シグルド(Fate)

登録日:2018/07/30 Mon 00:26:03
更新日:2024/04/05 Fri 17:58:45
所要時間:約 11 分で読めます






※注意※



この先には『無間氷焔世紀ゲッテルデメルング』の重大なネタバレが含まれています。




サーヴァント、セイバー。我が真名をシグルド

貴殿がマスターか? どうか指示を。速やかなる遂行を約束しよう




Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント。 クラスはセイバー
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』でも回想でちょっとだけ登場している。


ILLUST:三輪士郎
CV.津田健次郎


身長:178cm
体重:79kg
出典:北欧神話
地域:欧州
属性:中立・善


◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
A+ A+ B C E A++


◆スキル
○クラス別スキル
対魔力:A
Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。

騎乗:A
幻獣・神獣ランクを除くすべての獣、乗り物を自在に操れる。

〇保有スキル
神性:B
大神オーディンを祖とする。

原初のルーン(戦士):B
北欧の魔術刻印であるルーンを有している。
ブリュンヒルデに教えを受けており、キャスターとしても召喚可能な腕前。

竜種改造:EX
竜の心臓を呑み込んだことによる、究極の自己改造。
竜種としての魔力炉心が形成され、サーヴァントでありながらほぼ独立した行動が可能。

叡智の結晶:A
本来、彼が生きた時代には有り得ぬ魔導具。
竜の心臓を口にして得た叡智が結晶化したもの。
生前から必要がない状況でも好んで掛けていたが、浴場では使い勝手が悪かったとか。
他者が掛けても効果を発揮するが、その莫大な情報量のせいか、酷い頭痛が起こる。


宝具
破滅の黎明(グラム)
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人

太陽の属性を持ちながら、魔剣として成立した稀有な宝具。
祖オーディンによって授けられたこの剣は王を選定すると同時に栄光、嫉妬、破滅、宿命をもたらす希代の武器だったという。
『FGO』においては、通常武装として選択されている。


壊劫の天輪(ベルヴェルク・グラム)
ランク:A+ 種別:対城宝具 レンジ:1~50 最大補足:1~900人



委細承知、宝具起動。

魔剣、完了。貴殿の矜持、見せてもらおう。此れなるは破滅の黎明!

絶技用意。太陽の魔剣よ、その身で破壊を巻き起こせ!

壊劫の天輪(ベルヴェルク・グラム)』!!



本来対人宝具であるグラムの全力解放。
シグルドは剣からエネルギーを放出するのではなく、剣の力を引き摺り出した上で投擲することで「対城」宝具とする。
「投擲する方が効果的だと思った」とは本人の弁。
投擲した剣は焔を撒き散らしながら対象に直撃、然る後にシグルドはグラムに全力の拳を叩き込む。

ベルヴェルグとは「禍を引き起こす者」という意味であり、即ち彼の祖であるオーディンの別名である。


概要

「戦士の王」と称えられる「ヴォルスンガ・サガ」の大英雄。
英雄シグムンドとヒヨルディースの息子であり、オーディンの曾孫とされるヴォルスングを祖に持つ神の血を引く男。

父シグムンドはシグルドが生まれる前に愛剣をオーディンに折られたことで死亡し、シグルドはヒヨルディースがデンマークの王ヒアールプレク王の子アールヴと再婚した後、鍛冶師レギンの元で養育されることとなった。
ヒアールプレク王からは「鋭い目をしている(大業を為す証とされていた)」と気に入られており、
レギンから「他国の王族でありながらデンマークで囲われ暮らしている状況を奴隷同然」と馬鹿にされ「違うと言うなら王から馬をもらってこい」と煽られたシグルドが、馬を譲ってもらえないか尋ねたときには快諾。
「好きな馬を持って行っていい」と許しをもらったシグルドは、スレイプニルの血を引く名馬グラニを手に入れている。

すると、レギンは王子であるにもかかわらず自由にできる財産が乏しいと煽り、邪竜ファヴニールを倒して竜殺しの勲しを上げると共に、竜が守る財宝を手に入れるようシグルドを唆す。シグルドは父の敵を討つ前に黄金に目が眩んだと笑われたくはないと、先に父の敵を取ると宣言。
その敵討ちの前、シグルドはヒヨルディースの弟エイリミの息子、つまり従兄弟であるグリーピル王と対面し、彼から己の生涯の全てを聞いた。
ある戦乙女との出会いも、その出会いがもたらす破滅も。

