芥ヒナコというのは偽りの名。
真の名は虞美人。汎人類史において、項羽の愛人として伝えられる女性。
この世界では2000年以上の時を生き続ける精霊種であり、「真祖」に近しい存在。
始皇帝によれば、彼女たちこそが真人と呼ばれる存在であるらしい。
2000年に渡り人間から疎んじられ、憎まれ続けていたため、彼女もまた人間を嫌悪している。
異聞帯の争いに興味がないのも当然。そもそも人間でない彼女にとってみればどの人類史が生き残るかなど、心底どうでもいい事柄であったのだから。
愛する項羽と共に消えることもできず、人類の版図が広がるにつれて居場所もなくし、最早生きることに疲れ切っていたが、
最後まで自分の行く末を案じていた項羽のために、彼が嘆かずともすむような終わりを迎えたいという一念のみで長い放浪を続けていた。
そんな中、マリスビリーは虞美人に目を付けた。
その頃のマリスビリーはレイシフトが人間では不可能だった時のため、不老不死の精霊種である彼女を切り札としてカルデアに招聘したのである。
「芥ヒナコ」という偽装を纏い、かつ人類の活動圏から遠く離れた南極に存在するカルデアは彼女にとっても都合がよかったため、虞美人はマリスビリーの誘いに乗り、カルデアの技術者として籍を置くことになった。
しかし、マリスビリーの予想に反してレイシフトは人間でも可能なことが証明されたため虞美人を特別扱いする必要がなくなり、結果としてAチームに収まることになった。
希望していたサーヴァントがライダーだったのは、項羽の該当クラスとして最も有力だったからという仮説が出ている。
また、蘭陵王とは彼の生前からの知り合いであり、数少ない人間の友であった。
主君に疎まれ、毒杯を呷ることになった蘭陵王に対し、望むなら蘭陵王にそれを強いた者共を血祭りにあげるつもりだったが、彼はそれを望まなかったため、彼女も自制した。
そして虞美人に最後の望みを問われた蘭陵王は、「叶うならばまた貴女と巡り会いたい」と口にし、その望みを覚えていた虞美人は蘭陵王を己のサーヴァントとして召喚したのだった。
なお蘭陵王にもライダー適正があるため、最初からライダーとして蘭陵王を呼ぶはずがセイバーで召喚されていたという説もある。
苛立ちに任せて人間など滅びろと貶すヒナコも、蘭陵王が生前守る国や民を持っていたことを思い出すと詫びを入れており、お互いの立場を尊重しあう意味でその主従関係は決して悪くなかった。
蘭陵王も勿論彼女の内面を知っていたため、瀕死の重傷を負っても頑なに力を使うことを拒むヒナコ/虞美人に、自らの身を捧げるから項羽とともに生き残れと進言。
「人を食って生き残る」という人間の嫌いな側面そのものの所業を最初は拒否したものの、最後はそれを受け入れて蘭陵王を喰らい、遂にその正体を現した。
能力は真祖クラスなだけあって凄まじい。
描写が確認できるそれまで唯一の真祖だった
あーぱー吸血鬼が3割の力でサーヴァント4体分・2人のサーヴァントを相手にできると言われていたが、蘭陵王を喰らい、力を取り戻した虞美人は間違いなく出力MAXであり、平気で大技を連発してサーヴァントを6人+1人要するカルデアをボロボロに追い込んでいる。
ダ・ヴィンチちゃんによれば、地球そのものからマナを吸い取っているため魔力が尽きることがないからこそ、このような滅茶苦茶が通るとか。
怒りと憎しみのままにカルデアを皆殺しにしようとするが、始皇帝より
「目的を見失うな」と諫められたことで矛を収め、咸陽へと戻っていった。
実は始皇帝とは真人としての自分の肉体を調べさせる代わり、それが終了したなら項羽の身柄を頂戴するという取引を交わしており、
汎人類史で天下泰平のためにその手を血に染めた項羽を戦いから解放する、というのが彼女の目的であった。
それを忘れてただ暴れるのが貴様の望みかよ、と始皇帝は虞美人を諫めたわけである。
そして契約を果たし、項羽を始皇帝から譲り受けた虞美人は、そのまま項羽と共に静かに生きられればそれで良かった。
だが、カルデアが永世秦帝国の泰平を脅かす以上、項羽はそれを捨ておくことは出来ない。
それを悲しみながらも、虞美人は最後まで項羽の傍にいるため、戦いの場に戻る。
