため、急遽予定を変更。
カルデアを利用してイヴァン雷帝を討つことを決める。

元々、空想樹を安定させないまま他の異聞帯へと侵攻しようとしている雷帝はロシア領にとって既に害でしかなく、
アマデウスサリエリ)や神父、アナスタシアに雷帝をなだめさせながら目覚めを食い止め、いずれは雷帝を討つ腹積もりでいた。

しかし、巨大すぎる雷帝を倒すのは今の段階では不可能。本来ならもっと時間をかける筈だったが、しかしアヴィケブロンの宝具であれば雷帝を討つことも不可能ではない。
そのためにカドックは、アヴィケブロンに宝具を形成する材料を提供する代わりに力を貸せと取引を持ち掛ける。
これに乗ったアヴィケブロンは自らを炉心にして『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』を起動。同時にカドックとアナスタシアも雷帝への叛逆を宣言。
これによって雷帝は眠りから目覚め、カルデアもその計画に乗らざるを得なくなり、共闘することに。
そして王冠・叡智の光の肩に乗ってジャイアントロボよろしく戦いに行った主人公に対しては、「これくらいいかれてなきゃダメってことか」と感心するやら呆れるやらだった。

雷帝打倒後は再びカルデアと敵対。あえて武力ではなく言葉による攻撃を仕掛けた。
この時のために異聞帯側の立場に近くなっていたアタランテを引き込み、更にはカルデアが勝利すればこの異聞帯は滅びるとヤガ達にも暴露し、戦力を整えていた。

自分の行いが世界を滅ぼすと突き付けられ、ヤガ達にも敵対され、それによって主人公の心を折る算段だったが、パツシィの行動が主人公を奮起させてしまい、
「人生そんなものだ」と自嘲しながら、主人公と直接対決を行うことになる。


約束を果たそう。コイツらを倒して、僕は君に相応しいマスターになる

──ええ。それでこそよ、カドック


この戦闘では令呪を使用してくる。
命令は三つ。

「敵を凍えさせろ(攻撃時スタン付与(1T))」
「宝具を開放せよ(チャージMAX)」
「皇帝になれ(全快ガッツ付与(1回))」

しかし、力では主人公を上回りながら、経験の差によって敗北。
それでもアナスタシアを勝たせるために、銃を突き付けられながらもクリプターの特権である「大令呪」を使おうとするが、ビリーの早撃ちの前にはその発動時間は遅すぎ──


馬鹿な……アナスタシア!何をしている!?


それをアナスタシアが庇った。
アナスタシアは大令呪によってカドックの命と引き換えに全てを覆すことを勝利とは認めず、カドックは腕の中で消滅していく彼女を見送ることになった。


落ち着いて、カドック。……私は信じています
選択肢をどれほど間違えようとも──あなたはきっと、正しく為すべきことを為すと

……いいや、そんなことはない
僕はいつでも、いつだって、できるはずだったっていう後悔ばかりだよ

……その後悔を抱いて生きなさい、マスター

よろしい?私はあなたが優れていたから助けたわけではありません
私を信じてくれたから、サーヴァントとして当然のことをしたのです

……光栄に……思って……ちょうだいな……
本当に……かわいい……人……


そしてカドックはビリーの攻撃で気絶させられ、クリプター側の情報源としてカルデアに捕らえられることとなった。

+ 2部2章以降
しかし、アナスタシアが残した魔力によって拘束から脱出し、時速90kmで走って追いついてきた言峰に回収され、キリシュタリアのいる大西洋異聞帯に運ばれていった。
特に処罰や粛清はなく、残っている大令呪もそのままでいいし、情報を全部教えなくてもいいとキリシュタリアからは寛大に扱われていた。
とはいえパートナーと己の異聞帯を失ったショックは大きく、キリシュタリアに対しては卑屈をこじらせ、その鼻を明かそうと策謀を巡らせる。
そのために5章ではカルデアにこっそり支援まで行っていた。(マシュに即バレしたが)
ついでに自動娼館に行っているという風評被害を受けていた。

その中でカドックは人理漂白に関してキリシュタリアが残した情報を読み、事態の核心を追求し始める。
ところがその思索を巡らせたカドックは、キャスター・リンボに襲われ瀕死の重傷を負わされてしまう。

だが、アナスタシアの遺した「カドックをお願いね」の言葉を受けた言峰はラスプーチンの残滓の影響もあって瀕死のカドックを回収。
カドックは回復に大分期間を要する状態ながらも、再びカルデアに預けられた。


そしてブリテン異聞帯攻略、異星の神による彷徨海襲撃によるノウム・カルデアの放棄を経て、6.5章「死想顕現界域トラオム」にてカドックは再び魔術師として復帰する。
マスターとなってサーヴァントを召喚することは許されない*2が、単なる魔術師としても元々主人公の先輩で実力も上。
某パイセンと比べても遥かに頼りになる人物であり、適確な助言や洞察力、あとツッコミ要員として要所要所で活躍を見せた。
シナリオ上カドックをマスターとしてサーヴァントを指揮する形で戦う場面もあり、対獣魔術で回避や必中など重宝する能力を付与可能。

立ちまくっている死亡フラグを尻目に、7章終了時点では特に問題なく生存している。

主人公たちとの関係も良好で、2部冒頭では敵だったとは思えないほどにカルデアに馴染んでおり、
むしろカドックの側が困惑するほど自然に「カルデア(自分たち)の仲間」として扱われている。

ただ、よく一緒に行動するのが、元々一般人で魔術師としての知識など皆無な主人公、そもそも人生経験が足りないマシュということもあって、
主に魔術師視点で考え無しに迂闊な行動をする彼らを「もっと警戒しろ!」と注意する苦労人の先輩ポジションが板につき始めており、
一応同じく先輩なのに割と自由気ままなパイセンとの比較もあって、カドックの胃を(冗談半分で)心配するユーザーが増えてきている。
ギャグシナリオ・パートでもその立場は変わらず、慣れきってしまい多少のことには動じない…どころが下手したら自分から厄介事を持ってくる主人公(とユーザー)に初心を思い出させてくれるツッコミをしてくれる。
チェイテピラミッド姫路城に連れて行かれたら胃痛で卒倒しそう







これは証明だ
僕にも追記・修正はできるってね

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最終更新:2024年03月06日 18:22

*1 本人は兄貴分はペペロンチーノだけで十分と言っている、なおベリルの印象ではペペロンチーノは兄貴分と言うより父親の方が近いらしい

*2 「後にも先にも僕のサーヴァントは只一人」と、本人が召喚はおろか仮契約すらも二度としない意思を固めていたため制限としてはほぼ意味無し。誰の事を指すかは言うまでもないだろう