折れたシグムンドの剣の破片から修復された魔剣グラムを引っさげ、ヒアールプレク王から水軍を借り受け、
フンディング一族の王国に攻め込み、父の敵であるフンディング一族を全員討ち取り、仇討ちを達成した。

その後、シグルドはファヴニールの住まうグニタヘイズへと向かい、見事邪竜殺しを成し遂げた。
しかし、実はファヴニールはレギンの兄であり、レギンは兄の財産を独占するためにシグルドを利用していた。
レギンはファブニールを殺したシグルドに対し、自分にも責任はあるが兄を殺したとシグルドを非難した。
そして償いとしてファヴニールの心臓を食すことを望み、心臓を焼いていたシグルドが焼き加減を確かめるために押し付けた親指を火傷し、思わずその指を舐めたところ、
シグルドは溢れる叡智と動物と会話する能力を得た。親指かむかむ叡智もりもり。

シグルドはシジュウカラの言葉からレギンが自分を殺そうとしていることを知り、レギンが寝ている間にその首を刎ね、グラニに財宝を積んで旅に出ることにした。
残った心臓の一部を食し、余りは保存したという。

そして旅の途中、シグルドはグリーピル王の予言の通り、ヒンダルフィヨルの山頂の「炎の館」にて、戦乙女ブリュンヒルデを救い出した。
しかし、シグルドは運命に逆らうつもりでいた。
己が炎の館を訪れたのは、囚われた戦乙女を救うため。それだけだ。
当方の道に愛は不要。戦乙女を愛するなど有り得ぬと、そう信じてシグルドはブリュンヒルデを救い出した。
だが、


「一目惚れというのだろうな」


二人は一目で恋に落ちてしまった。
シグルドはブリュンヒルデから原初のルーンを始めとする全ての知識を伝授され、共に破滅の未来を防ごうと心を砕いた。

しかし、英雄としての旅を続けるためヒンダルフィヨルの山を下りたシグルドは、
ライン河畔のギューキ王の宮廷で、魔女グリームヒルドに娘グズルーンの花婿として見初められ、
その姦計によって忘れ薬を飲まされ、ブリュンヒルデの事をすべて忘れてしまった。

グズルーンと結婚したシグルドはグリームヒルドの息子であるグンナル、ホグニと義兄弟の契りを交わし、あろうことかグンナルのブリュンヒルデへの求婚の旅に同行。
炎を越えられなかったグンナルにルーンの力で成りすまし、ブリュンヒルデへと求婚。
卑劣なるグンナルと結婚する羽目になったブリュンヒルデは、グズルーンの一族郎党を焼き尽くし、シグルドもまたその手にかかって死亡した。
ただ、ブリュンヒルデの記憶は曖昧なものになっているらしく、グッドルムに殺させた気もするし、自分が行ったような気もすると語っている。

伝説によれば、シグルドはブリュンヒルデとグンナルの結婚式の晩には記憶を取り戻していたらしく、
死を覚悟するブリュンヒルデに対し、ブリュンヒルデが死ぬくらいなら自分は全てを捨てると訴えたが、ブリュンヒルデは「もう遅い」とこれを拒絶したという。
いずれにせよ、破滅の予言は現実のものとなり、シグルドは運命を覆すことはできなかった。


キャラクター

第1・第2再臨時点での外見は、鬼のような仮面で顔を覆い、黒いボディスーツの上に無骨な装甲やハーネス状のベルトを身に着けている。さながら特撮やアメコミのヒーローのような出で立ち。
赤い大剣を携えてはいるが、(いい意味で)とても騎士には見えないスタイリッシュなデザインである。
ちなみにこの仮面、好んで着けているものらしい。

第3再臨では大剣の色が赤から青に変化。仮面を外してマントを羽織り、オーソドックスな騎士のイメージに近づく。
しかし何故か、アンダーリムの黒縁眼鏡を掛けている。これについては後述。



性格は見かけ通り、四角四面の超堅物。
一人称は「私」、もしくは「当方」。
基本的には合理を重んじる人物で、父の仇討ちも愛情からではなく義務感から行ったものだったという。
彼なりにダジャレを言ったりお正月イベントで当人的には自信満々の宴会芸を見せたりもするのだが、そっち方面の才能は全くなくぶっちゃけダダ滑りである。
しかし、一度信を置いた相手に対しては、割と優しい態度を見せたりもする。
セイバーとして実力・知名度とも文句なくトップクラスの存在であり、剣を使う他のサーヴァントに稽古をつけることも。