その戦いの中、コヤンスカヤが隠蔽していた空想樹を目覚めさせてしまったため、始皇帝は妄言と切り捨てていた異聞帯の話が真実だと知った。
異聞帯の話が真実だと知れば、始皇帝は戦おうとするだろう。そうなれば、項羽は戦いに駆り出される。
それを防ぐため、虞美人は空想樹を始皇帝の目が届かぬように隠していたのだった。
剪定された己の世界の不備と、むざむざと存在証明を否定された汎人類史の惰弱さを天秤にかけ、どちらが生き残るべきかを戦いによって決着することを決めた始皇帝は、先に膝をついたことで敗北を認め、己の世界の消滅を受け入れようとする。
しかし、虞美人がようやく見出した安息の地を守るため、項羽はその決定に異を唱え、カルデアを排除しようとする。
が、すでに限界を迎えていた項羽の躯体は戦闘に耐え切れず、機能を停止した。
項羽を失った虞美人は怒りと憎しみのままに暴走し、空想樹に自身を吸収させてその場にいる全てを消し去ろうとする。
しかし、始皇帝の協力を得たカルデアに敗れ、空想樹は切除された。
虞美人もまた、自ら個としての形を捨てたことで怨念に成り果て、この末路を哀れんだ項羽の想いも理解せず、またあの方を嘆かせてしまうと後悔のままに消え果てようとする。
だが、
なんだ。末期の悔悟が何かと思えば。項羽の嘆きを止めるなど造作もないことではないか
英霊となれ。天仙の女よ
人類の守護。それは項羽が志し、誇りとしたもの。その道を妻が選ぶならば、その行く末を嘆かれることは決してないだろうと、始皇帝は告げた。
そして、ただ一人項羽の真実を知る虞美人がその知識を英霊の座に持ち込んだならば、項羽が魔王としてではなく、人類の守護者として認定される可能性がある。
そうなれば、もう一度再会できるかもしれない。
始皇帝からそう諭された虞美人は返答することなく姿を消した。
英霊となるということは抑止力の走狗となり、憎んだ人類を守護する存在となるということ。
彼女がその屈辱よりも項羽への愛をとるならば、再会の日は遠くはないだろう。
そして……。
よりにもよってお前が私を召喚するなんて、いったいどういう神経してるの!?
彼女はそれを受け入れ、座もまたそれに応えた。
元クリプターにして、カルデアの「先輩」は、一人のマスターとの腐れ縁に応じ、汎人類史の守護者として共に戦う心強い味方として生まれ変わったのである。
虞美人(殺)
レアリティ:☆4
ILLUST:toi8
身長:160cm
体重:49kg
出典:史記、漢書
地域:中国
属性:秩序・悪
性別:女性
ロストベルトNo.3クリア後にストーリーガチャに恒常追加。
ピックアップ時であれば未クリアでも引ける可能性がある。
◆ステータス
筋力 |
耐久 |
敏捷 |
魔力 |
幸運 |
宝具 |
C |
A+ |
D |
A+ |
E |
C+ |
身長体重は宝具を使用する度に若干変動する。あまり真面目に肉体を再生するつもりがないらしい。
◆スキル
○クラス別スキル
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を絶つ。隠密行動に適している。
加えて精霊種としての特性上、自然環境での効果は大幅に増幅され、逆に人工環境での効果は減衰する。
〇保有スキル
受肉精霊:A
自然界とマナを共有できる精霊種であるため、魔力を自らの体内に蓄えるのではなく、外界から無尽蔵に汲み上げることが可能。
ただし“人型”という形態に縛られている以上、供給は無限でも出力に限界があり、実際に行使できる魔力量は人型の英霊としての領域に留まっている。
仙界羽人:A
道教思想に語られるところの仙人であり、不老不死。
その肉体を維持するために自然界からの干渉が及ぶため、結果として彼女は人型という形態に縛られているともいえる。
吸血:C
動植物を問わずあらゆる生命体から一定量のエネルギーを剥奪し自身で利用することが可能。
厳密には吸血行動とは異なるが、この能力のために吸血種として認識され、歴代の代行者たちから迫害を受けてきた。
◆宝具
『呪血尸解嘆歌』
ランク:C+ 種別:対軍宝具
レンジ:1~20 最大捕捉:100人
滅びの定めにすら見放された、我が永遠の慟哭…!空よ!雲よ!憐みの涙で命を呪え!