主な武器は魔剣グラム。
実を言うとグラムの原典は『stay night』でギルガメッシュが使用しているのだが、シグルドが使っているものとは全く形状が違う。
これはギルガメッシュの蔵にあるものは原典、つまりオーディンによって折られる前の姿であるためと思われる。
またグラム以外にも何本か短剣を所持している。

ブリュンヒルデから原初のルーンの手ほどきを受けているため、卓越したルーンの使い手でもある。
しかし「人は炎を畏れなければならない」という持論を持っているため、炎のルーンだけは使わなかったらしい。

第3再臨で掛けている眼鏡は、竜の心臓を口にしたことで得た叡智の結晶。掛けたままで風呂に入るくらい気に入っていたようで、眼鏡に関しては一家言ある。
カルデアの眼鏡サーヴァント達には「良い」と感想を呟いている。
それ以外にも気合を入れる掛け声として「メガネキラァァン!」と叫ぶなど、眼鏡の事になると若干キャラが崩壊してる感がある。
ただし、「メガネキラァァン!」は思わず言ってしまったようで、顔を赤くして恥ずかしがったりもする。

ちなみに眼鏡に見えてもそこは叡智の結晶なので、シグルドが叡智を失わない限り壊れることはなく、輝き続けるらしい。
スキル説明にもある通り他者への貸し出しも可能で、シグルド以外が掛けるとその叡智の情報量によって頭痛が起きるそうだが、
「それはただ度が合ってないだけではないのか」と一部からは疑われているとかなんとか。

竜の血を浴びたジークフリートと違い、不死の体は持たない。
そのため、頑丈さがちょっと羨ましいらしい。しかし、だからといって負ける気はないとは本人の弁。
ジークフリートとは起源を同じくする存在だが、同一人物かは定かではない。シグルド自身は「同一にして異なる存在」と認識している様子。
ちなみに本人同士の相性は割と良いらしく、初共演イベントでは互いにサラリーマンの名刺交換みたいな自己紹介をしている。

好きなものは雪景色。生まれが北欧のためか、好んでいるらしい。
苦手なものは小動物。動物と会話できるシグルドによれば、彼らは見た目に反して意外と辛口らしい。

聖杯にかける願いは特になし。ただし、聖杯戦争に参加すること自体には理由がある。
それは言うまでもなく、彼女との再会のためである。

そして肝心のブリュンヒルデに対してだが、英霊となったシグルドは完全に記憶を取り戻している。
つまりブリュンヒルデへの愛も取り戻しているという事であり、あのブリュンヒルデが顔を真っ赤にするほどに惚気まくる。なんせ「我が愛」とか呼んでるしね!
サーヴァントとなったことでブリュンヒルデがシグルドに殺意を向けてしまっている事に対しても、それもまた愛の証明であるとし、「嬉しい」と言ってのける剛の者。
その愛を全て受け止めたうえで生き残り、己の愛を証明する気満々である。器デカすぎて眩しい……
2020年にはブリュンヒルデの水着バージョンが実装され、自身にもサマーバージョンの霊衣が実装されたが、このイラストが水着の嫁の最終再臨イラストと対になっているだけでなく、
水着ブリュンヒルデの宝具では彼女と共に惚気ながらケーキ入刀大剣を振るい、レア演出では幸せそうな二人のカットインが入るというバカップルぶりを見せている。


作中での活躍

メインシナリオ


  • 第2部2章「無間氷焔世紀ゲッテルデメルング」
オフェリアをマスターとし、女王スカサハ=スカディに仕える異聞帯側のサーヴァントとなっている……のだが、
普段のシグルドとは似ても似つかない残忍さ、由来の分からない謎の怪力、一人称が「俺」になっている、瞳の色が違う、「クク」と不敵に笑うなど、随所に違いがある謎の存在となっている。



ゲームキャラとしての性能

ストーリーでの登場と同時に、期間限定の☆5セイバーとして実装。
ATKに寄った攻撃的なステータス配分で、カード構成はセイバーの典型であるBuster×2、Arts×2、Quick×1。
戦闘モーションでは短剣の投擲を多用し、ヒット数は多め。