エターナル・ラメント。
自らの肉体を破棄することで限界を超えた魔力を暴走させ、呪詛による異常気象を引き起こした後、改めて肉体を再構成するという荒技。
霊核を環境と共有している精霊種ならではの
自爆攻撃といえる。
要はメガンテ。その気になればすぐ爆ぜるところは完全にばくだんいわのそれ。
ゲーム中の性能はBuster属性全体宝具。
自身の様々な状態を解除するリセット効果の後、全体への防御無視攻撃を放つ。
さらに自身にBuster強化、敵へ呪いをそれぞれ5ターン付与。
◆性能(殺)
極低ATKと極高HPの耐久特化型アサシン。
カードは
クレオパトラ、加藤段蔵に続くBuster2枚、Quick2枚、Buster全体宝具のランサー型配分。
最大の特徴はこれでもかと言わんばかりにNP効率に特化したスキル構成。
自身に5TのNP自動獲得と1T弱体無効を乗せるスキル1「受肉精霊A」、相手のチャージを確立で減らしつつスキルマで27のNPを獲得出来るスキル3「吸血C」がポイント。
QuickとArtsのNP効率も高めな為、上記の2つのスキルと組み合わせればあっという間に宝具発動可能に。
スキル2の「仙界羽人A」も、高い耐久性をさらに伸ばせる5Tの持続回復とスキル1をデバフから守れる1T強化解除耐性付与と中々優秀。さらに強化クエストをこなすことで強化解除耐性が3Tに延長され攻撃バフが新たに付く。
また、スキル1と2は最大強化で再使用可能までの時間が5Tまで短縮出来るため、
常時HP1000回復&NP10%獲得状態を保てる様になる。
宝具性能は全体攻撃宝後に2000の固定ダメージを与える呪いと、自身へのBusterバフ。呪い系統の中では高めの数値なので、呪厄持ちと合わせると中々に凶悪。
ただし、「自身の体を一度壊してから再構成する」という宝具の設定に合わせてか、攻撃発動前に弱体状態と強化状態の両方を解除してしまう。
前者はともかく後者が結構な曲者で、宝具回転率の高さから宝具を連射したくなるが、宝具効果以外乗せづらいのがネック。
その分、宝具効果のBusterバフは魔力放出スキル並の高補正かつOCで強化出来る。スキル2を使ったターンであれば、バフ類を保持したままで発動出来る可能性が高い事は頭に入れておくと役に立つかも。
(あくまで解除耐性は確率なので、スキルマでほぼ確定にしない限り解除されてしまう事もある)
短所はクラス補正と自身のステからくる火力面の低さ。宝具回転率は確かに高いものの、素の火力は同レアリティアサシン内でも最低クラス。
アサシンとしては珍しくBusterが多いので、一見
マーリンと合わせやすい様に見えるが、上述の様に宝具攻撃前に盛ったバフが剥がれてしまう(残るのは宝具前の自己Buster強化のみ)。
これ故に「サポーターでバフを乗せまくって宝具乱射」という戦法が少々し辛いのが難点。
宝具OC重視で『魔性菩薩』『火炎伯爵』、純粋に宝具を強化する目的で『黒の聖杯』『ヘブンズ・フィール』等で火力面を補うのが良いか。
エジソンのスキル「概念改良」も、スター発生率アップは解除されてしまうもののOCを増やす効果は解除より先に処理されるので問題なくOCが増やせる。
また、「こちらを強化」するのではなく「相手を弱体化」させる方向性も有り。
セミラミスのスキル3や
諸葛孔明の宝具でダメージを上げることが出来る。
バフ解除を防ぐスキル2をスキルマまで育てているのであれば、CT明けである5ターン間隔で宝具を撃つという用法もある。強化クエストをクリアすれば耐性が3T持つようになるのでよりこの戦法が現実的になる。
高いNP効率と宝具回転率の良さを潰してしまう様に見えるが、同キャラ重ねによる宝具レベル強化を行えば、NP溢れを押さえつつOCを狙う運用も可能。
この方法なら、先述のマーリンを始めとするバフ系サーヴァントのサポートをふんだんに受け、超高火力宝具による一掃と高い体力を活かした耐久戦も出来る。
弱点を挙げるとするなら
限定☆4鯖を複数体必要とする事
だろうか。
攻撃モーションは双剣を使った舞うような剣技と、吸血種特有の血を使う攻撃。
宝具も自身から魔力と共に大量の血を放出し、敵に向けて血の雨を降らせるグロテスクさと美しさが入り交じる演出。
◆カルデアに来てからは?
○マイルーム
相変わらず人間嫌いで、その態度は非常に刺々しい。本人曰く「異聞帯の事は根に持ってるし忘れる気はない。」との事。
しかし、ストーリーを経た後に座に来たので色々と吹っ切れており、どこか楽しげなセリフも多い。
また仮初めの立場だったとは言え、元はカルデアの人理修復チームの一人だったので主人公に「自分が先輩だ」とマウントを取ろうとする可愛らしい姿も見られる。普段からマシュやBBに先輩センパイと言われてるので、これはこれで新鮮
そのためファンからの通称も「パイセン」が定着している。先輩と呼ばれるのは稀。
絆LVは当初凄まじく上がりにくいがある一線を越えてからはあっという間の、まさにツンデレにしてチョロイン。
自分がサーヴァントになるきっかけとなったフリーダム朕様こと始皇帝に対しては、相変わらずの型破りっぷりに驚き半々呆れ半々の反応。
人間嫌いの多い鬼種系サーヴァントに対しては、純粋な興味から話をしたがっている。もちろん、項羽を所持している場合は……?
◇雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~
初登場より年が明け2019年。元旦からスタートしたイベント「雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~」のプレイ条件が
何故か二部三章をクリアしている事
だった為、「早速先輩もギャグ要員デビューか?」と人類悪後輩達は期待した。
そしてエステルーム建築後、クエスト「虞美人アンチエイジング」が解禁。
やっぱりな。
舌切り雀の紅閻魔が経営する旅籠「閻魔亭」の元・常連客で、数百年前からよくマッサージを受けに来ていた事が判明。
店員の雀の名前を覚えていたり、友人である紅閻魔とは「ぐっちゃん」「えんまちゃん」と呼び合ってたりと妙な人の良さを見せた。(ちなみに異聞帯でもコヤンスカヤに「ぐっちゃん」と呼ばれるシーンがある)
更には旅館の手伝いをしていた
フィンに話しかけられた途端「あんちえいじんぐ」の邪魔をするなと
怒気と共に自爆(宝具)準備
をしてみたり、
そのフィンが連れてきた
謎の衛士長改め謎のマッサージ師に対し驚愕とツッコミのあまり偉そうな口調が崩れてただのヒナコになったり、
挙げ句その謎のマッサージ師の
暗殺拳を受け「こんな悲鳴を上げたのは項羽様前以外では初めて」「くっ、癒やせ!」など迷言を乱発。
今までいそうでいなかった
リアクション芸人という立ち位置を得てしまった(ちなみにこのクエスト、地味に謎のマッサージ師こと老李書文の強制ソロ体験クエでもある)。
本人は水着になった訳ではないが、イベント本編ストーリーではファラオカジノ攻略のキーキャラクターとして登場。
項羽様との夜駆けの余韻を堪能していたところを強引に勧誘されたため不機嫌ではあったが、案の定というかなんというかカジノでボロ負けしていたらしくその鬱憤を晴らすべく主人公らに協力。
お仕事の内容はカジノ内で盛大に自爆して警備担当責任者である不夜城のキャスターを無力化すること。
この役割に思うところはあったようだが、なんやかんやでパイセンはノリノリで爆ぜてくれた。
その後に解放された追加シナリオ
「回想~開運!ひなげし鑑定団」では、ボロ負けの経緯が明らかに。
ルーレットに熱中していたが、もともと性格が賭博に全然向いていなかったこともあって、完全にマズイ流れに乗ってしまっていた。
一緒にいた項羽様は未来演算によりルーレットの玉が投げられた瞬間にどのマスに落ちるかが分かっていたのだが、
「自分が手伝ったら不正行為になる」「妻が求めているのは利潤ではなく遊興」「妻は悠久の命の倦怠を忘却していることだろう。まるで初々しい娘子のよう」と(若干のろけ気味に)優しく見守るのみ。
これだけなら良かったのだが、実は軍資金としてかつての私物である
歴史的価値の計り知れない品々を
ダビデ主催の即興オークションでばら撒いていたことが判明。
歴史的遺物が何の記録も残さずに散逸しかねないと、
孔明が止めに入る事態に発展すると先輩は逆ギレ。
「うるさい! ではどうやって今宵のカジノの戦費を賄えというのだ? 貴様が肩代わりしてくれるのか?」
「そんな下らん事情で最古の青磁器とか放流してたのかこの馬鹿仙女!」
戦闘後、なおも
「何でよ! カジノっていうのはお金を湯水のように稼いでは使う場所なんでしょ!?」