  1. 「叡智の結晶」で任意の味方にスター発生率UPを付与してクリティカルスターを稼ぎ
  2. 「竜種改造」でBuster威力、「原初のルーン(戦士)」でクリティカルを威力をそれぞれ強化し
  3.  強烈なバスタークリティカルを敵にお見舞いする
……という、サービス開始3周年を目前にして実装されたとは思えないほどにシンプルなスキル構成。
クリティカル威力強化は3回しか発動しない回数制だが、Buster強化ともどもマーリンの「英雄作成」に匹敵する倍率を誇る。当然、重ね掛けすればただでさえ高い火力が倍増する。

宝具は[竜]特攻効果を持つ超強力な単体攻撃。OCで特攻倍率が上がる。
2020夏実装の強化クエストで基本威力の向上とチャージ減少の追加効果がついた。

☆5内では低めのHPに加えて、無敵や防御バフ、回復を持たないので耐久面に不安があるが、「竜種改造」に愛を証明するためのガッツ効果が付いている。回復量はスキルレベルによらず1000固定。
ただし、このガッツのせいか「魔力放出」よりも再使用までのターン数が長いので、長期戦では注意が必要。
なお、「叡智の結晶」は1ターンの弱体無効状態も同時に付与できるため、敵がデバフを連発してくるクエストでは、思わぬ場面で役に立つかもしれない。

最大の欠点は、スター集中効果のスキルを持たないこと。スターを集めてバスターで殴る戦法を主軸とする上で、これは大きな障害となる。
安定してダメージを出すためには、編成を工夫してスターを偏らせる、礼装で集中率を上げる、スターを飽和させる、などの対策が必須。
ブリュンヒルデなら「英雄の介添」でスター集中の補助をしつつクリティカル威力の上乗せが可能で、ランサー相手であれば弱点も突かれない。コストと相談して同時編成する価値はある。性能面でもつくづくニクい男である。

スキル強化素材は高レアにしては優しい方であるが、レベル8→9で新素材の「巨人の指輪」を24個要求される。



ストーリークエストでは上記の通り敵として登場し、実に6回も戦うことになる。ストーリーが進むにつれて再臨していくため、全ての段階の戦闘グラフィックが見られる。

エネミーとして登場した場合、「叡智の結晶」はクリティカル発生率UPのスキルと化すため、強烈なクリティカルを高頻度で打ち込んでくる。
更に後半戦で追加される解除不能バフ「竜黒点」でクリティカル威力が一層上がるので、相性有利のアーチャーであっても予断を許さない戦いを強いられる。5戦目はランサーのオルトリンデと同時に相手にするので、特に危険。

おまけに、亜種特異点IIIと同様の編成制限まであり、4戦目では手持ちのマシュ、5・6戦目ではNPCのナポレオンまたはブリュンヒルデを、先発3枠のいずれかに編成しなければならない。
が、今回はNPCサポートの特攻がいずれもシグルドに有効だったり、ナポレオンに限ってはクラス相性まで有利だったり、戦闘中のギミックで敵にデバフが入ったりするため、それほど難易度は上がらない。

男性セイバーのサガで、男性特攻を持つエウリュアレオリオンで大ダメージを狙える。とはいえ、「精神異常無効」の解除不能バフを常に所持しているため、魅了で行動回数を減らすことはできない。
オフェリアへの(一方的な)愛で女神の誘惑すら跳ねのけるスルト君、流石である

余談

  • 登場自体は2018年の7月だが、大まかなキャラ造形は以前から決まっていたらしく、『蒼銀のフラグメンツ』の回想シーンで既に堅苦しい口調を披露している。
  • 『FGO』においても、ブリュンヒルデの幕間の物語やバレンタインイベントにて、シグルドが生前から眼鏡をかけていたことがちょくちょく示唆されていた。
  • 知名度も実力も申し分なく、頭脳も明晰で、聖杯への願いや過度な自己主張がなく余程ねじ曲がったマスターでなければ諍いも起こりにくい。通常の聖杯戦争なら確実に優勝候補の一角たり得る存在であり、オフェリアの指名も納得の強サーヴァントである。

追記・修正は愛する人の槍を耐えてからお願いします。

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最終更新:2024年04月05日 17:58