「なんで人間どもだけ許されて私だけが咎められるの? またしても虞美人差別!?」
と、ごねる先輩であったが項羽様の「これも潮時と弁えてはどうか」「今宵の賭け事、もう汝は一回たりとも勝てぬ」という敢えての忠告を受けてようやく撤退。
項羽様の「ひとつ街の外へ遠駆けに出ようではないか」という提案にのって、二人で夜の荒野へと去っていくのであった。
○幕間の物語
サーヴァントとして召喚可能になってから半年と経たないうちに、幕間の物語『午後はカルデアおもいッきり虞美人──奥さんそりゃあんたが以下略──』が実装。タイトルにツッコんではいけない。
必要な絆レベルは3。開幕早々後輩をパシるという先輩っぷりを見せつけてくれる。
一方、そうして奔放に振る舞う傍らで、元は敵同士である人物に召喚されたことに当惑しており、サーヴァントとしてどうマスターと付き合うべきか悩んでもいた。
ちなみに、「マスターとしてのレベルは高くない」と上述したが、
実態はそれどころではないことが発覚した。具体的には
あのスパルタクスの狂化が剥がれて素で突っ込みを入れるレベル。
どうそれどころではないかは本編に任せるが、彼女は元来人間嫌いで他人を頼るという発想自体が無かった上、自分自身も強い上にいくらでも再生できる不死身でノーガード自爆特攻なんでもござれ状態だったため、まるで戦略というものを身に着けてこなかったのである。
にしても、FGOを始めて1週間経っていないマスターでももっとマシな采配をするはずなのだが…
他方、項羽が絡むと人間嫌いの本音を押し隠して一肌脱ぐこともあり、項羽がひたすら畏怖の対象となるばかりだった汎人類史で内助できなかったことを悔やむそぶりも見せる。
ちなみにこの幕間、虞美人がパシった(もちろん金は払っていない)雑貨の代金は主人公が自腹で出して項羽が返済、という形だったのだが、
返済の時に主人公が項羽に水増しして請求していたことが最後に発覚。
珍しく主人公がケチな悪事を働いているシーンが見られる。
尤もお金が欲しいというよりかは気付かない項羽をからかっていただけらしく、ちょろまかした差額はそのまま残しており後にちゃんと返却はした。
このほか、バレンタインイベントによれば吸血鬼との関連が深い
ヴラド公や
カーミラのことはよく思っていないらしい。
具体的には「吸血鬼」として見られている彼らと、吸血種として同一視されるのが我慢ならないらしい。
本人は吸血鬼呼ばわりされる事を嫌い否定しているヴラド三世とは直接会えばどうかは分からないが、
自身で若い女の血を啜っているカーミラについては完全に地雷ど真ん中で「はっきり言って嫌い」と言い切っている。
虞美人(槍)
私の邪魔をするってコトは項羽様に文句をつけるってコトよ。
◆スキル
○クラス別スキル
対魔力:B
ランサーのクラススキル。
○保有スキル
夏の受肉精霊:A+
受肉精霊であることはもちろん変わらない。
が、水着に霊基が変化したことにより、その在り方が若干夏寄りに最適化されている。
マナの吸収効率が、夏らしい自然……すなわち避暑地の湖畔の水や燦々たる日光……からであればあるほど高くなる。
吸血種のイメージにあるまじきスタイルになるが、もちろん彼女は気にしない。
別に嗜好が変化しているわけではないので、
「暑いわね!」とかぶちぶち文句を言いながら日光浴などをしている姿が見られる。
覇王の姫:EX
詳細不明。スキル名から推察するに項羽の伴侶であったことが反映されたものか。
在りし日の舞:EX
かつて項羽の前で行っていた剣舞のスキル。
人の文化が嫌い、真似をするなどくだらない、という信念はあれど、項羽のためならばそれを曲げるときもあるのだ。
客観的に上手いかどうかは知らない。
他者にどう評価されるかなど知らない。どうでもいい。
ただ、ときには舞うことが必要だったというだけ。
彼がどう評価してくれたのか、どんな表情を浮かべてくれたのかは、彼女のみが知る。
それは大切な記憶として、このスキルと共に彼女の霊基の奥に刻まれている。
このスキルは本来は封印されており、また、項羽が近くに存在しないと使用不可能。
今回は彼の槍を貸し与えられた衝撃でこのスキルの封が解け、それにより彼の槍が一種の代わりとして機能しているために使用できる。
今は槍舞としてアレンジされている。
◆宝具
『夏魔必滅槍舞』
項羽様より託されたこの槍は、夏の魔物を尽く撃滅せしめよう。
我が呪いは、ただその意に従うのみ! 舞い咲き散り狂え! 在りし日の雛芥子が如く!
『夏魔必滅槍舞』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~10 最大補足:20人
アンチフリング・ロンド。
フリングとは俗語で『浮気』や『一夏の恋』、転じて夏の魔物のことをここでは指す。
項羽に貸し与えられた、項羽の愛の具現化である、(と当人は思っている)槍による、対・夏の魔物専用強制排除ムーブ。
極端な決めつけによる男性特攻を持つ。
虞美人には武術や戦術の心得などないが、項羽への愛が盛り上がった結果、かつて彼の前で踊った剣舞のことを思い出した。
それを利用しようと思い立ち、さらに槍舞としてアレンジしたのがコレである。
結果としてなぜかポールダンスっぽくなってしまった。
元の宝具『呪血尸解嘆歌』と同じように自らの肉体を破壊しながら魔力を暴走させて異常気象を起こすものだが、項羽の槍を軸とした槍舞の動きにより「回転」のベクトルが与えられることで、結果的に血の雨ではなく竜巻型の呪詛が発生することになる。
永遠の嘆歌(ラメント)が形を変えた、死の輪舞(ロンド)。
ゲーム中では単体の
男性特攻宝具で、呪いとやけど付与がオマケで付く。
「夏の避暑地! 項羽様とのバカンス!」
かくして気合一閃、霊基を水着に変貌させた虞美人であったが、よんどころない事情により項羽はカルデアに残ることになったのであった。
──第一章・終──
○人物
項羽様とのバカンスを気取り水着になったパイセン。それでいいのかクリプター。あ、良かったわ
しかしプロフィール段階で夢は挫折。
うじうじしていたが特異点調査をさっさと終わらせれば良いと開き直りようやくやる気を出したパイセンだった。
こうして先輩は山のキャンプ場で色々な意味での期待を背負い奔走する。
2020年の水着イベントで水着になったパイセン。
本人は浮かれていないと宣っているがやっぱり浮かれている。そらそうだ
といっても項羽様のバカンスのために特異点解決を優先しているため事件解決の手がかりにならないようなイベントには出てこない。そのため出番は「夜」が中心。
そこかしこにホラー映画における『お約束』として即死トラップが仕掛けられている非常に厄介な特異点だったのだが、
マスターを含む他の人達がお約束を多少なりとも知っていて回避するのに対し、そんなこと知る訳が無いパイセンは容赦なく地雷を踏み、毎回死ぬ。
しかしパイセンなので死んでも10秒くらいしたら生き返ってくるので犠牲が出ない。
尽くホラー要素をシリアル化してしまった''ので、マスター的にはある意味清涼剤だった。
◆性能(槍)
獲物を持ったおかげでATK値が2000近く上昇したパイセン。カード構成はアサシン時と変わらず、カード性能も良好
一方でスキルは自己強化しかなかったアサシン時と異なり多少だが味方のサポートも効くようになっている。デレの証拠
「夏の受肉精霊」はガッツにNP獲得量アップが付加されたもの。NP獲得量アップは「水辺」「日差し」の条件を満たすたびに追加付与される。
そしてガッツは最短CT6とこの手のスキルにしては短めながら復帰時HPが5000に達するという超高性能ぶり。死んでもすぐ蘇るパイセンらしい。
「覇王の姫」は味方1人へのNP配布スキル。ランサーでは割と貴重な効果であり、更に自身にターゲット集中を付与する。NP配布量は20と普通。
どちらの効果もかなり便利。ターゲット集中で被弾が集中するが、パイセンにはガッツがあるので潔く死んでもらおう。
「在りし日の舞」は自身のQuickアップと味方全体のクリティカル威力アップ。
Quickアップはそれなり程度の効果だが、クリティカル威力アップは50%と全体サポートとしてはトップクラスの高性能。自分にとっても味方にとっても打点確保に貢献する。
宝具は上記の通り。先達と異なりOCで特攻は伸びないので宝具チェインを気にする必要は特にない。
総じてアサシン時と異なり滅茶苦茶取り回しの良い優良サーヴァント。宝具効果で男性アーチャーやバーサーカーに高い打点を出せるのが強い。それ以外へはバフが少ないこともあり宝具火力は少し物足りないが、ターゲット集中など光るものがあるので守りながら戦うにはもってこい。要は項羽様と組ませろという圧力である。大人気ねえ
そしてランサーパイセンにはまだ語っていない、大きな強みがある。
大事なことなので2回言いました。
そしてイベントの参加条件は第1部序章クリア。
イベント終了した現在は巡霊の祝祭で恒常落ちしており、ダ・ヴィンチ工房を開放すればあとは交換用の巡霊の葉を集めれば仲間にできる。
存在そのものがネタバレなパイセンが突然新米マスター含めた全カルデアに現れる盛大なバグ誕生である。
特に第2部まで進めていない場合、本人はコフィンの中で冷凍されているはずなのにサーヴァントになった人が水着着てはしゃいでるという意味不明な状況となっている。
ただあくまで第1部時点ではヒナコは登場すらしていない為ネタバレの問題は無いのだろう。
とはいえ流石に大人ダ・ヴィンチちゃんは物語の都合上顔を知っているため彼女の前に現れる時はグラサンをかけている。
それでバレないと思ってるのかと言いたいところだが実際何故かバレなかった。
???「ダヴィンチちゃんは人の顔がわからない」
ともかくパイセンは配布サーヴァントなので育成が容易。火力不足という点も配布サーヴァント故に宝具5が簡単に達成できるのでかなりマシになる。そういう意味でもとてもちょろい扱いやすい1騎となっている。
◇『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル ~ノーチラス浮上せよ~』
上記の水着イベントの少し後のイベント。
愛しの項羽様がメインキャラクターの一人として登場するのだが、項羽様が異変を予知して行動を開始した際、パイセンは当然の如く同行を申し出る。
しかし項羽様は様々な要素を加味して演算した結果、同行は断った。
~ 完 ~
パイセンは2000年以上生きた仙人としての矜持も恥も外聞も投げ捨て、全身で泣き喚いてダダを捏ねるという奇行に走るが、
流石に項羽様本人に言われた事ゆえに強く逆らう事ができず、結局同行は諦めた模様。
…というのがイベント冒頭にて、「パイセンはどうしたの」と聞かれて項羽が語った。
本人は全く登場していなく、ちょっと話に出ただけなのにこの面白さである。
なお同イベントでは中盤から「水着であること」の概念を利用した作戦が実行され、何人かの水着サーヴァントが出撃するのだが、残念ながらパイセンは出てこなかった。
◆余談
人嫌いではあるのだが、マテリアルによると人間という生き物自体は嫌いでない模様。
強い生物が弱い生物を食らって生きる弱肉強食の自然の摂理は大いに肯定しており、人間もそうして生きるのなら嫌う理由はない。
嫌いなのは、自然を破壊する程の人間の文明の拡大や、生きるためではない殺生をも行う人間の所業である。
偽名の由来は雛芥子(ひなげし)のアナグラム。
雛芥子は、虞美人が自決した血から生えたと言う伝説があるため、虞美人草の別名がある(虞美人→虞美人草=雛芥子→芥雛子→芥ヒナコ)。
芥ヒナコの名前は当初から明らかにされていたが、
- 雛芥子を意識したかのような名前
- 今までのタイトルで主役(or敵役)サーヴァントが出るところにマスターである彼女自身が出ている
- さらに中国異聞帯の担当
…ということもあり、「虞美人と何らかの関係のある存在ではないか?」という予想は元々ファンの間でもかなり有力に推測されていた。
一方でイラストから垣間見える犬歯などから「実は死徒ではないのか」という説も有力視されていた。実際には両方だった上に死徒なんてレベルじゃない大物だった訳だが。
おまけにライター当人がツイッター上で、
「ZERO以来久々のFateワールド。しかも今回は外伝ではなく本編の一端を担わせていただくとあって殊更にハッスルいたしました。」
……と、不穏極まるつぶやきをしてくれたおかげで「さようならヒナコちゃん」と彼女の将来を不安視するどころか絶望視する人も出てきていた。
結果的に、彼女も死亡したと言えばそうともいえる結果ではあったが、むしろ救いのある繋がりに至ったので、プレイヤー一同は胸をなでおろすこととなった。もうちょっと虚淵先生を信じてあげよう。
ガチャ的にはスト限であり、Lostbelt3を攻略するまで彼女を通常召喚する事はできないが、ピックアップで引く事は可能なため、理論上ヒナコ/虞美人とともに人理修復をするマスターがいてもおかしくないということである。
Lostbelt3前のヒナコは鯖化した虞美人を見てどう反応するのだろうか。ペペロンチーノが過労死することは想像に難くない
あと多分マシュやダ・ヴィンチちゃんも凍ったはずのマスターが目の前に出てきて頭を抱える
そして上述の通り配布サーヴァントとして全カルデアに押し寄せることになった。ロマニ頑張れ。
とはいえ自分がチーム・Aやクリプターである事は隠そうとはしているらしく口に出すことはないし、なんだかんだで顔を隠してバレないようにはしている為、大きな混乱にはなってないのだろう。
ヒナコと虞美人は雰囲気が全く違う上、カルデアには似たような顔のサーヴァントが大量にいる事情も後押ししているか。
パイセンはネタバレに配慮できる女。
ユーザーの間では本性が知れるや否や早速ギャグ時空の仲間入りさせられ
怪文書が作られたりしていたが、公式が上述の素材を提供したことでその傾向が加速。
出てくるだけで絶対面白いことになるという
美味しいキャラが定着しつつあり、年末特番ではイラストレーターのtoi8氏が
ガチャで爆死するヒナコを描いている。
そして1800万DL記念での星4サーヴァント配布の対象に勿論虞美人は含まれるため、今度は
箱詰めされるパイセンとか
プレゼントボックスに入るだけで面白いとか本人が何もしていないのにネタになってしまった。
なお、そのような
主にギャグ方面での人気とスト限という希少性からか公式が発表した配布での選択キャラではトップ人気だった。
2000万DLでは恒常星5サーヴァントのいずれか1騎の配布という特大イベントが開催される。そして項羽は恒常星5。
もうこれだけで何が起こるか、多くのマスターは予想が付くだろう。
主人公に対して項羽を交換しろ、と脅したりせっついたりする姿が描かれる…なんてのは序の口。
星4配布の時にそうであったのと同じく、項羽とセットで「無料」という札を張ってプレゼントボックスにぶっ込まれたり、
違う鯖を交換されて血涙を流したり、ここでも本人は特に何もしていないのにネタになっていた。
Lostbelt4プロローグや、その後出会うクリプターにも「ヒナコの仇」と言われたりするため、
クリプター間の間では
死んだもの扱いされていることが判明した。しかも
仲間の1人には「当然の死」まで言われてしまった。
彼等からすれば完全な
裏切り者にも等しいので、そう思われないだけマシだろう。
カルデアに馴染んで定期的に笑いを提供するウーマンになってるなんて口が裂けても言えない。
その後カルデアに回収された仲間である
カドックとは再会したようだが、カドックによれば「ルームメイトが実は宇宙人だったみたいな感覚」とのこと。そらそうなるな。
多くのクリプターと交流した後のゴッフも彼女のことは「ある意味」別格扱いであり、
メッチャ危険な野生動物と言われ、「遭遇したのが事故みたいなもん」とバッサリ切り捨てられてしまった。
クリプターである以上彼女にも当然大令呪はある……のだが、自爆再生することで放棄している。この人に人間の常識は通用しない。
そして遂にアーケードにも実装。
しかも実装当時は本編でいう「第一部六章」の時系列だというのに水着姿で平気で登場した。素の自分が実装されてない上に項羽様すらまだいないのに…。
挙句「自称カルデア職員で先輩を名乗るサーヴァント」として不審者扱いされている始末。
どうやら後輩を鍛えるためにやってきたらしい。はた迷惑な…。
なおカルデアに確認しようにも通信ができない事と、一応グラサンをしているからバレてはいない様子。
なお『
月姫』の世界においての彼女はというと、真祖はほぼ全滅したが疑似真祖とも言える吸血種は生き残っていることが明言されており、恐らくそちらでも生き残って隠遁生活を送っていると推測される。